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日( )

2003年1月20日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 一昨日千葉県一宮町で出会ったヒメツチグリ科のキノコ(a〜c)を早朝のぞいてみた。外見的にはヒメツチグリなどにとてもよく似ているが、内皮の表面が平滑ではなく白粉状の微粒のようなものに覆われている。頂部や孔縁盤の様子などからヒメツチグリではなさそうだ。弾糸(d, f)は厚膜で途中には分岐などもみられない。今朝探した範囲ではクランプの有無はよくわからない。胞子表面には疣状の突起(e)がある。なおメルツァーでの反応はみていない。

2003年1月19日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 千葉県の太東岬、大原町、一宮町の砂浜を観察してきた。非常に風が強く巻き上げられた砂が顔に当たって痛かった。砂浜はすっかり乾ききってきのこは全くない。途中の森でマユハキタケ(a〜c)を観察した。暗い立ち枯れの洞には丈、幅ともに25〜30mmほどの大きなものもあった。その近くの倒木からはクヌギタケ属(d)のきのこが大きな群れを作っていた。しかし一方ではすっかり干上がった状態でエノキタケ(e)やアラゲキクラゲ(f)が群生していた。防風林の中ではヒメツチグリ科の小さなきのこが、神社の境内ではマスタケあるいはシロカイメンタケがやや乾燥して白く美しい姿を見せていた。

2003年1月18日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
 何とか新しいパソコン(a:左)が使える状態になった。これまでのメイン機種は昨日午後にほとんど動かなくなった。新旧入れ替えはかろうじて間に合ったわけだ。従来の破綻をきたしたパソコンはマザーボードを手持ちの2年前の製品に交換し、ハードディスクも20〜40GBの手持ち製品数台と交換して復活させた(a:右)。メモリは古いものをそのまま流用し、CPUは4年前のままである。それでも多量の画像ファイルを扱わなければ十分実用の域にある。この両者はディスプレイとキーボード・マウス(b)を共用して使うことにした。
 パソコンのIDEコードやCD-Rなどを買いに出たので、ついでに新宿御苑に寄って、寒椿と山茶花の下をのぞいて歩いた。小さなキンカクキンがいくつかみられた。カメラをもっていなかったので撮影はできなかったが、こんな真冬のさなかにもきのこはでている。

2003年1月17日(金)
 
 団地の周りのサザンカの樹下をこまめに見て歩いた。きっとサザンカキンカクキン(勝手にそう呼んでいる)がでているはずだと思っていたが、結局一つも見つけられなかった。このところずっと雨が降っていないからかもしれない。
 新しいパソコンを使える状態にするための作業に追われて、ほかの事はほとんど何もできなかった。久しぶりに顕微鏡に全く触れることの無い一日だった。とりあえず安定した状態の時に、CD-Rにシステムごとバックアップをとっておこうと思ったのだが、CD-Rドライブがバックアップソフトに対応していない。何か次善の策を考えなくてはならない。

2003年1月16日(木)
 
 現在メインに使っているパソコンがいよいよ危なくなってきた。突然反応がなくなってしまうことは日常茶飯事だし、異音・異臭もさらにひどくなってきた。FDドライブやMOドライブはたまにしか認識してくれない。USBもパラレルポートもほとんど使えなくなってしまった。まだLAN系統は無事なのでデータだけは急いで新しいパソコンに転送しておかなくてはならない。
 こういうときに限って時間がとれない。先日届いたパソコンは、何とかOSだけは入れたが、アプリケーション類はまだ何も入れていない。WindowsXPにしてみたが、Windows2000よりもずっと重くメモリ喰いになっていた。デュアルブート環境で使うつもりだが、もう一つのOSであるLinuxをどのディストリビューションで行くかも決めかねている。
 先日修理から戻ってきたデジカメCOOLPIXはどうやらきちんと直っていた。きのこがオフシーズンの今のうちに安心できるパソコン環境を整えておきたい。

2003年1月15日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 エノキタケヒラタケ以外の軟質菌がほとんど無い。ウッドチップからもネナガノヒトヨタケの発生しか確認できない。クズヒトヨタケも久しく姿を見せてくれない。アラゲキクラゲキクラゲは探さなくてもあちこちに出ているがすっかり乾燥して硬くなっている。
 やたらに目立つのがカワラタケスエヒロタケエゴノキタケ、ネンドタケ(a, b)なので、払暁にネンドタケを持ち帰ってきた。このきのこは二菌糸型で、原菌糸(c)、骨格菌糸(d)からなるが、管孔部の側には多数の剛毛体(e, f)が見られる。剛毛体の形を明瞭に捕らえようと対物100倍のレンズで撮影したので骨格菌糸や原菌糸なども同一比率にしたが、菌糸型を観察するには対物40倍レンズの方がわかりやすい。
 胞子の写真はない。以前ネンドタケモドキの胞子をさんざん探したことがあり、いくつもの個体のあちこちから切り出して探したのだが結局見つけることはできなかった。今回はネンドタケなのでモドキに比べたらすぐに見つかると思っていたのだが、持ち帰った個体からはどうしても見つけられなかった。

2003年1月14日(火)
 
 昨日チャコブタケのようなきのこと記述したものは、どうやらクロコブタケのようだ。昨日アップした後再びていねいに観察してクロコブタケであろうと考えるようになったが、いったんアップしたものはそのままの形で残すことにした。昨年同じ倒木の同じ部位にチャコブタケが出ていたので、思い込みでていねいに観察もせずにチャコブタケの老菌と決めてかかって持ち帰ったのだろう。しかしチャコブタケにしては納得できないことが多すぎるために「チャコブタケのようなきのこ」という記述になったと考えられる。ちょっと冷静に観察すれば外見からだけでもクロコブタケに近いとわかったはずだ。あらためて思い込みの怖さを感じた。
 「顕微鏡下の素顔」のカウンタ700番を踏まれた方、連絡先を明記したメールをください。Intel Play QX3 マイクロスコープを送付いたします。

2003年1月13日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 早朝近くの雑木林を歩いてみた。ヒラタケ、エノキタケはすっかり干からびており、気がつく人もほとんどいない。だからそのまま残っているのだろう。他にきのこといえば硬質菌が数種類、そして、マメザヤタケの仲間が数種類みられただけだった。チャコブタケのように見えるかなり炭化した塊(a)だけを持ち帰って子嚢などを覗いてみた。ナイフで切ると崩れてしまって、内部もすっかり炭化している(c)。チャコブタケなら見られるはずの環紋状の同心円もみられない。
 胞子が小さめで子嚢先端のアミロイドリングもあまり明瞭ではない(c)。ただ胞子表面に縦に走るスリットは非常に明瞭(d)であり、まるでコーヒー豆を思わせるような形をしている。昨年10月18日に全く同じ場所で採取したチャコブタケの子嚢(e)を念のために並べてみた。

2003年1月12日()
 
 昨夜おそく、暮れに注文しておいたパソコンが届いた。Windowsはインストールするアプリケーションの数が増えるほど不安定になる。アプリケーションを削除すると、それにまた輪をかけてさらに不安定になる。大手メーカーの製品には最初から大量の「おまけソフト」がインストールされている。今回購入したパソコンには余計なおまけソフトは一切入っていないが、OSも何も入っていない。現在のメイン機種はいまにもご臨終寸前でヒイヒイ言っている。どうやら間に合ったが少し作業を急がなくてはならない。しかし面倒くさい作業がまっている。
 夜になって修理に出しておいたニコンのCOOLPIXが戻ってきた。今度はきちんと直っているとよいのだが。今日はこれから千葉菌のスライド大会、また懐かしい顔に会えるのが楽しみだ。

2003年1月11日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
←水でマウント
    2003/1/9
(da)
(da)
(db)
(db)
(dc)
(dc)
(dd)
(dd)
←ドライマウント
    2003/1/8
 ふだんはドライマウントの状態で胞子をみることは全くない。今回は実験のために久しぶりにやってみたのだが、ここに再びあらためて両者を並べてみた。1月8日(ドライマウント)の胞子の姿と1月9日(水でマウント)のそれを比較してみると、表面模様の様子や縦横比(Q値)が随分違って見える。胞子によってはそのサイズすらかなり違って見えることもある。
 カバーグラスに落とした胞子を水も何も使わずにそのまま400倍くらいでみると、表面模様などがわかりやすいことはある。さらに斜光照明にして見たりすると、時には表面の模様が立体的に浮かび上がってくる。しかしこれらは本来の胞子の姿とは違うおそれがある。
 乾燥によって内容物が縮み形は小さくなり、時には胞子表面にあらぬ皺がでてくる。だから平滑なはずの表面に皺のような模様がみえることもある。乾燥の度合いによっては胞子がペシャンコになって凹状になってしまったり、極端に細長くみえることもある。
 胞子を観察する場合にはまず必ず水でマウントする。図鑑やモノグラフなどに記載されている胞子の記述は、特に断りが無い限り必ず水などの液体でマウントした状態での観察結果である。胞子に限ったことではないが、使用するマウント液によっては浸透圧や化学変化などの影響を受けてサイズが変わったり付属物が溶けてしまう。
 特に胞子サイズを測る場合は、落下した胞子紋から調べることが基本だろう。直接ヒダから採取した胞子には未熟なものが多量に含まれている。これは色もサイズも成熟したものとはかなり違う。担子器やシスチジアは同一切片の上で観察することができる。しかし、胞子の観察は別のプレパラートを作ることにしている。

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