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先日さいたま市の見沼区で採取したツブエノシメジで遊んだ。17日朝さいたま市見沼区の公園で採取したうちから1本だけを冷蔵庫に保管してあった(a)。今朝はそこからヒダ切片を一枚切りだした(b)。メルツァー液を加えて子実層を覗いた(c)。 シスチジアや傘表皮構造など詳細な観察は他の人に任せて、今朝は担子器をバラして遊ぶことにした。再び薄切りを作って、最初から3%KOHでマウントした。水でマウントするよりもコントラストが弱くなりとても見にくい。そこで、フロキシンを加えた。 柄付針の先でカバーグラスを軽くつつくと、整然と並んでいた子実層がバラバラになった。視野の中にはバラされた担子器が多数みえる(d〜f)。担子器のサイズを測ったり、基部のクランプの有無を確認するならバラすのが一番。ポイントはKOHだ。 |
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昨日早朝、久しぶりに千葉県内房の浜まで行ってきた。浜はすっかり花盛りで、ハマヒルガオ、ハマダイコン、ハマエンドウなどが絨毯を織りなしている(a)。先月はコウボウムギばかりが目立ったが、浜全体がとても色鮮やかになった(雑記2005.4.15)。 4月には何も無かった場所にいくつものケシボウズが出ている(b, c)。「ん...!」、一瞬誰かが悪戯をしたのかと思った。表面を覆っていた砂がとばされて出現したものらしい。形態的特徴と顕微鏡的特徴から判断して、ケシボウズタケ(Tulostoma brumale)だろう(d〜f)。 採取した中にはT. kotlabaeと思われるものもあった。これらはおそらく昨年晩秋から初冬に発生し、砂の下で比較的新鮮な状態を保持していたものだろう。先月ほとんど消え入りそうな状態だったナガエノホコリタケのミイラは既に跡形も無くなっていた。 |
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さる5月3日に持ち帰ったオオシャグマタケとシャグマアミガサタケの件である。12日までは保水が不足していたのか、シャグマアミガサタケはかなりしぼみ、オオシャグマの方はあまり大きな変化はなかった(雑記2005.5.13)。13日からは、発泡スチロールの皿には常にたっぷりと水を張るようにした。溢れるほどの水の上に濡れティッシュ、その上にきのこである。 満々とたたえた水の効果は抜群だったようだ。シャグマアミガサタケは再び生気をとりもどしたようにみえる。オオシャグマタケはかなり大きくなり、頭部は完全に熟している(a)。3日時点とは印象からして変わった。もちろん13日時点からも随分変化した。 今朝はこのオオシャグマタケを覗いてみた。いい加減につまみだしてみても、熟した子嚢と胞子がみえる(b)。高倍率でみると、両端に嘴状突起を持ち、細かい網目状の模様をもった胞子が明瞭にみえる(c)。悪のりしてフロキシンをたっぷり加えたらすさまじい色になった(d)。フロキシン染めのまま、胞子表面(e)と輪郭部(f)を撮影した。 持ち帰ってからまるまる2週間以上かかったが、追熟は成功したようだ。途中でもう捨ててしまえとも思ったが、念のためにまだ水張りを続けてきた効果はあった。 |
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一昨日持ち帰ったテンガイカブリを覗いてみた。頭部の子実層はとても脆く水っぽいので、切り出しはなかなかうまくいかない(a)。メルツァー液を加えてもアミロイド反応はなく、軽く黄色味が増すだけである(b)。少し倍率を上げただけで、8個の胞子が入った子嚢が整然と並んでいるのがよくわかる(c)。側糸の先端はやや膨大している(d)。 この仲間の胞子はとても大きいので、安価な小中学生用の学習用顕微鏡でも充分楽しむことができる(e, f)。胞子の両端外側には多数の小胞がみられる(f)。この小胞はアミガサタケの仲間の胞子にも見られ、何とも愛嬌がある。 近縁種とされるオオズキンカブリタケの巨大な胞子には小胞はみられない。なお、テンガイカブリタケのミクロの姿は、以前にも何度か取り上げている (雑記2003.4.28、同2004.5.14)。よくまぁあきずに、こうなるともう、年中行事みたいなものである。 |
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テンガイカブリにあいたくて日光を歩いてきた。5月11日には全くみられなかったのだが、昨日は20数本の成菌にであうことができた(a〜c)。まだ若くて淡色をした若い菌もあった(d)。他にもやっと頭部を地表に出しはじめた個体がいくつも見られるようになった。それにしても寿命の短いキノコである。あと数日後が最盛期かもしれない。 シャグマアミガサタケは昨日もいくつもの個体が鮮やかな色を見せてくれた(e)。オオズキンカブリタケはほとんど姿を消していた(雑記2005.5.12)。ミズナラとカンバばかりの林の斜面にシャグマアミガサタケがでていたり、ミズナラとハルニレの林にオオシャグマタケ(f)がでていたことが、とても興味深く思えた。 雨が少なかったせいであろうか、タモギタケはまだ小さな白い幼菌が多数みられただけであり、ホシアンズタケにいたっては全くみることもできなかった。 |
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昨日都内青山で行われた「土居先生を囲む会」に出席した(a〜d)。土居先生ゆかりの人々と楽しいひとときを過ごすことができた。土居先生のにこやかな顔が印象的だった(b)。 COOLPIX995で多数のスナップ写真を撮ったのだが、その80%が暗くてピンぼけだった。いまさら995でもないが、使い初めであった。 数日前に、日常のメイン機COOLPIX990が完璧に壊れた。今年1月購入の中古である。今回はもう修理には出さない(雑記2005.1.11)。被写体にレンズを向けても、合焦機構はウンでもスンでもない。INF位置のまま動かなくなってしまった。しかし、顕微鏡専用なら無限遠さえ使えればよい。結局、顕微鏡用デジカメは2台とも障害を抱えた990となった。 デジカメ一眼レフですべてをまかなうには不安がある(同2005.4.16)。しばらくはCOOLPIX995がメインである(同2004.12.15)。 WindowsXP再インストールは、気が重い。後日時間のとれるときに、何回かに分けて行うことにする。今日はまた早朝から日光である。 |
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WindowsXPとネットワーク環境が不調である。数ヶ月ほど前から、ファイルのタイムスタンプが正常に取得されないという現象が発生し始めた。ついに変更時刻を全く認識しなくなってしまった。FTPで同名ファイルのタイムスタンプを比較して、新しければ転送する、そういったことが全くできない。他にもいろいろと困った症状がいくつも出ている。 やっとのことでマイクロソフトのサポートと連絡をとれた。レジストリが壊れているらしく、いずれ起動不能となるだろう、という。結論は、「ハードディスクをフォーマットして、新規にWindowsXPをインストールし直してください」である。 考えただけでウンザリだ。システムのバックアップを取らなかったわけではない。ただ、その時点ですでにレジストリに異常が発生していたと考えられるので、使えない。今朝は古いサブマシンから無線LANで雑記をアップした。非力なマシンなので写真は扱えない。 |
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去る5月3日に日光から持ち帰ったオオシャグマタケとシャグマアミガサタケのその後の経過である(雑記2005.5.5)。オオシャグマタケにはあまり変化がない。一方、シャグマアミガサはひからびて萎み随分と小さくなった(a)。 それぞれ、切片を切りだして、3%KOHでマウントした(b, d)。何度切り出しても子嚢がほとんど見つからない。わずかに見つかった子嚢には、胞子はみられない(c, e)。5日朝にはシャグマアミガサに子嚢胞子を見ることができたのだが。発泡スチロールの皿に水分をたっぷり張って、もうしこし続けてみることにする。 話は変わるが、持ち帰ったタモギタケは美味かった(f)。ひさしぶりに「きのこ雑記」のトップページに少し手を入れた。 | |||||||
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キノコ屋(高橋 博)さんと一緒に日光を歩いてきた。すべては4日前とほとんど変わらなかった(雑記2005.5.8)。テンガイカブリは全くでていない。オオズキンカブリタケはほとんど終わりを告げていた(a)。頭部の子実層はグズグズに崩れていて、きれいには切り出せなかった(b)。子実層には針葉樹の花粉が多数付着していた(c)。 オオシャグマタケはやや大きく育っていたが、発生数はあまり増えていない(d)。シャグマアミガサタケはとても鮮やかな色になっていた(e)。タモギタケはほとんどが乾燥で白っぽくなり、幼菌はそのまま乾涸らびていた。鮮黄色の株はごくわずかだった(f)。探したわけではないが、ホシアンズタケに出会うことはなかった。 日光ではようやく冬が明けて春が近づいたといった風景が展開している。広範に残雪が残り、まだ木の芽は眠っている様子で、季節は冬を思わせる。例年と比較しても、季節の進みが大幅に遅れているようだ。 |
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「北陸のきのこ図鑑」(監修:本郷次雄、著者:池田良幸、協力:橋屋 誠、笠原英夫、栗林義弘)がいよいよ6月末に発行されることになった。B5判、上製本、カラー図版146頁、解説・付録等 500頁で、予定価額は15,000円(税5%込)となっている。 絶版となっていた「石川のきのこ図鑑」を全面的に見直し、改定増補したもの。掲載種数も1,403種となり、カラー図版も大きくなった。解説も前書よりも詳細となり、ほとんどの種に検鏡図が挿入されている。「石川のきのこ図版」がA5判、カラー図版80頁、解説・付録等 256頁、取扱種696種であったから、大幅な増補版である。 きのこ研究を志すアマチュアは無論のこと、プロにとっても、座右に揃えておくべき文献の一つといえよう。きのこを深く知って楽しもうという愛好家にとっても、まれに見る良書である。内容から考えて15,000円は安いと思う。 6月15日を締切日として、現在予約注文を受けている。発行部数が限られているので、書店に出回る数はかなり少ないだろう。予約注文先は、著者に直接(葉書)、あるいは佐野書店(E-mail)に申し込まれたい。ちなみに、著者の住所、発行元などは下記。
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