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日( )
2010年2月28日()
 
またまた化学的無知を暴露
 
 地衣類の同定では地衣成分(二次代謝産物)が何かということが重要になる。代謝産物を検出する方法として、呈色反応をみたり、顕微化学法などが常用される。そこでは p -フェニレンジアミン、o -トルイジンなど、これまで耳にしたことのないよう試薬が使われる(雑記2010.2.4)。これらの「p - (パラ)」とか「o - (オルト)」の何たるかを知らず、オルトトルイジンとo -トルイジンが同じものであるとわからなかった。調べてみれば、高校化学ですら常識の範囲だった。昨年に続いて二度目の愚行だ(同2009.2.18)。何とも情けないので、高校生の化学教科書を購入した。有機化学の章を見てはじめて「o - (オルト)」、「m - (メタ)」、「p - (パラ)」の化学上の意味を知った。この歳になって化学の勉強をすることになるとは思ってもいなかった。

2010年2月27日()
 
PDICの辞書をいじる
 
 昨日の雑記で、『【英】を [Eng] などに変えれば、発音記号ではなく英語なのだと分かるだろうが、その必要はないだろう。』と書いた。[Eng] などに変更するのはとても簡単なのだが、何件も照会があったので、以下に記しておくことにした。
 PDIC for Win32 や PDIC/UNICODE で、電子版「菌学ラテン語と命名法」を使うと、羅英和では、[見出語] にラテン語、[発音記号] に英語、[訳語/用例] に日本語が表示される。標準設定では、英語表示の前に【英】と記されている(a)。PDIC/UNICODE は [発音記号] に全角仮名や記号を使うとその部分は文字化けする。この部分を変更すれば [Eng] (b)、[eng] (c)、[english] (d)などと、好きなように変更できる。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 PDIC形式のファイルはバイナリファイルのため、そのままでは読めない。そこで、いったんテキストファイルに変換し、【英】→ [Eng] などと、該当箇所を一括置換する。次いで、このテキストを再びPDIC形式の辞書に再変換すればよい。(b)〜(d)はそうやって遊んだもの。
 ただ、PDIC for Win32 では辞書変換ツールは [Tools] にあったが(e)、PDIC/UNICODE では [File] → [辞書設定] の中に変更されている(f)。変換操作はいたって簡単だ。

2010年2月26日(金)
 
「菌学ラテン語」とPDIC
 
 電子版「菌学ラテン語と命名法」はWindows上のPDIC用辞書が収録され、発音記号の欄を英訳表示に転用している。たとえば「pseudo-」を引くと「発音記号」の欄に英語訳が、「訳語/用例」の欄に日本語が表示されるようになっていて、とても使い勝手がよい(a)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 PDIC for Win32 の最新版(Ver.4.87)のページにいくと、冒頭に「Unicode版を正式リリースしました。今後、PDIC for Win32版はバグ修正のみ、機能追加・改善等はUnicode版で進めていきます」とある(b)。PDIC/Unicodeの最新バージョンはVer.5.4.11で(c)、PDIC for Win32と比較して多くの点で改善されている(d)。PDIC for Win32からPDIC/Unicodeに乗り換えた。
 早速PDIC/Unicodeに「菌学ラテン語」の辞書を登録して、これを開いた。英語表示されるはずの発音記号欄をみると、冒頭の【英】が妙な5文字に文字化けしていた(e)。この部分を無視しすればよいのだろうが、あまり気分がよくないので、削除することにした。
 DIC形式の菌学ラテン語辞書を一度CSVファイルに変換して、【英】を削除した後、改めてPDIC形式の辞書に変換して登録した。今度は発音記号欄に英語が表示された(f)。【英】を [Eng] などに変えれば、発音記号ではなく英語なのだと分かるだろうが、その必要はないだろう。

2010年2月25日(木)
 
パソコンの入れ替え
 
 先日注文したWindows7パソコンが届いた(雑記2010.2.18)。陳腐化した10年前のパソコンからのデータや環境の引っ越し作業を行った。旧版Photoshopや圧縮・解凍ソフトなど、古いシステムで使っていたアプリケーションの大部分がWindows7では使えない。高価なアプリケーションはなるべく避けて、フリーソフトを中心にアプリを構成することにした。
 MicrosoftOfficeは高価なので使用せず、OpenOfficeをインストールした。一昔前と比較するとずいぶんと使い勝手がよくなり、MicrosoftOfficeとの互換性も高くなっていた。Excelマクロを使ったTulostoma関係のデータは、そのまま動いてくれた。加筆補正の加わったWordファイルも、修正過程を表示したり非表示にしたりできた。それにしてもパソコンの入れ替えは面倒くさい。

 日本菌学会第54回大会の参加申込み期限が明日26日だと連絡があった。すっかり忘れていた。事前申込みと当日参加とでは参加費に1,000円の差がある。どのみち参加しなくてはならないので、参加費を振り込んだ。懇親会には不参加。5月には岡山行きもある。経費節減。


2010年2月24日(水)
 
検鏡画像の撮影比率
 
 過去10年ほどの間に顕微鏡撮影に用いてきたカメラや撮影用レンズは何度か大きく変わっている。撮影システムの変更にはそれなりの理由があったが、いずれにせよ最初に行なう儀式は、100倍、40倍、20倍、10倍の4種の対物レンズ毎に対物ミクロメータを撮影することだった。これを元にスケール画像をいちど作成しておくと日常作業が楽になる。
 
(a)
(a)
(b)
(b)=(2)
(c)
(c)=(3)
(d)
(d)=(4)
 古い画像で胞子サイズなどを比較するとき、撮影システムが異なると、単純に2枚並べて大きさを比べるわけにはいかない。いずれかの画像を縮小して両者の比率を揃える必要がある。そこで、過去のシステムと現行システムにおける画像の相対比率表を作って対処してきた。対物ミクロメータを撮影した画像を比較して比率を出すまでは面倒だが、いったん数値が得られればとても便利だ。今日は、これに車載システム用のリストを付け加えた。

2010年2月23日(火)
 
北海道産ハラタケ類の分類学的研究:内容抜粋
 
 先日紹介した「北海道産ハラタケ類の分類学的研究」について、概要だけではどのような内容なのかよく分からないという声があった。著者から内容の一部を抜粋したPDFファイルが届いている。以下にGenus Melanoleuca Pat.(ザラミノシメジ属)についての概説および「日本産既知種および新産種」への検索表のページ(a)と「Pluteus umbrosus (Pers.) P. Kumm. フチドリベニヒダタケ」について記したページ(b)がそれだ。なお、このPDFファイルは、幼菌の会、菌類懇話会などメーリングリスト(やメール連絡網)のある会でも閲覧できるようだ。

(a)1〜3ページGenus Melanoleuca Pat. ザラミノシメジ属
(b)132〜133ページPluteus umbrosus (Pers.) P. Kumm. フチドリベニヒダタケ

2010年2月22日(月)
 
南房総の春
 
 鋸山をはじめ安房の城趾や寺社を歩いてきた。鋸山は遊歩道のほとんどすべてが石の階段からなる。よくぞここまでと思うほど、どこまでも階段が続く。稜線部からは対岸の川崎方面がよく見える(a〜c)。館山や白浜の道沿いは花畑が広がり、どこも花摘みの車でいっぱいだった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 不動七滝、滝田城趾、小松寺などの観光地も冬の季節は訪問者が少なくとても静かだった。きのこはほとんどない。あと2週間もすればカシタケが顔を出すのだろが、今の時期はツバキ樹下の菌核菌(e)や、腐木から出るクヌギタケ属菌などしかみられなかった。
 そういえば、ツバキ樹下にでる菌核菌といえば、関東地方南部では、10月頃から見られはじめ、6月はじめ頃まで見られる。ただ最盛期は2〜4月の頃らしい。

2010年2月21日()
 
北海道産ハラタケ類の分類学的研究
 
 NPO法人北方菌類フォーラムから竹橋誠司,星野 保,糟谷大河共著『北海道産ハラタケ類の分類学的研究:特にザラミノシメジ属,ツエタケ属,ビロードツエタケ属,フクロタケ属,ウラベニガサ属』が近々出版のはこびとなった。3月下旬から小部数のみ一般に頒布し、配本は4月上旬の予定という。特筆すべきは、和文・英文併記で、ザラミノシメジ属2種、ウラベニガサ属4種が日本新産種として記載され、新称和名が提唱されている。早速予約申込みをした。

内容と特徴
● ハードカバー.A4 版,本文150ページ,和文・英文併記.
● 見開き片面フルカラー印刷.子実体,光学・走査型電子顕微鏡の写真満載.
● 収録52種,全ての顕微鏡線画を添付.TNS,CBM,KPM,SAPA,INM,TFM に収蔵する関連標本について再検討.
● 属内分類や検索表を紹介.
● ザラミノシメジ属2種,ウラベニガサ属4種を日本新産種として記載し,新称和名を提唱.
● 共著者による多彩な内容のコラムを掲載.
●問合せ先:E-mail BXG05024@nifty.com 竹橋 誠司 (@を半角にかえてください)
        Fax 011-685-2153
●頒布予定価格:5,000円+郵送費実費

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