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日( )

2007年8月10日(金)
 
プリンタ
 
 タイミングの悪いときというのは重なるようだ。ある原稿を印刷する必要があった。A4用紙50枚分で10部必要だった。用紙は手元に500枚梱包がいくつかあった。モノクロラインプリンタ(ブラザー製)で印刷しようとしたところ、トナー切れでプリントアウトできない。
 やむなく、カラーインクジェットプリンタ(HP製)で印刷をしようとしたところ、エラー表示が出るばかりで、全くデータを受け付けない。カラーインクが切れているとのメッセージが出て、それを交換しないかぎり、モノクロ印刷もできない。モノクロのカートリッジは新品なのにカラーカートリッジが消耗しているだけで、あらゆるプリントアウトを受け付けない。
 これまでだと、手元のスペアカートリッジやスペアトナーを装着すると、直ちに新しいスペアを注文していた。ところが、最近それを怠っていた。トナーとカートリッジあわせて14,300円。カラーカートリッジひとつのために、またひとつ仕事を失ってしまった。

2007年8月8日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
 どうやら再び顕微鏡写真を撮影できる状態となった。いろいろ悪戦苦闘した結果、なんとかコントローラのAUTOMATICで許容範囲の画像を得られる条件を見つけることができた。リレーレンズは結果的に0.35mmかさ上げすることによって、双眼部と同焦点になった。
 先月18日に旧来のCOOKPIX990で撮影したクロアシボソノボリリュウ(a, b)の検鏡写真 (c〜g)と、今朝新たにD100で撮影したチャワンタケ科の不明菌(h)の検鏡写真(i〜k)とを並べてみた。写真(k)の画像右下の [5μm] のスケールは新たに作り直した。

 面白いことに気づいた。7月18日に切片を作ったとき、最初に実体鏡の下で切りだした(c)。次に、簡易ミクロトームを使って切り出した(g)。(c)は水、(g)はメルツァーで封入したので色が若干異なるが、切片の厚みがまるで違う。すっかり、簡易ミクロトームに慣れきっていた。これは、自分でも驚きだった。今後は、実体鏡より簡易クロトーム主体になりそうだ。
 撮影装置の変更に伴い、いろいろと面倒なことがあったが、結果的には、合焦位置を微細に変えながらの撮影が楽にできるようになった。油浸100倍で、胞子表面から輪郭部まで合焦位置をずらしながら撮影したものを、一枚に合成した(k)。以前は苦労していたのだが、今朝は双眼鏡筒を覗きながら、コントローラのシャッターを切るだけで楽に撮影できた。


2007年8月7日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 一昨日、京都でPV製簡易ミクロトームの試作3号機を受け取った(c, d)。これは最終試作機であり、実際の頒布品と全く同じものとなっている。試作1号機(a)、同2号機(b)に対して細かな改良が加わった結果、使い勝手がさらによくなった。見た目もスッキリした(d)。
 7月28日に千葉県で採取して冷蔵庫に放置してあったチャワンタケの仲間を肴にして、切り出しをやってみた。10日ほど経過しているので、組織が崩れ初めていたが、楽に薄く切り出せた。この厚みなら、倍率を上げるだけで、押し潰すことなく子嚢の長さなども計測できる。
 どの程度の厚みなのか、挟み込んだキブシのピスの残り(e)を、ノギスで計測してみた(f)。ほぼ40ミクロンを示している。切り出し作業中に顔を近づけて、うかつに息を吹きかけたりすると、たちまちヒラヒラとどこかに飛んでいってしまう。薄い切片を扱うために、猛暑のなか窓を閉めきって、汗びっしょりになって組織を切り出した。室内は、猛暑の京都よりも暑かった。

 PV製簡易ミクロトームの予約注文者には、順次発送されることになる。商品ではないし、多忙の合間に少しずつ手作りで製作するため、最終品到着は8月末となるという。


2007年8月6日(月)
 
一眼デジカメと顕微鏡 (5)
 
 8月4〜5日は京都で行われた日本蘚苔類学会に参加していたので、きのこはお休みだった。昨夕は京都のKさん、Sさん、兵庫のNさん、幼菌のM会長、事務局のMさんらと楽しいひとときを過ごすことができた。特に両Mさんには深夜までおつきあいいただいた。おかげさまで、暑い暑い京都の夜を楽しく過ごすことができました。皆さん、ありがとうございました。

 一眼デジカメを用いた顕微鏡画像には、コリメート法の場合に避けられなかった同心円状の影が出現しない。一番お手軽なのは、マイクロネット(株)の一眼アダプタの利用だろう。これはリレーレンズが一体となっている。ピント合わせはカメラのファインダーを使う。推奨デジカメはオリンパスのE-330で、ファインダーを使わずとも、可動式の液晶画面でリアルタイムにピント合わせができる。他の機種を使う場合には、アングルファインダー利用すればよい。

 カメラのマニュアルモードを使った撮影は、思いの外難しい。あらためてオート撮影のありがたさを痛感している。顕微鏡撮影は原点に戻って、コントローラのAUTOMATICを使った方法で進めることにした。ポイントは以下の3点の最適状態をみつけることだ。

(1) 50μmと100μm厚のスぺーサーを組み合わせピントの合う位置をみつける
(2) カメラ側の撮像感度とコントローラ側のASA感度のベストマッチをみつける
(3) 顕微鏡側の光量に見合った条件でのカメラ側のホワイトバランスの決定
 何といっても、顕微鏡写真を撮影できないと「今日の雑記」の更新も困難になる。悪あがきもすでに、2週間が経過している。そろそろ打ち止めにしたい。

2007年8月3日(金)
 
一眼デジカメと顕微鏡 (4)
 
 一眼デジカメD100を用いた顕微鏡写真は、いまだ安定した使い方が決められない。
 今朝はフィルム式撮影装置を、単なるデジカメ装着アダプタとして扱い、カメラ側での条件設定を試みた。複数ボディを装着できるタイプなので、カメラのファインダーは覗きやすい。カメラを90度回転すれば、楽にファインダーを覗ける。潜望鏡(?)を使わずファインダーを覗いて焦点合わせをするので、リレーレンズの位置を調整するためのスぺーサーも不要となる。
 レンズを装着しない状態でも、AUTOモードでシャッターを切れる機種なら気楽に撮影できる。しかし、D100の場合は、レンズを取りつけないとAUTOではシャッターが切れない。したがって、撮影はすべてめんどうなMANUALモードとなる。今朝は、MANUALモードで色々な倍率のレンズとコンデンサ絞りを変えながら、どんな影像が撮れるのかを検証していた。

 今夜は夜行バスで京都に向かう。台風の影響が懸念される。明日〜明後日は日本蘚苔類学会の第36会京都大会に参加し、帰宅は6日となるので、その間「雑記」はお休みとなる。


2007年8月2日(木)
 
関東支部菌類観察会
 
 今年の日本菌学会関東支部観察会は参加しないと後悔するセミナーを兼ねている。観察会は9月15日(土)〜16日(日)に実施される。初日の14:00〜17:30までは興味深いセミナーが2つ実施される。ひとつは、[14:00〜15:30 1. ハラタケ類の類縁関係]、いまひとつは、[16:00〜17:30 2. 菌類の文献調査]。講師は森林総研の根田 仁博士である。
 セミナーや観察会が行われるのは、避暑地としてもよく知られる長野県菅平高原である。根田博士によるセミナーは、ふだんなかなか受講できるチャンスは少ない。最新の知見に基づいた、分類学上の貴重な情報を得ることができるだろう。また、文献調査の手法や具体的ノウハウを学び取ることができるよいチャンスといえよう。
 関東支部による観察会は、従来より会員のみならず、広く一般のアマチュアにも門戸を開いている。参加申込は8月20締切(必着)であるが、まだ員数にゆとりがあるという。避暑地での宿泊費、セミナー受講料、観察会参加費を含めて16,000円(非会員)は、内容を考慮すると非常に安い。是非とも参加したい観察会といえる。久しぶりに根田博士の話を聞きに行こうと思っている。同定の手法や新たな情報も得ることができるだろう。

 詳細な照会は、以下の観察会担当幹事にメールで照会されたい。
 日本菌学会関東支部企画幹事:常盤俊之 E-mail: t.tokiwa@n-m-g.co.jp


2007年8月1日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 近くの雑木林(クヌギ、コナラ主体)で2種(?)のアセタケを採取した(a, g)。両者の採取地は数キロメートル離れている。これらを、もし既知種であると仮定すれば、オオキヌハダトマヤタケ、キヌハダトマヤタケ、シラゲアセタケ、ニセアセタケ、キヌハダニセトマヤタケなどが候補にあがる。引き抜いて半切してみると、柄は上下同大で基部に膨らみはない。この時点で、キヌハダトマヤタケ、ニセアセタケ、キヌハダニセトマヤタケの可能性が消えた(b, h)。
 とりあえずカバーグラスにとった胞子紋を顕微鏡でみると、胞子は平滑でこぶや刺はない。この時点で側シスチジアを持たない種であると想定される。2つのアセタケ属の胞子をみると、ほぼ同じようにソラマメ型ないしインゲン豆型だが、上段のアセタケ属は胞子が若干小さく、両者のQ比(縦横比)も異なるようにみえる(c, i)。
 次に両者のヒダを切り出してみると、いずれも側シスチジアはなく(d, j)、縁シスチジアのみがある。縁シスチジアは両者とも、薄膜で棍棒状〜円柱状をしている(e, k)。両者の縁シスチジアの大きさをみるとこれもまた若干の差異がある。両者とも親ヒダの中央部を切り出したのだが、楔形の角度も異なる。下段のアセタケ属のヒダは、基部が厚く急に薄くなる(j)。

 保育社図鑑に従えば、両者とも胞子が平滑であるからクロトマヤタケ亜属となる。つぎに、いずれも厚膜シスチジアを持たず、縁シスチジアは嚢状で頂端に結晶がないから、ザラツキトマヤタケ節ということになる。この節に属するとなると、傘シスチジアや柄シスチジアをみるのは無駄に近いが、念のために傘表皮をみた(f, l)。写真は掲げなかったが、両者とも柄シスチジアはない。傘表皮をみて、両者に差異があるといえばあり、ないと言えば無い。
 この両者(a, g)は同一種と考えたらよいのだろうか、あるいは別種ないし変種であると考えるのがよいのだろうか。胞子サイズとQ比の微妙な差異、縁シスチジアのサイズの違いを、栄養状態の差異、あるいは、若い菌と成熟した菌の差異とも考えることができる。さらには、この程度の胞子や縁シスチジアのサイズ等は、同一種の変異の幅に含まれると考えることもできる。
 いずれも既知種であると仮定すると、上段をオオキヌハダトマヤタケ、下段をシラゲアセタケと考えることもできる。一方、両者ともにオオキヌハダトマヤタケと考えることもできる。保育社の図鑑だけで、この両者を同一とするか、否とするかを決めることはできない。


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