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日( )

2005年1月10日()
 
自宅サーバー
 
 いまだ自宅サーバー機は一部工事中である。もともとは、公開のためのサーバーではなく、自宅内LANのファイルサーバーであった。OSも、FreeBSD → Slackware → Plamo → Redhat → FedoraCoreと変遷してきた。最初の頃はFreeBSDを使っていたが、Linuxが充実するに伴い、Slackwareを皮切りに今日まで、Linux系の各種デストリビューションを経てきた。
 使っていたパソコンも最初のうちは旧式のPC9801シリーズ、いわゆる [国民機] だった。いわゆる [DOS/V機] に変更してからは専らLinuxである。省電力かつ静粛性を求めて、数年前からは120ワット電源の小型キューブタイプとなり現在に至っている。
 維持管理を煩わしく感じて廃止したり、執拗なDoS攻撃を契機に廃止したりもしたが、結局その都度短い休止期間を経て復活させてきた。多量の画像ファイルを扱おうとすると、ホームページスペースとして広い容量が必要となる。それでやむなく自宅サーバーである。

2005年1月9日()
 
ビジュアル「キノコ展」
 
 三重県ではツバキキンカクチャワンタケが姿をみせているという。昨年はじめて見たのは1月22日であった。これは小さかったが、今年はかなり大きくなっていることだろう。
 今日と明日の2日間、東京都渋谷区代々木の全労済ホール スペース・ゼロ(ギャラリー)でビジュアル「キノコ展」が開催されている。「都会のキノコ」でおなじみの大舘一夫さんとその仲間(ギュウギュウきのこの小山さん等)による催しである。出かけてみてはいかがだろうか。
 自宅サーバー機のOSを入れ替えた。RedHat Linux7 から Fedora Core3 への変更である。ハードディスクも40GBから160GBに交換した。これまでと同じような環境を整備するまでにはまだ何日か必要だが、とりあえず「きのこ雑記」の画像は全面表示できるようにした。
 昨日は千葉菌スライド会、今日はまた別の会合があるのでサーバー機のメンテナンスはしばらく棚上げである。いまのところ、CGIやらSSLがまだ意図したようには動かない。このため全文検索システムなどはエラーとなって稼働しない。今週中にはなんとかしたいものだ。

2005年1月8日()
 
ピスによる切り出しの工夫
 
 ふだん顕微鏡で覗くのはほとんどがケシボウズの仲間だ。この仲間を検鏡するのに高度な技術はいらない。それと比べると、ハラタケ目では薄く切り出すという作業が伴う。正直面倒でもあり苦手である。しかし苦手だからといって、逃げてばかりもいられない。
 傘と柄をもったきのこの場合、たいていピスを使う。切り出し作業には、ほとんど手元を見ないでもよいし、実体鏡がなくてもできる。気を遣うのは組織の一部をピスに挟み込むところまでだ。目の悪化に伴い、ピスがないと切片作りはかなり難儀するようになってしまった。
 ピスに試料を挟めばすぐにでも簡単に薄い切片を作れるかというと、そう簡単にはいかない。それなりの修練と慣れが必要だ。ちょっとした小道具、使い捨て注射器を使った簡易ミクロトーム、を使うという手もある。(雑記2002.6.13同2003.6.16同2004.7.9)。
 昨日の雑記で「フィアロ型の分生子柄束(synnema)」と書いたが、これは誤った理解に基づいた概念の適用であった。菌類学の基礎概念について、これまでの自分の理解がいかに曖昧であったのか、あるいは誤っていたのか、を感じさせられることが多い。それでも、指摘されるうちはまだ救いがある。今日は千葉菌類談話会のスライド会+新年会。

2005年1月7日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 餅に青カビが発生しだしたので、表面を削って水餅にした。削り取ったカスを捨てる前に、表面のアオカビを顕微鏡で覗いて楽しんだ(a〜c)。フィアロ型の分生子柄束(Synnema)(a, b)が箒の様な姿をしていて楽しい。それもそのはず、きのこもカビの一種に過ぎないのだから。
 同じ仲間のカビ(Penicillium)で、キノコを作るものがいくつか知られている。カキノミタケマユハキタケなどであるが、ついでに以前撮影した分生子柄束を並べてみた。カキノミタケ(d)、マユハキタケ(e, f)の分生子柄束を見ると、いずれもアオカビのそれとよく似た姿をしている。
 昨年は暖かかったこともあり、神奈川県・埼玉県では12月後半でもカキノミタケが見られた。また、千葉県・茨城県では例年1月でもマユハキタケが見られる。

2005年1月6日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 元旦に千葉県内房の浜で出会ったケシボウズで、外見がナガエノホコリタケとよく似たものがあった。雑記1月2日の写真(f)で左上にある一群である(a)。ナガエノホコリタケと混じり合うように隣接してでていた。頭部を見ると孔口が筒状をしている(b)。ナガエノホコリタケならこの部分は房状である。外皮は菌糸状だが、内皮表面は白っぽく薄っぺらい。
 胞子はナガエノホコリタケよりやや小さく、表面には微疣がある(c)。5%KOHでマウントしてみると、表面の微疣はさらに明瞭に見える(d)。フロキシンで染めても胞子の表面模様は変わらないが、無数にある薄膜の菌糸が明瞭になる(e, f)。厚膜の弾糸も多数みられ、やや小さめの拳状節もある(g〜i)。薄膜の菌糸にも拳状節類似の組織をみることができる(j)。ここには掲げなかったが、弾糸には数珠状のもの(moniliform)があちこちにみられる。
 Wrightのモノグラフ(The Genus Tulostoma, 1987)の検索表をたどると、Tulostoma giovanellae Bresadola に落ちる。しかし、T. giovanellaeの原記載はまだ見ていない。

2005年1月5日(水)
 
アクセスカウンタ
 
 三重県のgajinさんがホームページをリニューアルした(あやしいきのこ)。アクセスカウンタがついた。懐かしいほど新鮮で若い数値が表示されている。実際のアクセス数を反映するタイプで、[更新] ボタンをクリックしてもカウントアップされない。
 「きのこ雑記」もアクセスカウンタの設置と廃止を何度か繰り返した。そのたびにカウントゼロから開始した。Yahoo Japanの「今日のオススメ(2000年11月23日)」に取り上げられたときは、たった一日で20,000が加算された。このときばかりは、大手による紹介の威力を痛感した。
 2001年4月24日に、内容リニューアルに伴いカウンタもゼロにリセットした。心機一転のつもりだったが、それまで利用していた貸しカウンタの廃止が引き金となった。現在のカウンタは2001.4.24が起点である。[221571T245Y198] という表示は、累計、現在(T)、昨日(Y)である。
 さらに2002年3月、表示された数値を読みとって自分宛メールを出すCGIを加えた。時々気まぐれにメールから表計算ソフトに転記する。手作業はバカバカしいのでPerlスクリプトを使う。こちらは自動化していないので、しばしば記録は欠落する。
 Wild Mushrooms from Tokyoの丸山さんが、菌懇会通信No.104(2004.11.14刊)で自サイトのアクセス解析をされていた。カウンタ数値を分析してみるといろいろと興味深い事実がみえてくる。忘れられないことがある。2003年8月1日、カウンタ数値が次々に増え、当日だけで7500件を越えた。その前後は300件/日ほどだった。変だなぁとは思ったがさほど気にはしていなかった。
 翌朝、「今日の雑記」を更新しようとしてビックリした。トップページが思いがけない映像に変わっていた。真っ赤な画面に中国語の簡体字が踊っていた。変なメールも届いた。前日の異常なカウンタ数値アップは、執拗な攻撃の証だったことに初めて気づいた。
 直ちにパスワード変更をしてトップページを復活させたことはいうまでもない。他にもアクセスカウンタを巡ってはいろいろと興味深いことがあった。

2005年1月4日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 今年になって初めてケシボウズを検鏡した。元旦に千葉県で採取したケシボウズのうち、写真左下の大柄な一群(a)から始めた。これらはつい最近までまったくノーマークの場所で採取した。一部の個体では、直前に歩いた人に頭部を潰されてしまった。比較的新鮮な個体であり、柄の切断面はまだ真っ白で、強く掴むと柄から汁がでた。
 胞子(c, d)、弾糸(e, f)を見ると、昨年11月15日に同浜の別の場所から採取されたケシボウズと同一種である(雑記2004.11.17)。下段にそのときの写真を並べた。ケシボウズタケの仲間としては、とても大きくて柄が太くしっかりしている。孔口は房状、外皮は菌糸状で、柄の表面には赤茶色のササクレがある。国内の浜辺に広く分布するナガエノホコリタケである。今回採取した個体も、地表には頭部だけが出ていたが、砂中には太い柄が埋もれていた。
 これらを熱乾燥すると、柄はとても細くなる。また、自然状態でも半年以上は原型をとどめている。中には一年を越えても原型に近い姿を維持していることがある。ただ、発生から1ヶ月以上経過すると、柄の太さは発生時と比較して細くなり、一般に孔口部は崩れる。

2005年1月3日(月)
 
ピスの採り頃
 
 視力温存のため、ふだんはネット上のサイトは見ない。久しぶりにリンクページに掲載してあるキノコ関連サイトを見て回った。北海道のSさんがピスのことに触れていた。
 天然のピスはいつ頃採取すればよいのだろうか。ニワトコにしろキブシにしろ、秋から冬場の髄にはたいてい虫が入っている。また、この時期の髄は弾力性に乏しく脆い。さらに、抜き取りも難しい。一方、新芽が勢いよく伸びる時期の髄は楽に抜き取れる。軽く押せばよく、力はいらない。また、この時期の髄にはほとんど虫はいないし、柔らかくて扱いやすい。
 青葉の頃、まだ完全に木質化せず青みの残った幹を20〜30cmほどの長さに切って、髄を細い棒のような物で突くと、反対側から勢いよく髄が飛び出す。押し出した髄は数日乾燥させる。適度に乾燥させないとカビにやられてしまう。勘違いしやすいのは幹の太さだ。かなり太い幹でも内部の髄は意外と細い。なお、内部にコルク質の髄をもった植物なら、ニワトコやキブシに限らず何でもピスとして使える(雑記2003.5.15雑記2003.4.12)。

2005年1月2日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 元日の朝、仲間三人で千葉県内房の浜に行ってきた。昨年12月31日の雪のために高速道路は閉鎖、やむなく一般道を木更津の先まで走った。上尾、川口界隈はかなりの積雪があったが、千葉市内ではほとんど雪もなく、富津市では雪は全くなかった。
 2ヶ月前には全く何もなかった地点から、いろいろのケシボウズが顔を出していた(a〜e)。最近2ヶ月以内に発生したものだ。結局6〜8ヵ所から70個体ほどを採取した(f)。孔口部の形、外皮・内皮の形状、柄の表面模様、などから判断して、少なくとも4〜5種類はあるようだ。
 富津市ばかりではなく、日頃懸案だった稲毛の浜、幕張の浜も観察して帰宅の途についた。帰路はすさまじい渋滞に巻き込まれ、盆暮れの大渋滞を思わせた。午後早く海辺を出たにもかかわらず、帰宅できたのは夕方7時を過ぎていた。同定作業は後日に回した。

2005年1月1日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 昨年末に新鮮なハナビラタケをいただいた(a, b)。ユニチカ(株)中央研究所きのこ開発グループからのプレゼントである。ユニチカでは「白幻鳳凰」という商品名で顆粒状にしたハナビラタケを販売しているが、いただいたものはやや色味のついた純白に近い姿をしていた。
 先に凍結乾燥標本のハナビラタケからプレパラートを作った(雑記2004.12.19)。そのおりのサンプルでは子実層やら担子器をみることができたが、今回いただいた生きのこからは、子実層やら胞子などをみつけることはできなかった(c)。しかし、フロキシンで染めてみると花びらの表面付近の組織を楽しむことができた(d, e)。成長点付近の姿をみているかのようで面白かった。切片作りは凍結乾燥標本からのものと比べてとても楽である。
 早速雑煮の具として使わせていただいた。これまで夏には何度もハナビラタケを食べてきたが、まさか年末やら正月にハナビラタケを味わえるとは思いもよらなかった。ユニチカの皆さんありがとうございました。

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