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日( )

2002年4月10日(水)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 川口市ではアミガサタケ(a〜c)が最盛期だが、小雨のせいで全体に小さい。ジンガサタケ(d〜f)も相変わらずよく出ている。さいたま市の見沼田圃も全般的に乾燥気味できのこの姿は少ない。早朝にはヒトヨタケの仲間が4,5種類でるが日が昇るとすぐに溶けたりしぼんでしまう。傘がカール(g)するヒトヨタケ類はよくよくみるととても綺麗だ。ウッドチップには変形菌(h〜l)らしき生き物がうようよしている。アメーバー状のものから子実体のようなものまで出そろっている。大きなものでは30cm×45cmほどある。ちなみに(h)〜(l)はすべて同一種で成長段階が異なるだけのものらしい。

2002年4月9日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 所沢市や川越市の保護林もすっかり乾ききっていて、きのこの姿はとても少ない。ヒトクチタケ(a〜c)におかされた松が非常に目立つのも今年の特徴だ。ちょっとみても4,5本はあった。クロコブタケ(d)は干からびても姿は変わらないが、タマキクラゲやらキクラゲは見る影もない。スエヒロタケ、エゴノキタケ、チャカイガラタケ、ヒイロタケ、カワウソタケ類似菌などの硬質菌は元気がよい。
 3月31日に笠間市から持ち帰った小さなピンク色のHymenoscyphus sp.を自宅の茶碗の中で育てていたが、なんとか普通の大きさにまで育った。(e, f)のような形になったチャワンタケだが、持ち帰ったときには小さな白い塊だった。ホストのドングリはどうやらアカガシらしい。切片をつくって顕微鏡で覗いて見ても、明瞭な胞子嚢が見つからない。大きさこそ自然のものと同じになったが、まだ十分に成熟していないのだろう。黴やら他の細菌に冒され始めたのでこれ以上の観察はあきらめることにした。

2002年4月8日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 埼玉県南部ではあちこちの梅林でハルシメジ(a〜c)が次々に出てきた。乾燥気味の日々が続いたせいだろうか、大きくなれずに若いうちから傘にひび割れを生じているものがとても多い。このあたりでは今週末あたりがハルシメジの最盛期となりそうだ。雑木林ではアミスギタケ(d, e)やキクラゲ(f)、アラゲキクラゲなどがいたるところに発生している。(f)のキクラゲの姿をみると、まさに「木耳」という表現が言い得て妙だ。エノキタケには7,8ヵ所で出会ったが、そのすべてが干からびていた。
 菌学教育研究会の布村公一氏から、今年2月に行われた講座内容のテキスト在庫明細が届いたので科博菌学講座テキスト一覧に新たに12点を追加した。ここ3日ほどの間に50数冊の注文がきたとのことだが、増刷りなどの関係もあり、発送までしばらくの時間的猶予がほしいという。

2002年4月7日()
 
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 昨日の午後再び野生の桑の樹下を尋ねた。6月4日の雑記でとりあげたキツネノワンはこのところの乾燥でかなり干からびてしまったが、草むらの中には新鮮なものが(b〜e)がいくつもでていた。大きなものは盤径2cmほどあった。場所によってはあちこちに多数出ている。踏みつぶさないように採取したり、撮影しようと思うからだろうか、まるでまるで地雷原を進むようだった。

2002年4月6日()
 
(a)
(a)
 早朝、近くの梅林まで自転車ででかけてハルシメジを2つばかり採取してきた。胞子(a)を覗くのが目的だ。五〜六角形で9〜11.5×8〜9μmほどの大きさだ。イッポンシメジ科のきのこの胞子はいつみても飽きない。
 このページをご覧になっている方なら、年2回科学博物館新宿分館で行われている菌学講座については知らない方はおるまい。大学に菌学の基礎論や専門講座がほとんどない現在、唯一系統的に菌類の分類などについて学べる貴重な機会だと思う。これまで、この場でも何度か日程・テーマなどの紹介をしたこともあるが、平日に東京で行われるため参加したくてもなかなか難しい。そんな方々のために、過去の講演テーマやテキストなどについてまとまった形で紹介しておくのも無駄ではあるまい。そこできのこの話題に菌学教育研究会のご厚意により科博菌学講座テキスト一覧を追加した。

2002年4月5日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 久々に顕微鏡用のスライドグラス(b, c)を購入した。購入先が都内なので電車を使ったのだが、これが失敗だった。数枚のスライドグラスならほとんど重さを感じないのだが2000枚となると13kg超となる。これをかかえたままでのきのこ観察はかなりしんどい。都内のポイントを2ヵ所回るつもりだったのだが、結局購入後はすごすごとそのまま帰宅することになった。(b)の各ケースはそれぞれスライドグラスが100枚入っている。
 胞子紋採りにスライドグラスも使っている(a)ので年間消費量はかなりの量となる。これは使い回しがきかないので、普通の小売価格で購入していたらとても経済的に持たない。都内の理化学機器店やDIYショップなどで購入すると1枚15〜30円もするが、卸価格で購入すればたったの3〜7円である。おのずと1000枚単位での購入となる。
 写真の(c)をみて分かるようにスライドグラスの厚みによって同じ100枚でもこんなに違う。胞子紋採りには厚手1.2〜1.5mmを、検鏡用には薄手0.9〜1.2mmを使っている。
 先日採取したアミガサタケは検鏡したものも一緒にして、タマゴと野菜で炒めて夕食のおかずとなった。昨日採取したハルシメジは味噌汁に入れて食べた。

2002年4月4日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(u)
(u)
 川口市でも野生のマグワは随分少なくなってしまったが、しぶとく生き残っている樹下には多数のキツネノワン(a〜d)がでている。キツネノワンは菌核菌の中ではかなり大きい。(d)の完熟個体からは風で胞子がみごとに舞い上がる。
 さいたま市にもハルシメジ(u)が出てきた。am5:30に撮影したのだが北風が強くて難儀した。梅などの樹下にでるタイプだが、本番はこれからだろう。
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
 休耕田の荒れ地に多数のハタケキノコらしき姿があったので撮影して(e)、傘をひっくり返してみた(f)。傘表面を濡らしてみたり、柄(g)やら根元(h)をみているうちに、どうやらハタケキノコにしてはおかしい。傘には明瞭な条線があり濡らしても全くヌメリがない。根元には少しだけ白毛があるが根状菌糸束はない。柄の中心には随はある。胞子紋(i)をとってみるとどうやらフミヅキタケ属(Agrocybe)には間違いない。でも「小麦粉のような臭い」など全くない。外観からの観察ではこれ以上はわからない。顕微鏡でどこまで分かるのだろうか。
 (e)のAgrocybe sp.のヒダ切片(j)から側シスチジアを探すがほとんどない。これはハタケキノコの特徴に合致する。しかし、胞子(k)が7.5〜9.0×4.5〜5.5μmでヒトヨタケ科のコナヨタケ(Psathyrella obtusata)のサイズに近く、ハタケキノコやオキナタケなどより一回り小さい。おまけに担子器(l, m)はすべて2担子型だ。焦点位置をいろいろに変えて見るがどの担子器も2つしか担子柄がない。ヒダの実質が(n)だが、ここにはクランプはない。もっともクランプに関してはヒダ以外の部分も探さねばならないかもしれない。
 当初はアルバムのハタケキノコに追加するつもりだったが、結局これもまた不明種としてお蔵入りとなりそうだ。毎回大部分はこういった運命を辿るのだから。

2002年4月3日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
 さいたま市見沼地区ではウスベニイタチタケ(a〜c)が最盛期だ。ところによっては足の踏み場も無いほどの大発生をしている。幼菌と日向の成菌とではまるで別の菌のようにその姿が豹変する。柄の根元には白毛(d)が多数ついている。ヒダ(e)はやや疎で、しばしば波状に脈打っている。胞子(f)は10.5〜12.5×6〜7.5μm。
 オオチャワンタケ(g)らしき菌もあちこちに多数でている。アミガサタケ(h, i)はどうやら大きくなれずにしぼんでしまいそうな気配だ。撮影していてふと足下にひんやりするものがさわったので振り返ると2メートルほどのヘビ(j, k)だった。ウスベニイタチタケのそばにいたカエルを狙っている様子で、20cmほどの距離に近づいてもいっこうに逃げる気配はなかった。
 夕方、与野のニガクリ(小林)さんから連絡をいただいた。ハルシメジがでてきたということだ。明日にでも行ってみよう。

2002年4月2日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 川口市でもアミガサタケ(e, f)が出てきた。少し早く銀杏樹下などに出るトガリ系アミガサタケ(ブラックモレル)に対して、俗にホワイト(イエロー)モレルともいわれるタイプだ。両者は頭部の色が随分違うが、ブラックもホワイトも食感に違いはない。
 桑の花が咲き出したので樹下をみるとキンカクキン(a〜d)がでている。キツネノワンだろう。まだキツネノヤリタケはでていないのか、見つからなかった。

2002年4月1日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 昨日のカシタケの補足をしておこう。栃木県で代表的な食菌といえばなんといってもチダケ(チチタケ)であろう。茨城県でそれとほぼ同格の美味しいきのことして知られているのがシイダンゴ(カシタケ)ではあるまいか。同じベニタケ科のきのこであるが、カシタケはチチタケと違って春に出る。カシタケにもシロがあるが、ちょっと見たところ落葉以外何も見えない。落葉のわずかなふくらみをそっと持ち上げるとまん丸い団子のような形の美しい姿(a)が次々に顔を出す。赤色、ピンク色、紫色と実に鮮やかな色をしている。さらに落葉を取り除くと(b)のように柄がみえてくる。
 昨日美しい姿を見せてくれたものにシロキクラゲ(c)があったが、春は最も多くのキクラゲ類に出会える季節だろう。どうにも分からなかったのが(d)の小さなきのこだ。高さ3cmほどで全体がビロード状を帯びている。イボタケ科のきのこの幼菌なのだろうか。

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