Top | since 2001/04/24 | back |
|
|||||
川口市でもやっとイエローモレル(アミガサタケ)が出始めた。例年サクラの花が散り始める頃から発生を始める。今年は昨年よりも遅いようだ(雑記2003.4.3)。数日前には全く見られなかったのだが、今朝みると高さ2〜3cmほどの小さな個体が幾つかみられた(a, b)。 桑の新芽が大きくなり出したので樹下を探してみると、キツネノワンがチラホラと出始めていた(c, d)。これも昨年と比較してやや遅い発生だ。数はとても少なく、キツネノヤリタケはまったく見られなかった。近くのさいたま市の桑樹下も覗いたが、ここには両者ともに全くみられなかった。 アミガサタケはあまりにも小さく、キツネノワンは非常に数が少なかったので、全く採取はせずに観察と撮影だけを済ませてさっさと戻ってきた。 |
|||||
|
||
W32.Netsky系ウイルスが一段落したと思ったら、今度は突然のサーバーダウンである。昨日はプロバイダのサーバがほとんど終日ダウンしており、その間ずっと画像や文字が表示されなかった。以前はそんな時はただ諦めて復旧を待つのみだった。しかし、年間5〜6回は必ずといってよいほど長時間のサーバーダウンを味わってきた。そういったことがきっかけでミラーサイトを作った。親サイトとミラーサイトが同時にサーバーダウンすることはまず考えにくい。 「写真の一部が表示されないなど、サーバーダウン等の時はMirrorSite をご利用ください」と表示してある。写真なり文字なりの一部が表示されない場合、この表示部のMirrorSiteという文字をクリックするとミラーサイトに飛べるようになっている。ただ、ミラーサイトがあるのは、トップページ、「今日の雑記」「キノコのフォトアルバム」のみである。 (独)森林総研の服部さんが、研究試料としてアミヒラタケ、タマチョレイタケを求めています。両者の形態的差異の抽出のためには、多くの標本が必要とされるようです。これらに出会われたかたは、服部さんに送ってください。詳細は、以下(picoさんの掲示板 No.3068)に記されています。 |
||
|
|||||
昨日、きのこ屋(高橋)さんと一緒にさいたま市にトガリアミガサタケの様子を見にいってきた。3月28日に観察したときから、どの程度成長しているのか楽しみだったのだが、ほとんど大きくなっていなかった(a〜d)。大きなものでも背丈18cm程度であり、おおくは8〜14cm程度である。ただ柄は一様に前回観察したときよりも太くなっていた。この間何度か雨も降ったのだが、それ以前の陽気が関係しているのだろうか。昨年と比較してみると、ことしはサイズが全体に小さめだ。 先月初め関東地方整備局に都市公園法第10条の3第1項に基づく許可申請を出していたが、昨日許可書が届いた。3月10日付けで申請希望はすべて満たされていた。これで安心して、開園日ばかりではなく、休園日などでも砂地の腹菌類の調査ができることになる。 |
|||||
|
|||||||||||
相変わらず自宅団地周辺でもヒメキクラゲが多数見られる。黒くて触れるとグニャとしたゼラチン質が汁をだすからか、子供達は気味悪がっていた。「見た目はわるいけど美味しいよ」と答えると、みな一様に「うそだ」という。昨日夕方持ち帰り胞子紋をとっておいた(a, b)。ほとんど透明なので、白をバックにしても黒をバックにしてもわかりにくい。 何度も同じことをしているが、今朝もまたこのヒメキクラゲを覗いて楽しんだ。発芽を始めた胞子と、担子器の姿を明瞭に捉えたいと思った。胞子は水でマウントしたものは透明でとても見にくい(c)ので、フロキシンを加えた(d)。予想通り発芽を始めたものが多数あった(e)。 やはり半乾きにしたものは切片が切り出しやすい(f)。しかし倍率を上げるとまだ厚くて担子器が見にくい(g)。そこで、軽く押し潰して担子器を表皮のように被っている子実層上部のゼラチン質を剥離させた。こんどは担子器の姿が明瞭に分かる(h)。長い担子柄を伸ばしている(i, j)。うまく薄切りができていると、ほんの軽く押しつぶしただけで、急によく見えるようになる。一昨年12月(雑記2002.12.25)の時よりも担子器の姿は明瞭に捉えられた。胞子も担子器もタマキクラゲとよく似ている(雑記2004.3.26)。 |
|||||||||||
|
|||||
ここ1年ばかり食用きのこをほとんど持ち帰らなかった。そのため、自宅の乾燥きのこがすっかり底をついてしまった。食用きのこに出会っても観察用に数本を採取するだけだし、海辺にばかり通って、雑木林や山に入る機会がめっきり減ったことも一因である。従来切らしたことのないブナハリタケ、天然シイタケ、キクラゲ類、マツバハリタケ、アシグロタケさえついに無くなった。 昨夕やむなくさいたま市の秋ヶ瀬公園にいってキクラゲ(a〜d)ばかりを多量に採取してきた。予想通りに、前日の雨でいたるところに、キクラゲの仲間が大発生している。実に久しぶりで、完璧にきのこ狩りモードであった。それにしても、たっぷり水気を帯びたキクラゲはまさに人の耳たぶそのものだ。明るい色のものや暗い色のものがある。 |
|||||
|
||
このところ注目すべきアマチュア菌類研究者によるサイト開設がいくつかあった。先月末には、沖縄の高橋春樹氏による「八重山諸島のきのこ」が開設された。今日ここで新たに紹介するのは、筑波大学の糟谷大河氏による「きのこのねどこ」である。これまでは未完成部分も多く非公開部分もあったのでリンクは控えてきた。リンクページを若干修正したのに伴い追加した。[このサイトの概要・目的] からの引用である。これをみるとサイトの位置づけは明確だ。
|
||
|
||||
昨日茨城県の海岸近くのスダジイ樹林を覗いてみた。数ヶ所探してみたが、期待のカシタケはやや呆けた個体が2つだけしか見つからなかった。予想通りではあったが、やはりやや寂しい今年の現状ではあった。海辺には全く近寄らなかった。 ようやく見沼地区の公園でもきのこの姿が見られるようになってきた。連日大量のウッドチップ散布もとりあえず一段落し、お湿りも適度にあったからか、ようやくヒトヨタケ科(a, b)、オキナタケ科(c)等のきのこが再び見られるようになってきた。それでも例年なら必ず見られるキツネノタイマツなどの腹菌類は全くみられない。タマキクラゲ、ヒメキクラゲ、アラゲキクラゲ、キクラゲ、クロハナビラニカワタケなど、キクラゲの仲間は今が最盛期とばかりいろいろと出ている。 例年なら既に川口市でも桑樹下をみるとキツネノワンが見られるのだが、今年はまだほとんどみられない。わずか径2mm程度の小さなものが数個発生してるのみである。サクラ樹下にでるアミガサタケもようやく出始めたばかりであり、まだ高さ2〜4mm程度の大きさしかない。 |
||||
|
||
キノコのフォトアルバムに掲載してあるコウボウフデのミクロ映像を差し替えた。消失性子嚢に入った子嚢胞子の姿、SEMによる胞子画像(筑波大学 糟谷大河氏撮影)などに変更した。またあわせて、コウボウフデの所属する科を、従来のケシボウズタケ科からツチダンゴ科に変更して、アルバム部分の各種検索リストをすべて修正した。 昨年9月24-25日にこの場で、コウボウフデの子嚢の写真を取り上げてから、ほぼ半年が経過した(雑記2003.9.24、同2003.9.25)。あの時点では、明確に子嚢菌であるとか、ユーロチウム目に所属するなどといったことは書けなかったので、敢えてあいまいな表現をして、単に事実だけを記しておいた。その後DNA分子系統解析なども行なわれ、はっきりとユーロチウム目に所属することが判明したので、昨日アルバムにもその結果を反映させた。 なお、GenBankには(独)森林総合研究所の升屋勇人氏によってDDBJ経由で、アクセッション番号AB161193(三重県宮川村)、同AB161196(福島県川内村)として登録されている。 |
||
|
||||||||||||
市原市民の森(3/28)の休耕田にナヨタケ属のきのこが多数発生していた(a〜d)。このところいろいろな野暮用のためにこのサンプルはタッパウエアに入れたまま冷蔵庫に放置してあった。胞子紋採取もうっかり一晩放置したために、スライドグラスが黒々となっていた(e)。こちらは保管用にして、カバーグラスに採ったものを検鏡用に使った。 傘径2〜3.5cm、湿時条線があり、乾くと白くなる(b)。中高の頭部は湿時にも乾燥時にも周りとは違った色を呈している。ヒダはほぼ直生(d)で、幅4.5〜5.5mm。柄はもろく中空で、表面は平滑。基部に近いあたりは黄色味を帯びる。幼菌は釣り鐘状で、傘の縁に被膜がみられる。 とても脆くてヒダの切り出しに難儀した(f)。縁シスチジアは嚢状、側シスチジアはフラスコ形から紡錘形(g, h)。両シスチジアとも疎らにしか見られない。担子器の基部にはクランプがある(i)。水でマウントした胞子は明褐色だが(j)、濃硫酸でマウントすると膨大してすみれ色に退色した(k)。コナヨタケあるいはその近縁種の線も否定できないが、春に肥沃な土壌に出ることから、ここではアシナガイタチタケとして扱っておこう。 |
||||||||||||
|
||
エイプリルフールにふさわしい話題だ。コウボウフデ(Battarrea japonica)の分類が変わったそうだ !? 担子菌のケシボウズタケ目から、子嚢菌のユーロチウム目に移るという。最近届いた論文 Pseudotulostoma japonicum, comb. nov.(=Battarrea japonica), A Species of the Eurotiales, Ascomycota. Bull.Natn.Sci.Mus., Tokyo,Ser.B.30:1-7 によれば、コウボウフデはPseudotulostoma 属のきのこで、ツチダンゴ属Elaphomyces と同じElaphomycetaceae科の一員だという。 では、コウボウフデ属と呼んできたBattarrea の和名を明日からはどう呼べばよいのだろう。これまで国内ではこの仲間のきのこはただの一つも採取例がないのだから、無理に属和名を付ける必要などないだろう。万一、Battarrea 属のきのこが採取されるようなことがあれば、その時点で適切な和名を考えればよいことだろう。 論文別刷りが高価な請求書を伴侶に届いた。一般に学術誌に論文を投稿しても掲載料といったものはかからない。しかし、カラーページと別刷は意外と高額だ。別刷りを注文するくらいなら、文献の1冊でも購入したり、きのこ観察の交通費に回した方が現実的だ。今後は、投稿はしても別刷りは不要、それで行くか! |
||
|