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日( )
2012年3月31日()
 
今朝も環境観察
 
 今日の早朝、いわき浪江線を北上して途中から北迫川に沿った林道に入った。廃業したようなキャンプ場を過ぎると次第に落石や路面の亀裂などがひどくなってきた。しかし、立入禁止や通行止め等の標識はないので気にせず進んでいった。
 山桜やモミの大木が林立する斜面などが何度も現れる。やがて標高400mあたりで二股に分かれた。左側の道はやがて路面崩壊で先に進めない。そこで右の道を選び直して、さらに進むと標高500mあたりで再び二股に分かれた。最初左の道に入って進むと次第に路面が荒れ、ついに倒木と土砂崩れで完全に通行不能となった(a, b)。そこで、戻ってもう一方の道に入ると、これまた倒木で先に進めない(c, d)。Uターンも難しいのでしばしバックで戻る。広い場所でターンし、再び同じ林道を戻った。しかし途中の林相はとてもよい環境だった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 このところいろいろな林道を手当たり次第に走っているので、記憶がかなり錯綜・混乱し始めた。そこで、自分たちのための覚えとして今日も「雑記」にメモを残した。
 なお、今日は午前中猛烈な風に悩まされ、午後からは激しい雨も加わって賑やかだ。

2012年3月30日(金)
 
午後、林道走りの一日
 
 昨日昼に出発して、近場の林道を走りまくった。多くの林道が、昨年の震災以降通行止めになったままで、復旧の目処は全くたっていないようだ。林道入り口からすでに「通行止」の標識があるかと思えば、悪路をかなり走ったところで、急に「通行止」標識がでてくる林道もある。これらの警告に忠実に従っていてはどこにも入れない。すべては「自己責任」。
 軽自動車にチェーンソー、スコップなどを積んでとにかく先に進む。場所によっては、四六時中車を降りて路面の小岩をどけなくてはならず、百メートルほど進むのに30分以上かかるありさまだった。比較的安全な場所を探して車を止めては、沢筋を探索してみたが、結局期待の子嚢菌には全く出会えなかった。まだ子嚢菌の発生には時期が早すぎるのだろう。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 帰路、日帰り入浴を期待して立ち寄ってみた温泉・鉱泉はすべて休業状態だった。昨年の原発事故以来客がほとんど寄りつかなくなったと言っていた。昨日の全走行距離90km

2012年3月29日(木)
 
こんな近くに石灰岩地が・・・
 
 いわき市四倉町玉山には八茎鉱山跡がある。昔は灰重石(タングステンを含む)や銅鉱石を採掘しており、同時にズリとして大量の石灰石を産出したという。大正時代タングステンの生産量は日本一だったそうだ。わが借家からはたかだか20kmほどしかなく、しばしば出かける小名浜よりずっと近い。なお、小名浜にはとてもおいしいパン工房がある。
 鉱山跡からは一般車立入禁止とされる林道が延びている。路面は石灰岩で真っ白だ(a)。やや進むと「千軒平」という標識があった(b)。その昔は家がおよそ千軒あるほど栄えたというが、今は村落の面影は全くない。銅山神社は今もしっかり守られている(c, d)。なお新八茎鉱山では、現在は主に石灰岩を採掘しているという。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 林道の側面が石灰岩壁になったので(e)、それに気をよくして落石だらけの林道を進んでいくと、突然道はふさがれていた。路面崩壊と落石でそこから先には進めなかった。弱い路肩の狭い道で恐る恐るUターンをして再び帰宅の途についた。石灰岩性のきのことコケの観察は後日あらためてじっくり歩いてみることにしたい。昨日の全走行距離45km。

2012年3月28日(水)
 
30年以上前のガソリン
 
 一気に春が近づいてきた。すぐ裏山や散歩コースにはシュンラン(a)をはじめ、アセビやキブシの花が見られるようになってきた。自宅の庭にもようやく良質のツクシンボウが姿を見せ始めた。昨日までは寒さで先端が黒く縮れ成長の悪いものばかりだったが、今朝は昨日までとは大きく様子が変わっていた(b, c)。
 ここではイノシシの害が激しく、庭の1/4〜1/5はまるで耕したかのように地面がすっかり掘り起こされてしまっている。庭のジャガイモはすっかり食い尽くされてしまった。すぐ裏の竹林でも小さなタケノコが掘り取られ、食い散らかした皮が随所に放置されている(d)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 車のエンジンオイルなどは転居前に川口市のガソリンスタンドに引き取ってもらった。ところが、古いガソリン携行缶を御守りよろしく引越先にそのまま持ってきた。錆こそ目立たないが、パッキンのゴムはすっかり老化している。中身は長野県松本市在住時代のレギュラーガソリンだ。この30数年の間に数回キャップを開いたことがあるが、ガソリンを使ったことはなかった。
 かなりの劣化が予測されるので、車のガソリンタンクに入れるのは躊躇された。そこで、先日まで使っていた農機具に入れてみた。最悪の場合はエンジンにダメージを与える恐れがある。刈り払い機(e)もチェーンソー(f)も、最初エンジンのかかりはあまり芳しくなかった。しかし、いったん動き出すと何事もなかったように、従来通り普通に動いてくれた。30年以上前のガソリンを使ったのは初めての経験だった。密閉しておけば劣化はわずかで済むものなのだろうか。30年間放置した顕微鏡は分解整備が必要だったっけ・・・
[補足] 半年以上放置したガソリンはエンジン駆動用には使うべきではない。ましてや30年も前のガソリンなど論外だ(・・・・・・自動車整備士としての自らの言葉)。古いガソリンの用途といったらキャブレターやエンジンの清掃用くらいだろう。後日、刈り払い機とチェーンソーのキャブレターのオーバーホールが必要になるかもしれない。

2012年3月19日(月)
 
春の子嚢菌はまだ
 
 庭のツバキ樹下には、多くのツバキキンカクチャワンタケが見られるようになってきた。周辺では雨の後、いたるところにタマキクラゲとヒメキクラゲがよく目立つ。
 昨日、過去何度も春に観察してきた場所に行ってみた。水石山(標高 735m)山頂付近の木々はまだ冬のままの姿だが、春は着実に忍び寄ってきていることを感じさせられる。山頂近くの林道の雪もほとんど消えた。ただ昨日の林道では、数ヶ所でチェーンソーが必要だった。
 まだ、カンムリタケは全く姿を見せていない。シイタケほだ場には小さなシイタケが多数出てきたが、廃棄されたほだ木にチャワンタケ類はまだ見られない。しかし、シャグマアミガサタケやこれら子嚢菌もあと3週間ほどすれば見られるようになるだろう。

2012年3月15日(木)
 
南相馬市の石灰岩地へ
 
 南相馬市のダム下流に位置する石灰岩地に行ってきた。国道399号線を経由して大きく迂回して入ることになった。昨夜から先日採取したチャムクエタケモドキを伏せておいたところ、たっぷりと胞子紋が落ちていたので(a, b)、出発前に念のために胞子を確認した(c)。
 福島県にはあぶくま洞の周辺以外には石灰岩地が意外と少ない。今日行ってみたのは南相馬市の真野ダムの直下にある立石大穴鍾乳洞の一帯に広がる石灰岩地だ(d, e)。まだ雪が多くて、石灰岩性のきのこやコケの観察はできなかった。
 真野ダムには落石などのため近づくのに難儀したが、何とか鍾乳洞への案内板のある所までたどり着けた(d, e)。今日も放射線の線量計をもって随所で計測した(f)。この場所に近づくのに、国道399号線を使ったが、途中浪江町赤宇木付近では、高い放射線量を示していた。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
[参考] 国道399号線及び真野ダム周辺などで計測した今日の数値の一部:
 いわき市国道399峠道 N 37.21309, E 140.85281, alt 650; 1m値 0.45μSv/h, 地表値 0.85μSv/h
 川内村イワナの郷近く  N 37.26196, E 140.83667, alt 550; 1m値 0.40μSv/h, 地表値 0.64μSv/h
 浪江町国道399途中  N 37.60160, E 140.75342, alt 580; 1m値 20.5μSv/h, 地表値 32.0μSv/h
 南相馬市真野ダム近く N 37.71622, E 140,83937, alt 107; 1m値 1.17μSv/h, 地表値 2.4μSv/h

2012年3月13日(火)
 
庭のキノコ
 
 庭の一隅をみたところキノコは何も出ていないように見えたのだが(a)、近寄ってみるとチャムクエタケの仲間がたくさん出ていた(b)。先日田圃の畦でみたものよりずっと成長している(c, d)。顕微鏡やカメラの清掃を兼ねて、今年初めての顕微鏡観察をしてみた。
 ヒダを一枚スライドグラスに載せて縁をみた(e)。フロキシンで染めると縁シスチジアの存在が明瞭になった(f)。ヒダの断面を切り出してみたが、寒さで指先が凍えてうまく切れなかった(g)。切片が厚かったのか、縁シスチジアも明瞭とは言い難い(h)。
 ついでヒダの一部をピンセットでつまみ出してフロキシンで染め、KOHで封入して押しつぶしてみた。縁シスチジアは波状に曲がった円柱形(i)。菌糸にはクランプがある(j)。胞子は淡黄土色の平滑な楕円形(k)。担子器の基部のクランプの有無はよくわからなかった(l)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 どうやらチャムクエタケモドキとしてよさそうだ。胞子紋を取ろうと3時間ほど試みたが、ほとんど落ちなかった。そこで、ヒダを押しつぶしたときにわずかについてきた胞子をみた(k)。
 今日は、午前中晴れ、午後になって雪、そして曇りから晴れと、天候がめまぐるしく変わったが、総じて気温は低く、顕微鏡の周辺は意外と気温が上がらなかった。

2012年3月12日(月)
 
春の「人足」
 
 昨日の日曜日は「人足」のため、残念ながら東京農大での集まりには参加できなかった。集落の各戸から労働力を提供しあって共同で荷役作業にあたることを、この地域では「人足」と言っている。年間に回数や時期は決まっていて、この地区では春秋二回「人足」がある。今年は「春の人足」が3月11日(日)、つまり3月の第二日曜日に行われた。来年度以降の行事予定とのからみがあるので、ここにメモしておくことにした。
 昨日の人足仕事は集落の側溝・共同溝や溜め池の掃除だった。おのおのスコップやクワなどを持ち寄って、広い範囲を組ごとに分担して作業にあたった。これは同時に集落の社交や情報交換の場にもなっていて興味深かった。溝にたまった汚泥や雑草などを除去する作業では、普段使わない筋肉を使うので、作業後には腕がパンパンに張っていた。
 スコップで側溝の泥を掬いだすと、しばしば小さなシジミやドジョウが姿を現した。かつてはどこでもシジミがとれたという。田圃の畦にはところどころにチャムクエタケモドキの仲間が小さな姿をみせていた。また、小さな子嚢菌をたくさんつけた稲わらもあった。

2012年3月9日(金)
 
ささやかな散歩
 
 自宅脇から続く野良仕事の小径をたどってみた。小径は溜め池まで続いている。自宅からここまで7〜8分。振り返ってみると自宅借家のある集落が思いほのか遠くに見える(a)。メインの道に出て集落に戻ると、途中に千手観音の標識がある(b)。観音堂は標識から数分、諏訪神社の入口脇にある(c)。ご神木の杉を仰いで神社の石段を登ると、わずかに標高があがり、広く集落を見渡すことができる(d)。奥の方に学校林を背にした自宅も遠望できた(e)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 これまで、自宅背面の学校林は歩いてみたが、前面の小山や農地周辺を歩いたことはなかった。きのこやコケの観察ポイントはすぐ近くにも広がっていそうだ。

2012年3月7日(水)
 
ようやく春が来た
 
 昨日はとても暖かかった。今朝庭を見ると、樹にはウメが咲き(a)、足下からは花が咲き(b)、フキノトウもすっかり大きくなり(c)、ツクシンボウがようやく顔を出し始めていた(d)。ツバキの樹下をみると(e)、たった一つだがツバキキンカクチャワンタケもでていた(f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 これから一気に春がやってくるのだろう。まずは庭のきのこ、コケ、地衣の観察から始めることになりそうだ。川口市時代とは違って、玄関を出ればそこが直ちに観察環境だ。

2012年3月5日(月)
 
久しぶりの顕微鏡観察
 
 荷物の整理が一段落し、物の配置もほぼ決まった。やっと日常生活が戻ってきたという感じである。観察のための物の配置確認のため、もたもたしながらスケッチと顕微鏡観察を試みた。ツチグリ(a)の観察をまともにしたのは初めてである。乾燥していた個体をまず水を吸わせてみた。30分もたたないうちに綺麗な個体となりびっくりした。スケッチ、観察記録と顕微鏡で胞子(b,c)・偽弾糸(d,e)・外皮(f)の構造を観察した。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 あまりに久しぶりでいろいろ操作を忘れてしまっていたが、とりあえずなんとか終わらせた。これで早春の盤菌類探しに出かけられる準備ができた。   (Y. A.)

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