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日( )

2004年10月20日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 さいたま市見沼区にはハタケキノコが広範囲に発生する。4月〜11月頃までと発生の時期もかなり長い。お世辞にも美味しいとは言えないのだが「いつも食べている。多量にとれるのもよい。」といって、ポリ袋いっぱいに採取する常連が何人かいる。
 胞子は400倍で十分観察が可能である(a)。1000倍にすると、表面に焦点を合わせたり(b)、輪郭部に焦点を合わせないと(c)、全体像を把握できない。ただ、微細な構造を調べたり、胞子サイズや縦横比(Q比)を正確に計測するには、やはり400倍ではやや苦しい。
 胞子の観察は実に簡単だが、ヒダの切り出しはちょっと難しい。やや若くまだヒダのしっかりした個体を選ばないとうまく切れない。手でつまんで薄切りにする、ルーペや実体顕微鏡の下で切る、ピスに挟んで切る、こういったところがアマチュアにできるところだ。どのやり方でやってもヒダがとても潰れやすい。おまけに透明なのでフロキシンなどで染めないと目が疲れる(d〜f)。側シスチジアはない。縁シスチジアは細長い首をもち、中には先端が丸いものもある(e)。担子器を観察するならフロキシンで染めるとよい(f)。ここでは胞子を付けた状態を取り上げた。

2004年10月19日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
(j)
 武蔵丘陵森林公園ではいくつもの気になるきのこに出会った。採取したものはとりあえずそのまま冷蔵庫の野菜ケースにいれた。そのうちの一つを今朝は調べてみた。キツネノカラカサ属(Lepiota)の特異な姿をしたきのこ(a)は、森林公園に限らず埼玉県ではしばしば見られる。裏面をみるとヒダの縁には被膜がのこり、柄はまるで古びた毛糸のソックスをはいたようだ(b)。ツバがあるかといえばあるということになるのだろう。
 現地で見たとき、クリイロカラカサタケにもワタカラカサタケにも似ているがやはり違う。どちらかといえば、昨年、糟谷大河氏がトゲカラカサタケ Lepiota calcicola Knudsen として報告したきのこによく似ている(Kasuya and Knudsen 2003, Mycoscience 44: 327-329)。てっきりトゲカラカサタケだろうと思っていた。外見からはトゲカラカサタケとしてもよさそうにみえる。
 胞子紋は白色、今朝それを覗いてみた。トゲカラカサタケとは胞子の形がちがう(c)。メルツァーを加えてみた。偽アミロイドである(d)。ヒダを切り出してみる(e)。縁にも側にもシスチジアはなく、ひだ実質は並行型である(f)。フロキシンで染めてみたり(g)、何枚ものヒダを切り出しては先端を確認したが縁シスチジアはみられない(h)。担子器(i, j)を確認したり、傘上皮を覗いたりしている内に時間切れとなってしまった。トゲカラカサタケではなさそうだ。

2004年10月18日(月)
 
(a)
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(d)
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(e)
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(f)
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 昨日の武蔵丘陵森林公園はさすがに行楽客で非常ににぎわっていた。ここは職場のすぐ近くであるが、普段は訪れることができない。昨日は久しぶりに職場を横目で眺めて公園駐車場に車を停めた。全般的にきのこの姿はとても少ない。名無しの小さなきのこや崩れたチャワンタケばかりがやたらに目立つ。
 竹林に入るとスッポンタケ(a)の卵が無数に見られた(b)。しかし成菌は数えるほどしかない。切断してみると基部が虫に食われてしまっているものが多かった(c)。これでは卵から頭を伸ばすことも難しいかもしれない。竹林にはアカヤマタケ(d)があちこちにでていた。人のあまり通らない道を進むと、カラカサタケ(e)、ハタケシメジ(f)などがチラホラと見られた。

 すでに3週間ほどアクセス障害が続いているプロバイダだが、やっと重い腰をあげて、どうやら24日ころまでを目処に復旧に全力をあげるとのことである。ということは今週いっぱいはまだ仮Mirrorサイトを頼りにせなばならないのだろうか。

2004年10月17日()
 
100BASE-TX
 
 何年か前までは高速インターネット接続環境といえばISDNであった。モデムから乗り換えたときはその早さに感激したものだった。当時敷設したケーブルとスイッチングハブは10BASE-T対応のものである。数年前にCATV環境に移行した。ツイストケーブルとスイッチングハブ、ブロードバンドルータはそれまでのものを流用した。そのことをすっかり忘れてしまっていた。
 この春導入したLAN接続のハードディスクが使い物にならないほど遅い。ハブやらケーブル、ルータまでが「100BASE-TX非対応、10BASE-T対応」だった。以前からそのことには気づいていたのだが、面倒くささが先に立って、つい最近まで放置したままであった。
 昨日意を決して古い機器類をすべて100BASE-TX対応のものに交換した。ハブやらルータが安くなっているのにも驚いたが、とにかく快適である。特にLAN接続のハードディスクへのアクセスは嘘のように違った。これなら、画像ファイルバックアップ装置として十分使える。

2004年10月16日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
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(d)
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(e)
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(a')
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(c')
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(e')
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(f')
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硫酸 KOH アンモニア αナフトール メルツァー
 今朝は、昨日見沼地区で採取したクズヒトヨタケの胞子紋から、いくつかの試薬でマウントしたときの胞子の見え方を楽しんだ。クズヒトヨタケの胞子は類五角形から類ハート形をしていることで知られる。きのこの姿は小さいが胞子サイズは他のヒトヨタケ属のサイズに遜色ない。
 ふだんはヒトヨタケ属の仲間というと水でしかマウントしないが、今朝は日常しばしば使う試薬を使ってみた。(a, a')水、(b, b')硫酸、(c, c')5%KOH、(d, d')アンモニア、(e, e')αナフトール、(f, f')メルツァー試薬である。色素(系)でのマウントはしていない。
 上段に400倍で見たときのものを、下段には1000倍(油浸100倍対物)で見たときのものを掲げてみた。予測通り、硫酸でマウントしたものには胞子壁が破壊されたり、発芽孔から内容物が飛び出したものが多かった。5%KOHでは胞子表面の様子が分かりやすい。アンモニアでは水のときより見えが悪くなっている。αナフトールを使ったものは胞子の姿がとても鮮明だ。メルツァーでは水の場合と有意差を感じない。

2004年10月15日(金)
 
(a)
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(c)
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(d)
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(g)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 久しぶりに早朝、さいたま市見沼区の公園に行ってみた。ハタケキノコが一面に群生していた(a〜c)。このところの長雨でいっせいに発生したのだろう。ヒトヨタケ属の群生がみごとである(d〜l)。ナガエノヒトヨタケあるいはバフンヒトヨタケ(d〜f)、ザラエノヒトヨタケ(g, h)、ビロードヒトヨタケのようにみえるやや青色味を帯びたもの(i, j)、クズヒトヨタケ(k, l)などである。
 薄暗い内に現地に到着したので、しばらくの間は撮影もできずあちこちを歩き回っていた。サンコタケ、ツマミタケ、キツネノタイマツ、チャダイゴケ類、ホコリタケ類などの腹菌類も大量発生である。ヒトヨタケ属については、よほど早い時刻に現地に出向かない限り、群生状態のすがたをみることはできないだろう。明るくなって1時間もすれば、皆しおれてしまう。

 相変わらずプロバイダのアクセス障害がずっと続いている。このところ2週間以上ずっと症状は変わらない。文字が化ける、画像が表示されない、あげくはアクセスできない。たまに正常にアクセスできるという、何とも情けない状態だ。Mirrorサイトも時々危うい。

2004年10月14日(木)
 
ヒューズ
 
 メインに使っている顕微鏡のヒューズがとんでしまった。代わりに簡易光源を使って観察した。簡易光源にはヒューズは無いが、光量調節が利かない。家庭用の簡易コンデンサをコンセントとの間に挟んで明るさの調節をした。いけないことに熱ばかりがプレパラート面に集まってしまい、ときには試料が煮えてしまう。短時間で観察しなくてはならない。結局今朝は全く撮影はしなかった。ヒューズ切れは何年ぶりだったろう。ここ3〜4年は経験がなかった。今日の内に何とか入手せねばなるまい。やはり電球とヒューズは日頃からスペアを手元に置いておくことだ。

2004年10月13日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
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(f)
(f)
 10日の富津市の浜では、ナガエノホコリタケ以外にも、アラナミケシボウズタケ、ウネミケシボウズタケ、ケシボウズタケ、Tulostoma kotlabaeなどを観察することができた。写真(c)は同一の群なのだが、2種類が混じっていた。まだ一点一点の詳細な観察はできていない(a〜f)。最近はめったに撮影はしなかったのだが、久しぶりにカヤネダケ(e, f)の姿を撮った。

 千葉県清澄山周辺にはとにかくヤマビルが多い。ちょっと沢スジなどの道を歩くと、足下にスルスルと近寄って飛びついてくる。なぜか上からも落ちてくる。血を吸われても痛みは無いし、いつまでも血が止まらないから始末が悪い。ヤマビル用忌避剤としてはヤマビルファイターが有名であるが、どこの薬局にでも置いてあるというものではない。今回日本菌学会関東支部ではヤマビル対策用にエアーサロンパスを準備したが、これは確かに非常に有効だった。

2004年10月12日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日一昨日の両日、日本菌学会関東支部と千葉菌類談話会共催の菌類観察会が千葉清澄山の東京大学演習林で行われた。総勢80名を越える参加者があった。思いがけないハプニングもあり、当事者にとっては一生忘れることのできない思い出となることだろう。受付事務などは午後からだったので、早朝内房富津市の浜を観察してから会場に出向いた。
 ケシボウズタケ属が何種類か発生していた。前回(雑記2004年9月30日)同所を訪れたときからはまだ10日前後しか経過していないが、その間に新たに多くの個体が発生していたようだ。8〜9日の大雨の影響か、頭部をむき出しにした個体が多かった(a, b)。雨のおかげで、見つける手間がずいぶんと省けた。掘り出してみると柄には独特の特徴を持ったものが多い(c, d)。頭部の孔口を見ると房状をなしたものが多かった。ナガエノホコリタケと思われる菌が多いと判断された。小さくて白い幼菌も多数観察することができた(f)。他にも数種類のケシボウズを観察できた。

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