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日( )
2011年4月30日()
 
淋しい発生:近郊の緑地等
 
 例年キツネノワンがよく見られる桑林に行ってみた。風景がまるで変わっていた。桑の周辺のヤブがすっかり刈られ、刈り取られた草や枝が桑の樹下に厚く積み上げられていた。次は桑の伐採らしい。さんざん探したところキツネノワンがひとつだけ見つかった(a)。
 公園のウッドチップからは久しぶりに3〜4種類のきのこが出ていた。シロフクロタケを見たのは実に久しぶりだった(c, d)。ウスベニイタチタケは広範囲に発生していた(e, f)。しかし例年ならよく見られるアミガサタケやヒトヨタケはただの一つも発生していなかった。
 
(a)
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(c)
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(e)
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(f)
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 この数年の間に自宅から20km圏にある雑木林や緑地がすっかり様変わりしてしまった。公園や神社仏閣では、落葉や落枝は直ちに取り去られ、ウッドチップが次から次へと分厚く散布される。昨日も公園、神社、ウッドチップ、桑林などを見て回ったが、きのこの姿はいたって少ない。川口市からさいたま市南部ではきのこが発生しやすい環境は激減している。

2011年4月29日()
 
チャムクエタケ属のきのこ
 
 多摩湖畔の自然公園にで採取したチャムクエタケ属らしいきのこを覗いてみた。花壇脇の広葉樹下の腐葉土の斜面に出ていた。小さくてカサ径は1.5〜2cmほどしかない。黄土色の胞子紋がよく落ちた。胞子は非アミロイド(c, d)。
 ヒダの横断面を切り出すと側シスチジアはなさそうだ。先端をみるとシスチジアらしき組織はみあたらない。しかし、だからといって縁シスチジアがないとはいえない。よくあることだが、シスチジアのあるところを避けて切り出してしまったのかもしれない。
 そこで、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみることにした。一見縁シスチジアはないようにみえるが(e)、フロキシンで染めて倍率を上げると(f, g)、波打った棍棒状の縁シスチジアが見えてきた。KOHで封入してばらすと明瞭になった(h)。
 縁シスチジアの有無と形の確認には、まずヒダをスライドグラスに寝かせて縁をみるのが最も確実だ。ヒダ切片切り出しはその後でよい。
 
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 担子器の基部にはクランプがあったりなかったで、クランプを持ったものの方が多い。菌糸はどの部位にもクランプがある(j)。カサの一部を切り出して(k)、倍率を上げるとやや錯綜した表皮がみえた(l)。チャムクエタケなどに近い種なのかもしれない。

2011年4月28日(木)
 
濃硫酸で膨潤変色
 
 多摩湖畔の自然公園に出ていたウスベニイタチタケらしいきのこを覗いて遊んだ。胞子を水からKOHにかえてもさしたる変化はないが、濃硫酸で封入すると色や大きさが大きく変化する。まるでイタチタケやムジナタケのように見える子実体もあった。イタチかムジナの仲間だろうと思っていたきのこは、胞子を見た瞬間にいずれでもないことがわかった(b)。
 
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(a) 典型的な子実体、(b) まさかの同一種、(c) 胞子:水封、(d) 胞子:濃硫酸で封入、(e, f) 寝かせたヒダの縁、(g) ヒダの横断面、(h) ヒダの先端、(i) ヒダの側面:側シスチジアと担子器、(j) 縁シスチジア、(k) 側シスチジア、(l) カサ表皮

 ヒダの横断面を切り出して先端をみても、縁シスチジアがほとんど確認できない種は多い。しかし、ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみると、縁シスチジアの有無と形がよくわかることが多い。崩れたり潰れてしまって、カサ表皮の明瞭な姿を撮影することはできなかった。

2011年4月27日(水)
 
ひさしぶりのきのこ観察
 
 今年はまだハラタケ形のきのこをほとんど見ていない。ようやく自然公園や竹林でカサと柄をもったきのこをいくつか採取できた。一昨日東京都東大和市の自然公園、昨日茨城県坂東市の竹林で、ウラベニガサの仲間にであった。両者は同一種のようだった。
 
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(a) 子実体、(b) 子実体の縦断面、(c) 胞子:水、(d) 胞子:メルツァー、(e, g) ヒダの横断面、(g) ヒダの縁:水、(h) ヒダの縁:フロキシン染色、(i) 縁シスチジア、(j, k) 側シスチジア、(l) カサ表皮

 ヒダの付き方は離生。胞子は非アミロイド。ヒダの横断面を切り出すと厚膜で先端が特徴的な側シスチジアが多数みえる。ヒダ実質は逆散開型。ヒダを一枚取り外してスライドグラスに寝かせて縁をみると、薄膜で気球のような姿の縁シスチジアが多数みえた(g, h)。ヒダの一部を押しつぶしてフロキシンで染めるとシスチジアの形やサイズが明瞭となった。カサ表皮は細い菌糸が並行気味に走っている。菌糸にクランプは見られない。ウラベニガサのようだ。
[メモ] 昨日友人等4人で茨城県まで行ってタケノコ掘りをしてきた。数十本の新鮮なタケノコを持ち帰った。タケノコ堀をした竹林ではウラベニガサなど3種のキノコが見られた。楽しい時を過ごすことができた。

2011年4月26日(火)
 
きのこが出始めた
 
 多摩湖畔の緑地にもようやくきのこが出始めた。とはいっても、例年ならばとっくに出ているきのこばかり。アミガサタケは発生が少なく、たちまち乾燥しはじめていた(a, b)。チャムクエタケモドキ属とおぼしき小さなきのこが遊歩道脇の斜面にでていた(c, d)。ウラベニガサの仲間はコナラの材からでていた(e, f)。他にはいじけた姿のマツオウジくらい。
 
(a)
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(e)
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 埼玉南部から多摩湖周辺では、つい数日前まできのこの姿は全く見られなかった。3日ほど前には一部の硬質菌以外きのこの姿はなかった。また例年ならよくみられる樹液酵母も全くみられない。さらにほぼ通年どこかで見られるニガクリタケも全くみられない。

2011年4月25日(月)
 
ギリシア語学習メモ
 
 使用中の教科書のひとつ(a, b)に「本書の大部分はギリシア語の複雑な語形変化の修得にあてられている。読者は新しく学んだ変化を一つ一つそのつど確実に記憶するように勉めていただきたい」とある。ところが変化形の記憶にひどく難儀し、覚えたはずの単語は翌日にはすっかり忘れている。そこで、教科書を開くたびに前に戻ってやり直しとなる。
 教科書の文法解説表現はすさまじく凝縮してあって、いくら眼光紙背に達するほど読んでも理解できない。高津春繁『ギリシア語文法』(c, d)にあたると新たな疑問が生じてくる。それを解決するため、結局は SMYTH 『GREEK GRAMMAR』(e, f)にあたる。ところが文法的な意味は理解できても、文意はいっこうにわからない。相変わらずこのパターンの繰り返し。
 
(a)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 古代ギリシアじゃ犬だってギリシア語で鳴いていた。だから極端に記憶力が悪くたって、何度も反復すれば覚えられないはずはない。そう思って続けてきて、最近ようやく統語論と文章論に入ることができた。ところが疑問点はますます増えてきた。そこで5月から大学で受講。あぁ〜、でもなんでこんなこと始めてしまったんだろう・・・(雑記2011.4.15)。

2011年4月18日(月)
 
クロコブタケ仲間
 
 きのこの発生が悪いこんな時こそと思い、先日の狭山緑地で採取してきたクロコブタケ仲間を顕微鏡観察してみた。野外で撮影した写真はすべてぼけていたので、室内で再撮影した(a)。子座を枝からはがす事でまず苦労し、環紋の有無を見るために切断するのにも苦労した。ともかく硬いので気を付けてもすぐ粉々になってしまうのである。切断時の力のいれかたに慣れないせいもあり、切片をつくろうとしてもやはり粉々になる。何とか切れた子嚢殼の切片で子嚢はみられなかった(b)。最後には粉々になっている破片の中から子嚢殼がはずれているのを見つけて子嚢探しをしてみた。ほとんどのものがすでに子嚢が消失しているがかろうじて残っているのをみつけた。子嚢先端がメルツァー液で染色されているのだが明瞭には観察できず(c)、子嚢、側糸もフロキシンできれいに染色できなかった(e)。胞子のスリットはなんとか観察することができた(d)。もう少し若い時の子実体での観察が必要であるようだ。 (Y. A.)
 
(a)
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(c)
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(e)
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 この仲間は枝から外さずに断面の切り出しをした方が楽にできる。今回観察した標本は採取時すでに老菌だったと思われる。子嚢や周糸などがほとんど崩れたり失われていたらしい。 (I. A.)

2011年4月16日()
 
両プリンタ不調:寿命か?
 
 昨年秋頃からモノクロレーザープリンタの不調が続いている。紙詰まりは日常茶飯事で、用紙が斜めになって縁が破れたり、しばしば引きちぎれたりヨレヨレになる。新品のトナーに交換したばかりでも印刷面がうっすらと汚れる。購入から既に5年超、カウンタは35万枚を超えている。取扱説明書によれば「装置寿命:20万枚または5年間」。よく働いてくれたプリンタだが、Windows7からは両面印刷ができず、ドライバソフトのUpdateもWindowsVistaまでとなっている。
 一方、同じ頃に購入したインクジェットプリンタも、最近はしょっちゅうトラブル続きでまともに利用できることは少ない。ドライバソフトこそWindows7にUpdateできたが、最近はゴムの劣化によるとおぼしきトラブルが多く印刷位置が不安定で色も変だ。夏頃にはレーザープリンタもインクジェットプリンタもいよいよ寿命を迎えることになるのだろうか(雑記2005.12.28)。
[後日のためのメモ] モノクロレーザープリンタ:brother HL-5070DN、インクジェットプリンタ:HP Photosmart 2575a

2011年4月15日(金)
 
方針変更:古典ギリシア語
 
 ギリシア語の学習は遅々としてなかなか進まない。すでに開始から4ヶ月以上経過しているが、いまだ教科書(池田『古典ギリシア語入門』+荒木『古典ギリシア語』)を読み終えられないでいる(雑記2010.12.23同2011.3.6)。理由としては、天性の記憶力の悪さばかりではなく、ラテン語と違って周辺に自然科学系のギリシア語仲間がいないこともあげられる。
 4ヶ月もかかって初歩的教科書ひとつ読了できないのはあまりにも情けない。そこで、方針を変えて来月から都内の大学でギリシア語講座を受講することにした。授業は毎週土曜日に行われる。独学で生じる疑問の解明に役立ち、学習仲間が得られる可能性もある。むこう一年間土曜日は、きのこやコケは棚上げにして、講座への出席を優先にすることになる。
 菌学関連のラテン語を理解するために始めたギリシア語学習だが、当時の文化的背景が分からないと言語や作品の正確な理解もおぼつかない。このところ図書館から借りる本といえば、古代ギリシア史やギリシア哲学ばかりとなってしまった。

2011年4月14日(木)
 
日本菌学会の役員人事
 
 日本菌学会のサイトに4月12日付けで2011-2012年度の役員・各種委員の名簿が掲載された。新会長の挨拶に「もはやアマチュアが日本菌学会のお客さまである時代ではなく、今や学会の中心的存在です。従ってそれにふさわしい運営体制を整えたいと思います」とあり、国内集会担当理事に菌類懇話会の後藤康彦さんの名がある。
 後藤さんはアマチュアの活動とその意義をわが国の菌学関係者の間に広く知らしめた最大の功労者であり、その足跡が研究者の間から評価された証といえよう。日本菌学会の理事にアマチュアを登用した会長の英断もすばらしいが、適材が登用されたことはさらに喜ばしい。
 
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 前会長の時代にも幹事や編集委員にアマチュアが起用されていたが、新執行部でも集会担当幹事に三重県の谷口雅仁さん、ニュースレター編集委員に長野県の種山裕一さんが起用されている。理事だけではなく、有能な若手アマチュア研究者が菌学会の運営に携わることになり、わが国の菌類研究にも一層の弾みがつくことになりそうだ。アマチュアの台頭といっても過言ではないだろう。10年前にはおよそ考えられなかったことだ。

2011年4月13日(水)
 
きのこが極めて少ない
 
 このところのきのこの発生状況は例年とかなり様子が違う。例年なら既にトガリアミガサタケは最盛期を過ぎ、そろそろアミガサタケが姿を現す頃だ。しかし、例年よく出る場所でもトガリアミガサタケには出会っていない。チャムクエタケモドキにも全くであっていない。例年なら最盛期のはずだが千葉県や茨城県のスダジイ樹下にカシタケの姿はない。
 
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 今朝久しぶりに多摩湖畔の緑地を歩いてみた。柔らかいきのこはシトネタケ属のみで(a, b)、ウッドチップからも何一つ出ていなかった。随所に積み上げられた伐採枝には白色のヌルデタケの仲間(c, d)、黒色のクロコブタケの仲間がやたらに目についた(e, f)。

2011年4月12日(火)
 
楽しかった顕微鏡講座でした♪
 
 雪深い新潟県魚沼の地で新潟県の有志による講座が開かれました。生徒は全く顕微鏡に触れたことのない4人を含めて7人のメンバーでした。講師は我が連れ合い、助手は埼玉のYさんと私、顕微鏡9台(油浸レンズ付きが5台)、実体顕微鏡1台がそろいました。初日はなぜ顕微鏡観察が必要なのか、顕微鏡の構造・基本的な取り扱いの説明と実習でした。主催者のNさんが持参した胞子スライドを使って操作手順を初心者一人ひとりに指導、2日目は乾燥標本のきのこのひだを使って胞子などの観察、油浸レンズでの観察実習でした。
 
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 この講座のためにYさんが手作りしたヒダ横断面の模型はみごとなできばえでした。あっというまに過ぎた時間でしたがはじめての助手経験はけっこう緊張し疲れました。なんといっても参加者が新しいおもちゃを手に入れ、新しい事に挑戦することを楽しんでいる姿が印象的でした。きのこ観察ができないこの時期だからこそ集中できたのでしょうか。(Y. A.)

2011年4月4日(月)
 
ツバキンとボルトナットミクロトーム
 
 市役所の支部まで期日前投票に出向いたところ、まだ開場前だった。そこで隣接する長徳寺という禅宗の寺を散歩することにした。ツバキ樹下に小さなツバキキンカクチャワンタケが多数でていた(a)。例年よりも成長が悪く全体にとても小さい(b)。
 
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 先日友人に作ってもらったボルトナットミクロトームと柄付きカミソリを使ってチャワンの横断面を切り出してみた。ピスとして用いたのは径6〜7mm程度の細いキブシの髄(c)。久しぶりに顕微鏡を覗いた。実体鏡下で直接切り出すのと同じくらいの厚みに楽に切れた(d)。メルツァー液を加えると、子実下層と子嚢先端の孔口が青色に変わり鮮やかになった(e, f)。

2011年4月2日()
 
蓮沼海浜公園
 
 蓮沼海浜公園は千葉県山武市蓮沼(旧山武郡蓮沼村)にある。全長4km、広さ40万平方メートルに及ぶ緑地公園で、プール施設・展望台・スポーツ施設・遊具などがある。その海側には幅50〜100mのクロマツ防風林が広がり、海側の縁には高さ2〜5mの堤が長く伸びている。その外側には砂浜が80〜150mの幅で延々と続いている。
 近年松枯れでかつての面影はかなり失われはしたが、クロマツ樹下にはシモコシ、ショウロ、マツバハリタケ、ハマシメジ、ハツタケ、アミタケなど多くの食用きのこがとれ、地元ばかりではなく県内外から広く親しまれてきた。防風林の外側の砂地にはナガエノホコリタケ、ウネミケシボウズタケ、ドングリタケ、スナジホウライタケなどの好砂地性のきのこがみられる。
 
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 今回の津波でその様相がすっかり変わってしまった。津波は堤やクロマツ林を根こそぎ押し流して、多量の砂を内陸部に運び込んだ(a, b)。電柱は倒れ、林は到る処で水没し、松林が広範囲に失われた(c, d)。馴染みの林間駐車場では周囲のマツ林が消えていた(e)。

2011年4月1日(金)
 
房総半島の海浜砂浜
 
 昨日千葉県房総の内房と外房の浜、茨城県鹿島灘南部の浜の様子を詳細に確認してきた。東京湾アクアライン経由で富津市に入ったが、海ほたるS.A.に車は非常に少なかった。内房の富津市、君津市の海浜植生は津波による被害は少なく、菌類の生息環境にはほとんど影響なさそうだ(a)。外房九十九里浜では、南部の一宮町、長生村、白子町、大網白里町、東金市、九十九里町までの浜は地震被害はあっても津波による被害はほとんど受けていない(b)。
 
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(e)
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 九十九里町に隣接する蓮沼海岸では様子が一変し、浜や防風林は津波による被害が顕著となる(c)。道路脇には瓦礫集積場があちこちにあった(d)。その北の匝瑳市から旭市にかけての浜では、随所に津波の爪痕がみられ、一部では地震による被害で浜の様子が変わっていた。
 九十九里浜北端の飯岡町は13名の犠牲者をだしているが、津波被害がひどく、土台しか残っていない家屋や倒壊したり家屋もあって、浜は瓦礫集積場となっていた(e)。茨城県の鹿島灘南部では津波による被害は少なく、海浜植生にも大きな影響は見られなかった。
 帰路は利根川沿いに埼玉県に戻ったが、川を南北に結ぶ橋が到る処で地震被害で通行できない状態だった。河川の堤防上に築かれた道路も損壊がひどく、何度も迂回路を通らされた。マスコミ報道が少なかったが、茨城県南部では屋根瓦の落下被害がかなり激しく、千葉県我孫子市周辺では地盤の亀裂や沈下で歪んだ家屋が目立った。

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