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日( )

2004年11月10日(水)
 
(a)
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(e)
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(f)
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 秩父から持ち帰ったハイイロシメジは、そのままキノコ汁にして食べてしまった。食用に回すにあたり念のため検鏡し、試薬反応をして種の同定をした。簡易顕微鏡で最低限必要な検鏡しかせず、無論撮影などしていなかった。この時に傘の開いた成菌1個体だけを残しておいたので、今朝は再度切片を作り、ミクロの姿を改めて撮影した。
 キシメジ科のきのこは検鏡してもおもしろみが薄い。胞子はおしなべて小さいし形もみな同じようだ。シスチジアやら担子器にもこれといった特徴はなく、試薬反応にも際だった反応を示すものは少ない。こういった身勝手な理屈でキシメジ科は好きではない。だからいつになってもきのこの名前を覚えることができない。無論、現地での同定など及びもつかない。
 胞子紋から採取した胞子を水(a)、メルツァー(b)、フロキシン(c)で見た。水だけだとやはりかなり見づらい。ヒダ切片を切り出し子実層部分をフロキシンで初めてみた(d)。子実層実質部も染めてみると、並行気味に錯綜した姿がみえる(e)。シスチジアなどはない。担子器の基部にはクランプがあるようには見えなかった(f)。

2004年11月9日(火)
 
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(g)
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 一昨日小川町で採取したクロノボリリュウタケ(a, b)のミクロの姿を覗いて楽しんだ。薄暗い樹林の中に黒色なので撮影はやはりうまくいかなかった。(a)はNikonのCoolpix950、(b)は一眼レフD70の50mmマクロレンズで撮影したものだ。薄暗い中で黒い被写体なので、Coolpixの方はピント合わせに工夫が必要だった。D70では手動でピントを合わせた。
 子嚢盤を切り出すと、子嚢盤托(背面)は円形菌組織、子実下層は絡み合い菌組織をなしている(c)。もう一段倍率を上げるとよく分かる(d)。この仲間の子嚢菌は低倍率で十分観察できる。水(e)、メルツァー(f)で子実層を見た。胞子は水(g)でみると油球がよくわかるが、メルツァー液中では輪郭の形しかわからない(h)。
 リンクページに二つの興味深いサイトを加えた。[盤菌類(チャワンタケ)のページ] と [徒然花鳥風月] である。いずれも美しい写真と信頼できる記述で今後が楽しみのサイトだ。両者とも面識はないが、前者は図書館員、後者は大学院生のようである。

2004年11月8日(月)
 
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 クリタケとかシイタケ、ヒラタケなどは、採取しても顕微鏡で覗くことはほとんどない。一昨日採取したクリタケは、数本を観察用に残し、久しぶりに胞子紋を取り検鏡してみた。
 最近は濾紙に胞子紋を取ることはせず、たいていはスライドグラスとカバーグラスに採取している。手順としてはこれらを適当にならべて、その上に柄を切った状態で傘を伏せる。その上からコップなどをかぶせて1時間から10時間ほど放置する(a)。
 スライドグラスに採取したものはラベルを付けて保存する。そして、カバーグラスに採取した2枚(b)だが、一枚は水で、もう一枚はメルツァー液とかKOHで観察するのに使う。水でマウントした方はさらに必要に応じて、フロキシンとかコットンブルーなどで染色する方に回している。
 今朝も水(c)、KOH(d)で胞子を見た。その後ヒダを切り出して、水(e)、フロキシン(f)でみた。クリタケの場合は、水だけで十分にいろいろな部分を観察することができる(g, h)。KOHでマウントして縁シスチジアを確認したり(i)、クリソシスチジア(黄金シスチジア)の確認した(j)。担子器(特に基部のクランプの有無)などの確認にはフロキシンを使うとわかりやすい(k, l)。

2004年11月7日()
 
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 昨日秩父の武甲山麓で、石灰採掘場跡、石灰岩地帯の林道、武甲山に向かうハイキングコースなどを歩いてきた。目的のきのこにはひとつも出会えなかった。道の脇では、大型菌がやたらに目立った。ハイイロシメジ(a, b)、ワカフサタケ属らしき菌、フウセンタケ属(e, f)はダイコク型のしっかりした幼菌から、大きな成菌までを多数見ることができた。クリタケ(c, d)も豊富で、これらの大型きのこは持ち帰って夕食の具になってしまった。
 デジカメ一眼レフを購入して1ヶ月以上になる。トラブルがあってレンズの入手が遅れていた。一昨日ようやくマクロレンズ(SIGMA 50mm F2.8 EX DG MACRO)が届いたので、これを背負っていった。面白いほどにピントはキチッと合う。しかし操作のことやら、カメラの癖、レンズの特性などについて全く分かっていない悲しさ。色調が思いもよらないものばかりであった。かろうじて見られる(?)ものは30枚ほど撮影した中の数枚にしか過ぎなかった。今朝取り上げた写真ではクリタケ(d)がその1枚である。まともな映像まではまだ道のりは遠いようだ。

2004年11月6日()
 
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 どこの雑木林に行っても足下にはドングリが無数に落ちている。近寄ってよく見るとドングリキンカクキン(a〜c)がいたるところにみられる。茶碗の一部を切り出してみた(d)。下側の托外皮層は円形菌組織(d, e)、その内側の托髄層は絡み合い菌組織(d, f)をなしていることがよく分かる。
 子実層面を水でマウントしてみると特に何の変哲もないが(g)、メルツァー液を加えると子嚢先端が青くなる(h)。さらに倍率をあげてよくみると、子嚢先端の胞子放出孔の壁が青く染まっている(i)。水で洗ってみるとこの青さは一段と際だってみえる(j)。
 今日はこれから石灰岩地帯を歩いてくるのだが、はたして目的のものに出会えるのだろうか。

2004年11月5日(金)
 
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(g)
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(j)
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 さいたま市の公園にはシロフクロタケとザラミノシメジ属のきのこが目立ったので、いくつかを持ち帰ってきた。今朝はザラミノシメジ属(a)を検鏡してみた。
 胞子を水でマウントしてみるとこの仲間独特のざらついた表面がみえるが、透明で見づらい(b)。メルツァーを加えると表面のざらつき部分が青く染まる(c, b)。ヒダを切り出してみたが、側シスチジアの姿がほとんどない(e)。一般的にはこの倍率で十分に確認できる大きな側シスチジアがかなりの頻度で見られるはずである。ちなみに写真(f)は昨年観察したコザラミノシメジのヒダ切片である。
 何枚かのヒダを使い、10枚ほど切片を観察してようやく側シスチジアを見つけた。とても少ない。フロキシンで染めて見た(g)。担子器が一緒に写っている。さらに別のヒダをメルツァーで染めてみたが、そこにもわずかに側シスチジアがみられた(h)。念のために傘表皮も観察してみた(i, j)。外見的特徴とミクロの観察結果などから、コザラミノシメジとしてよさそうである。

2004年11月4日(木)
 
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 昨日午後久しぶりにさいたま市見沼区にある公園に行ってみた。相変わらずヒトヨタケの仲間数種、シロフクロタケ、ツブエノシメジ、ツマミタケ、キツネノタイマツ、ツバナシフミズキタケ、ハタケキノコなどがあちこちに見られた。久しぶりにウスベニイタチタケ(a, b)に出会った。
 今朝は昨日持ち帰ったウスベニイタチタケを覗いてみた。胞子紋は黒褐色、これを水と硫酸でマウントしてみた(c, d)。硫酸に浸すと胞子の内容物が発芽孔からはみ出してくる(d)。傘表皮を薄切りにしてみた(e)。表皮の組織は球形の細胞が縦に繋がっている(f)。その直下の傘肉の部分ではやや錯綜した状態で平行に菌糸が走っている。
 ヒダ切片を低倍率でみても側シスチジアと縁シスチジアが多数あるのが分かる(g, h)。縁シスチジアは水だけだと、とても見づらい(h)。そこでカバーグラスの脇からフロキシンを注いだ(i)。縁シスチジア(j)、側シスチジア(k)は薄膜でボーリングのピンを思わせるものが多い。担子器の基部にはクランプは見られなかった(l)。

2004年11月3日(水)
 
(a)
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(g)
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 ウスキブナノミタケ(a, b)であるが、持ち帰ったことすらすっかり忘れたまま冷蔵庫に放置してあった。やや乾燥気味ではあったが、幸いまだ比較的新鮮な状態を保っていた。傘の径4〜5mmほどの小さなきのこなので、ヒダ切片を切り出すのに難儀した。日常ケシボウズタケなど切片作成が不要なきのこばかりしか見ていないので、切片作りはいつになっても上達しない。
 やはりうまく切れなかったが、ヒダ実質の構造などを観察することはできる(c, d)。メルツァーを加えてみた。全体がすっかり明褐色に染まってしまった(e, f)。切片がもう少し薄かったらはるかに見やすいはずである。胞子は透明で膜も薄いので、水でマウントした状態ではとてもみにくい(g)。今回観察した胞子は軽いアミロイドであった(h)。胞子のアミロイド反応については議論のあるきのこである。保育社の図鑑の記述も正確とは言い難い。(cf. ウスキブナノミタケ)

 昨日はとりわけ迷惑メールが多かった。特に以下のアドレスからはそれぞれ50件以上もウイルスファイル付の「援交斡旋」メールが来た。「くたばれ」などと書いたからだろうか。
       yaomatu@yaomatu.co.jp
       suport@mapion.co.jp

2004年11月2日(火)
 
迷惑メール、ウイルスメール
 
 日中職場でメールをやりとりする環境がないので、プロバイダに届いたメールはケータイに転送するようにしている。パソコンへは連日、ウイルス付きやら迷惑メールが30〜50件ある。一方、ケータイには毎日20〜30件の迷惑メールが飛び込んでくる。ほとんどが出会い系とH系である。したがって、ケータイには毎日50〜80件ほどのクズメールが届くことになる。
 これらの迷惑メールも最近はかなり手が込んでいる。知人や公共機関を装ったもの、講演依頼や原稿依頼を装ったもの、契約不履行を訴えるもの、プロバイダからのお知らせを装ったもの、などである。文面の一部には「メルマガ解除・お問い合わせ」などといった項目があり、そこにURLが記載されている。うかつにアクセスしようものなら大変だ。相手の思うつぼである。
 最も困るのが、こういった迷惑メールなどに埋もれてしまって、重要なメールを見落としてしまったり、誤って削除してしまうことである。すぐに返事を書かねばならないメールを誤って削除したことは一度や二度ではない。ウイルス作成者くたばれ! 迷惑メール発送者くたばれ!

2004年11月1日(月)
 
(a)
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(j)
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(l)
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 千葉県野栄町の砂浜で採取したハチスタケ(a, b)を検鏡した。まずルーペで拡大してみると、確かに蓮の実(ハチス)を連想させる(c, d)。頭部をみるとクロコブタケの幼菌を思わせる(d)。真っ黒な胞子紋を覗いてみると、胞子にはこの仲間特有の縦スリットがみられる。胞子の輪郭部(f)に焦点を合わせると分かりにくいが、表面近くに合焦するとよくわかる(e)。
 頭部を切断してみると、確かに子嚢殼があり袋の中には多数の子嚢が詰まっている(g)。この部分を薄切りにして低倍率で覗いてみた(h)。褐色はメルツァーのせいである。水でマウントしても子嚢の姿ははっきりしない(i)。メルツァー液を注いでから水洗いしてみると、胞子先端が青色になる(j)。倍率を上げてみると、子嚢先端の胞子放出孔の縁がきれいにアミロイドリングをなしている(k)。視野の中を探してみると、子嚢先端のリングを上から見られる位置のものがあった(l)。
 今回採取したハチスタケは頭部の径1〜1.5mmほどの小さなものだった。だいぶ前のことだが、持ち帰ったウサギの糞を適度の湿気を保った状態で放置したところ、頭部の径1〜2mm、柄の丈4〜5cmほどのハチスタケが多数発生した。その折り、粉状の分生子なども観察できた。
 それにしても、小さなきのこの切片を作るのは難しい。ルーペを指に挟んでピスを使い薄切りにしたが、思ったほど薄くは切り出せなかった。修練が足りない!

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