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日( )

2008年4月30日(水)
 
オオシャグマタケの出始め
 
 昨日、穏やかな好天の下、仲間8人で日光を歩いてきた。標高の高い地域では、シャグマアミガサタケは全体にまだ若い未熟な菌が多かった(a, b)。オオシャグマタケはようやく顔を出しはじめたらしく、いずれも小さな幼菌ばかりだった(c, d)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 オオズキンカブリタケ、テンガイカブリタケはまだ発生していないのか、ひとつも見つからなかった。これらの発生はあと2〜3週間先になるのだろうか。コキララタケ、ケコガサタケ属などにも出会った。一方、寺院の多い市街地では桜樹下にハルシメジが多数みられた(e)。きのこではないが、今年もまたクロサンショウウオと独特の姿をした卵嚢がみられた(f)。

2008年4月29日()
 
並はずれた(?) 記憶力
 
 キツネノヤリタケについて誤った記憶をしていたので、念のためにアミガサタケについても子嚢を確認してみた。あまりにも当たり前になってしまっているので、アミガサタケの子嚢を見るのは久しぶりのことだった。水(c, e)とメルツァー液(d, f)で封入した。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 教科書の内容を「暗記」することや、図や写真から「名を記憶」するという行為は若い頃からひどく苦手だった。「受験勉強」をしている友人達が異星人にみえた。教科書や参考書の内容を覚えられることが不思議だった。どうあがいても彼らの真似はできなかった。
 記憶力が人並み外れて悪い人間にとって、現実を認識するには徹底した観察しかない。常識とされている事柄でも、愚直にいちいちそれを自ら確認しないと記憶できない。「暗記」は全くダメだった。きのこについても、自分で直接観察したものしか「名を覚える」ことができなかった。きっと、先天的に脳の一定部位の機能に障害があるのだろう。

 今日はこれから日光。例年今頃ならシャグマアミガサタケ、オオズキンカブリタケ、テンガイカブリタケ、水生子嚢菌類がみられるのだが、今年はどうだろうか。


2008年4月28日(月)
 
いい加減な記憶
 
 一昨日採集したキツネノワンキツネノヤリタケ、ツバキキンカクチャワンタケを顕微鏡で覗いて遊んだ。ツバキキンカクチャワンタケはそろそろおしまいらしく、かなりくたびれきっていたので、生態写真の撮影はしなかった(a 右)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 人間の記憶というのはあてにならないものだ。何時の頃からか、キツネノヤリタケの子嚢先端はアミロイドだとばかり思いこんでいた。昨日帰宅後、顕微鏡で覗いてみて気づいた。どこで誤ってしまったのか分からないが、当たり前のキノコであっても、時々初心に返って顕微鏡で観察すると、思いがけない記憶違いや勘違いを修正することができる。

2008年4月27日()
 
アミガサ見納め
 
 アミガサタケの発生もそろそろおしまいのようだ。埼玉県南部でも大形のアミガサタケが最盛期を迎え、最初細かった柄もすっかり太くなり、中には頭部よりも柄が太くなった個体もある。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 久しぶりに、きのこ狩りをしてした。しっかりしていて新鮮なアミガサタケを捕獲して帰宅した(a, b, f)。獲物はほとんどが酒の肴となった。アミガサタケの肉詰めは結構美味しかった。

2008年4月26日()
 
キツネノヤリタケ
 
 埼玉県蓮田市までキツネノヤリタケを見に行ってきた。菌友のYさんから得た情報に基づいて、友人等三名で楽しんできた(a〜e)。キツネの「ヤリ」というよりも、キツネの「ヘラ」といった方がしっくりくるような形のものが多い。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 キツネノヤリタケは、長いものでは柄の部分が10cm程あった。キツネノワンは最盛期を過ぎ、径3cm程の大きなものがいくつもみられた(f)。埼玉県内でキツネノヤリタケを見たのは今回がはじめてだった。ゴールデンウイーク前半初日とかで、市街地はどこも大渋滞だった。

2008年4月24日(木)
 
[今日の雑記] 満7年
 
 何となく書き連ねてきた「今日の雑記」だが、いつの間にか開設から満7年を迎えることになった。2001年4月24日に、埼玉県与野市の梅林でハルシメジを観察したときのメモが始まりだった。タイトルの直下に「日常の雑メモです。・・・」と記されている。
 2006年4月26日の雑記にも記したが、当時はきのこの顕微鏡写真を正面から取りあげたサイトはごくごくわずかしかなかった。しかし、アマチュアの間に顕微鏡が広く普及して、美しく鮮明な顕微鏡写真を頻繁に掲載するサイトがずいぶんと増えた。
 「今日の雑記」については、身近な友人・知人から、マンネリ化・話題性のなさ、などを指摘されるようになって久しい。「そろそろ店を畳んだらどうか」という助言もある。2年前に「第一義的には自分たちのためのメモ」であり「この姿勢のまま物理的に続けられる限り更新していく」と記したが、最近ではかなり怪しい雰囲気となってきた。

2008年4月23日(水)
 
Macintosh関連の最終処分
 
 OSの普及率、汎用性、開発環境やコストの問題もあり、ここ数年の間に、Windows一本に集約してきた。FreeBSDとLinuxは捨てたが、MacとWindowsは長いこと併用していた。Jedit、秀丸などのエディタや、画像処理にワープロソフトなど、同じようなソフトが両者に必要だった。

 一昨日、残っていたMacintosh関連の機器やソフト類を処分した。OS X TigerやLeopard、ユーティリティなど今や旧バージョン。重いG3本体はバラして金属ゴミに、アプリケーションはプラスチックゴミとして捨てた。数世代前までのソフトと書籍は友人に引き取ってもらった。今回捨てたハード本体と書籍、ソフト類は50Kg以上あった。昨年かなり処分したはずがまだこんなに残っていたことに呆れた。友人渡しも重量にして10Kgほどあった。
 QuarkXPress、InDesign、LaTeXなどの組版関連ソフトと文献、AppleScript関連の文献がまだあちこちに残っていたが、これですべてなくなった(はずだ)。マイクロソフトは大嫌いだがやむを得ない。今や手元のパソコン環境はWindowsだけとなった。


2008年4月22日(火)
 
見つかったフィルムケース (2)
 
 昨日取りあげたきのこは、経験豊かな人がみれば、肉眼的形態、胞子、シスチジアからすぐに種名が分かるのだろうが、久しぶりに検索表をたどってみた。保育社の図鑑p.20〜23にある (ハラタケ目の科の検索表) を順次たどると、最後の 24' フウセンタケ科に落ちる。
 ついで、p.212にある属への検索表をたどると、ケコガサタケ属 Galerina に落ちる。さらに読み進むと、フユノコガサ亜属となる。この亜属ではフユノコガサ G. heterocystis 1種だけが記されている。類似種が他にもあるかもしれないが、保育社図鑑の範囲では、フユノコガサとしてよさそうだ。図鑑の説明では「晩秋から春」とある。観察結果を書き出して、忠実に検索表をたどると、比較的楽に種名にたどり着けるきのこなのだろう(雑記2003.10.21雑記2007.10.3)。

 新鮮なフユノコガサが顕微鏡下でどのようにみえるのかを、以下に掲げてみた。2005年3月に観察したときの画像の一部だ。
 

(k)
(k)
(l)
(l)
(m)
(m)
(n)
(n)
(o)
(o)
(p)
(p)
 胞子は胞子紋から採取したもの(k, l)。ヒダ実質が平行菌糸型であることがよく分かる(m)。縁シスチジアも潰れたり壊れていない(n)。参考のために担子器(o)とカサ表皮(p)を添えた。

2008年4月21日(月)
 
見つかったフィルムケース (1)
 
 昨日前日光に位置する石裂山(おざくさん)に遊んだ。低山にもかかわらず、急峻な岩場を歩かねばならず、事故の多いハイキングコースでもある。沢沿いのコースを登ったが、出会ったきのこはニガクリタケとクヌギタケ属、イッポンシメジ属の小さなきのこだけだった。
 副産物として、4月12日に採集して(a, b)、激しく揺れる車の中で行方不明になっていたきのこが見つかった(雑記2008.4.13)。運転席のシートの下に転がっていた。フィルムケースに入っていたために、多少は形を保ってはいたが、すっかりしぼみ、全体が液状化しはじめていた。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 採取時は、カサ径0.8〜1.0cm、柄の長さ3〜4cmほどあったのだが、しぼんですっかり小さくなって、カサ径は0.4〜0.7cmほどになっていた。採取時現地で簡易実体鏡で眺めたときの姿(c)からはほど遠い状態となっていた。どうやら縁シスチジアがありそうだ。
 そこからヒダを一枚つまんで、スライドグラスに寝かせて顕微鏡で覗いてみた(d)。ボーリングピンの先端に球を載せたような形の縁シスチジアがあるようだ。そのままフロキシンを加えて赤く染めた後、3%KOHを加えて押し潰してると(e)、縁シスチジアの全体像がみえた(f)。
 無駄を承知で、ヒダを薄く切ってみた(g)。やはり上手くいかないが、何となくヒダ実質の構造(h)や、子実層の様子が分かる(i)。今更胞子紋をとれないので、ヒダ面をスライドグラスに押し当てて胞子を採取した(j)。なお、菌糸にクランプはなく、胞子には胞子盤がみられない。

 それにしても、中途半端に縮んで崩れて液状化したきのこは扱いが面倒だ。ヒダの大部分がクシャクシャだったので、横断面切り出しには難儀した。また、カサ表皮の切り出しは諦めた。


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