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日( )


2005年3月20日()
 
(a)
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(b)
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(c)
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(e)
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(f)
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 先にスギ花粉を詳細に観察したので、ついでにヒノキの花粉についても見ておくことにした。ヒノキ(a)の場合も雄花は先端に着く(b)。ルーペーで拡大してみると熟した雄花からは胞子があふれ出している(c, d)。スギ花粉のようにパピラ(鈎状小突起)をもっていれば、低倍率でも分かるはずである(e)(雑記2005.3.11)。しかし、ヒノキ、サワラ、アスナロなどの花粉には、スギと違ってパピラはない(f)。外皮の破裂した花粉の様子はスギとよく似ている。
 スギやヒノキの花粉を取り上げたのにはわけがある。例年今の時期にきのこを観察していると、しばしば丸くて大きな細胞が傘表皮やらヒダ実質に見られる。この丸くて大きな組織の正体はたいてい、スギなどの針葉樹の花粉であることが多い。先日採取したセンボンクヌギタケのヒダ実質フユノコガサの傘にもスギ花粉が付着していた。

2005年3月19日()
 
日本菌学会関東支部年次大会
 
 日本菌学会関東支部の年次大会が2005年4月3日(日)に行われる。会場は玉川大学、今年のテーマは「島の菌類」。一般講演では、筑波大学の糟谷大河氏らも発表が予定されている。時間、参加費、会場地図、参加申込などは、以下参照。
平成17年度日本菌学会関東支部年次大会のご案内

 昨日の帰り道、川越市の保護林、所沢市の所沢航空公園、さいたま市の秋ヶ瀬公園を経由してきたが、どこにもキノコの姿はほとんど無い。見かけたのは、硬質菌、乾燥しきったキクラゲの仲間、わずかな盤菌類だけだった。
 今日は湘南地方の友人宅まで出かけるので、それに先だって鎌倉市から大磯町にいたる浜の様子を観察してみることにした。海浜性キノコが出るような環境の浜がどの程度残っているのかがポイントになる。

2005年3月18日(金)
 
(a)
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トガリアミガサタケ
都内では成長が悪い
(b)
(b)
 都内まで出たので、大学構内のイチョウ樹下を歩いてみた。昨年外壁工事を施した農学部のイチョウ並木下では予測通り、トガリアミガサタケは全く出ていなかった。むこう何年かは、以前の様な群生は見られないかもしれない。ここ数十年間ずっと、例年3月中頃にはかなりの数が見られたのに残念だ(雑記2004.3.9同2003.3.7同2002.3.9)。
 池の近くでは3〜4cmに育ったトガリアミガサタケが少しだけ見られた(a, b)。こちらも昨年の大清掃作業に加えて、今年は新たな工事も加わり絶滅寸前である。
 帰路、浜野顕微鏡を覗いてみた。かなり昔30万円以上で購入したオリンパスのCH2が並んでいた。BX40やエクリプスという大きな顕微鏡が隣接していたせいか、とても小さく見えた。価格が意外と高いのに驚いた。他にも「雑記」で取りあげた顕微鏡と同一機種が展示されていた(雑記2001.8.19同2002.5.23同2003.1.7同2003.12.3)。

2005年3月17日(木)
 
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(j)
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(k)
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(l)
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 千葉県大多喜町の城址跡付近の沢スジで、フユノコガサがあったすぐ近くに小さなフウセンタケ科のきのこが出ていた(a, b)。傘表面に手持ちの3%KOHをたらすとたちまち黒変した。ヒダは疎で垂生から直生である(c)。胞子紋はサビ黄褐色(d)。
 胞子は水でマウントしても3%KOHでマウントしても変わりないが、KOHでマウントした方が明瞭である(e)。メルツァーを加えると明るい黄金色になった(f)。胞子表面は平滑である。切り出したヒダを見ると縁シスチジアはあるが、側シスチジアはない。実質は並行型である(g)。フロキシンで染めると細長い縁シスチジアが明瞭に見える(h)。油浸100倍にすると視野に入りきらず長さの計測はできない(i)。
 担子器の基部を確認するためにあらためて3%KOH+フロキシンでヒダをマウントした。柄付き針の先で軽く突くと、子実層がバラバラになった(j)。こうなれば、担子器のサイズを計測したり、基部のクランプの有無をいくつでも測ることができる。大方の担子器には基部にクランプがある(k, l)。一つの担子器だけではなく、多数のそれを観察すれば、クランプの有無の判定を誤ることは少ない。傘表皮の組織は匍匐菌糸が走っていた。菌糸にはあちこちにクランプが見られる。
 これらのデータを元に検索表をたどると、フウセンタケ科チャツムタケ属(Gymnopilus)チャツムタケ節に落ちる。現地で見たときには、ケコガサタケ属(Galerina)だろうと思ったのだが、顕微鏡観察の結果は思惑とは違っていた。

2005年3月16日(水)
 
(a)
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(l)
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 千葉県大多喜町の城址跡付近のスギ植林地の沢スジで小さなきのこに出会った(a)。見たところフウセンタケ科ケコガサタケ属のようだ。ヒダは疎で縁にそって粉が浮いたように見える(b)。ヒメコガサと似ているが、少し違うように感じた。
 胞子紋は明るい黄褐色(c)。ヒダを切り出すと側シスチジアははっきりしないが、縁シスチジアはかなり多数あるようだ(d)。ヒダ実質は菌糸が平行に走っている(e)。採取した胞子紋をそのまま覗いてみると、胞子表面には微細な疣があるように見える(f)。
 水でマウントした胞子は輪郭部(g)を見ても、表面(h)を見ても、表面の様子はよく分からない。しかし、3%KOHでマウントすると胞子表面の微細な疣が明瞭になる(i)。
 縁シスチジアは頂部が球状に膨らんだフラスコ型(j)。フロキシンで染めるとさらに鮮明に見える(k)。担子器の基部にはクランプを持つものもあれば、持たないものもある。傘表皮は匍匐菌糸からなっている。検索表からはフユノコガサに落ちる。

2005年3月15日(火)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 千葉県富津市の浜では、ナガエノホコリタケのミイラがほとんど消滅寸前の状態を呈している。まだ、柄と頭部が分離せず、何とか元の形態を保っているものはごくわずかとなった(a)。昨年9〜11月頃に発生した個体の多くは完全に消滅してしまったか、あるいは砂粒を抱え込んで今にも壊れそうである(b, c)。
 その一方では最近1ヶ月の間に発生したと思えるケシボウズタケ(Tulostoma brumale)も見られる(d)。昨日は10数個体を採取したが、まだ柄の内部は白く、水分をかなり含んでいる(e)。典型的な筒状の口を持ち、孔口の周囲に暗色の帯を持った個体もいくつが見られた(f)。
 房総半島内部の大多喜町、長柄町の杉林では傘と柄を持ったきのこが出始めた。スギの雄花が一面に飛散した林床からは小型のハラタケ目がいろいろ見られた。

2005年3月14日(月)
 
(a)
(a)
(b)
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(c)
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(d)
(e)
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(f)
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 昨日仲間5名で、ひたち海浜公園の砂地生菌類調査に行ってきた。最近発生したと思われるきのこはほとんど見られなかった。砂丘の頂上付近でザラミノシメジ属を思わせるきのこがあった。掘ってみると松毬に繋がっていた。マツカサキノコモドキであった。
 特記すべきは、ハチスタケ(a, b)が広範囲に見られたことだ。前回の調査時にはこれほどの頻度では発生していなかった。最近2ヶ月以内に発生したことになる。ウネミケシボウズタケ(c)、ナガエノホコリタケ(d)は数ヶ月以上経過したミイラばかりだった。さらに古い個体の多くは、頭部がペシャンコにつぶれたり、柄から分離して頭部だけが転がっていた(e)。小さなヒメツチグリ属は相変わらず多数見られるが、これも発生からかなり時間が経っていると思われる(f)。

2005年3月13日()
 
新しいフォームを追加
 
 指定日の雑記を読みだすフォームを冒頭にもってきた。10日単位の「今日の雑記」から該当日だけを切り出して表示する。その日の雑記が存在しない場合にはエラーとなる。
 天の邪鬼とも言われるが、Microsoft嫌いもあって、ブラウザとしてIE(InternetExplorer)はほとんど使っていない。Windows上ではFireFoxNetscapeOperaを、Linux上ではFireFox、Netscape、Epiphanyなどを、Macintosh上ではSafari、Netscapeなどを使っている。
 このフォームは、久しく「今日の雑記」の末尾という、気づきにくい場所に置いて使っていた。IEでは正常に機能しなかった。敢えてFireFox、Netscape、Safari、Opera、Epiphanyなどでだけ動くように書いた。下記フォームがそれである。
 いったい誰が、わざわざ年月日指定までして、過去の雑記を見るのか。そんなことをするのは書いている本人だけだろう、そう思っていたからである。

日( ) (non IE)
 しかし、「今日の雑記」の冒頭に置くとなると、IEでは動きませんとは言えない。そこで、今朝からは、すべてのブラウザで利用できるよう修正し、non IE の表示も削除した。

2005年3月12日()
 
(a)
(a)
(b)
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(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 いくら薄い切片でも、そのままでは担子器の基部を明瞭に捉えるのは難しい(a)。メルツァーやフロキシンで染めた場合にはさらに分かりにくい(b)。担子器全体のサイズはどうやって計測すればよいだろう。また、その基部にクランプがあるかどうかはどうすれば確実に観察できるだろうか。(a)、(b)はともに水でマウントしたものだ。
 ポイントは、KOHでマウントすることだ。カバーグラスを載せただけで、既に組織が崩れている(c)。この状態でカバーグラスに上から軽く圧を加える。柄付き針の先で軽く押す程度で十分である。すると、担子器やらシスチジアはバラバラになる(d)。こうなれば、しめたものである。図鑑にあるような姿(e, f)は簡単にみつかるだろう。
 この作業をするにあたっては、フロキシンで組織内容を染めるとよい。KOHだけで無染色のものは分かりにくい。さらに圧が強すぎると組織が潰れてしまって、形態が変わってしまう。例示にはチャムクエタケモドキを使った。

2005年3月11日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
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(f)
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(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 今の時期、杉林で採取したきのこにはしばしばスギやヒノキの花粉が付着している。顕微鏡を扱い慣れていないと、ときには花粉をシスチジアなどと間違えることもあるようだ(雑記2005.3.9)。今朝は、スギ花粉そのものに焦点をあててみた。
 葉の先には多数の雄花が着いていて(a)、小さな松ぼっくりのような形をしている(b)。その一つを半分に切ると花粉が詰まった袋が並んでいる(c)。ルーペで見ると丸い花粉が多数見える(d)。そのままカバーグラスに落として顕微鏡で覗いた(e)。水を加えて倍率を上げると、パピラ(papilla)と呼ばれるカギ状の乳頭突起がみえる(f)。
 油浸100倍にして表面に近い面(g)と輪郭部(h)を見た後、フロキシンを加えて突起を軽く突いてみた。たちまち表皮が剥がれて内部が飛び出した(i)。外皮に強く押し込まれて入っていたのか、皮がむけると、とても大きく広がった(j)。

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