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日( )

2002年11月10日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 再び朝の秋ヶ瀬公園を歩いてきた。きのこの発生状況は昨日と全く変わりないが、いくつかのきのこを撮影して観察用にサンプルを持ち帰った。ハタケチャダイゴケ(a)の周辺は飛び出したペリジオールが多数絡み付いている(b)。よく見るとペリジオールのヘソの緒が白い紐のようにみえている。小型菌3種類(c〜e)はまだ調べていないが、いずれもウッドチップから発生しており、根元には白い根毛のような菌糸が見られる。一見したところナヨタケ属やらクリタケ属のようにみえるが、今はなんともいえない。念のために胞子紋もとってみることにした。
 チャダイゴケを観察していると、そのすぐ脇の老菌の近くにカマキリが白い菌に侵されて転がっていた(f)。体節を切ってみると内部にも白い菌糸が一面に詰まっていた。バッカクキンに侵されてしまったのだろうか。

2002年11月9日()
 
 早朝、秋ヶ瀬公園までいってみたが、きのこの姿がほとんどない。ウッドチップからハタケチャダイゴケ、フミズキタケ属(Agrocybe)のきのこ、ヒトヨタケ科のきのこがかろうじて見られるのみだった。硬いきのこも非常に少ない。結局デジカメの出番は全くなかった。帰宅後は知人から昨日もらった原木栽培のナメコを顕微鏡で覗いていた。長径5μm程度の小さな胞子なので、目で見る分にはよいのだが、デジカメで写すとなると、これがなかなか明瞭な姿を得られない。これからの関東地方は乾燥した日々が続くので、近場や都内の公園ではほとんどきのこの姿はみられなくなる。

2002年11月8日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 海辺の松林に行くと必ずといってよいほど見られる小さなきのこ(a, b)がある。今年も10月、11月に同じように見られた。周辺にはササタケが多数でるので、もしかしたらその幼菌なのかもしれないとは思っていたが、これまでは特に採取しての観察は全くしなかった。この時期松林に入るともっぱら他のきのこに注意がいっているからだ。
 他にきのこがあまり無かったこともあり、この小さなきのこを持ち帰った。胞子紋(c)は傘をスライドグラスとカバーグラスにそのまま伏せてとった。カバーグラスにとった胞子紋を顕微鏡で覗くと(d)、表面が小さなイボに覆われている。念のためにヒダにKOHをかけてみたが変色しない。オオササタケの線はこれで消えた。念のためにひだ切片(e)を切り出して観察してみると、クランプがあり、シスチジアは無い。担子器(f)にはこれといった特徴もない。胞子サイズや表面模様、色素などもあわせて判断すると、このきのこはササタケとしてよさそうだ。

2002年11月7日(木)
 
生残った検鏡データアップ開始
 
 9月初旬にクラッカーの手によって自宅ハードディスク内容を破壊されてしまい、生態写真の50%程度と検鏡データの90%以上を失ってしまった(9月8日付「今日の雑記」)。検鏡データのうちCD-Rにバックアップをとってあったものは200数種類に過ぎなかった。800種以上の検鏡データは二度と戻ってこない。今後に備えて自宅PC以外にネット上にも検鏡データを残しておくことにした。

Microscopic Features of Fungi

 上記仮サイトは、自宅データベースから生残った検鏡データの一部を適宜拾い出してプロバイダのサーバー上にアップロードしただけなので、見栄えなどは一切考慮されていない。いわば非常にダサいデザインであるが、とりあえず「キノコのフォトアルバム」と同一の形式にした。
 今日現在まだ43種類ほどだが、生残ったものから徐々に数を増やしていくことにしよう。できの悪い映像がかなりあるので、これらは徐々に差し替えていくことになる。

2002年11月6日(水)
 
[画像ファイルなど非表示のおそれ]
 
 プロバイダ(ISP)の一つから連絡があり、今月中に名称(URL)を変更するという。12月1日からは今のURLのままではリンク切れのエラーがでてファイル内容が表示されなくなってしまう。今現在(2002.11.6)いくつかのプロバイダにおいてあるすべてのファイルを合計すると、17,676ファイルにもなっていた。いつの間にかここまで膨れ上がっていた。昨年の11月にも同じようなことがあった。生き残りをかけてのプロバイダの統廃合はまだしばらく続くことだろう。
 今回名称変更をするというプロバイダにはそのうちの8,667ファイルを置いてある。したがってそれ以外の9,009ファイルについて、そのリンク先として指定してある当該プロバイダのURLをすべて修正しなくてはならない。考えただけでもうんざりする作業だ。プログラムを書いて95%は機械的に一律変更の予定だが、残り5%は手作業での修正となる。そんなわけでしばらくの間は、一部画像が正しく表示されなかったり、リンク切れなどが生ずるかもしれない。
 昨日の朝、都内小金井周辺と小平周辺の自然公園を回ってみたが、きのこの姿はほとんど見られなかった。結局カメラを取り出すチャンスは全くなかった。

2002年11月5日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 11月3日は九十九里浜南部でコナガエノアカカゴタケの観察を済ませた後、茨城県の波崎町、鉾田町まで足を伸ばした。松林には相変わらずチチアワタケ(a)、テングタケ類、カキシメジなどが多数みられたが、シモコシは1本も見つからなかった。これは10日前の状況と同じだ。
 マツバハリタケ(b〜d)は前回よりもさらに多数を確認したので、その一部(c)は収穫した。周囲にはアカヤマタケやらマツカサタケ(e)、ニセマツカサシメジ、マツカサキノコモドキなども見られた。浜辺のきのこではスナヤマチャワンタケ(f)以外には何も見られなかった。例年ならばスナジクズタケなどがでているのだが、今回は1本もみられなかった。
 夜、マツバハリタケを付け焼きにして酒の肴にして食べた。このキノコはとても香りが良いので、炊込みご飯にしたり鍋物などに入れても案外美味しく食べられる。

2002年11月4日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 砂浜の定点観察に行ってきた。先月24日(10/25付今日の雑記)には、は主たる観察対象のコナガエノアカカゴタケが180本以上も発生していたので、やや観察の頻度を上げて10日後の昨日、再び同じ場所にいってみたものだ。この間、浜辺観察仲間の坂本氏が10/27日に同地を訪れて28本の個体と多数の卵を観察されている。
 10/24日は発生のピークだったようだ。この後急激に個体数は減り、昨日は当日発生と思われる個体(a, b)は4本、数日前に発生したと思える個体(c)25本、卵(d, e)を12個確認した。このほかにも、カウントしなかったがサーファーに踏み潰された状態のものが多数あったので、実際の発生数はこの倍以上あったと思われる。
 (b)の個体は一つの卵から3本以上の柄を伸ばした奇妙な姿をしていた。また(d)の卵は砂浜から掘り出して撮影したものだが、卵の下半分が緑色を帯びて非常に印象的な色をしてた。切断してみると卵表面を取り巻いているゼラチン質の部分が緑色を帯びている。この部分が表面の白い薄皮を通して見えていたのだろう。それにしても早朝からあまりにも多くのサーファーがあふれているのには驚いた。多数の車でごった返しており、車を駐車する場所にもひどく難儀した。

2002年11月3日()
 
 顕微鏡の対物レンズは、標準のカバーグラス(0.17mm厚)を使ったとき本来の解像度が発揮されるよう設計されているという。対物レンズにはカバーグラスの厚みが厳格に指定され、40倍鏡筒には普通0.17という数値が刻印されている。
 早朝、再びシロフクロタケの胞子を材料にして、水を使わないで見た場合と、たっぷり水を使ってカバーグラスを載せて見た場合の、見え方の違いを確認した。
 
シロフクロタケ胞子
対物レンズ 40倍

 
カバーグラスも
水も使わず →
(a)
(a)
カバーグラスと
水をたっぷり使用 →
(b)
(b)
カバーグラスだけ使用 (c)
(c)
← カバーグラスに胞子紋をとり、そのままひっくり返してスライドグラスに載せて撮影
 最初にスライドグラスに胞子を落下させ、そのまま対物40倍で見た(a)。あえて専用のノーカバー対物レンズを使わずに、普通の対物レンズを使った。次に対物40倍レンズはそのままに、水でマウントしてカバーグラスをかけて覗いた(b)。こうやって比べてみるとずいぶん違うものだ。
 図鑑類に記述されている胞子の形は、水などを使いカバーグラスをかけてみたときの姿形が掲載されている。だから(a)の方法では胞子サイズや形を図鑑などと照合しても、正確な判断は難しい。ただ、時にとても興味深い姿を見ることができる。参考のために、カバーグラスに採った胞子をそのままスライドグラス上にひっくり返して置いた状態でみた(c)ものも掲げた。

2002年11月2日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
 早朝、さいたま市の見沼地区にいってみたが、このところの乾燥続きのせいかきのこの姿はほとんど無い。ただウッドチップにだけは多数のネナガノヒトヨタケ(a)、ワタヒトヨタケ?(b)がみられた。複数の動物の糞堆や、競馬場周辺の馬糞堆なども見たが、ここでも糞生菌類はほとんど見られなかった。昨年の今頃はカキノミタケなどが見られたのが嘘のようだ。数日前小さな幼菌だったコムラサキシメジはやや大きくなったもののすっかり干からびてしまった(c)。
 今朝の足は四輪車だったせいもあり、小回りがきかず一ヶ所に車を置き、もっぱらその周辺だけしか歩けなかった。かといって、自転車だと片道だけで1時間以上かかってしまい、朝食前に戻ってくるのは困難だ。バイクなら15分もあれば楽に行かれるのに、それが使えなくなったことによって、観察範囲は大幅に縮小されることになってしまった。

2002年11月1日(金)
 
カラマツシメジ (a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
シロフクロタケ (e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
 早朝、先日採取したカラマツシメジなど傘と柄をもったきのこをあらためて検鏡して撮影した。最初ヒダ切片(a)を切り出して、倍率を上げてヒダの先端やふちをじっくり追いかけてみた。何枚かのヒダを切り出してみたが、そのどれにもシスチジアは見つからない。胞子(b)は非アミロイド(c)で、担子器(d)は小さく、染色しないとかなりみにくい。
 次にシロフクロタケを撮影した。こちらは、ヒダ切片を低倍率でみただけでも大きなシスチジアが多数みられる。×400でみると側シスチジア(e)はとても大きい。担子器(f)、胞子(g)はカラマツシメジなどに比べると大きくて見やすい。
 「キノコのフォトアルバム」のオオムラサキアンズタケシャグマアミガサタケに文章を追加した。
 

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