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このところの見沼地区ではヒトヨタケ科のきのこや、ハタケキノコ、ツマミタケ、キツネノタイマツ、ツブカラカサタケ、ハタケチャダイゴケなどを見るばかりだ。昨年まではもっといろいろと夏のきのこが出ていたように思う。 いつも同じキノコばかり見るので、クズヒトヨタケ(a, b)、ザラエノヒトヨタケ(c, d)を下から見上げる形で撮影して気分転換をしてみた。地面を少し掘ってカメラがおさまる穴をあけてそこから撮影した。撮影を終えるとカメラには赤いダニが無数についていた。 先に採取したヤグラタケを顕微鏡で覗いた。傘表面に出来る厚膜胞子(e)は大きくまるでコンペイ トウのような形をしている。それに対して担子胞子(f)は小さくて、その数も相対的に少 ない。この写真ではたったひとつしか写っていない。ヒダ切片(g)を切り出して担子器(h)を見たが、まだ十分に育っていなかった。担子器や担子胞子が十分に育つ頃には、傘表面はすっかり厚膜胞子におおわれてまるで粉をまぶしたような状態となる。 |
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7/18(k, l)のハラタケ科のきのこを最初に見たとき「何だろう?」というのが正直なところだった。帰宅してビールを飲みながら試薬反応・検鏡をした結果、アカキツネガサの白っぽいタイプだろう、と判断した。その折りの簡易顕微鏡による観察結果が(a)〜(c)だ。(a)は縁シスチジア、(b)は担子器、(c)は胞子でスケールは1目盛りが1μmだ。 雨の公園ではアセタケの仲間がいろいろ出ていたが、コナラ・クヌギ林で目に付いたのが(d〜g)だった。一見してキヌハダトマヤタケのように見えたのだが、引っこ抜いてみると柄の根元にふくらみは全くない。ヒダ切片(h)をあちこちから切り出して、それを拡大して(i)さんざん探すも側シスチジアはない。縁シスチジア(j)は薄膜でどのヒダにもある。担子器(k)には4つの担子柄がある。胞子(l)も特に特徴はない。傘表皮、柄の上部・中部・下部の表皮などを検鏡したところどうやらザラツキトマヤタケ節のアセタケにはまちがいない。多分これは、オオキヌハダトマヤタケだろう。 毎度感じさせられることだが、アセタケの仲間は外見だけでは同定できない。昔、きのこ観察会の場で「これはオオキヌハダトマヤタケです、その特徴は.....。これはキヌハダニセトマヤタケだと思います。特徴としては....があります、などと現物を高く掲げて参加者に説明したことがあるが、今考えると恥ずかしい限りだ。きのこは微生物である。微生物を観察するには、顕微鏡による観察を抜きには語れない。 |
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海辺の定点観測に行ってきた。いくつかの腹菌類の発生状況の観察が目的だ。いつものように外房九十九里の浜を何ヶ所か回ってきたが、コナガエノアカカゴタケをはじめ観察対象のきのこは全く発生していなかった。相変わらずイネ科植物の根本にはMarasmiellusの仲間らしきキノコ(a, b)が無数にでている。(a)はそのまま、(b)は砂を落とした状態で撮影した。 熱暑の砂浜から黒松の林に入ると、シロオオハラタケ(c, d)、ヤグラタケ(e, f)がいくつも出ていた。帰路、海辺を少し離れたやや内陸の公園に寄ってみると、暗いタブの木の洞のなかにマユハキタケ(g, h)が出ている。このきのこはほぼ通年みられるようだ。雨の公園ではあちこちに白いきのこがみえる。ドクツルタケ(i)、コタマゴテングタケ?(j)らしい。タマゴタケもいくつも見られたがいずれもややバクサレ気味だった。径脇の斜面からはアセタケなどに混じってアカキツネガサの白タイプ(k, l)がでていた。 それにしても夏の浜辺の観察は辛い。浜を離れて林にはいるとホットする。 |
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台風が通過した後、1時間ほどさいたま市の秋ヶ瀬公園を歩いてみた。ここは、先の雨台風ですっかり冠水して見る影もない状態となった公園だ。全般的に芝生や生け垣が泥に汚れて悲惨な状態だが、そんな中でも発生するきのこはあった。コナヨタケのようにみえた小さなきのこ(a, b)は縁シスチジア(c)、担子器(d)、胞子(e)などを観察してみると、どうやらイタチタケのようだ。写真のものは傘径が10〜15mm程度しかないが完全な成菌で、冠水した地面の倒木からでていた。アンズタケ(f, g)はいたるところにたくましく多数発生している。ヒダ(h)、担子器(i)、胞子(j)を見たのは久しぶりだった。これらのアンズタケは、水没した枯葉の中から出ていた。さらに逞しいのがハタケチャダイゴケ(k, l)だった。冠水ウッドチップのいたるところから若い菌を発生させている。他にもアセタケ類3,4種、ヒトヨタケ科のきのこが数種類、オキナタケ科のきのこ2種類ほどをみることができた。 | |||||||||||||
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今日の話題はパソコンである。飯の種であるテキスト処理の仕事をしたり、「きのこ雑記」を維持していくためにも、メインPCを従前のようにまともに使えるようにしなくてはならない。この作業のために昨日は結局きのことは全く無縁の一日となってしまった。 クラッシュしてしまったハードディスク(10GB)だけを交換して、新たにLinux環境を整えればパソコンを再び以前のように使えるようになると思っていた。キーボードも作業途中で全く反応しなくなってしまった。調べてみるとコードの断線だった。さらにフロッピードライブも故障で使えなかった。購入時のメモを見ると、今現在メインパソコンとして使用していたPCは、1998年10月から少しずつ部品購入を開始して、最終的には1999年5月に組み立てたものだった。満三年でほころびが出始めたことになる。 80GBという大容量のHDDと、フロッピードライブ、光学マウスを購入してきた。ところがHDDを32GBまでしか認識してくれない。BIOSのアップデートをしても結果はおなじだった。古いマザーボードゆえ、最新のバイオス・アップデートでも「32GBの壁」をクリアできないらしい。やむなく、このHDDは32GBのものとして使うことにした。 今日のところは基本となるOS(Laser5Linux7.2)をインストールするところまでも到達できなかった。インストール後にもSambaの設定、Sendmailの設定、グラフィック環境の整備、LAN環境の整備、各種フリーソフトのコンパイルなど面倒な作業がいろいろある。さらに面倒なのがPerlスクリプトとシェルスクリプトの作成だ。明日はどこまで作業できるのだろうか。Windowsも毛嫌いするばかりでなく、受け入れて慣れなくてはなるまい。 |
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ここ数日中に採取したきのこの胞子の姿をとりあげた。掲載の写真はすべて同一縮尺でスケール(1目盛りが1μm)はすべての写真に共通する。 キコガサタケ(a)は小さなきのこなのに胞子は大きい。ザラミノヒトヨタケ(b, c)は毎回うまく撮影できない。シロケシメジモドキ(d, e)は1円玉を使って暗視野斜光照明(e)にして遊んだ。ムラサキヤマドリ(f)とミドリニガイグチ(g)は胞子の形は似ているが、大きさが異なる。チャコブタケ(h, i)はメルツァー液で胞子嚢先端がリング状に青く染まる。未成熟な胞子嚢(i)でも成熟した胞子嚢(h)でもこの反応は同様だ。オニイグチモドキ(j)の胞子は表面の模様がおもしろい。 メインパソコンのOSであるLinuxのハードディスクがクラッシュしてしまった。とりあえず、サブマシン(Windows2000)を使うことにしたが、日常使い慣れていたLinuxが使えなくなったのは非常に痛い。システムのバックアップをとっておかなかったので、再びゼロから再構築しなくてはならない。HP維持専用のシェルスクリプトやらPerlスクリプトも一緒に吹っ飛んでしまった。「今日の雑記」の作成や、「キノコのフォトアルバム」の検索リスト作成などもPerlとシェルスクリプトを使っていたのだが、緊急にWindows2000のコマンドラインで動かす応急処置のバッチを作成した。しかし、Windowsの悲しさ、このバッチでPerlを動かすと、処理にとても長い時間はかかるし、常駐アプリをすべて終了させておかないと、メモリ不足でWindows本体が転けてしまう。しばしはこのバッチで乗り切り、その間にLinux環境を整備しなくてはならない。あぁ〜気が重い。 |
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早朝さいたま市の見沼田圃に行ってきた。芝生のあちこちからキコガサタケ(a, b)がでている。キツネノタイマツ(c)は頭部のグレバ部分のみが落ちて尖った棒状の個体が多かった。ツマミタケ(d)のような菌が道ばたに水平にいくつもでていた。草ぼうぼうに生えたチップの端ではツブカラカサタケ(e, f)が綺麗な姿を見せている。ヒトヨタケ科のきのこは相変わらず7,8種類が見られたが、久しぶりに撮影したのがビロードヒトヨタケ(g)とザラミノヒトヨタケ(h)だった。ハタケキノコ、ツバナシフミズキタケなどは相変わらずでている。アンズタケ(i)、マンネンタケ(j)等もみられた。 竹林や馬糞跡などもまわってみたが、ドクカラカサタケ、ワライタケなどのきのこはでていなかった。キクラゲ、アラゲキクラゲはどこへ行ってもみることができた。 |
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富士山北面の林道はほとんどが閉鎖されている。標高1200メートル以上の一帯はまだきのこはほとんど見られない。富士山がダメなので、松姫峠を越えて奥多摩に転身したが、ここでも意外ときのこが少なかった。途中の松姫峠でもきのこの姿はほとんどない。 奥多摩湖周辺を歩いてみると、オニイグチモドキ(a, b)、チャコブタケ(g, h)、クロハナビラニカワタケ(i)などがでていた。ウスキモミウラモドキかと思った黄色いきのこ(e)は検鏡してみると胞子が六面体(f)をなしている。ということは、イボこそないがこれはキイボカサタケのようだ。 三頭山頂上近辺ではシロケシメジモドキ(c, d)とマスタケ(j)くらいしか見られなかった。ブナ倒木や立ち枯れにはほとんどきのこが発生していなかった。なお、径脇の崖にコショウイグチらしきものがいくつもでていたが、足場が悪くて撮影はできなかった。 |
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昨日、川越に行ってみるとムラサキヤマドリタケ(a〜c)をはじめイグチの仲間がいろいろ出ていた。ヤマドリタケの仲間ばかりをスーパーのポリ袋いっぱいに採取している人などもいて、今が最盛期のようだった。残ったヤマドリタケモドキ(d〜f)は幼菌(f)とバクサレ気味の成菌ばかりだった。これも食べ頃のものはきのこ狩りの人たちの手に落ちた様子だった。アカヤマドリ(g)は幼菌1個体に出会っただけだった。どこにでも目立ったのがミドリニガイグチ(h, i)だった。他にもいくつかイグチの仲間がでていた。 ベニタケ属・チチタケ属も何種類かが出始めた。数は少ないがチチタケ(j, k)も顔を出している。チチタケ狩りの人たちも入っていた。ベニタケ科のきのこはクサハツ、オキナクサハツ、ヒビワレシロハツ、ドクベニタケ類似菌、カワリハツ類似菌などが目立ったが、なぜかクロハツが全くでていない。例年ならヤグラタケが最盛期のはずなのだ。 テングタケ科のきのこは昨日の雨で泥をまといすっかり汚れて種の同定すら難しい状態のものが多かったが、テングタケ(l)をはじめ5,6種類がみられた。 まったくの偶然だったがきのこ屋(高橋)さんにバッタリであった。互いにいくつかの検鏡用資料を採取して、秋ヶ瀬公園に寄ってみるというきのこ屋さんとは駐車場で別れた。 |
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台風が昨夜通過した。am4:30には空がすっきりと晴れ上がって富士山も綺麗にみえている。たっぷりと雨をもたらしてくれたので、明後日あたりにはいろいろなきのこがでてくることだろう。やっと新しいデジカメも出番がきそうだ。 平成13年度の「熊本きのこ会年報(平成14年7月1日刊)」(a)を見せていただいた。充実した内容で資料的価値の大きなものだ。本郷次雄先生の「興味深いきのこ」、吉見昭一先生の「地下生菌 主として子のう菌」は興味深く読むことができた。特に吉見先生のツチダンゴ属の検索表と図版はとてもありがたい。 先日購入した新しいデジカメ(Nikon CoolPix4500)はまだ全く出番がないので使い勝手などはよくわからない。ただ、気になることがある。裏面の液晶のサイズ(b)だ。手元にあるCoolPix950[下]、990[中]と4500[上]を並べてみると、4500の液晶画面は950の60%程度にまで小さくなっている。日常使用の大部分がマクロなので、液晶画面が小さいことはピント合わせをさらに難しくしそうだ。また、995と同様に専用バッテリー仕様なので、市販の充電式電池が使えないのも痛い。さらに、三脚ネジ穴が再びプラスチックに戻ってしまい、悪いことに穴位置も回転部側に寄ってしまった(c)。このためネジ穴がすぐに甘くなるし、三脚に取り付けた状態ではレンズ部の回転ができなくなった。改良部分がこれらの問題をものともしないほどよい仕上がりになっていることを期待するばかりだ。 |
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