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先日採取したキツネタケ属のきのこの胞子をつかって、焦点位置を変えると見え方がどのように変化するのかを示してみた。カバーグラスに採取した胞子紋を水でマウントしたのち、そこにメルツァー液を加えて、対物レンズを1.5〜2μmほど下げては撮影してみた。胞子の上側表面突起の部分に焦点を合わせたもの(a)から胞子の裏面下側の突起の先端に焦点を合わせたもの(f)まで、輪郭部(c, d)付近のそれとはずいぶんと違って見える。 写真(a)、(f)だけしか見なければ、胞子は微疣に覆われていると読みとれるし、(c)、(d)だけしか見なければ、針に覆われているように読みとれる。いずれも胞子表面の真の姿とは言い難い。焦点深度の関係からごくわずかの部分にしかピントが合わないので、顕微鏡写真だけからでは全体像が掴みにくい。スケッチの大切さを改めて感じる次第である。 自宅サーバーはADSL回線のYahoo!BBをつかっているが、障害発生から既に60時間ほどになる。直ちに復旧するという返事からすでに24時間以上が経過している。一方、MirrorSiteは順調に稼働している。そろそろ京都に出発する時刻になってきた。 |
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昨日の午後から、自宅サーバーの利用している回線が不通状態となり、写真などがほとんど表示されなくなってしまった。今朝もまだ回復していない。原因はまだ分からない。悪いことは重なるものである。これまで利用してきたDDNSの運営元(米国)からは、無料サービス廃止の連絡が来た。今後は有料サービス一本に切り替えるので、6月24日までに料金を払って欲しいとの連絡があった。利用価格は年1,000ドルと、個人で負担するにはかなり高額である。 自宅サーバーの運営はかなり手がかかる。これを維持していくために、きのこ観察の時間がかなり犠牲となってきた。好きこのんで自宅サーバーを立てているわけではない。1GBのスペースを安く利用できるプロバイダが無いためである。DDNSも無料では利用できなくなるし、昨今のウイルス攻勢のすさまじさなどを考えると、どうしたらよいものか考えあぐねている。 いずれにせよ、ここ数日は不在となるので、解決のための時間は捻出できない。当面、現状のまま放置せざるを得ない。この「雑記」も来週火曜日まで更新はない。 |
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昨日、仕事先から近かった川越の自然林に行ってみた。ちょうど一週間ぶりであったが、きのこの発生状況はすっかり変化していた。先日あれほど沢山みられたテングタケ類がほとんどみられない(雑記2004/6/10)。ムラサキヤマドリタケの姿も全くない。 背丈2〜3cmほどのミニ盆栽のようなテングタケ科のきのこが多数みられた(a, b)。持ち帰って調べてみるとアカハテングタケであった。散開型のヒダはテングタケ属の特徴である(c)。キツネタケ属のきのこ(d)の胞子は丸くて刺に被われたものが多い。メルツァー液(e)とフロキシン(f)で染めて、輪郭部に焦点を合わせて撮影した。 先日同様コバヤシアセタケはそのまま残っていたが、そのほかにもいかにもアセタケ属と思われる小型菌がかなりでていた(g, h)。胞子は楕円形で平滑である(i)。ヒダを切り出してみても縁にも側にもシスチジアがみられない(j)。ヒダ実質は並行型でクランプを持つ(k)。担子器(l)を単独で取り出すことはできなかった。今朝は検索表をたどっている時間はない。 |
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13日の日光では、タモギタケにはあちこちで出会ったが、いずれも小さな幼菌やらヒダや傘がくずれた老菌が多かった。最盛期の成菌(a, b)は思いの外少なかった。ホシアンズタケは連日の雨のためにたっぷり水分を含んで傘表皮はたっぷり膨張して、特徴的な頭部のしわが見られないものが多かった。結局一枚も撮影することはなかった。 カラマツの仲間の針葉樹からはツバを持ったマツオウジがでていた(c, d)。チシオタケ(e, f)、ベニカノアシタケ、各種のアセタケ類をはじめ小さなきのこはいろいろあったが、同定作業の時間がとれそうもないので、撮影も採取もしなかった。早めに現地を出発したので、帰路の高速道路は渋滞もなく順調であった。 利用しているプロバイダの一つが、ここ3日ほどFTP利用不能である。14日付けで【メンテナンス完了】とうたっているのにもかかわらず、相変わらずアップできない。以前にも約2週間こういった状態が続いたことがある。このため一部写真が表示されないかもしれない。 |
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今朝は、先日川越で採取したツエタケの仲間(a, b)を検鏡した。傘表皮には全く滑りがなく、わずかに微毛があって放射状のシワがみられる。柄の表面にも細かな毛がわずかにみられる。ツエタケ属には間違いないが、ツエタケとは明らかに違う。現地で見たときビロードツエタケのようにも思えるが、傘表面の感触が異なるように感じていた。 採取して直ちに胞子紋だけを採取し、後はそのまま紙袋に容れたまま冷蔵庫に放り込んでおいた。今朝取り出してみると半乾燥状態ですっかり縮んでいた。ヒダもクシャクシャである。胞子は12〜15x10〜12μmほどあり非アミロイド(c, d)。ヒダを切り出してKOHでマウントした(e)。側シスチジアが多数あり、紡錘形で先端が丸くなっている(f)。フロキシンで染めてみた(g)。この(g)から側シスチジアだけを取り出してみた(h)。油浸100倍で見ると側シスチジアはとても大きくて、視野に入りきらなかった。(i)と(j)とは同じシスチジアの基部と頭部である。傘表皮は子実層状でその中から長い組織が多数伸び上がっているのが見える(k, l)。 肉眼的・顕微鏡的特徴のいずれも、典型的な姿からはやや遠いが、ビロードツエタケとしてもよさそうだ。 |
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昨日、友人ら8名で日光に行って来た。NHKテレビの特集番組で紹介されると、どういう状況になるのかと言うことを痛感させられた。バスは往復とも通勤ラッシュ並みの混雑であり、積み残しが多数でてしまうほどの人出であった。 たった一個体ではあったが、マルミノノボリリュウに出会えたことが最大の収穫であった(a, b)。頭部はとても薄く今にも壊れそうであり、トキ色の柄が非常に印象的である。ヒロメノトガリアミガサタケは既に最盛期を過ぎており、萎びたりバクサレ状態のものしか見られなかった(c, d)。適期には1週間ほど遅かったようだ。まるでヤマブシタケのように丸く成長したサンゴハリタケがあったが、例年に比較すると数も少なく、サイズも小さなものだった(e, f)。 ヌメリスギタケモドキ、タマチョレイタケ、タモギタケ、ホシアンズタケ、ウスヒラタケ、キツネノロウソク、ヒダキクラゲをはじめ多くのきのこに出会うことができた。 |
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今朝は、先日川越の保護林で採取したコバヤシアセタケと思われる菌(a)を覗いて楽しんだ。全体に若く、完熟した個体は少なかった。まるまる一晩採取したにもかかわらず、胞子紋はわずかしかとれなかった。さらに胞子(b)はコバヤシアセタケとしてはやや小振りである。 切り出した切片はヒダ先端付近に水泡がはいってしまった(c)。学術論文に出すわけではないので、日常こういったことは全く気にしていない。ひだ実質の菌糸にはクランプがあり、やや倍率を上げると縁にも側にも同じような形のシスチジアが多数みられる(d)。油浸100倍レンズに換えてみた(e)。KOHを加えて軽く押しつぶすとあちこちにシスチジアが飛び出してきた(f)。その大きさにはかなりのバラツキが見られた。柄の表面にはシスチジアは見られなかった。 今日は菌懇会の例会、しかし、その日程より先に日光での菌類観察が決まっていた。まだ夜中だが、そろそろ出発の時刻である。 |
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デパートの地下食品売場で「キトサン栽培 キングしめじ」という商品名のきのこを買った(a, b)。ラベルをいくら見ても和名ないし学名などは表示はされていない。ちょっとみたところハタケシメジを思わせる。ヒダ切片を切り出してみたが、シスチジアはどこにも見られない(c)。 やや倍率を上げたが何とも見にくい(d)。メルツァーで染めるとかえって見にくくなった(f)。そこで、再度切片を切り出してフロキシンで染めた(e)。油浸100倍レンズにすると担子器も明瞭に捉えられた(g)。ヒダ実質はやや錯綜気味の並行型でクランプを持っている(h)。 一晩放置したが胞子紋は採れず、カバーグラスには胞子の姿はなかった。やむなくヒダをスライドグラスに押しつけて胞子を採取した。水でマウント(i)したところ、水泡なのか胞子なのかわかりにくい。そこで、フロキシンを追加して染めてみた(j)。やや胞子が小さめなのは未熟(?)のせいなのだろうか。どうやらブナシメジあるいはその近縁種らしい。 |
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川越の保護林にはテングタケ科ばかりではなく、ベニタケ類が急に多数発生を始めていた。ドクベニタケ(a, b)、ヒビワレシロハツ(c, d)が最も多く、カワリハツ、クロハツが次に目に付いた。ベニタケ類ではないが、マツオウジは相変わらず多くの場所にでていた(e, f)。 他には、ヤグラタケが早々とでていた(g, h)。コバヤシアセタケと思われる菌が何ヵ所かで菌輪をなしていた(i, j)。どこまで調べることができるか分からないが、ウラベニガサ科のきれいなキノコを持ち帰った(k, l)。容姿端麗なツエタケは、遠目にはまったく別種に見えた。 。 早朝の検鏡時間を捻出するのが苦しくなり、夜もキノコのために利用できる時間がかなり少なくなっている。このため、撮影するきのこを控えるようになった。また、撮影しても持ち帰らなかったり、持ち帰っても同定作業をする前にダメにしてしまうケースも増えた。今朝は6種類ほど胞子などを検鏡したが、かろうじてアップできたのはドクベニタケの胞子(b)だけだった。 |
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