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近郊では、どこへ行ってもきのこの影が薄い。さいたま市見沼区の公園とて例外ではない。それでもよく見ると、ベニヒダタケ(a, b)、ツブカラカサタケ(c, d)、キツネノエフデ(e)、ナカグロモリノカサ類似菌(f)、バフンヒトヨタケ、ネナガノヒトヨタケ、ツバナシフミズキタケなどがわずかに見られる。ツブカラカサタケは触れるとたちまち赤変する(d)。 ただ遠目にはベニヒダタケはまるでキオキナタケのようであり、ツブカラカサタケにしても典型的な幼菌からはほど遠い姿のものが多い。キツネノタイマツ、ツマミタケなどもあるが、熱さのためか、発生から1時間もせずにしおれて倒れてしまっている。 今日はこれから富士山まで涼みにいってくることにした。きのこではなく「涼」である。 |
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昨日、都内と川口市の書店巡りをした。7月14日に発売された『北陸のきのこ図鑑』はどこの書店にもおいてなかった。ちなみに、訪ねてみたのは次の書店である。池袋 旭屋、同 芳林堂、同 ジュンク堂、新宿 紀伊国屋、同 ジュンク堂、神保町 書泉、同 三省堂、同 東京堂、秋葉原 書泉ブックタワー、八重洲 東京ブックセンター、川口市 書泉ブックドーム。 もっとも大型書店だからといって図鑑や自然科学系の図書が充実しているとは限らない。しかし、神保町の明倫館、巌松堂、鳥海など自然科学に強いことでしられる古書店でも、古書・新古書などとしても置いていなかった。版元の橋本確文堂からは既に東販・日販などの取次店を通して全国の書店に流したと聞いている。 ちなみに、Amazon.comでも、楽天ブックスでも、[該当なし]。ネット上ではBooks.oj.jpとビーケーワン、e-honが検索にかかる。やはりこの書籍は佐野書店から購入するのが確実だ。 |
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先の台風のもたらした雨で多少はきのこも出たのではないかと思い、所沢の航空公園を歩いてみた。きのこの姿はほとんど見られない。硬質菌はいくつかあるが、軟質菌にいたっては、唯一見られたのはハラタケ科のきのこだけだった(a, b)。傘径15cmにも及ぶ。 このきのこ、胞子紋がほとんど落ちない。一晩採取してやっと少しとれた。この間にもヒダの色はほとんど変わらず、わずかに黄色みが増した程度である。あまりにも少量で胞子紋の色など不明である。何とかカバーグラスに採取した胞子は顕微鏡下では褐色にみえる(c)。 ヒダ切片を切りだした(d)。これは25〜30μmほどの厚みがある。15〜20μmほどに薄切りすると、ことごとく先端部が割れて丸まってしまう。この切り出し法では縁シスチジアの観察は無理と判断した。ヒダ実質部はわずかに平行気味な部分も見られるが、総じて錯綜している。 ヒダの縁に沿って細長く切りだし、縁シスチジアを探したが、見あたらない。きっとあるはずだと思って、何枚ものヒダを切り出してしまった。KOHを使って子実層をバラしてみた(e, f)。担子器ばかりで、シスチジアらしき組織はまったく見られない。 クサビ形切り出しに手こずったことや、縁シスチジア探しで何枚ものヒダ先端部切り出しで時間をくってしまい、傘表皮などは見ることができなかった。いい加減嫌になって、ついにきのこ自体を捨ててしまった。ナカグロモリノカサに限りなく近いが、結局不明である。 |
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先日埼玉県三芳町で採取したキアミアシイグチを冷蔵庫に放置してすっかり忘れいていた。全体にグッショリして白い小さなウジが多量に蠢いている。慌てて胞子紋をとった。スライドグラスには、胞子よりも虫の方が目立った。胞子紋の色などほとんど判定不能である。 何とかとった胞子にカバーグラスをかけてみた(a)。カバーグラスの脇からスポイトで水を注いだ(b)。胞子の姿が明瞭になった。管孔部の縁をみると縁シスチジアがあるらしいことが分かる(c)。その部分をバラして拡大してみた(d)。 イグチの管孔部がそれらしく分かるように切り出すのは思いの外難しい。熱を加えて半乾燥状態にすると楽に切れた(e)。生のままだと組織が引きずられてグシャグシャになってしまう。管孔のへりをみると側シスチジアらしきものが見える(f)。存在の頻度は縁シスチジアよりはるかに少ないが、サイズは一回り大きいようだ。 |
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夏風邪と台風のために昨日から今朝にかけては何もしなかった。どこやらから持ち帰ったきのこもそのまま放置である。乾燥するなり冷蔵庫に放り込まねばなるまい。 昨日の続きである。川内村では昨年に引き続き、今年もザボンタケが多数でていた(a)。いい加減に取り扱っていたが、ザボンタケは環境省RDB(絶滅危惧レッドデータブック)の「要検討種」であった。うかつであった。そのつもりの採取をしなかった。 ヤグラタケが大きな姿になっていた(b)。アカカバイロタケが大きな姿で多数発生していたが、それらの一つに面白い姿があった。傘の表面に小さな傘がひっくり返ったような形で載っていた(c)。誰かの悪戯かと思ってよくみると、自然に発生した姿だった(d)。 ウコンハツがいくつも見られたが、多くは鮮やかな色の幼菌であり、成菌では縁が白くなっているものが大部分だった(e)。オツネンタケやニッケイタケが道ばたや、炊事場跡にかなり出ていた(f)。予想に反して、冬虫夏草や腹菌類は思いの外少なかった。 |
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福島県川内村で出会ったきのこの一部を気紛れに取り上げた。発生数も多くよく目立ったものについてだけである。ガンタケ(a)、タマゴタケ、ツルタケなどのテングタケ科は多かったが、シロオニタケなど白色系のものは少なかった。シワチャヤマイグチ(b)、アカヤマドリ、オニイグチ、オニイグチモドキなどはよく見られた。 しかし、全般的に最も多かったのはベニタケ科のきのこだった。ケシロハツ、ケシロハツモドキ(c, d)、アカカバイロタケ、ニオイコベニタケをはじめ、和名をもたない種がいろいろあった。ウスタケは遠くからでも赤くて目立つものが多く、大きく成熟した明茶褐色の個体は少なかった(e)。ニセキンカクアカビョウタケや焼け跡盤菌はいろいろ見られた。端正な姿をみせてくれたのはシロスズメノワン(f)である。昨年とは異なり、とても涼しく快適だった。 |
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土日、福島県で行われている菌懇会合宿に参加してきた。東北自動車道の那須高原SAではテングタケ類、イグチ類が多く出ていた。特に目立って端正な姿をみせてくれたのはハイカグラテングタケだった(a)。30分ほどの間に早落性の白色のツバは次第に下がってしまった。背丈30cmほど。柄は独特の模様をみせてくれる。このときの個体では傘の縁の内被膜の名残はほとんどみられなかった。タマゴタケ、ツルタケ、オオツルタケ、ガンタケ、ヘビキノコモドキなどもあった。 イグチの仲間ではオニイグチ(b)、コゲチャイロガワリ?(d〜f)、ヤマドリタケモドキ、ヤマイグチが目立った。クラガタノボリリュウやナガエノチャワンタケ(c)をはじめ、盤菌類もかなりでていた。結局、ちょっとした小休止のはずが、2時間ほど停滞してしまった。この日は、あぶくま洞周辺の林道という林道をを走りまくって、午後、川内村の研修棟に到着した。林道走りの方は、全く成果なく、ただ、荒れた路を走ったのみとなった。 |
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先日所沢で採取したミドリスギタケについてのメモ。傘にKOHをたらすとたちまち黒くなる(a, b)。胞子には微疣がある(c, d)。KOHでマウントすると黄金色になる。硫酸では胞子の色にほとんど変化はない。縁シスチジアがたくさんある(e)。KOHを使って組織をバラした。担子器のサイズ、基部の様子や縁シスチジアのサイズは写真からでも確認できる(f)。 |
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やはり先に三芳町で採取した暗褐色のイグチもとりあえずメモしておくことにした。傘表皮はややビロード状、孔口も管孔も淡肌色(g)で傷つけるとゆっくりと褐変する。傘肉も淡肌色で空気に触れるとやがて褐色になる。柄は平滑で暗褐色、上下同じ太さ。胞子紋は黄土色。 胞子は円柱状類紡錘形(h)、縁シスチジア(i)、それよりやや大きめの側シスチジア(j, k)がよく発達している。黄褐色の内容物をもった側シスチジアもある。担子器の基部にクランプはない(l)。組織にもクランプは見られない。傘組織はうまく見ることができなかった。いくつかの検索表をみたがよく分からない。時間切れである。ありふれたイグチのように思えるが、何とも情けない。 22日(金)から来週の月曜日(25日)までは福島県東部で菌懇会合宿が行われている。今日と明日はこの合宿に参加するので、明日の雑記はお休みである。出発の時刻になった。 |
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去る7月12日、昨日(21日)と二度にわたって所沢市の航空公園で同一種と思えるアセタケを採取した(a, b)。外見的特徴と顕微鏡観察の結果は、この両者は同一種としてよさそうだ。いずれも傘表面頂部には微細な毛はなく、柄の基部は凹頭状に膨大している。胞子紋は汚褐色で、胞子はこぶ状(c)。マツとシデの混じったシイ・カシの林に出ていた。 ヒダを切り出すと分泌物を頭部に付着させた厚膜シスチジアが多数みられる(d〜f)。これは側に限らず縁でも同様である(h, i)。一部のヒダの縁には薄膜の小さなシスチジアも見られる。これらシスチジアの付着物は3%KOHでマウントするとすぐに消えてしまう(g)。 柄の上部には側シスチジアと同様の形態のシスチジアがあるが、柄の中間部から下部にはシスチジアは見られない。傘表皮には中ほど(j)にも頭部中央(k)にもシスチジアはない。担子器(l)はとても脆くて、3%KOHを使ってバラしを試みたがうまくいかなかった。 これらのデータを参考に検索表をたどると、ニセアセタケ Inocybe praetervisa に落ちる。 |
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所沢の航空公園のウッドチップからミドリスギタケ(a)、サケツバタケ(b)がかなり多量にでていた。写真のサケツバタケ(b)は一度倒されたのだろう。重力に対する負の屈性の実例をみせてくれている。例年なら多量に見られるツチヒラタケが今年はほとんど出ていない。 三芳町の保護林でもイグチ類とテングタケ類がかなり出ているが、種類はとても少ない。特に多かったのはミドリニガイグチ(c)[裏面]、キアミアシイグチ(d)[裏面]、アワタケである。他にも何種類かのイグチ類が見られた。テングタケ類で最も目立ち発生数が異常に多かったのはフクロツルタケ(e)である。ツルタケ、テングタケも随所にいくつかでている。久しぶりに出会ったのはキタマゴタケ(f)だった。そういえば、先日(7月12日)も幼菌がいくつもでていた。 航空公園にせよ、三芳の保護林にせよ先の三連休でかなり人が入ったらしく、真新しいゴミや空き缶が目立った。蹴飛ばされたり踏みつぶされたきのこの数がとても多かった。 |
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