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日( )


2005年5月10日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 先月末頃から都内新宿区の神宮球場とか渋谷区の明治神宮などではカンゾウタケが出始めていたが、まだとても小さかった。昨日立ち寄ったところ拳大から掌大にまで成長していた。写真は神宮球場でスダジイの洞からでていたカンゾウタケである(a, b)。
 取り出してみると長さ15cmほどあった(c)。まだ若い菌なので担子器や胞子をみるには適さない。裏面には小さなブツブツが多数みられた(d)。子実体を切断してみると、霜降り肉のような独特の模様が現れる(e)。現地でそのまま薄切りにして3枚ほど食べた。やや酸味のある独特の味である。一年ぶりに味わった季節感だった。
 ちなみに、明治神宮の森は立ち入り禁止のため採取はできない。昨日は、5〜6本のスダジイに発生を確認できたが、近寄って撮影することはできなかった。

2005年5月9日(月)
 
マニュアル嫌い
 
 ほとんどが手ぶれで使い物にならなかった。先日の日光。ニコンのデジタル一眼D70はまだ不慣れなままであった。撮像感度の変更方法がわからない、セルフタイマーの操作が分からない。帰宅して取扱説明書の該当箇所をみた。なんだ、そんな簡単なことだったんだ! しかし、あとの祭りである。
 新しいモノを購入しても、取扱説明書とかマニュアルは読まない。というより、こういうモノは苦手なのだ。だから、どこに何が書いてあるのかだけ眺めておしまい。でも、機械というものは、その操作を身体で具体的に覚えないと操れない。
 今朝は心を入れ替えて(?)、早朝からD70取扱説明書を開いた。操作方法やボタン位置を覚えねば! やはり、たちまち眠気に襲われ、気が付くと、うたた寝をしていた。延べ1時間、読み進んだのはたったの5〜6ページ。あ〜ぁ、気が重い。

2005年5月8日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日の日光は朝のうちは雨、10:00頃には雨もあがり、昼過ぎからはすっかり晴れ上がり青空が美しかった。奥日光でもヤマザクラは満開、いろは坂から上ではヤシオツツジが美しい。とても風が強かった。午前中は、ふだんと違った場所を歩いてみた。午後からはふだん観察している地域に戻った。前回訪問から4日目だ(雑記2005.5.4)。
 タモギタケが顔を出しはじめた(a)。幼菌は白色で、見慣れないと、タモギタケの幼菌であるとは分かりにくい(b)。この数日の間にシャグマアミガサタケがすっかり成熟していた(c, d)。オオズキンカブリタケもすっかり成長し、既に終わりを迎えていた(e, f)。テンガイカブリには全く出会うことはなかった。よく歩いた一日だった。

2005年5月7日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 さいたま市の見沼地区の公園で白い大きなきのこが束生していた(a)。ウッドチップに植生が見られる場所だ。ひっくり返してみるとツブエノシメジのように見える(b)。胞子紋は白色。カバーグラスに採った胞子紋をそのまま見た(c)。表面がブツブツしている。メルツァーを加えると典型的なアミロイド反応が出た(d, e)。
 やや乾燥気味だったが、ヒダ切片の切り出しは楽だ(f)。ヒダ実質部は細かい組織で埋まっている(g)。メルツァーを加えてヒダ先端をみた(h, i)。縁シスチジアの本体部は子実層に埋まっている。見やすくするためにフロキシンで染めてみた(j)。念のために子実層と担子器も見た(k, l)。ツブエノシメジとしてよさそうだ。
 外は雨、今日はこれから日光。行くのは未知の地域だ。COOLPIX990は動作不安定だが今日はこれを使う。995の専用バッテリーはまだ手元に届いていない。

2005年5月6日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
 先日の雑記(2005.5.3 のe, f)で取り上げたヒトヨタケ属について、「きのこ屋」(高橋 博)さんから、ワタヒトヨタケに間違いないとの指摘を受けた。あらためてさいたま市見沼の公園から同一種を採取してきた(a, b)。成菌のすぐ脇で、ウッドチップの表層をはがしてみると、傘の開いていない幼菌がいくつもでてきた。
 この仲間のきのこは、胞子をみるのは楽だが、ヒダ実質や傘表皮を見るのは難しい。まだ傘の開かない小さな幼菌を実体鏡の下で切り出してみることになる。久々に実体鏡を使った。この結果を保育社「原色日本新菌類図鑑I」の検索表(p162〜163, 169〜170)にあたってみると、ワタヒトヨタケに落ちた。
 氏に言わせると「いい加減にヒトヨタケの仲間をしっかり覚えたらどうなんだ。ほんとうにわからない人だ!」となる。持つべきものは悪友(?)である。
 COOLPIX990でワタヒトヨタケのカットを20枚ほど撮影したのだが、デジカメ不調で生き残ったのは(a),(b)の2枚だけだった。幼菌やヒダを撮影したモノはひどいピンボケ。合焦機構が危うい。シャッターが切れる瞬間に勝手にレンズが動いてしまう。

2005年5月5日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
←オオシャグマ
シャグマ→ (e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
 3日に日光から未熟状態のオオシャグマタケとシャグマアミガサを持ち帰った。オオシャグマ(a左)は全くの未熟状態であるが、シャグマアミガサ(a右)は完熟までかなり近い。そこで、自宅食卓上に置いて、熟すまで待ってみることにした。乾燥しきってしまわないように、濡らしたティッシュペーパーの上に置いた(a)。
 今日現在の状態を確認するために、それぞれの頭部からごく微量の子実層を切り出した。両者とも最初に水で封入し、それを3%KOHで置き換えてみた。すると、オオシャグマは明るい黄色味を増す(b→c)。一方、シャグマアミガサは赤色味が増す(e→f)。しかし、子実体の頭部に5%KOHをふりかけても、色の変化は感じられない。
 オオシャグマの子実層は、側糸ばかりで子嚢はどこにも見つからない(d)。一方、シャグマでは、側糸の他に、胞子が未完成の子嚢(g)が目立つ。しかし、中には胞子をもった子嚢(h)もある。胞子はまだ十分に成熟していない(i)。
 なお、両者とも完熟すると、多くは頭部がやや粉っぽくなる(cf. 完熟オオシャグマタケ完熟シャグマアミガサタケの一例)。一般的に子嚢菌類では、未熟状態では胞子も小さく表面模様もはっきりしない。同定には完熟個体が必要である。
 残ったシャグマアミガサは酒の肴にした。茹でこぼして、湯葉と一緒にワサビ醤油で味わった。美味い。ただ、シャグマアミガサは死を招く猛毒菌なので、ゆめゆめ食べようなどとは考えないことだ(「シャグマアミガサタケ試食記」(横山 元氏))。

2005年5月4日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日仲間7名で日光を歩いてきた。まだ新緑にはほど遠く、やっと春がやってきたような景観だった。シャグマアミガサタケ(a〜c)、オオシャグマタケ(d, e)、オオズキンカブリタケ(f)と出会うことができた。シャグマアミガサタケは昨年よりも成長が遅く、発生個体数も少な目だったが、オオシャグマタケは早々といくつも出ていた。しかし、十分に成熟した個体はまだなかった。オオズキンカブリタケもまだようやく発生し始めたばかりであり、期待していたテンガイカブリタケには出会うことができなかった。
 往復とも概ね道路状況は順調で、連休の渋滞といったものは味わないですんだが、華厳の滝周辺ばかりはひどい渋滞が続いていた。晴天にも恵まれ快適な休日だった。

2005年5月3日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日さいたま市見沼の公園に行ってみた。連休の狭間の平日のせいか、人も車もとても少なかった。ウッドチップにはシロフクロタケ(a, b)やキオキナタケ、ヒトヨタケの仲間(c〜f)が多数みられた。(c, d)はザラエノヒトヨタケのようだが、雨で傘表皮がまるで液化したかのように見える。大きめで柄が平滑なヒトヨタケ属(e, f)は、予想外にも持ち帰った時、傘がドロドロに溶けていた。傘表皮やヒダ切片をみることはできなかった。胞子がとても大きく、扁心した位置に発芽孔がみられる。
 今日はこれから日光。例年5月3日というと渋滞を避け、払暁出発で遠出している。昨年は日光にシャグマアミガサタケを(雑記2004.5.4)、一昨年は福島県いわき市までカンムリタケを見にいっている(同2003.5.4)。今年の日光はどうだろうか。

2005年5月2日(月)
 
リンク切れへの対処
 
 「今日の雑記」の過去の記事をみると、リンク切れとなったサイトがいくつもある。廃止されたサイトや掲示板はよいとしても、今後とも参照されるだろうサイトへのリンク切れはあまり気分のよいことではない。
 例えば「シャグマアミガサタケ試食記」(横山 元氏)は、埼玉きのこ研究会のURL変更に伴いリンク切れとなった。また顕微鏡観察では定番サイトともいえる「八王子のきのこ」(奥 修氏)は、プロバイダの都合でリンクが切れた。
 今朝は「シャグマ」と「八王子」関連のリンクを張り直した。多くのフォルダにまたがっているので、作業はかなり面倒だ。他にも生じている過去の雑記からのリンク切れについては、必要に応じて修正していくことにしたい。

2005年5月1日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先日の日原行き(4/29)ではいくつかのキノコには出会えたが、撮影もしなければ持ち帰りもしなかった。代わりに変形菌と思われる小さな丸いものを持ち帰った(a)。径3〜10mm程度の大きさで、わりと硬くしっかりしている。切断面を見ると、こしあんのようにほぼ均一で変化に乏しい(b)。顕微鏡で見ても胞子以外の組織が見つからない。擬細毛体を探したが、うまく見つけることはできなかった。
 やむなく胞子だけを取り出して遊ぶことにした。水だけでマウントしたところ胞子表面の模様がとても見にくい(c)。メルツァー(d)、フロキシン(e)、コットンブルー(f)と試薬類を加えてみた。胞子表面の模様は、コットンブルーで染めたものが最も楽にみることができた。メルツァーも結構いける。全体の2/3〜3/4くらいを網目模様の殻(膜?)が被っている。マメホコリ属の変形菌なのだろうか。

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