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昨日久しぶりに栃木県葛生町を歩き回った。昨年3月3日以来である(雑記2004.3.4)。ヒメキクラゲ(a)、ベニチャワンタケ類似菌(ベニチャワンタケモドキ?)(b)やアラゲコベニチャワンタケ近縁種、藤の実の鞘からでるチャワンタケ、木の実から出る美しい微小チャワンタケなどが見られた。ケシボウズタケ属のきのこには出会えなかった。 散在するカレンフェルト(Karrenfeld)--雨水のためにできた凹凸の石灰岩地表--の観察が目的だった。周辺地質図と石灰工業会による地勢図、地元での情報をもとに石灰岩が表出している尾根スジを目指した。周辺には鍾乳洞が多く、はからずも3ヵ所を探索してしまった。 ちょっと標高の高いところに通じる林道はすっかり雪景色であった。新雪の林道を進むと次第に雪が深くなり、ついには全く動けなくなってしまった。やむなくリタイアして戻るハメになった。途中で車を停め周辺の山をみると、いたるところに石灰採掘現場があった(c, d)。 |
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冷蔵庫の奥に黒い塊状のきのこが残っているのを見つけた(b)。手前に未同定のケシボウズの紙袋が数十個並んでいる。これらの袋が壁をなして、後ろの標本はすっかり隠れて見えなかった。ラベルには「2004.10.23、川崎市、Xylaria sp.」とある。同日の写真を見ると、それらしい姿が写っていた(a)。一見したところマメザヤタケのように見える。 念のために昨年の記録をみると、どこにも記載がない。採取してきたものの、後で調べるつもりで、いったん冷蔵庫に放り込んだのだろう。そして手前にはケシボウズが次々に置かれていく。冷蔵庫の中で三ヶ月も経過すると、すっかり乾燥して非常に堅くなる。 タダでさえ堅いきのこである。予測通りカミソリの刃など全く役にたたない。カッターも刃がたたない。粉砕して飛び散るのを覚悟で、菜切包丁をあてて、上からハンマーで背側を叩いた。二つに割れた内部髄層はまだ真っ白だった(c)。 ルーペで縁を見ると子嚢殼は袋に入ったような姿をしてる(d)。さてどうやって薄切りにしたものかと、あたりを見回すと小型カンナが目に入った。練りゴムで固定し割り箸に挟んで、カツブシ削りの要領で手前に引くと、うまく薄切りができた。2枚できたので、一つを水で(e)、今ひとつをメルツァーで(f)マウントした。今朝はここまでで時間切れである。 |
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ウネミケシボウズタケのミクロの姿を撮影した。今年の1月13日に千葉県外房の九十九里浜で採取したものだ(雑記2005.1.15)。持ち帰ってすぐに検鏡し同定は済ませていたのだが、撮影はしていなかった。疑問種は別として、ふだんは敢えて撮影まではしない。 蓮沼村で採取したものは、最初からフロキシン入りエタノールでマウントした(a, b)。野栄町で採取したものは、最初エタノールのみで(c, d)、ついでコットンブルーで染色してみた(e)。ウネミケシボウズタケは、孔口部、外皮、胞子に際だった特徴をもつ。ちょっと見慣れると、外観だけでかなりの精度で同定可能だ(雑記2004.12.31)。ケシボウズタケ属の中では異例の存在だ。 ケシボウズタケ属の検鏡に難しい技術はいらない。脆くて水気の多いヒダや管孔部を切り出す必要はない。だから、各種講座の講師を引き受けたり、意識して顕微鏡講座等を受講しないと、たちまち切片切り出しやら、試薬の使い方を忘れてしまう。 |
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菌懇会では冬場はゼミが集中的に行われる。昨日は井口 潔氏による顕微鏡基礎講座。午前中はいつもの通り定点観察。採集されたきのこはとても少なく、ほとんどが硬質菌であった。傘と柄をもったきのこはニガクリタケくらいしかなかった。 まずは硬質菌の同定から始まり(a)、食後にゼミ開始となった(b)。井口氏の懇切ていねいな説明を聞いていると、誰にでもすぐにでも薄い切片が切り出せるような気になる(c, d)。いざ、実習となると、井口氏のようなきれいな切片は作れない。 技術・技能といったものは、ただ一度受講したからといって簡単に身に付くものではない。また、科や属によって観察ポイントも違う。意識的に顕微鏡に触れることは重要だ。身銭を切ってでも継続的に受講することが必要なのかもしれない。 |
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修理に出していたCOOLPIX990が戻ってきた(雑記2005.1.11)。修理代金14,333円也。見積もり価格よりは安かったものの、基盤を交換しているので結構よい値段となった。 先日のコリメート法であるが、顕微鏡写真の世界で最適とされたのはCOOLPIXである。確かにCOOLPIXはコリメート法での撮影に適した要件をおおむね満たしている。COOLPIXシリーズを接眼部に装着するアダプタは各社から発売されている。アダプタの自作も広く話題にのぼった。 ここでいうCOOLPIXシリーズとは、4500、995、990、950、910、900といった、胴体の回転する機種(スイバル機構)である。シリーズ最後の機種である4500も販売終了となり、現行市場にはこれに変わりうるデジカメはない。途端に中古市場にもCOOLPIXシリーズが影を潜めるようになった。ネット上のオークションでも出品数が激減したように思う。たとえ修理代金が1万円を超えても修理に出してきたのは、顕微鏡撮影を視野に入れてのことである。 COOLPIXシリーズを使うと低価格で顕微鏡撮影システムを作ることができる。しかし、これらはすでに過去の機種である。今では、はるかに優れた解像度と操作性をもつデジカメが市場に溢れている。今後はそれらを使うことを考えていきたいと思う。吉峰貴司氏が率いるマイクロネット(株)の最近の意欲的な製品群はとても魅力的だ。今後はスイバル機構を備えたCOOLPIXにこだわる必要はないだろう。 |
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久しぶりに雪道走りを楽しんだ。夜のいろは坂は雪と氷の世界で、スピードを上げるとよく滑り、尻振りダンスを楽しんだ。宿では雪の温泉をたっぷり楽しむことができた。 千葉県九十九里浜では、蓮沼村の浜でわずかの数のウネミケシボウズタケ(a, b)が、野栄町の浜には多数のウネミケシボウズタケ(c〜e)が出ていた。ノーマークの場所である。これらは最近1ヶ月以内に出たものだ。茨城県鹿島灘では何ヵ所も歩いてみたが、今回はケシボウズの仲間に出会うことはできなかった(f)。いくつかの場所には小さなヒメツチグリ属がみられた。他のきのこには、今回は全く出会うことはできなかった。 それにしても、茨城県大洋村からは日光は思いの外遠かった。高速自動車道がないとこれほどまでに時間がかかるのかと、つくづくと思い知らされた。 |
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銀鉛写真時代には天体や鳥の撮影は難しかった。これがデジカメの登場ですっかり変わった。望遠鏡やフィールドスコープの接眼部にデジカメを押し当て、液晶画面でピント合わせをする。これだけで、誰にでも簡単に撮影できるようになった。いわゆるコリメート法である。超望遠レンズも一眼レフもいらない、難しい理屈もいらない。 光学顕微鏡の世界でも同じことが起こった。従来顕微鏡写真というと高価な専用装置、三眼鏡筒、一眼レフボディが必須だった。これは高価であり、ちょっと撮影したいと思っても誰にでも手を出せる代物ではなかった。それがコリメート法で楽に撮影できるようになった。 確かに、デジカメによるコリメート法では、ピンぼけになりやすい、ブレやすい、美しさがいまいち、などのマイナス面もある。しかし、初期コストがかからず、消耗品もほとんどなく、難しい理屈もほとんどいらない。デメリットよりもメリットの方が大きい。 コリメート法では普通の双眼(or 単眼)顕微鏡とデジカメさえあればよいわけだが、残念ながらどんな組み合わせでもよいわけではない。液晶画面付きデジカメなら何でも写せるが、きれいな映像を得るには、カメラ側にも、それなりの条件が必要となる。 接眼レンズ部径と近いサイズのレンズ径をもち、ケラレが少なく、無限遠にピント固定でき、レンズ繰り出し部が内蔵され、液晶画面が大きく、若干のマニュアル操作が可能などなど。さてそれでは現行のどの機種が最適なのか。 日光は大雪だそうである。ここ数日の雪と気温で路面はアイスバーンとなり、宿はキャンセルが続出しているという。これから日帰りで千葉〜茨城の浜を歩くつもりだったが、それを聞いて急遽日光に泊まることにした。夜の雪道を楽しめる。明日の雑記はお休みである。 |
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早朝さいたま市見沼区の公園に行ってみた。4日ほど前にシロフクロタケの小さな幼菌がいくつか見られたので、成長している個体を採取するつもりだった。結果は全くの無駄足であった。先日目星を付けておいた辺りは、新しいウッドチップが絨毯のように一面に敷き詰められていた。ここぞと思う場所を掘ってみたのだが、白い菌糸がみられるばかりであった。ザラエノヒトヨタケなどのヒトヨタケ科も全く見られなかった。 | ||
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故障したCOOLPIX990は顕微鏡専用としてなら使えるだろうと思っていた。しかし、症状は重症でそれすら無理であることが判明した。捨てるか修理するかしかない。中古相場をネットで調べてみると21,000〜17,850円とある。西新宿のNIKON PLAZAまで出向いた。 修理見積は19,740円、中古相場より高い! 一瞬迷った。しかし中古機はなかなか出ない。愛着もあった。顕微鏡撮影には必須である。結局修理を依頼した。帰路新宿の公園に寄ると、ハンノキ樹下、ツバキ樹下にキンカクキンが顔をだしていた。一昨日のことだ。 昨日の秋葉原、久しぶりに中古のCOOLPIX990が出た。友人から依頼を受けていたので迷うことなく購入した! 17,000円であった。帰宅後Yahooオークションをのぞいてみると、990の落札価格はいずれもみな20,500円を超えていた。修理に出した990が戻ってくるのは20日頃だ。 |
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