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日( )
2009年10月20日(火)
 
フォトアルバム未扱い種
 
 「キノコのフォトアルバム」には、今現在640種のきのこが取り上げられている。2007年3月を最後に更新をやめてからは、原則として新しい画像などの追加はしていない(雑記2008.4.11)。2008年にキリノミタケなどを追加したのは単なる気まぐれに過ぎない。
 2007年4月以降に「今日の雑記」などで取り上げてフォトアルバムへの未掲載種は、和名をもったきのこだけでも、数え上げると100種を超えているという。あるマスコミ関係者と知人が数え上げて教えてくれた。えてしてそんなものだろうが、サイト運営者は全く知らなかった。
 ミズゴケタケ、ミズゴケタケモドキ、ミズゴケノハナ、キミズゴケノハナをはじめ、アヤメイグチ、アカチャツエタケ、アイゾメシバフタケ、オオシロカラカサタケ等々多数あるという。また、既取扱種でも、フォトアルバム掲載の画像よりも特徴のよく出たきれいな画像が400点以上扱われているという。ほんとうだろうか。
 「フォトアルバム」だけではない。「顕微鏡下の素顔」は2007年5月1日以降放置状態だが、ここには今現在208種のきのこが取り上げられている。知人によれば、これも「雑記」で取り上げて「素顔」に未掲載の種が250点ほどあるという。胞子だけなら400点になるとか。
 これらをフォトアルバムなどに掲載すべきだと迫られた。ちょっと考えただけでも作業には膨大な時間が必要だ。そんな後ろ向きの作業にかかわっている時間はない。さてどうしたものか。

2009年10月19日(月)
 
ワタカラカサタケ:胞子は偽アミロイド
 
 採取したワタカラカサタケを覗いて遊んだ。持ち帰った標本を紙袋から出すと、綿くず状だった柄表面がカサ表面同様に繊維状となっていた(a)。つばの痕跡は全く残っていない。ヒダは上生〜離生で柄は中空(b)。胞子は狭い紡錘形でとても大きく(c)、偽アミロイド(d)。フロキシンで染めて遊んだ(e)。
 ヒダの断面をみると側シスチジアはなく、ヒダ実質は類並列型(f)。縁シスチジアがあるように見えるが、どうもはっきりしない。そこで、スライドグラスにヒダを一枚寝かせて縁をみた。薄膜で棍棒状のシスチジアがある(g)。フロキシンで染めると明瞭となった(h)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 水をKOHに換え、押しつぶして縁シスチジア(i)と担子器(j)を確認した。担子器の基部にはクランプをもったものがある。カサ表皮は乱れた柵状で(k)、菌糸にはクランプがある(l)。1時間ほど放置したが切断面に色の変化はなく白色のままだった(b)。
 なお、保育社図鑑には、(1) 胞子が偽アミロイドであること、(2) 縁シスチジアがあること、(3) 菌糸にクランプがあることの三点には触れていない。『北陸のきのこ図鑑』では縁シスチジアは「短棍棒形」とあり、ヒダは「傷つくと、赤褐色変」とある。

2009年10月18日()
 
ウッドチップ生のキノコ
 
 東京都多摩湖畔の緑地を歩いてみた。キノコの姿は少なく、出会ったキノコの多くがウッドチップ生のものだった。遊歩道や広場のウッドチップからはサケツバタケが多数でていた(a〜c)。かなり腐食の進んだウッドチップからはワタカラカサタケがいくつも見られた(d〜f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 非ウッドチップ性のキノコとしては、ヒメカバイロタケ(g)、ワカフサタケ属菌(h)、ノウタケ(i)などもかなり発生していた。上記の他にも、ウッドチップからはヒメヒガサヒトヨタケ類似菌(i)、ザラエノヒトヨタケ類似菌(j)、カニノツメ(k)をはじめいろいろなキノコが出ていた。

 平成21年度 菌学教育研究会 菌類の多様性と分類 後期講座の申込締切日である10月25日が近づいた。参加するつもりで申込みを忘れている方は、直ぐにでも申込みされたい。


2009年10月17日()
 
安比の会場でデモ
 
 安比高原フォーレの会場の一隅で、顕微鏡と実体鏡の使い方から撮影までのデモをさせられてしまった。素材は当日午前中にブナ林で採集されたチャナメツムタケ(a, b)。
 持参していたオリンパスの三眼顕微鏡BH2とニコンの双眼実体鏡SMZを使った。撮影用カメラはオリンパスのE-330。ひょんなことから、公開実習をする羽目になり、ガマの油売りよろしく、作業解説の口上を述べながらの作業となった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(c) 胞子、(d) ヒダ切片、(e) ヒダ実質と側シスチジア、(f) ヒダを寝かせてみた縁、(g) 側シスチジア、
(h, i) 担子器、(j) カサ表皮:水で封入、(k) カサ表皮:3%KOH、(l) カサ表皮の細胞。
 デモの間中、幼菌の会闇の帝王Hさんからしばしばチャチャがはいる。実行委員長の山形大学Nさんからは次々に質問が入る。弘前大名誉教授Hさんは涼しい目でみている。顕微鏡の載っているいる机はややぐらつく。お世辞にもやりやすい環境とは言い難い。えぇいままよ、とばかり切った貼ったの作業をして撮影した結果が上の写真だ。やはり全般にブレている。
 机上には多摩光顕の好意で自由に使える顕微鏡や実体鏡が10台ほど並んでいた。デモの効果?か、顕微鏡に関心を持った参加者が増えて、多摩光顕の中古顕微鏡も思いの外売れたという。恥をかくのは慣れているが、全く無駄でもなかったようだ。

2009年10月16日(金)
 
キノコ不作の東北
 
 10〜12日は安比高原フォーレに参加し、その後12〜15日まで下北半島、栗駒山、船形山と巡って昨夜帰宅した。ブナ林と湿原、海浜を巡る1週間だった。下北半島の猿ヶ森海岸では、多くのキノコが多数出ていたが、それ以外の場所ではどこもキノコの姿は少なかった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 今年はブナが豊作らしく、どこのブナ林でも実が多数落ちていた(a)。ウスキブナノミタケがいたるところに見られた(c)。珍しく黄色タイプと白色タイプが並んで出ていた(b)。ブナ林では他にはこれといったキノコは少なく、出会った大形軟質菌はチャナメツムタケくらいだった(d)。
 下北半島の海浜では、シモコシをたっぷり採取し、夜は海の幸とキノコ鍋を楽しんだ(e)。この時期に海浜でヤグラタケを見るとは思わなかった(f)。また、三沢の浜では久しぶりにウネミケシボウズタケの群生にであった。天候にも恵まれ楽しい6日間だった。

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