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一年以上も忘れたまま放置していた [Intel Play QX3 マイクロスコープ] がでてきた。ポリ袋をかぶせた状態で保存してあり、取扱説明書やインストール用CD-ROMも無事だった。説明書に「対象年齢 6歳以上」とあるように、これは本来は子供用のおもちゃである。Windows専用で10倍、60倍、200倍の3つのモードをもっている。しかし、ハエやダニなどのミクロの姿などを楽しめるのは60倍までで、200倍になるとやや不鮮明になる。したがってきのこのシスチジアや胞子を観察するのには使えない。かつて外泊時にノートパソコンにUSBで接続して、一度だけ使ったことがあった。それ以外に使った記憶は無い。いわばディスプレイに表示する実体鏡である。 このQX3ですが、使うこともないので「顕微鏡下の素顔」のカウンタ700番を踏んだ方にプレゼントします。ただしケース・付属のプラスチック製ピンセットなどはありません。E-mailで自己申請してください。送料を負担していただくことが唯一の条件です。 |
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昨日に引き続いて、セイタカイグチの胞子を水でマウントして6台の顕微鏡で見え方を比べてみた。すぐに水が蒸発してなくなってしまうので、何度も補水しながらの作業となり、思いのほか時間がかかる。胞子写真の並び順は昨日同様、顕微鏡並び順(1月7日雑記)と同じである。 こうやって並べてみるとオリンパスの単眼簡易顕微鏡(1/7 a)が意外と奮闘していることがわかる。安物の簡易照明ゆえケーラー照明はできない。撮影データこそやや不鮮明に見えるが、肉眼で見る限り他の顕微鏡と比較して遜色はない。これまでの「雑記」における写真の大半はオリンパス単眼によるものだ。小型で軽く食卓の上でもどこでもちょっと持っていって気楽に観察・撮影できるので、今日の雑記の顕微鏡写真は今後もこれがメインとなるだろう。 しかし「顕微鏡下の素顔」の写真は根本的に考え直さなくてはならないと思う。現在のものはほとんどがオリンパス単眼で油浸100倍を使って撮影したものなので、今年からはあらためて解像度の良い顕微鏡を使って撮影し、少しずつ鮮明な画像に差し替えていきたい。 預かりもののオリンパスの三眼(1/7 d)はかなり古い機種だが、非常に鮮明な像を得ることができる。またせっかくのプランアポ(1/7 f)だが、まだ取り扱いに慣れていないため、その性能を十分に発揮していない。肉眼では極端に見えが良いのだが、今回の撮影データでは他の機種と顕著な差異はない。ただ、これは眼の疲れ方がまるで違って楽である。 |
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セイタカイグチの胞子を6台の顕微鏡で覗き比べる作業は、実は昨日の夕方やったのだが、撮影データをパソコンに転送しようとするとエラーメッセージが出るばかりで結局読み取ることができなかった。ばかばかしい思いをしながら、気を取り直して今朝またゼロからやり直した。 サンプルに使ったセイタカイグチは昨年9月20日に山梨県で採取したものだ。乾燥標本から胞子をスライドグラスに落として、その上からカバーグラスをかけた。ずれを防ぐためにカバーグラスの両端をセロテープで固定した。水もラクトフェノールも使わずに、そのまま対物40倍レンズで覗いてみた。こういうのをドライマウントというのだろうか。 胞子の写真(a〜f)は昨日取り上げた顕微鏡と同じ順番で並べてある。なるべく同一条件となるように留意して撮影したのだが、コンデンサを絞り過ぎていることに気付かずにシャッターを切ってしまったものもある。パソコンやらOS不調のためやり直しはしなかった。 デジカメはニコンのCOOLPIX950を使い、そのつどホワイトバランスを合わせて撮影した。装着方法は、三眼鏡筒をもつものは直筒部に、単眼・双眼のものは接眼レンズをはずして、アダプタをつけて撮影した。明日は水でマウントしたプレパラートで比較してみよう。 |
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ゆえあってこのところ人様の顕微鏡が手元に群がっている。いずれも元々自分で所有していたもの(a, b, e)よりも高級なものである。頼まれたこともあり、年末から正月にかけて、これらを分解整備してきれいに清掃した。その道の達人の手をお借りして整備を終えたもの(f)もある。返却前に整備状態と「見え」を確認しておかなくてはならない。 2001年にも「見え」を比べている(雑記 2001/8/19)が、当時のオリンパス2台[単眼、CH2](a, e)は相変わらず現在もメインの機種である。黒い三眼[S-ke](b)は鏡基部分にガタツキがあり撮影が面倒なので前回は登場させなかった。また、白い三眼[LABOPHOT](c)、オリンパス三眼(d)や最近レンズを購入したニコン[BIOPHOT](f)もこの際比較してみよう。 ちなみに(a)はもともと外部光源を利用するタイプで反射鏡がついていた。日常は簡易光源を反射鏡の差込穴に固定して使っている。この簡易光源はかなりの熱を持つので、つい長時間つけっぱなしにしたためにサンプルが煮えてしまったことが何度かある。 (a)〜(f)まで価格・年式・性能はピンからキリまであり、デジカメより安く入手できるものから乗用車なみの価格まである。(a)〜(e)の対物レンズはアクロマートで一部プラン、(f)はプランアポであり、コンデンサはすべてアクロマート。いずれも購入からはかなりの時間が経過しているが、肉眼できのこを観察する上では極端な性能差は感じられない。ただ、肉眼で見えたような状態に撮影できるかどうかとなると話は別だ。ちょっとした性能の差が露骨に現れることもある。 前回は対物100倍の油浸レンズを使ってヤシャイグチの胞子を見比べたが、今回は40倍の対物レンズを使ってセイタカイグチの胞子を見ることにした。いずれの顕微鏡も油浸100倍の対物レンズを備えているが、今回は油浸レンズは使わない。今朝はこれら顕微鏡の写真を撮っているうちに時間がなくなってしまった。「見え」の比較は明日撮影することにしよう。 |
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早朝さいたま市の見沼地区に行ってみたが、一面霜と氷に覆われてしまいきのこの姿はほとんど無い。ウッドチップからネナガノヒトヨタケがわずかに頭を伸ばした状態のまま凍っていた。キクラゲ、アラゲキクラゲ、エノキタケは昨年見たときからほとんど成長していない。そして老菌にもならずに昨年同様の姿で枯木に着いている。「顕微鏡下の素顔」にセイタカイグチ、シロフクロタケなど15種類ほどを追加した。 | ||
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海辺の砂浜には思いのほか多くのきのこがみられる。ここでいう砂浜とは防風林の中ではなく日光が燦々と注ぐ砂の浜である。小さなきのこが多いのだが、房総などでは乾燥の続く1月、2月の厳寒期でさえ何種類かを数えることができる。 今日取り上げたきのこ(a, b)も頻繁に出会うのだが情けないことにいまだに同定できない。写真(a, b)は今年1月2日に千葉県の浜で撮影したものである。背丈15〜20mm、傘径15〜25mmほどの小さなもので、イネ科植物の根本付近に単生または束生する。傘表面は薄くて平滑でヌメリはなく、成菌では中央がくぼむ。柄は中実で上から下までほぼ同じ太さ。ヒダはやや疎で垂生から直生で、傘周辺部近くやヒダの縁は赤褐色を帯びる。 ヒダの実質はどちらかと言えばやや錯綜した平行型(c)で、側シスチジアも縁シスチジアもない(c, d)。菌糸にはクランプがあり(e)、写真ではわかりにくいが担子器(f)の根本にもクランプがある。胞子(g)は球形でメルツァー液で表面が黄褐色に染まる(h)。 特に変色性もないし匂いなどにもこれといった特徴はない。キシメジ科のきのこなのだろうが、何度も出会っているのにいまだによくわからないままである。 |
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2日に千葉県の海浜で採取したショウロ(a)を覗いてみた。これはケシボウズ観察を終え車に戻ろうと松林の縁を歩いている途中でたまたま出会ったものだ。いつもなら成菌だけでなく老菌も探して持ち帰るのだが、この日は積極的に探すこともなく若い成菌だけを持ち帰った。 表皮に5%KOHをたらしてもほとんど変化は無く、40%KOHをかけるとようやく赤ワイン色に変わった。ついで切断してみる(b)と、内部はまだ白色で腔室は迷路状をしていた。 切り出したままの切片では、胞子の姿は透明でわかりにくい。そこで手元にあったメルツァーを使ってみたが(c)、内容物が強調されてしまって輪郭はかえって不鮮明になってしまう。次にフロキシンで染めてみる(d)と、比較的鮮明に見え油球も明瞭に浮かび上がってきた。やや若い菌だからか、いつも見るショウロの胞子よりもやや小振りである。担子器(e, f)の先には4〜6つの胞子がついている。だいぶ探してみたが表皮細胞にはクランプは全く見つからなかった。 |
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昨日、菌友のS氏と千葉県の海岸(a)を歩いてきた。この写真にはケシボウズタケ[広義](b)も写っているはずだが、いくら拡大してみてもどこにもケシボウズの姿はみあたらない。発生環境をメモしておこうと軽い気持ちで適当にシャッターを切ったのだからまぁそんなものだろう。昨年12月に出会ったときには若くてしっかりしていた個体も、多くはすっかりしぼんで一見それと気がつかないような姿(c)にかわっていた。他には幼菌のままミイラと化したものが目立った。 少し黒松林に足を踏み入れると、ショウロや小さなきのこが何種類かでていた。ニセマツカサシメジやマツカサキノコモドキもだいぶ少なくなってきた。(d)のきのこはちょっと見た目にはニセマツカサシメジのようにみえたが、掘り出してみると(e)、マツカサキノコモドキだった。この日に出会ったマツカサキノコモドキは白い傘をもったタイプ(f)のものが多かった。 |
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今年もお世話になる予定の顕微鏡を清掃した。といっても鏡基や台座を拭いて、対物レンズ、接眼レンズをはずして中の埃などを吹き飛ばしただけだ。昨年まではデジカメ撮影には単眼の簡易顕微鏡を主に使っていたが、今年からは三眼の顕微鏡(a)を主に使っていくつもりだ。 昨年末に佐野書店のことにふれたせいか、問合せのメールを何件もいただいた。佐野書店といえば菌類関係者の間では広く知られており、海外の菌類関係の良書を毎月精力的に紹介・斡旋してくれる。「スイスの菌類図鑑(1〜5巻)」(b)をはじめ菌類関係の基本的な文献(c, d)ならほとんどここから入手できる。斡旋価格もアマゾン・ドット・コムよりはるかに安いのもありがたい。「洋書文献案内が欲しい」旨を記せば、以後メールが定期的に届くはずである。
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早朝の秋が瀬公園には思いのほか人が多かった。バードウォッチングのグループが暗いうちから三脚を立てて寒さに震えていた。ヒラタケ、エノキタケは撮影もままならないほどの小さな幼菌だけが残っており、少しでも成長したものはむしりとられていた。硬質菌も意外と少なく、あちこちで目についたのはハタケチャダイゴケ(a, b)とスエヒロタケ(c, d)ばかりであった。秋が瀬公園までは片道12kmほどの行程があり、ふだんなら早朝でも車で30分はかかるのだが、今朝は10分ほどで到着した。帰路も同様10数分しかかからなかった。やはり元旦である。 | |||||
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