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油浸レンズを使ったあとは、レンズペーパーにエタノール・エーテル混合液を少量つけて清掃している。清掃液はエーテル70%、エタノール30%の比率で作り、ハンドラップにいれている。エタノールだけでもよいのだが、直ちに乾燥させるために揮発性の高いエーテルを加えている。エーテルの入手と取扱いさえ心得ていれば、これは簡単で安上がりな清掃液だ。 油浸レンズを何度も使う場合には、いちいち清掃液をつけず、ペーパーのみで軽くオイルを拭き取る。最後だけペーパーに清掃液をつけて拭き取っている。レンズペーパーは小津産業(株)のDusper K-3である。キムワイプも使うが、Plan Apoレンズには使わない。今年はもう顕微鏡を使うことはない。今日は久しぶりにキシレンを使ってレンズを掃除した。 今日はこれから遠州灘西部に出かけ、明日夜の帰宅となるので、元旦の雑記はお休み。 |
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砂地生きのこの乾燥標本作りでは、もっぱらポリエチレン製の水切りネットを使っている。台所の流しで生ゴミを入れる三角コーナー用の、伸縮製がある目の細かいネットだ。28x25cmのサイズで案外使い勝手がよい。100円ショップに行くと、たいてい「三角コーナー用水切りネット」という35枚入りの商品が置いてある(a)。 持ち帰ったケシボウズなどをそれぞれネットに容れて、軽く振ると付着していた砂がかなり落ちる。そのまま乾燥機の金属網の上に置いて下から温風を送る。ネットで区分けされているので、標本が混ざり合うことはない。だから、一度に多数のサンプルを乾燥できる。 このポリエチレンネットを使う前は、小型の金属製篩いを使っていた(b)。それぞれのサンプルをこの中にいれて乾燥機の仕切の上に置いていた。結構かさばるのと、ひっくり返って落ちた標本が混ざり合うことがしばしばあった。ネットではその問題はない。 |
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先日の雑記で、顕微鏡のメカニカルステージ移動ハンドルについて触れた(雑記2005.12.22)。標本移動もフォーカシングも実はとても微妙な操作を強いられる。ほんのわずか位置を移動させるのは思いの外難しい。ピント合わせも同様である。さらに、検鏡時は常に粗動ネジを動かしながら観察する必要がある。つまりいずれも利き手を使うのが有利といえる。 メカニカルステージ移動ハンドルは、左右移動ではハンドル位置は変わらないが、前後移動をするとハンドルも一緒に動く(a:d1, b:d2)。写真のd1とd2とでは倍ほどの差がある。だから、前後にステージを動かした場合には、腕の位置を移動しなくてはならない。そこで、最近の顕微鏡ではステージの前後移動をしてもハンドル位置は全く変わらない仕組みを実装している。 実際にはd1とd2との差は、写真のように大きな変動はない。カバーグラスの短辺は18mmないし24mmだから、最大でも18-24mm未満となる。さらに、普通はカバーグラスの一部分に試料を置くだろうから、現実的な移動距離はせいぜい1-4mmほどだろう。 |
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このところプリンタが急に故障を連発しはじめた。モノクロのラインプリンタHP LaserJet 6L(a)は1997年7月に、カラープリンタHP Deskjet 895Cxi(b)は1998年11月の購入である。 LaseJet 6L(a)はランニングコストが安く、小型で静かなため、モノクロ印刷によく使っていた。半年ほど前から紙詰まりが頻発するようになり、遂に今朝はプリントアウトすらできなくなった。 一方、Deskjet 895Cxi(b)はゴムローラの偏摩耗が激しく、しばしば印字面が斜めに傾いたり、紙がクシャクシャになる。画像などでは横に縞が入り見苦しい。修理見積もりでは1万円以上かかるという。要するに買い換えの時期なのだ。7年も使えたのが幸運だろう。 LaserJet 6Lはゴミとして処分し、小型でLAN対応のカラープリンタを注文した。新プリンタ到着まで、Deskjet 895Cxiを騙しだまし使うしかなさそうだ。年末にいたってウンザリである。 |
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久しぶりにさいたま市見沼の公園に行ってみた。新たなウッドチップが広範囲に分厚く散布されていた(a)。2週間ほど前、このあたりのウッドチップにはハタケキノコやシロフクロタケの幼菌があった。遠からず大きく成長するだろうと楽しみにしていたのだが、その前に新しいウッドチップの絨毯にすっかり被われてしまった。 やや古くなったウッドチップにもきのこは全く見られない。池を見るとふだんと変わらぬ水位を保っているが(b)、日陰は日中でも凍っている(c)。日なたでは多くの水鳥たちが悠々と波紋を広げながら泳いでいた(d)。撮るにこと欠いて鳥を撮影して帰ってきた。 |
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茨城県自然博物館の第35回企画展「地球をささえる不思議な世界 キノコとカビのミラクルパワー」に行って来た。年内は27日(火)が最終日。来年1月9日(祝)までなので閲覧するチャンスはあと1週間ほどしかない。是非とも一度見ておく価値のある展示である。 ファンタジックな入口はよその世界に迷い込んだような錯覚を抱かせられる(a, b)。伊沢正名さんの写真、本田尚子さんの絵画が目を楽しませてくれる。工夫された展示は子供から大人まで充分楽しめる(c〜e)。菌類についてあらためてとても勉強になった。 プレイコーナーの中央には巨大なタマゴタケがそびえている(f)。この部屋では子供達が何時までもキノコを相手に楽しそうにはしゃぎ回り、コンパニオン風のお姉さんが時折倒れたキノコを起こしながら、にこやかに子供の相手をしていた。 突然訪問したにもかかわらず、学芸員の戸来さん、亀山さんにはすっかりお世話になってしまった。ありがとうございました。おかげでとても楽しい一日だった。 |
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先日顕微鏡の話題を書いたので、今朝は対物レンズを装着するレボルバーについて触れた。自宅のメイン機はレボルバーが内側、つまり鏡基に向かって傾斜している(a)。一方、家人のメイン機では外側、つまり手前側に向かって傾斜している(b)。 一般に古い顕微鏡では、たいていは外側を向いている。一方、最近の顕微鏡では内側を向いたものが多いようだ。これにはいろいろな理由があろうが、油浸レンズを多用するケースでは圧倒的に、レボルバーが内側を向いたものが使い勝手がよい。 油浸レンズを使う場合、理想的には対物レンズ側とコンデンサー側の両者を油浸状態にすることだ。しかし、これはかなり面倒だし、コンデンサーによっては油浸状態にできない。だから、日常は対物レンズとプレパラートとの間だけを油浸状態にして使うことになる。 その場合、どこに油浸オイルをつけるのかである。これもできれば対物レンズ先端とプレパラート表面の両方にオイルを微滴つけるのがよいのだろう。しかしこれも面倒である、だから自分たちの場合、プレパラート側にだけオイルを微量たらしている。 手前側からオイルをたらすには、レンズ群が向こう側にあった方が楽である。したがってレボルバーは鏡基の側を向いているものが使いやすいことになる。ちなみに、(a)の顕微鏡では、レボルバーの向きを外側に変更できるようになっている。 |
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千葉県立中央博物館で行われている「秋の展示 きのこワンダーランド」は明日の日曜日まで。きのこの展示・解説ばかりではなく、博物館展示としては珍しく、きのこグッズが非常に豊富で見応えがある。チャンスは今日、明日だけだ。 一方、茨城県自然博物館で行われている「地球をささえる不思議な世界 キノコとカビのミラクルパワー」も2006年1月9日(月)までだが、年内の展示は24〜25日、27日の3日間しかない。これらを見逃すのはあまりにも惜しい。 |
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柔らかいきのこはほとんど見られないが、硬質菌とクロコブタケの仲間はどこにでも見られる。今朝はマメザヤタケで遊んだ(a)。材についた状態のまますっかり乾燥している。表面を削ぐ形で切っても(b)、断面を切り出しても(c)、子嚢殼の中はほぼ空っぽに近い。 子嚢殼内部にやっとみつけた袋状のものを切ってみた(d)。予測通りほとんど子嚢は崩れている。空っぽの子嚢(e)や胞子(f)は多数みられるが、胞子の入った子嚢はほとんどない。子嚢先端のアミロイドリングばかりがよく目立つ(e〜h)。カバーグラスに軽く圧を加えると、胞子がことごとく崩れてしまった(i)。内部の白い組織は厚壁の菌糸からできている(j)。 今日は菌懇会の例会。今年最後の集まりで、午後からはスライド会。じきに出発だ。 |
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先日筑波で行われた菌学講座のおりに、富山のHさんと顕微鏡のメカニカルステージ移動ハンドルのことが話題になった。プレパラートを前後左右に移動させる装置が、右下についているか左下についているかである。これまであまり意識したことがなく、自分の顕微鏡ではどうなのかについては無頓着であった。そこで、今朝あらためて確認してみた。 自宅でメイン機として使っているものは、ハンドルが右下についていた(a)。一方、位相差顕微鏡では左下に(b)、ニコンのサブ機でも左側についていた(c)。さらに、オリンパスの単眼顕微鏡では左横についていて、前後移動ネジと左右移動ネジは別軸である(d)。 一般に市販の大部分の顕微鏡では、移動ハンドルは左下についている。右手で微妙なピント合わせをするのであれば、ステージ移動ハンドルは左側にあるのが合理的だ。ステージによってはハンドルを左右に付け替えられるタイプもある。また、簡易メカニカルステージではたいてい左横に移動ネジがあり、2軸形式だ(d)。 多くの人が左手でステージを動かしつつ、右手でピント合わせをするようだ。だから、ハンドルが右下にあると言うにいわれぬまどろっこしさを感じることになるのだろう。 ちなみに、自分の操作を振り返ってみると、ステージ移動ハンドルの位置に関係なく、ピント合わせの微動ネジは常に右手の人差し指だけで操作している。粗動ネジは常に両手の親指・人差し指・中指で操作している。しかし、粗動ネジをいじることは滅多にない。 |
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筑波で行われた菌学講座の最終日「不完全菌類の分類」では、興味深いカビ(糸状菌)を多数観察することができて面白かった。当日の実習材料として16種類の分離菌株が用意されていたので、一通り顕微鏡観察をして楽しんだ。 Penicillium sp.(アオカビ)やAspergillus sp.(コウジカビ)などは見慣れていたが、改めて見ると実にきれいだと思った。実習の場ではAureobasidium sp.だけを簡易アダプタとCOOLPIX995で撮影することができた(a)。この菌はPDAでは速やかにコロニーが形成されるという。 シャーレの中では黒色のコロニーが大きく広がっている(b)。顕微鏡のステージにシャーレを置き、暗視野状態を作って撮影した(c)。そのまま明視野に戻して倍率を上げると、数珠が繋がったような姿の菌糸が多数あった(d)。培地から柄付針で菌を少しかき取り、エタノールで洗い、ラクトフェノールで封入した。不完全菌類のプレパラートを作ったのは初めてだった(e, f)。 今回観察したカビの中では、Curvularia sp.が最も興味深かった。きのこの傘表皮などを観察しているとしばしば節をもった虫のようなものが見られる。その正体がこのカビの三日月型分生子だった。残念ながら時間の関係で撮影はできなかった。 |
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