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日( )
2008年8月20日(水)
 
きのこグッズ:芸が細かい
 
  8月8日の雑記でも記したが、日本菌学会関東支部主催の観察会締切りまであと10日となった。参加予定で申込みを忘れている方がいるようなので、ここで再度紹介しておこう。実は既に申し込んだつもりですっかり忘れていて、先日慌てて申込みをした。日時・場所・申込先など、詳細は関東支部のホームページを参照されたい。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 工房 "こうぼうふで" からキノコグッズが届いたのは10日ほど前のことだった(a)。台座と一緒に袋に入った高さ8cmほどのキイロスッポンタケ(b)とウネミケシボウズタケの胞子(c)だ。きのこを熟知した人の手になる作品だけあって、特徴をよく捉えた楽しい作品に仕上がっている。
 ウネミケシボウズタケの胞子(c, d)にいたっては、光学顕微鏡(e)では明瞭には分からない部分まで表現されている。これは電子顕微鏡(f)で見たときの姿を彷彿とさせる。今月中にも佐野書店で販売を取り扱うことになろう。どんなキノコが登場するのか楽しみだ。

2008年8月19日(火)
 
地下生菌図版集
 
 昨日『地下生菌図版集 ミクロの世界へ第一歩』という図版集が届いた。故吉見昭一氏の遺稿の図版の一部だ。氏が力を入れて研究・教育・啓蒙・普及に力をいれてこられた腹菌類と地下生菌にかかわる図版1,000枚弱を1冊に集約したものだ。
 吉見氏の精力的な活動があったからこそ、腹菌類や地下生菌といったマイナーな菌類が多くの人に認知されるようになったことは、誰の目にも明らかな事実だ。氏との出会いによって、地下生菌という奥深い世界の楽しみを知ったという人は多い。
 
(a)
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(b)
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(c)
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 吉見氏の菌類世界への大きな貢献は、後生までずっと語り伝えられていくべきだと思う。そして、貴重な図版を埋もれさせることなく公にされた親族の方々に感謝したい。
 吹春俊光博士が「我々に残されたのは、日本からはまだ報告されていない種類が相当数盛り込まれた、吉見図版集と吉見標本集である。これから先のことは、残ったわれわれが、すこしずつ調べていくしかないのである」と編集後記を締めくくっておられる。

2008年8月18日(月)
 
日本きのこ図版 完全版 (1)
 
 『日本きのこ図版』通称「青木図版」の完全版(全六巻)が11月には出来上がるようだ。過日第三巻(見本)を拝見する機会を得た。青木実氏の企図した配列、つまり『日本きのこ検索図版』の順にしたがって、科別に分けられた配列となっている(雑記2006.7.15)。

 『青木図版』前半部は過去に一度だけ少部数が製本された。後半部は千葉でコピーされたものが、熱心なアマチュアなどの手で、子コピー、孫コピーと次々にコピーされて広まった。したがって、全体を通しての『日本きのこ図版』という名の冊子は未だ存在しない。
 あまりにも有名な『青木図版』だが、コピーできるツテを持たない人にとっては、これまで入手はほとんど不可能だった。だからだろうか、ときどき古書店に25〜37万円という高額でコピー製本版が出る(同2007.10.21)。このコピー版には青森版、北海道版、兵庫版などが生まれたが、いずれも欠落図版があったり古い図版が混じり、完全なものはなかった。
 たとえば、図版No.722のイタチタケは4枚からなるが、多くの版では2枚目までしかないのではないだろうか。わが家の図版(千葉版)でも、2枚目までしかない。他にも類似のものがいくつもある。完全版では、No.1〜No.1113の前半部でも300枚ほどが追加されているという。
 青木さんはすべての資料を千葉菌類談話会に寄贈したが、これらの中にはまだ関係者にも知られていない資料がいくつもあった。この事実は、2年前に『日本きのこ検索図版』を編集する段階で初めて判明した。兵庫の名部みち代さん、北海道の白山弘子さんによる詳細な調査の結果分かったことだ。この時点から完全版刊行の仕事が始まった。

 今日はこれから筑波行き。腰痛のため自力での運転ができず、菌友のSさんの車に便乗させてもらうことになった。教材になるようなきのこが植物園に出ているとよいのだが。


2008年8月17日()
 
ムラサキヤマドリタケ遊び
 
 川越で採集したムラサキヤマドリタケは、姿形こそ大きかったが、どれひとつ胞子紋を落とさなかった。半日経過して、紙とカバーグラスに残ったのは、長さ3〜4mmの白色のウジ虫の群だけだった。管孔部をルーペでみると白い菌糸の膜にすっかり覆われている(a)。まだ子実層は未成熟の証だろう。表層部を2mmほどの厚さで切り捨てると、管孔部が明瞭になった(b)。
 とりあえず、傘を含めた縦断面を切りだし(c)。ここから管孔部を少し取り外した(d)。これを実体鏡の下で、二本ずつにバラした。さらにフロキシンで染めてKOHで封入すると、管と管との間に管孔部実質が見えてきた(e)。未成熟だが、なんとなく散開型っぽい姿を感じる。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 カサ表皮は4〜5細胞の菌糸が柵状に並び、随所から細く色素顆粒を帯びた菌糸が糸状に伸びている(f)。封入液をKOHで置き換えると、色素顆粒を帯びた菌糸が青色になった(g)。同じ要領で、柄の表皮(h)を、水(i)とKOH(j)で封入してみた。表皮には薄膜棍棒状のシスチジア様の細胞が柵状に並んでいる。ところどころに、柄シスチジアのような構造もある。

 今朝は管孔部の解剖、カサと柄の表皮の切りだし等、実体鏡に向かって作業をした。金曜日に痛みをこらえて出かけた報いか、腰痛はさらに激化した。ついに、両肘を付かないと上半身を支えきれず、作業はとても難航した。飛んでけ飛んでけ腰痛や〜い!


2008年8月16日()
 
久しぶりの外出:川越
 
 ほぼ一週間ぶりに外出した。腰痛で動けなかったとはいえ、これほど長い期間家から一歩も出なかったことは珍しい。室内でじっとおとなしくしていることに絶えられなり、起伏のない川越の平地林をゆっくりと1時間ほど散歩した。腰痛がまたほとんど回復しておらず、車から降りて歩けるようになるまでに5分ほどが必要だった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
 確かにきのこがほとんどない。かろうじて出会ったのはムラサキヤマドリタケ(a, b)、フクロツルタケ(c, d)、ボタンイボタケの仲間(e, f)くらいだった。撮影をするためにしゃがむと、立ち上がるまでにかなりの時間が必要だった。この腰痛かなり致命的なのかもしれない。

2008年8月15日(金)
 
AC電源を使えるようになった!
 
 顕微鏡撮影にCOOLPIX990を使っていた頃にはAC電源を使っていた(a)。しかし、オリンパスのE-330やE-410ではAC電源は市販されていない。オリンパスの公式表明によれば「 E-330 / E-410 / E-420 / E-500 / E-510 / E-520 は、カメラ本体に DC入力端子 ( ACアダプタ用 ) がありませんので、AC アダプタでの撮影・再生ができません。使用可能電池にてご利用ください。」という。このため、顕微鏡撮影に使うには、しばしばバッテリー交換をする必要がある。これは結構面倒でストレスになる(b)。
 その一方で、オリンパスの商品に [DSE330システム] というものがある(c)。デジタル一眼ボディを使って顕微鏡撮影をするシステムで、高価な専用撮影装置と比較するとかなり安価なシステムだ。オリンパスに照会すると、DSE330システムとして販売しているので、電源用アタッチメントだけとか、顕微鏡アダプタだけを販売することはできないという。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 新宿や秋葉原の量販店では、展示用カメラに、しばしばバッテリではなく、AC電源が使われている。公式表明とは裏腹に、メーカーからは、量販店向けにAC電源を提供しているわけだ。それを入手した(d)。E-330の裏蓋の一部をナイフで削り取ってコード穴を作り(e)、アダプタを介してAC電源につないだ(f)。リモコンはE-410でもE-330でも共通だ。なお、E-410/E-420用AC電源も量販店には供給されている。ただし、入手には店との粘り強い交渉が必要だ。

2008年8月14日(木)
 
腰痛には勝てない
 
 腰痛がひどいため、土曜日の夜から外出もままならず、今日までほとんど室内でじっとしていた。外に出られないのは、辛く退屈そのものだ。手元に観察するようなきのこもないので、顕微鏡はもっぱらコケ観察専用となっている。もっとも近場にもきのこはないらしい。
 6月以降に採取して放置したままになっているコケが20数点ある。これらのコケの観察が捗るはずなのだが、現実はほとんど片づいていない。椅子に座って実体鏡の下で薄片を作るという行為は、意外と腰に負担がかかるのだ。おまけに、体位の変更に時間がかかる。
 左右の肘で上半身を支えないと作業できない。この状態で薄片を切り出すのは至難の業だ。腰痛による激痛のため、体を支えきれず、指先は怪我する、切片は厚くて不均一になる。こんな時こそ簡易ミクロトームだ。ところが、これまた、腰が重要なことをはじめて悟った。
 住まいの周辺では、お盆の帰省で人影はずっと少なくなり、とても静かになった。とりあえずは、早くまともに動けるようになりたい。

2008年8月13日(水)
 
全身を槍で武装:チチタケ
 
 先週土曜日に那須の北温泉近くで採取したチチタケは、まだ若い菌ばかりだったのか、胞子紋は全くとれなかった。いずれもヒダは密で幅が非常に狭い。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 ヒダの断面を高倍率ルーペでみると、確かに全体に毛のようなものがある(a)。顕微鏡で見ると確かに槍の穂先のような形のシスチジアが密に分布している(b)。カサ表皮についてもルーペ(c)と顕微鏡(d)でみた。ついで柄を輪切りにして高倍率ルーペ(e)、顕微鏡(f)でみた。どの部分をみても、ルーペでは白毛として、顕微鏡下では厚壁のシスチジアとしてみえる。
 
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
 ヒダの横断面を水とフロキシン染色で比較してみた(g〜j)。フロキシンで染める作業は、プレパラートを顕微鏡のステージに載せたまま、カバーグラスの脇から注射針で注ぎ、反対側から濾紙で過剰な水分を吸い取る方法をとった。

 若い菌といえども、チチタケである。少しでも傷つけるとベトベトの乳を多量に出し、カミソリがたちまちナマクラになった。一般にチチタケ属の検鏡をするとカミソリが多量に消える。今朝は、刃先をエタノールで拭きながら、何とか数十回の切断を一片のカミソリでこなした。

[cf] (チチタケのミクロの姿)   雑記2007.7.12   同2006.7.1   同2005.7.4

2008年8月12日(火)
 
日常作業環境の変貌
 
 かつては一度使ったスライドグラスは直ちに洗浄液入りの缶に放り込んだ。汚れたガラスが多量に出るので、毎週一度まとめて洗っていた(雑記2005.6.4)。最近では、スライドグラスなどの消費量は激減し、食卓の半分は日常的に作業場と化した。食事のときは空きスペースに皿やコップを置く。それ以外は実体鏡などが食器の代わりに鎮座する。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
 採取したきのこは、胞子紋をカバーグラスに採取し、傘やヒダは実体鏡で切り出し、簡易顕微鏡の対物40倍で検鏡する(a)。スライドグラスとカバーグラスは日常1〜2枚を反復して使うようになった。キノコが変われば、ティッシュで拭き取る。多少のコンタミは気にしない。
 カミソリは切れ味が悪くなるまで何十回でも使う。多数切ってそこから薄いものを選び出すことはせず、カサ表皮やコケの葉は2〜3回で切り出す。同定のためには、ヒダ切片は作らず、もっぱら押し潰して観察する。要するに、すべてが経済性最優先になってきた。

2008年8月11日(月)
 
ETC割引でハラハラ、腰痛に泣く
 
 月給という名の収入がなくなると、出費を抑えるため様々な工夫をせざるをえなくなる。ここ8年ほど、最大の出費は交通費と書籍・文献費だった。文献は専門機関の利用で、かなり減らしてきた。問題の交通費だが、高速道路の使用頻度が大幅に減った。たまに使うときは、通勤割引、夜間早朝割引、深夜割引などETC割引を最大限活用する。通勤割引は100km未満に適用という制限があるので、高速道路に乗ると、ギリギリ100km未満のICでいったん降りて、直ちに乗り直す。この時、別のETCカードに入れ替えれば、次の100kmにも割引を適用できる。
 一昨日の帰路、那須ICから高速に乗った。高速に乗ると直ちにトリップメータをゼロにリセットした。道路標識に記されたインターまでの距離にトリップメータの数値を足すと、佐野ICまで99.8kmとでた。しかし、走行中の計算では99.8〜100.3kmと揺れがある。100kmを超えれば割引の適用はない。ハラハラしながら走った。・・・佐野ICでの金額表示をみてホッとした。

 7月末に腰痛に襲われ、先週中頃には痛みが激しさを増した。何が引き金になったのかは不明だ。先々週の日光でも、先週の那須でも、岩場の下りで難儀した。一昨日は、激しい痛みのため動けなくなり、途中の広場で50分ほど横になり、痛みをこらえて下山した。過去に骨折した脚で岩場を下ったことがあるが、今回のように下りでバランスを失うことはなかった。2年ぶりの激しい腰痛だ(雑記2006.9.15)。昨日は立ったりしゃがんだりもままならず、終日伏せっていた。


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