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日( )
2012年12月19日(水)
 
海浜防風林のきのこの検鏡 2
 
 ニセマツカサシメジのヒダ切片作成に再挑戦した。ヒダをルーペで見ると小さな砂粒がかなりついている(a)。実体鏡の下で複数のヒダをまとめて切り出したが、カミソリが勝手にずれたり急に切れが悪くなって、思い通りには薄く切れなかった。おまけにゴミまでついている(b)。
 カミソリを変えて改めて切り出した。今度は何とか所定の厚さに切れた(c)。ボルトナットミクロトームでも切り出してみた(d)。いずれもカバーグラスをかける時にしくじって気泡が入ってしまった。倍率を上げてヒダの縁をみたが、あるはずの縁シスチジアがはっきりしない(e)。
 そこで、別の子実体から改めて切り出した。今度は気泡の混入も避けられた(f)。倍率を上げて縁をみると縁シスチジアが捉えられていた(g)。しかし、ミクロレベルの微細な砂粒がかなり付着している(h)。カミソリがずれたり、切れなくなったのはこれらが原因かもしれない。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 ヒダ実質にクランプがあることは確認できるが(i)、フロキシンで染めると見つけやすかった(j)。縁シスチジア(k)や担子器基部のベーサルクランプも(l)、フロキシンで染めると目が疲れずに確認できた。いずれにせよ海浜生のきのこの検鏡は微細な砂粒との戦いとなる。

2012年12月18日(火)
 
海浜防風林のきのこの検鏡
 
 いわき市新舞子浜の防風林にはニセマツカサシメジとホコリタケ類しか見られなくなった(a)。一昨日もフユヤマタケがないかと、低山のマツ林や海浜のクロマツ林を歩いたが、見つからなかった。たぶん今年の発生は既に終わったのだろう。
 先日やはりマツ林でニセマツカサシメジを採種したが(雑記2012.12.6)、微細な砂粒があまりにも多く付着しているので、最低限の検鏡だけして乾燥標本にしてしまった。昨日はきのこが松毬につく様子をじっくりと眺めてから(b〜d)、縦に切断し(e)、ヒダをルーペで拡大してみた。
 ルーペで見ると、親ヒダ、子ヒダ、孫ヒダとあり、縁シスチジアがあることも分かる(f, g)。胞子は数分でたっぷり落ちたので、そのままメルツァー試薬で封入した(h)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみたが、厚ぼったすぎて縁の様子が分かりにくい(i)。カバーグラスの縁からフロキシンを注いでみると、縁シスチジアがわかりやすくなった(j)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 実体鏡の下でヒダの断面を切り出してみたが、微細な砂粒に邪魔されて潰れたり曲がってしまい、まともな姿の切片は作れなかった。ヒダの切り出しはとりあえず棚上げだ。

2012年12月17日(月)
 
三度目の正直、けれど・・・
 
 ムラサキシメジのヒダ断面を低倍率で撮影した画像が必要になった。そこで11月13日にいわき市の背戸峨廊で採取(a, b)した乾燥標本(f)から新たに切り出して撮影することにした。ところが、標本はパリパリに乾燥していて、ちょっとカミソリをあてただけで簡単に崩れてしまう。そこで、ヒダをピンセットでつまんで、沸騰する薬缶の蒸気に軽くあてて柔らかくしてから切り出した。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 一枚目(c);切り出しは上手くいったが(30μm)、スライドグラスに載せる時にしくじって、折れ曲がってしまい、おまけにヒダの縁近くの位置でカバーグラスにゴミがついてしまった。
 二枚目(d);厚さもよし(40μm)、折れ曲がったり気泡が入ることなく、綺麗にスライドグラスに載ったと思ったが、ヒダの先端付近の子実層が剥離してしまった。
 三枚目(e);折れ曲がったりゴミがついたりせず、ヒダの先端も欠けていない。しかし、いかんせん、切片が厚すぎる(80μm)。しかし、もう一枚切り出す気力は失せた。

2012年12月16日()
 
地デジ受信共同アンテナ
 
 昨夕、ここ絹谷地区で「地デジ難視地区の対策工事について」という説明会があった。何かというと地区の集会場ともなっている元絹龍寺を会場に、総務省の外郭団体などによる共同アンテナの設立に関わる説明会だった。
 地域住民のうち50名ほどが参加して説明を聞いた。日頃テレビの移りの悪さに悩まされているので、皆真剣に話を聞いていた。共同アンテナの設置にあたっては、地域で組合を作って各種交付金の申請などを行ったあと工事にかかることになる。だから、実際に使用できるようになるまでには最低でも1年半ほどかかるのだという(d)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 今週末には参加するか否かのアンケートが回覧されてくることになるらしい。先日の地震の時にも必要なローカル情報が得られず、情報音痴となって状況判断に支障がでた。共同アンテナの維持管理をする組合設立には参加するしかないだろう。それにしても、畳の部屋に一時間すわり続けるのは腰痛持ちには辛かった。今日は衆議院議員選挙の投票日だ。

2012年12月15日()
 
愛媛から届いたケシボウズ
 
 愛媛県のIさんからケシボウズタケの仲間が届いた。元田圃だったところを真砂土で埋め立てて出来たショッピングモールの道脇で見つけたという。孔口部の形状はやや不明瞭で、頭部外皮からは蘚類が生育している。胞子や弾糸の中には、形がすっかり崩れたものもある。弾糸には顕著な拳状結節は少なくて、じっくり探さないと見つからなかった。
 全体のサイズ、孔口部の形、柄の表面模様、胞子の形状、弾糸や拳状結節のパターンなどから、ナガエノホコリタケのようだ。発生からはかなり経過しているように思える。コケの同定は行わなかったが、発生環境周辺に広く生育している種だろう。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
(a) 標本、(b) 頭部、(c) 孔口部、(d, e) 頭部に生えた蘚類、(f) 柄、(g, h) 発生の様子と周辺環境(Iさん撮影)、(i) 胞子:表面に合焦、(j) 胞子:輪郭部に合焦、(k, l) 拳状結節

2012年12月14日(金)
 
小浜海水浴場から北茨城の浜へ
 
 昨日小名浜の小浜海水浴場周辺から、常磐共同火力勿来発電所前の浜、南部浄化センター前の浜、北茨城市大津町五浦の天心記念美術館付近までの浜を詳細にたどってみた。どの浜も津波で壊れた堤防はほとんど修復されず、流された家屋は基礎部分がむき出しの状態のままだった。一年半を経た今、かろうじて瓦礫が撤去された状態で、復旧にはほど遠い。
 津波と地盤沈下で浜が致命的な影響を蒙ったことはいわき市以北の浜と変わらない。多少なりとも植生が回復した場所では、ていねいに探したがきのこの姿はどこにも見られなかった。往復約百キロメートルの道のりに過ぎなかったが、なぜかかなり疲れた。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 このところ新興宗教やカルト教団の勧誘員がよく来る。衆院選投票日が近いために、運動員が回ってきたのかと思うと、宗教のお誘いだった。彼らは誠実で熱心なだけに始末が悪い。

2012年12月13日(木)
 
モミ林でもきのこは終わりか
 
 いわき市をはじめ福島県の浜通りには、低地から山地まで広い範囲にわたってモミ林が見られる。先週、フユヤマタケ(あるいはシモフリヌメリガサ)の発生情報を得たので、昨日近隣のモミ林を探し回ってみた(a, b)。ちょっと標高を上げると、路面には雪が付いていた(c)。
 荒れた林道をかまわず進んでいくと、やがて路面が崩壊して道は突然消えた(d)。おっかなびっくりやや広い場所まで延々とバックを余儀なくさせられた。小型の四駆ならいざ知らず、非力な軽自動車のアルトでは、荒れた冬場の林道はやはりかなり厳しい。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 標高18mから400mまでのモミ林を探索したが、フユヤマタケはじめ軟質菌には一切お目にかかれなかった。モミ林では今シーズンのきのこはそろそろ終わりなのかもしれない。

2012年12月12日(水)
 
浜にきのこの姿なし
 
 風呂桶の栓が劣化して水漏れを起こすので、近くのホームセンターまで出向いてゴム栓を買った。ホームセンターから浜辺までは数分とかからない。砂浜を見てから帰宅することにして、先月末にスナヤマチャワンタケが出ていた浜を歩いてみた(雑記2012.11.29)。
 昨年の地震と大津波で浜の面積はかなり狭くなったが、植生はすっかり回復してまるで津波などなかったかのように見える。何か一つくらいきのこがあるのではと思ったが、きのこの姿はまったく見られなかった。海の色はどこまでも蒼かった。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
 最近二週間ほどイノシシ被害がほとんどない。ほっとした反面、なぜなのだろうかと思っていたら、西隣から先の田畑がひどい被害に遭っていた。出没場所が変わっただけで、イノシシ被害そのものが減っているわけではなさそうだ。

2012年12月11日(火)
 
乾燥標本からの切り出し
 
 先月20日にいわき市新舞子浜の防風林でキチチタケを採取した(a)。ヒダに触れると白色の乳液がでて、みるみる黄色に変わった(b)。持ち帰ると直ちにカバーグラスに胞子紋をとり、その胞子を見て(c)、ヒダ断面を切り出して検鏡し(d〜f)、すぐに乾燥標本にした。
 今朝あらためて乾燥標本(g)からヒダの薄片を切り出した。12月に入ってからは意識的にボルトナットミクロトームを使っている(h)。片刃カミソリは1週間ほど前から数十回は使っているので、切れはよくないが、それでも厚さ30〜40μmほどのヒダ断面が切り出せた(i)。
 上段のヒダ切片の画像(d〜f)は、生標本を実体鏡下で切り出したものだが、乳液に邪魔されて思いの外厚いプレパラートになってしまった(d)。それに対して、乾燥標本をボルトナットミクロトームで切り出す方がずっと楽で、薄い切片が得られた。念のため、フロキシンでシスチジアと担子器を染めてみた(j, k)。カサ表皮切片の厚さは20μmほどだった(l)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 最近は朝、顕微鏡やパソコンの前に座る前に、防寒対策の行事が加わった。ファンヒーターを点火し、湯たんぽをガス台で暖める。これらの作業を終えてから顕微鏡に向かうようになった。川口市の鉄筋密閉構造の部屋と違って、いわき市の木造住宅の朝は寒々としている。

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