Top  since 2001/04/24 back


日( )

2004年5月20日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 昨日さいたま市の秋ヶ瀬公園に行ってみた。きのこ屋(高橋 博)さんから聞いていたとおり、主にウッドチップ周辺からいろいろなキノコがでていた。ウッドチップ帯はあちこちにあるが、そこに行く途中の草地からはスジオチバタケ(a, b)が繊細にして強靱な姿をみせていた。
 ウッドチップの小径を進んでいくとヒメヒガサヒトヨタケ節のきのこが多数でていた(c, d)。写真はコツブヒメヒガサヒトヨタケ(c)とオオカバイロヒトヨタケ(d)の可能性が高いがまだチェックをしていない。サケツバタケ(あるいはキサケツバタケ)は道脇やら草むらに多数みられた(e, f)。ザラミノシメジ属のきのこ(g, h)、ツチイチメガサ亜属のきのこ(i, j)、シビレタケ属のようにみえるきのこ(k, l)などを始め、ツバナシフミズキタケ、オキナタケ、キオキナタケなどが多数みられた。ザラミノシメジ属とツチイチメガサ亜属だけを持ち帰った。

2004年5月19日(水)
 [追記]
コンピュータウイルス
 
 このところ日平均50〜70件ほどのウイルス付きメールがやってくる。その数は「きのこ雑記」のアクセス数とほぼ比例している。多くはBagleとその亜種Bagle.AB、そして新種のWallonである。うんざりの連続なのだが、自らのパソコンがウイルスに犯されていることに気づかずネットに接続している人が相変わらずいるようなので、ここにあらためて記しておくことにした。いまやウイルス対策ソフトの導入は必須である。
 Bagle(or Bagle.AB)は自身のコピーを電子メールに添付し、添付ファイルを開くことで感染し、任意の宛先に電子メールを送信して拡がる。メールの件名は、「Re: Msg reply 」、「Re: Hello」、「Re: Yahoo!」、「Re: Thank you!」、「Re: Thanks :)」などである。「Re:」とついていることがミソだ。
 Wallonの方は、メール本文にあるアドレスをクリックすることで感染し、任意の宛先に電子メールを送信して拡がる。また、頻繁に特定のホームページにアクセスを行うという。以下はこれらの情報と対策を記したURLである。
Bagle.AB について、   Wallon について

2004年5月19日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 用事があって埼玉県熊谷市の近くまで行ってきた。途中で寄った小川町の自然公園にはウラベニガサの仲間がいろいろ出ていた。他にはキクラゲの一族(キクラゲアラゲキクラゲタマキクラゲヒメキクラゲ)、アミスギタケが多数見られたが、それ以外のきのこはイタチタケ属しかみることができなかった。ウッドチップに比べるときのこの数はまだまだ少ない。
 ウラベニガサ(a, b)、ベニヒダタケなどを持ち帰った。ウラベニガサの傘をスライドグラスに1時間ほど伏せてとった胞子紋はピンク系というより明るい黄褐色をしていた(c)。今朝は、ウラベニガサを顕微鏡で覗いて楽しんだ。胞子(d)や担子器(g)はさておいて、ヒダ実質の逆散開型(e)と多数の側シスチジアが特徴的だ。この仲間もヒダ切り出しが難しい。

2004年5月18日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
 早朝さいたま市見沼区の公園に行ってきた。ツバナシフミズキタケシロフクロタケツブカラカサタケが相変わらずとても多い。これらは先日(雑記2004.5.15)とりあげたので、今日はそれ以外の目立ったきのこに触れることにした。
 ムラサキシメジ(a)はまだ小さな群落が散発的にみられるだけであるが、ハタケキノコ(b)はかなり多数みられる。ウスベニイタチタケ(c)に出会ったのは久しぶりだった。キオキナタケ(d)、オキナタケも道ばたや路傍の草むらにかなりでている。ワタヒトヨタケ(e)や、オオカバイロヒトヨタケの幼菌(f)もかなり見られるようになってきた。
 カラカサタケ属のきのこ(g, h)も何種類かみられるようになってきた。(f)、(g)、(h)はきちんと調べていないので、属名までしか推定できない。同一環境で頻繁に見ているきのこでも、一瞥しただけで自信を持って同定できるものは意外と少ない。外見だけで既知のきのこに嵌め込むのは簡単だが、ミクロの姿のチェック抜きには、正確な種の同定は難しい。

2004年5月17日(月)
 
佐野書店5月の文献案内
 
 自然史洋書の佐野書店から5月の菌類文献案内がでた。今月は中・上級者向け文献ばかりではなく、新たに「Edible and Poisonous Mushrooms of The world (世界の食用きのこ・毒きのこ)」 と、ベストセラーとして著名な「HOW TO IDENTIFY MUSHROOMS TO GENUSシリーズ」も再び取り上げられている。前者には、日本のきのこ写真の第一人者、伊沢正名氏の原色写真が多く使われている。"HOW TO" シリーズは、やさしい英語で書かれ、きのこの基礎的かつ体系的な概念を把握するには最適な書である。
 昨日は川崎市の生田緑地できのこ観察会があった。ヒロハシデチチタケキクラゲ、ナヨタケ属のきのこがあちこちに出ていた。他にもフウノミタケマツオウジやら小さなチャワンタケ類がみられた。午前中で川崎市を離れ、午後は恒例の「赤熊祭り」で菌友らとキノコ談義に酔った。

2004年5月16日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先日の日光(5/12)ではテンガイカブリタケオオシャグマタケ以外にも、結構いろいろなキノコにであった。何ヶ所かで出会ったコガサタケ属のキノコ(a〜c)を持ち帰った。一晩放置してスライドグラスに採取した胞子紋は黄褐色だった(e)。
 胞子には明瞭な発芽孔がある(e)。この仲間のきのこはヒダ切片切り出しが非常に難しい。適当に切ってしまった上に、余分な胞子を落とさなかったので、とても見苦しいプレパラートができあがった(f)。ヒダ実質は脆い組織が平行気味に走る。先端付近には特徴的な姿の縁シスチジアがみえる(g)。その姿が何とも愛らしいので、多数のヒダ先端を見てしまった(h)。
 何枚ものヒダで担子器を確認したが基部にはクランプ(basal clamp)はない(i, j)。微粉に被われた柄の表皮を見ると縁シスチジアと同じような形の柄シスチジアがみえる(k)。柄の上部では、縁シスチジアよりやや大きい程度であるが、柄の基部近くでは、縁シスチジアよりもひとまわりほど大きい(l)。傘表皮なども検鏡した結果、コガサタケと判断してアルバムに追加した。

2004年5月15日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 このところの雨のおかげで、ウッドチップを敷き詰めた公園では多くの種類のきのこが多数見られる。さいたま市の公園でもヒトヨタケ科、オキナタケ科のキノコばかりではなく、色々な種類のものがでている。常連ばかりとはいえ、ちょっと数え上げても10数種類にはなる。
 大きな群落をなして特に目立ったのはツバナシフミズキタケ(a, b)、シロフクロタケ(c, d)、ツブカラカサタケ(e, f)であった。ツバナシフミズキタケにいたっては、辺り一面に足の踏み場もないほどに発生している場所もある。そしてそれらに混じってザラエノヒトヨタケとかネナガノヒトヨタケ、ワタヒトヨタケ、ビロードヒトヨタケなどが見られた。
 シロフクロタケは傘径3〜5cmほどの小さなものから、傘径20cm・柄の太さ2.5〜3.5cmほどの大きなものまで多数が見られた。このきのこはさいたま市ではウッドチップ上に、ほぼ通年見られるうえに、ヒダ切片切り出しがとても楽なきのこである。顕微鏡観察初心者がヒダ切片のプレパラートを作成するには最も適したきのこの一つだろう(雑記2002.4.22同2003.11.15)。

2004年5月14日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 日光のテンガイカブリタケはちょうど今の時期が最盛期らしく、非常に多数の個体を観察することができた。背丈13cmほどに大きく育ったものから、地表に頭部をやっと出しはじめたばかりの幼菌まで、一通りの成長段階のものがいくつもでそろっていた(a〜e)。テンガイカブリタケの子実体を縦に切断してみると頭部と柄とのつながり具合がよくわかる(e)。やっと柄が伸びてきたばかりの幼菌(d)では子嚢胞子が未熟でサイズもかなり小さい。
 十分に成熟した個体の頭部を切り出した(g)。子嚢胞子が大きいので、400倍で見るのがちょうどよい(h)。メルツァー液を加えると側糸が濃い茶褐色にそまる(i)。フロキシンでも側糸の内容物はよく染まる(j)。念のために油浸100倍レンズを使って覗いてみた。水でマウントしたもの(k)で子嚢先端付近をみたので、メルツァー液を加えたものでは側糸先端付近をみた(l)。
 散生するテンガイカブリタケの群れの中に、頭部がまるでトガリフカアミガサタケを思わせるようなものがあった。サイズもひときわ大きい。持ち帰って検鏡した高橋 博氏によれば、胞子サイズが極端に大きく、オオズキンカブリに間違い無かろうとのことだった(f)。氏の手になる検鏡写真をみたがまず間違いない。きっと大型連休中に最盛期をむかえていたのだろう。

2004年5月13日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日、休暇を取ってきのこ屋(高橋 博)さんら親しい菌友4名で日光を歩いてきた。予測していたよりもはるかに大きく育ったタモギタケには戸惑った。濃い黄褐色になった株が多く、蛍光黄色の若い個体は比較的少なかった(a, b)。ほとんどが食べ頃であり、ヒダには虫もほとんどはいっていなかった。珍しいことにホシアンズタケには一つも出会わなかった。
 アミガサタケがあちこちで端正な姿をみせてくれた(c)。オオシャグマタケはゴールデンウイークの頃は大部分がまだ未熟であった。成熟した個体もあるだろうと考えていたのだが、残念ながら成熟した個体はあまり見られなかった(d)。テンガイカブリタケがちょうど最盛期らしく状態のよい個体が多数見られた(e, f)。このため、久しぶりに多量の撮影をしてしまった。

2004年5月12日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 埼玉県川越市の保護林には例年ならそろそろヒロハシデチチタケが見られる季節である。しかし、どうも今年はかなり様子が違う。昨日の川越にはヒロハシデチチタケの姿は全く無く、マツオウジ(a〜c)、キクラゲアラゲキクラゲタマキクラゲヒメキクラゲばかりが目立った。キクラゲの仲間がいずれも端正な姿をみせていたのは一昨日の雨のためだろう。
 マツオウジの胞子を水でマウントしてみたが無色透明なせいでとても見にくい(d)。メルツァー試薬を注いでも事態は改善されない(e)。新たに別の落下胞子を使ってフロキシンでマウントしてみると非常に明瞭な姿を捉えることができた(f)。担子器の基部にクランプがあるかどうかをチェックするにはフロキシンは必須である。しかし、ときには胞子の形状や発芽孔などを確認するにもけっこう使える。

2004年5月11日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 顕微鏡の焦点深度には、客観的焦点深度主観的焦点深度があるとされる。客観的焦点深度とはレンズのみの焦点深度をいう。主観的焦点深度とは人間のもつ目の調節機能によって付加される焦点深度をいい、人により年齢により異なる。いずれにせよ、肉眼で見るときにはこの両者の焦点深度の和でみているので、かなりの幅を明瞭に捉えることができる。

 先日(5/7)採取したウメウスフジフウセンタケの胞子紋から胞子を水でマウントして覗いてみた。微動ネジを操作し、合焦位置をほぼ1μmずつ下げながら、胞子表面から輪郭部周辺までを順に撮影してみた(a〜e)。この撮影データは客観的焦点深度のみを反映している。肉眼で見ているときには、それぞれはるかに鮮明に見えていたことを記しておこう。
 油浸対物100倍レンズを使ってみたときの客観的焦点深度は0.2〜0.3μであるが、肉眼で見ている場合にはこれに主観的焦点深度が加わり0.4〜0.7μmくらいの範囲まで焦点が合う。だから、肉眼でかなりの範囲に明瞭に焦点が合って見えるのに、撮影データを見るとそれほどの明瞭さがみられないのは、客観的焦点深度が正直に表現されてしまうからだ。

過去の雑記
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2004
2003
2002
2001