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早朝、上越のブナ立ち枯れから出ていたヤニタケを検鏡した。切断すると茶褐色になる(a)。採取したきのこはまだ若いのか、子実層を切り出しても担子器や胞子は不明瞭だった(b)。この手のきのこに関しては子実層や胞子よりも、まずは菌糸型のチェックが必要とされる。 フロキシンとKOH、消しゴムを使って、子実層近辺の組織をほぐしてみた。クランプをもちやや厚膜の原菌糸(c)と厚壁の骨格菌糸(d)が見られる。明瞭な姿の結合菌糸はない。次に傘肉の部分の組織を同じ方法でほぐしてみた。子実層近辺より太く薄膜の原菌糸、やや細めの厚壁の原菌糸が見られる(e)。わずかに厚壁の骨格菌糸も見られる。 傘表皮のビロード状の部分は、濃茶色の原菌糸からなる細長い細胞からなっている(f)。いずれの菌糸にもクランプが明瞭に捕らえられる。KOH+フロキシン+消しゴムによる菌糸型(miticシステム)の判定については、2003年9月18日の雑記ばかりではなく、過去の雑記で何度か取り上げた(雑記2003.9.20、同2003.9.19)。 |
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連休の土日に日本菌学会関東支部の観察会に参加してきた。それに先だって17(土)に上越のブナ林を仲間4名で歩いた。その前の週に青森県の八甲田山でも出会ったが、ここでもエゾハリタケの大きな株をみることができた(a)。八甲田山では地上15〜20メートルほどのブナの立木から3株ほど出ていたが、昨日も地上15メートル以上の位置に着いていた。どうもエゾハリタケというきのこ、高いところが好きらしい。いつも、なかなかうまく撮影できる位置には出てくれない。 以前はどこに行ってもかなりの頻度で見られたカバノアナタケも最近は随分少なくなってしまった。この日もブナ林の縁のダケカンバ老木に大きな株がいくつも見られた(b, c)。青森県八甲田温泉で15×10×10cmほどの塊が2万円という値を付けて売られていた。その基準で行けば、この写真のものなど100万円以上ということになる。急激に減ってしまったのも頷ける。 久しぶりにヤニタケにであった(d, e)。地域によってはマスタケなどと並んで美味しいきのことして知られている。これもブナ林でさえあればどこにでも出るというわけではなく、青森では見ることができなかった。少し注意して見ると足下にホソヤリタケが散見された(f)。この細長いきのこはよほど注意して見ないとなかなか見つけにくい。 |
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クチキトサカタケは現地で乾燥機にかけてから持ち帰った。乾くと表面先端が黒ずんだ。子実層を切り出して3%KOH液でマウントしてみた(a, b)。透明で目が疲れる。メルツァー液を加えるとたちまち全体が黄褐色になったが、子嚢は非アミロイドである(c, d)。フロキシンで新たにマウントし直してみた(e, f)。胞子表面は平滑で、内部に油滴がいくつか見られる。側糸は途中で分岐して先端が内側に湾曲しているものが多い。 昨日の空き時間はすべてパソコンの復旧に費やされてしまった。ハードディスクを交換してフォーマットし、バックアップデータをそこに復元した。予備パソコンは手持ちの古い30GBハードディスクに付け替えて新たにWindowsXPを導入した後、そこにバックアップを取ってあったOSを書き戻した。今日と明日は日本菌学会関東支部の観察会。今晩は現地泊となるので明日の「雑記」はお休みである。 |
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青森県八甲田山にはブナの原生林がたっぷり残っている。今を盛りと発生しているのがクチキトサカタケ(a〜f)である。特異な姿をしていて、大きな株では径20cmを超えるものもある(d)。たいていはブナの倒木にでるが、時には立ち枯れや老木に出る(e, f)。日本特産、一属一種で、ブナ固有のきのことされる。灰色がかった緑黄色から赤みを帯びたオリーブ色をしている。 青森県に出向いたのは、砂浜のきのこ観察が主目的であったが、移動の途中八甲田に一泊した。クチキトサカタケに出会いたいためである。群馬県上州武尊のブナ林には数十回ほど出かけているが、いまだこのきのこには出会っていない。 今日は、クラッシュしたハードディスクを新しいものに交換して、パソコンの復旧作業をしなくてはならない。今現在は検鏡データなどを格納する領域が全くない。気が重い。 |
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この1週間の暑さのせいか、帰宅してみるとパソコンの周囲からエナメルの焦げるような異臭が漂っていた。データを納めているE:ドライブのハードディスクがクラッシュしていた。Windowsを終了して、コンセントを抜いておけばよかったのだろう。すべてはあとの祭りである。 9月1日までのデータの多くは外付けLANディスクにバックアップを取ってある。しかし、9/2〜9/9までの映像データは完全に失なった。青森からインターネット経由で転送した9/10〜9/14までの映像データも読み出し不能となってしまった。 一方、予備パソコンのHDDも、8月末頃からきわどい状態だったが、今朝起動しようと電源オンにしたろころ、BIOS表示から先に進めない。OSを格納したC:ドライブのハードディスクのクラッシュである。何度か試みたが、完全に起動不能である。 よりによって、日常稼働パソコンの映像データ格納HDDと、予備パソコンのOS格納HDDのふたつが同時に壊れてしまった。早急にHDDを購入し復旧作業をせなばならないが、すべては来週以降になる。致命的トラブルは忙しいときに限って起こるものらしい。 |
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9月9日から9月14日まで「今日の雑記」を休みます。カメラ・顕微鏡は担いでいきますが、目的地周辺はいずれもネット接続環境の全くない地域ゆえ、日々の更新は無理と判断しました。あわせて「雑記 戯れ言」もお休みです。 |
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