Top  since 2001/04/24 back


日( )


2005年6月10日(金)
 
ローマ字表記の統一
 
 ファイル名にはローマ字表記が必要だ。これには、自分なりのルールを決めておかないと混乱が生じる。「し」の表記を「shi」とするのか「si」にするのか、「つ」は「tsu」なのか「tu」とするのか、「ふ」は「fu」か「hu」とするのか、「ちゃ」は「cha」「cya」「tya」のどれを使うか。
 「きのこ雑記」では、Perlで書いたスクリプトを用いて、「フミキタケ」でも「フミキタケ」でも「humizukitake」にしてしまう。「フジウスタケ」は常に「hujiusutake」であり、「オオチャワンタケ」は常に「oochawantake」である。仮名表記は違ってもローマ字は一意的に決めてしまう。
 自分でプログラムを書かずとも、[kakasi(カカシ)] やら [ChaSen(茶筌)] といった解析プログラム(Windows版もある)を使うと、楽にローマ字表記の統一ができる。仮名とローマ字を相互変換するフリーソフトもいくつかあるようだ。

 菌学教育研究会「講座 菌類の多様性と分類」が本日申込締切りとなっている。受講するつもりで申込を忘れているのなら、今日のうちにメールか電話/FAXなどで連絡が必要だ。

2005年6月9日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 プレパラート作成にあたって、直接机や紙の上にスライドグラスを置いてもよいが、作業台があるといろいろ都合がよい。机や紙のホコリも付着させずにすむ。
 愛用しているのは故池田和加男さんの作品だ(a)。スライドグラスがピッタリおさまり、下側が開いている。わざわざ下側を開けてあるのには理由がある。コットンブルーなどで染色したり、ホイヤー氏液(Hoyer's Medium)を使って永久プレパラートを作成するには加熱が必要となる。そんなとき、下からターボライターで炙れるようにとの配慮である。
 友人のSさんの作品は芸術品の風格がある(b)。外では100円ショップのコースターも使う(c)。水に切り落とした切片を拾いとる作業では、時計皿に直接スライドグラスを置いてしまう(d)。
 カバーグラスをかぶせる前に、試料を調整したい場合がある。そんなときは、側面がすべて穴あきのルーペをスライドグラスに直接載せ、両手を使って穴の部分から2本の柄付針で操作する(e)。ルーペの穴は軽量化だけが目的ではない。

2005年6月8日(水)
 
森林公園きのこ無し
 
 昨日、国営武蔵丘陵森林公園を歩く機会があった。10ヵ所ほどのポイントだけをチェックしたのだが、どこにもきのこは見られなかった。全体にとても乾燥しており、沼の周囲や沢沿いにもきのこはない。ウッドチップ上に、キツネタケ、ヒトヨタケ、イタチタケの仲間が干からびた姿をさらしていた。硬質菌も新鮮な状態のものには全く出会えなかった。

 復刊ドットコムから「『石川のきのこ図鑑』が『北陸のきのこ図鑑』と改題され新装復刊いたします」との要旨で案内メールが届いた。「商品の発送は7月上旬になります。 [送料・代引き手数料無料] 在庫数 在庫 98」と書かれているので、[復刊ドットコム] として98冊購入予約したものだろう。ここから購入すると、1冊でも送料、代金引換手数料がサービスということか。しかし、このサービスを受けられるのは、全部でたったの98冊である。

2005年6月7日(火)
 
ファイルの命名ルール
 
 ホームページ上のファイル名は、自分なりの命名規則を明確にしておかないと収拾がつかなくなる。生態写真のファイル名がtengutake01.jpgなら、サムネイルはtengutake01-s.jpg、顕微鏡写真ではm_tengutake01.jpg、同サムネイルはm_tengutake01-s.jpgとしている。HTMLファイルは生態がtengutake.htm、顕微鏡がm_tengutake.htm。先々統一的に処理できるよう配慮した。
 ホームページを構成するファイルが増えると、ファイル名を一つ変更するにもかなりの注意が必要だ。うかつに変更すると、あちこちでリンク切れが生じる。5月30日夜から31日朝にかけて変更したのは、tulostoma_stiriatum → unemikesibouzutake だった(雑記2005.5.31)。
 当初ファイル名には学名を使っていた。テングタケなら、amanita_pantherina01.jpg、サムネイルはamanita_pantherina01-s.jpgである。ところが次第に困った問題がいろいろと発生してきた。シノニムの問題やら無効名の取り扱いに悩まされることになった。
 試行錯誤を経て、tengutake01.jpgとかtengutake.htmなど標準和名に変更した。どのように長い和名でも省略せずにそのままローマ字化している。和名のないものは学名のままである。しかし、ローマ字表記にあたって新たにやっかいな問題を抱えることになった。

2005年6月6日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 ★「講座 菌類の多様性と分類」 [6月25日(土)〜6月28日(火) 於:茨城県つくば市] の申込締切が近づいた。6月10日必着となっている。
 ★『北陸のきのこ図鑑』の予約締切時期が近づいた。予約割引価格で購入できるのは6月15日申込分まで。発行部数が少ないので、予約購入が確実だろう(雑記2005.5.11)。

 所沢市の航空記念公園で採取したイタチタケを覗いてみた。この仲間は短時間で多量の胞子紋がとれる。カバーグラスの上に5〜10分ほど傘をかぶせておけば、観察に十分な量の胞子が採取できる。それ以上長時間放置していると厚い胞子の層に手を焼くことになる。
 胞子には発芽孔がみられる(a)。ヒダの切り出しはとても難しい。実質部の菌糸は平行にならんでいる(b)。先端を見ると多数の縁シスチジアがみえる(c)。3%KOHを加えて軽く押し潰すとバラバラになった(d)。子実層の担子器(e)もそのままでは基部の様子がわからない。これもKOHでマウントして軽く押し潰すとよく分かる(f)。圧が強すぎると担子器を潰してしまう。
 一枚の写真で担子器の頭部と基部の両者を表現するのは難しいが、顕微鏡の微動ネジを上げ下げしながら観察すると、基部の様子が明瞭にわかる。

2005年6月5日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日午前中に所沢市の航空記念公園を歩き回ってみた。公園全域としてはきのこはほとんどでていないが、ウッドチップ帯やかつてウッドチップを撒いた地域では多くのきのこが群生していた。ここでは群生していたきのこだけを取り上げた。
 サケツバタケは数日前に大量発生した様子だが、大きな成菌も残っていた(a)。足の踏み場もない状態でヒトヨタケ属のきのこが広範囲に群生していた。ネナガノヒトヨタケ、ザラエノヒトヨタケ(b)、ウシグソヒトヨタケらを確認できた。ヒメヒガサヒトヨタケやビロードヒトヨタケの姿はない。ツバナシフミズキタケ(c)は若い菌が多く、これから大発生をみられそうだ。
 いつもならササクレヒトヨタケが群生する場所には、キオキナタケ(d)、オキナタケ(e)の大群生が展開していた。ササクレヒトヨタケは全く出ていない。イタチタケも広く見られた(f)。

2005年6月4日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 今朝はスライドグラスを洗って乾かす作業をしただけでのんびりした。自然乾燥で水を切るために、針金を曲げて作った小道具に立てかけて数時間放置する(a)。使用済みプレパラートは、スライドグラスだけを台所洗剤(c)を溶かし込んだ金属容器(b)に放り込む。以前はカバーグラスも洗浄再生していたが、今はカバーグラスは捨ててしまう。
 おおむね1〜2週間に1度くらい、超音波洗浄機(d)にかけた後、水洗いして放置乾燥している。ふだん、プレパラートは1枚のスライドグラス上に2〜3ヵ所作る(e)。1種類のきのこで6〜10個ほどのプレパラートを作るので、スライドグラスは毎日3〜5枚使う。1週間では25〜30枚ほどたまる。
 洗うのは面倒だが、沢山たまると嫌になって結局捨てるハメになるので、なるべく週に1度のペースで洗うようにしている(雑記2003.11.17同2004.7.2)。

2005年6月3日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
 さいたま市の秋ヶ瀬公園には相変わらずきのこの姿がほとんど無い。ウッドチップからもほとんど何もでていない。こんなことは珍しいが、アミスギタケだけはどこにでもみられる(a, b)。ふだんあまりていねいに見ることは無かったので、久しぶりにアミスギタケを覗いてみた。
 胞子紋は白色だとばかり思っていたのだが、わずかにクリーム色をおびている(c)。胞子は細長く油球のようなものがみえる(d)。メルツァーを加えると内部は見えなくなる(e)。傘裏の網状の凸部分をわずかに切り出した(f)。縁には子実層が整然と並んでいる(g)。
 しばらく放置していたらマウント液の水がほとんど乾いてしまった。そのまま3%KOHをたっぷり加えると組織がバラバラになって、担子器があちこちに散らばった(h, i)。2菌糸型で、薄膜の原菌糸にはクランプがあり(j)、厚膜の骨格菌糸はあちこちで分岐している(k)。

2005年6月2日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先日久しぶりに終日雨が降ったので、さいたま市の公園に行ってみた。ウッドチップに出るきのこにもいろいろある。雨が降ると翌日すぐに顔を出すのはヒトヨタケ属のきのこ。数日後に決まって発生するのはオキナタケ属、コガサタケ属のきのこだ。
 キオキナタケ(a, b)、オキナタケツバナシフミズキタケ、シロフクロタケ(c, d)が広範囲に発生していた。既に陽が昇ってからかなり時間が経っていたこともあり、ヒトヨタケ属はほとんど溶けたり、しおれていた。馬糞からはジンガサタケらしききのこが出ていた。
 遠目にも分かるほど一帯が白いきのこに被われていた一画があった(e)。近寄って見るとすべてツブエノシメジだった(f)。大きなものでは傘径15cmを超えていた。

2005年6月1日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 先日の日光(5/29)から2種類のチャワンタケを持ち帰った。今朝、というより深夜に、そのうちの一つを切り出した(a, b)。カラマツにモミの混じった樹林に出ていたもので、傷つけるとわずかに青変する。子嚢盤がかなり厚いので子実層の付近だけをはぎ取り切片をつくった(c)。ここでは側糸と子嚢の部分だけを取り上げた(d〜f)。胞子は球形である。メルツァー液を加えても、子嚢にも胞子にも特に変化はない(e, f)。キチャワンタケとしてよさそうだ。
 6月1日は早朝からアクセスできないプロバイダがあるので、ふだんより3時間ほど早めてアップすることにした。昨夜、依頼されていた顕微鏡の整備が終わったと連絡があった。

過去の雑記

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2005
2004
2003
2002
2001

[access analysis]  [V4.1]