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日( )
2008年11月10日(月)
 
コナガエノアカカゴタケ大発生
 
 昨日払暁、暗いうちに川口市を出発して、千葉県房総半島の内房と外房九十九里の浜、茨城県の鹿島灘の浜を歩いた。内房の浜では、多くの種類のキノコが多数みられたが、九十九里浜や鹿島灘では、きのこの発生はあまり芳しくなかった。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 立ち寄った浜すべてについて、スナヤマチャワンタケは多数みられた。頂部の孔が開き始めた幼菌から、成菌まで数百個体にであった。次に多く見られたのがコナガエノアカカゴタケ。70〜100個体ほどでていた。これだけの数を見たのは実に久しぶりのことだ(雑記2002.10.25)。
 最近は経済的な理由で、ひと頃のように海浜に出かけられなくなっている。そのせいか、海浜生菌類の観察や撮影では必須アイテムである霧吹きを持っていくのを忘れた。それもあって、多くの画像が砂だらけでわかりにくいものになってしまった。
 なお、ケシボウズの仲間では、ナガエノホコリタケ、アバタケシボウズタケ(仮)、ウネミケシボウズタケ、tulostoma kotlabae、など、5〜6種が新鮮な姿をみせてくれた。

2008年11月9日()
 
きのこの姿なし
 
 所要で三芳町まで行ったので多福寺近くの平地林を歩いてみた。きのこの姿はほとんどなく、唯一見られたのが白色のアセタケだった。あいにくカメラを持っていなかったのでケータイで撮影した(a)。柄の基部はわずかに膨らみ(b)、ヒダは上生〜離生(c)、胞子にはコブがある(d)。ここまでみればシロニセトマヤタケだろうと見当がつくが、念のためにヒダを切り出してみた(e)。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
(i)
(j)
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 ヒダの縁(f)やら側(g)には厚壁で結晶を帯びたシスチジアがある。縁シスチジアも側シスチジアも同じような形と大きさだ。久しぶりにフロキシンで染めてKOHでバラしてみた。シスチジア(h)や担子器(i)を眺めて楽しんだ。カサ表皮は乾燥と汚れのためにハッキリしなかった(j)。
 先月の雑記(2008.10.21)でもシロニセトマヤタケとシロトマヤタケを取り上げたが、どちらなのか外見だけでは紛らわしい。シロトマヤタケはカサの形が丸山形、シロニセトマヤタケは頂部が尖ったものが多いようだが、胞子をみるのが確実だ。

 今はam3:40、これから久しぶりに千葉の海に行ってみよう。


2008年11月8日()
 
ミラーサイト復旧
 先日の栃木旅行(11/2〜11/3)でもきのこは非常に少なかったが、近場にもきのこの姿はほとんどみられない。したがって、雑記でもきのこの話題はおのずと限られてくる。

 ミラーサイトがようやく復旧した。この数日のトラブルは何だったのだろうか。同じようなことが今後再び起こらないとも限らない。ミラーサイト兼「こけ雑記」用として新しいコンテンツプロバイダと契約した。ホームページ容量無制限、自作CGI/SSI使用可、MySQL対応、sendmail使用可、PHP使用可、1サーバー定員40名で、年間7,560円。昨日から今朝にかけて、「きのこ雑記」をFTPで転送した。ファイル数が膨大なため、転送にはケーブルテレビ環境で10時間ほどかかった。
 インターネット用のブラウザには、長いこと Netscape をメインに IE(InternetExplorer)をサブに使ってきた。IE は重いし、余計なお節介が多すぎる。Netscape は軽くてよかった。しかし、既にメンテナンスも終了してセキュリティ面でも脆弱となっているので、今朝 Netscape を捨てた。そして新たに GoogleChrome を導入した。これは、従来のブラウザの常識を覆すブラウザだ。しかも、IE はもちろん Firefox や Opera よりもはるかに軽く表示も早い。ネットサーフィンや検索はとても楽で、パソコン内のファイルを閲覧するのにもよい。


2008年11月7日(金)
 
日英菌学会合同シンポジウム
 
 今月16日(日)に上野の国立科学博物館で、日本菌学会と英国菌学会合同の興味深いシンポジウムが行われる。特別展「菌類のふしぎ」ばかりではなく、有意義なシンポジウム(無料)にも参加してみてはどうだろうか。以下に案内文を掲載しておこう。なお、参加される場合、できるだけ事前に中桐さんあてメールで連絡されたい。

日英菌学会合同シンポジウムのご案内
日英菌学会合同シンポジウムのご案内

 日本菌学会は英国菌学会との交流事業として,11月16日に日英合同シンポジウムを国立科学博物館との共催にて下記の要領で開催いたします.現在開催中の科博特別展「菌類のふしぎ−きのことカビと仲間たち」にちなんで、菌類と人間との関わり、菌類の利用、菌類調査の大切さと博物館の役割などについて、講演していただきます。ふるってご参加下さい.

MSJ-BMS Symposium 日本菌学会−英国菌学会合同シンポジウム
シンポジウムタイトル:
     "Exploitation of fungi for life benefits" 「快適な生活のための菌類資源の活用」

日時:2008年11月16日(日)13:00-15:00
場所:国立科学博物館(上野) 地球館3F講義室
参加費:シンポジウムは無料,ただし,科博入館料(常設展示観覧)として600円必要(なお,これに700円足せば特別展の菌類展観覧可能)

発表者と演題:
   BMS側:Dr.Geoffrey M. Gadd (Univ. Dundee, 英国菌学会元会長)
     "Fungi in the Biosphere"
     Dr.Geoff D. Robson(Univ. Manchester, 英国菌学会General Secretary)
     "Filamentous Fungi as Cell Factories"
   MSJ側:細矢 剛 (国立科学博物館植物研究部、日本菌学会理事)
     "Natural History Museum and fungal inventory in Japan "

 当日参加も受け付けますが,参加される方は,できるだけ事前に中桐まで,ご連絡下さい.
中桐 昭(国際集会担当理事)


2008年11月6日(木)
 
ミラーサイトにアクセスできない!
 
 「きのこ雑記」を設置しているプロバイダのひとつ tok2pro に重大なトラブルが生じて、全くアクセスできなくなってしまった。「きのこ雑記」のURL(ミラーサイト)をクリックすると、Tok2.com のホームページが表示されるばかり。幸いメインプロバイダの Sakura は今現在正常に可動しているので、ここへのアクセスは問題ない。

 プロバイダから「現在ドメインレジストラとの事務手続きに問題が発生しており、更新期限が過ぎたために停止状態となりました。停止となった原因につきましては、現在ドメインレジストラと確認中でございます」、「ドメインレジストラはアメリカにあり、日本時間17時現在は営業時間外にあるため現状としてドメインの復旧の対応が行われず、結果として復旧が遅れております。現地営業時間内に入りましたら、至急働きかけることを予定いたしております」というメールが届いた。

 どうやら国際的信用不安の影響をもろにくらったようだ。復旧可能かどうかは五分五分。早急に新たなミラーサイトを設置するプロバイダを探さなくてはならない。過去にも数回似たような状況に追い込まれた。「きのこ雑記」を運営するには三つの条件が必要だ。

 (1) 自作CGI と MySQL、sendmail を使えること
 (2) ホームページ容量が5GB以上(つまり上限無制限)
 (3) 使用料金が安価であること(5万円以下)
 そんなプロバイダはとても少ない。またまた「きのこ雑記」を継続できるか否かの危機だ。

2008年11月5日(水)
 
担子器模型
 
 国立科学博物館の特別展「菌類のふしぎ」展示されている担子器等は「(アトリエ) コウボウフデ」の手になるものだが、その作者から、先月末に担子器模型をいただいた。ハラタケ類などの様に胞子を heterotropic につけるタイプの模型だ。
 担子器模型はいろいろな場面で活躍してくれる。かつて雑記で焦点深度の件についてふれたことがあった(雑記2004.9.18)。その雑記では、拙い図を使って説明したが(a, c)、模型を使えばはるかに分かり易い(b, d)。研修などでも使えるので非常にありがたい。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 ヒトヨタケなどのヒダをスライドグラスに寝かせて顕微鏡で覗くと、担子器の先端についた四つの胞子がみえる(e)。これなども、模型を使えば、さらに楽に多くの情報を伝えることができる(f)。さらに、腹菌類などのようなorthotropic タイプの担子器模型があると、胞子の付き方の説明などを明確にできる。いずれにせよ、担子器模型、胞子模型は多くの場で活躍してくれる。

2008年11月4日(火)
 
円高:購入チャンス!
 
 米ドルをはじめ英ポンドなど西欧圏の通貨が軒並み値を下げている。海外の専門書を買うには絶好の条件が揃っている。同じ本が数年前の半分以下の価格(円)で購入できる。"Mosses and Other Bryophytes, An Illustrated Glossary"(a) の Second Edition (d) を注文した。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 このイラスト用語集は、非常に綺麗な写真をふんだんに使った良書として知られている(b, c)。菌類関連でも著名な "Illustrated Dictionary of MYCOLOGY"(e) という用語集がある。解説は優れているものの、写真や図はお世辞にもほめられたものではない(f)。
 "Mosses" 初版本(a)は現在でも円換算で3.5〜5万円する。Amazon.com では初版本(a)しか取り扱っていないので、海外の専門書店にあたってみた。世界的信用不安のため、価格の変動幅が非常に大きいことを知った。さらに通貨の為替レートも日々大きく変動している。

 海外の専門書店をあたった結果、英国(£:2〜4)とニュージーランド($NZ:1)で取り扱っていた。右端の欄が総額の円換算値だ。英国の書店では66〜80ポンドとバラツキが大きいが、総じて船便料金は比較的安い。ニュージーランドは船便が高いが、合計価格は最も安い。もちろん、ニュージーランドの書店に注文をだした。

(1)$NZ 98.00 (+ shipping 40$NZ) total $138.00 7,905.1 JPY
(2)£ 66.00 (+ shipping 10£) total £76.0012,052.3 JPY
(3)£ 76.00 (+ shipping 20£) total £96.0015,224.0 JPY
(4)£ 80.00 (+ shipping 13£) total £93.0014,748.2 JPY

2008年11月2日()
 
栃木の山へ
 
 今日と明日の2日間、仲間6人で栃木の山に出かけるので、明日の雑記はお休み

 
 
ボルトナットミクロトーム
 京都のKさんから、ボルトナットでできた簡易ミクロトームをいただいた(a)。パーツは4点だけからなり、いたって簡単だ(b)。比較的簡単に作れるが、タップを使った雌ねじの加工がちょっとやっかいかもしれない(c)。長尺ナットの先にはワッシャを接着してある。
 先に紹介したPV製簡易ミクロトーム(雑記2007.8.7同2007.6.6)、使い捨て注射器を利用した簡易ミクロトーム(同2006.11.23)と一緒に並べてみた(d)。これをみると、比較的小型なので携帯には便利、多少乱暴に扱っても全く問題なさそうだ。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 構造はシンプル、製作は比較的容易、紛失してもさほど痛手はない、とよいことばかりのようだが、実力のほどはどうだろうか。PV製と比較すると使い勝手にやや難点はあるが、注射器製のものよりもはるかに安定して切り出せる。慣れると楽に35〜50μm厚の切片を切り出すことができる。ピスを固定するネジの締め加減と、ボルトの送り出しに若干の慣れが必要か。

2008年11月1日()
 
キヌメリガサ:長い担子器
 
 晩秋のキノコであるキヌメリガサは、別名コンキタケとも言われる(a, b)。落ち葉の間に散生しているので、根気よく採集しなくてはならず、ヌメリのあるカサにはカラマツなどの葉がこびりついていて、根気よく取り除かなくてはならないから、根気茸なのだと聞いた。
 ヌメリガサ科のキノコは、通常胞子の長さの5.5〜7倍という、とても長い担子器をもつと保育社図鑑には書かれている。わが国では、アカヤマタケ属 Hygrocybe、ヌメリガサ属 Hygrophorus、オトメノカサ属の3属が知られているとされる。
 いずれも胞子は非アミロイドで平滑、菌糸にはクランプがある。この三つのグループは、肉眼的にも違いを感じることができるが、ヒダ実質がそれぞれ並列型、散開型、錯綜型と教科書的に三パターンをなしている。キヌメリガサはヌメリガサ属のきのこだ。
 
(a)
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(c)
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(d)
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(e)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 胞子を水で封入すると(c)、コントラストが弱くて見にくいのでフロキシンで染めた(d)。ピスも実体鏡も使わずに「めくら切り」で切り出したところ、ヒダ実質の薄切りには失敗した(e)。それでもフロキシンを加えると、なんとなく散開型であることがわかる(f)。コンデンサを絞ってコントラストを強めると、散開型であることがはっきりした(g)。長い担子器を確認した(h, i)。担子器の基部には、クランプのないもの(j)、クランプのあるもの(k)、両者がある。カサの表皮は、クランプをもった細い菌糸が匍匐状に連なっている(l)。
 今朝はなぜか面倒くささが先に立って、ピスも実体鏡も使わなかった。20日間も冷蔵庫の肥やしとなっていたきのこがやっと片づいた。それにしてもグズグズに溶け始めたきのこから、ヒダやらカサ表皮を切り出すのは至難のわざであることを痛感した。帰宅後すぐ乾燥標本にしてしまえば、こんなにウンザリする作業はせずにすんだのだろう。

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