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日( )

2005年3月10日(木)
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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 このところ急に気温が上がり春めいてきたが、きのこの方はまだ春の体勢になっていない。先に背丈1mm無かったトガリアミガサタケも、少し大きくなってきた。今朝のさいたま市の銀杏樹下には数は少ないが、背丈25mmほどに成長した個体がいくつかみられた(a, b)。しかし、大部分の個体はまだ背丈3〜5mmほどしかない(c, d)。特に今年は落ち葉の堆積する部分に重機が入り工事をしているので、多くが踏みつぶされて小さなままペチャンコになっていた。成長を楽しみにしていただけに、これはやや気が重い。
 トガリアミガサタケは、東京や埼玉県南部では、例年3月上旬に成長が始まり、3月末から4月はじめの頃に最盛期を迎える(雑記2002.3.5同3.9同3.292003.3.5同3.7同3.16同3.212004.3.9同3.28)。今年の発生状況も例年並みということだろうか。

2005年3月9日(水)
 
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 茨城県友部町の北山公園で、残雪の残る斜面でスギの切り株にクヌギタケ属のきのこが群生していた(a, b)。この時期針葉樹から出るものといえば、センボンクヌギタケの可能性が高い。ヒダは直生から垂生(c)、胞子紋は白色で(d)、胞子はアミロイド(e, f)。
 何気なく切り出したヒダを見ると、先端付近の側に丸い透明な組織がみえる(g)。変だなと思って拡大してみた。スギかヒノキの花粉が付着しているようである(h)。あらためて別の場所から再びヒダを切り出した(i)。ヒダ実質は並行型で、クランプを持つ。子実層部分を見たが担子器基部の様子はよくわからない(j)。
 あらためて切り出した切片を、5%KOHでマウントしフロキシンを加え、カバーグラスを軽く押すと、たちまち組織がバラバラになった(k)。担子器の基部にはクランプを持つものと持たないものが混在している。センボンクヌギタケでよさそうである。

2005年3月8日(火)
 
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(f)
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 茨城県の笠間市と友部町で盤菌を見た。笠間市の佐白山で出会った黄色いチャワンタケ(a)は、リターの中から出ていたが、とても小さく変色性は全くない。先日武蔵丘陵森林公園で出会ったものと同一種のようだ(雑記2005.3.3)。Caloscypha属なのだろうが、まだ未熟で胞子はごくわずかしかできていなかった(b, c)。
 友部町の北山公園には野生シイタケ、センボンクヌギタケなども出ていたが、針葉樹の腐朽木からは何種類かの盤菌がでていた。そのうちの一つを検鏡してみた(d〜f)。これも非常に小さく、径2〜5mmで、柄を持たず、子嚢先端はアミロイドである。

2005年3月6日()
 
(a)
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(b)
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マクロモード
(c)
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スーパーマクロ・MFモード
 OlympusのCAMEDIA5060WZをきのこ撮影に使ってみた。このカメラは主に顕微鏡撮影のために購入したものであるが、スーパーマクロモードを使うと3cmまで近寄れる。被写体には、比較的小さなきのこであるツバキキンカクチャワンタケを使った。
 最初にマクロモードにして撮影してみた(a, b)。マクロとは言ってもピントが合うのは20〜80cmであり、ズーム機能が使える。めいっぱいTELE側にして写した。この被写体は落ち葉と花びらの下に埋もれていたものだ。色カブリテストのために、茶色の土を露出させた画面(a)と、鮮やかな色のツバキの花弁に囲まれた情景(b)を作った。
 次にスーパーマクロモードにしてみた。このモードではズームは使えずワイド側に固定されるが、3〜20cmまで近寄れる。オートフォーカスもあるが、手動で距離合わせをするマニュアルフォーカスで撮影してみた(c)。
 COOLPIX990でもマニュアルフォーカスは可能だが、被写体を見ながらピント合わせることはできない。それを考えるとCAMEDIAのマニュアルフォーカスは優れている。しかし、小さな液晶画面の中央部の映像を見ながらの焦点合わせは慣れが必要だ。
 どうやらCAMEDIA5060WZは小さなきのこの接写にはいけそうだ。これから北上して、今晩は積雪地の宿泊りとなるので、明日の雑記はお休みである。

2005年3月5日()
 
(a)
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(e)
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(f)
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 一昨日採取したチャムクエタケ属のきのこを検鏡した。胞子壁は薄くちょっとした圧や試薬によって簡単に壊れてしまう(a)。非アミロイドというより偽アミロイドというべきか(b)。ヒダ実質はやや錯綜しているが、大きな流れとしては並行型に近い(c)。ヒダによっては、実質部の中央付近が整然と平行に並んでいる。
 縁シスチジアは棍棒形だが、波うったり折れ曲がったりしており、中には隔壁をもつものもある(d)。実質部や傘表皮の組織にはクランプがある(e)。傘表皮は匍匐性の菌糸が走っている(f)。担子器基部にはクランプをもつものもあれば、もたないものもある。どうやらチャムクエタケモドキとしてよさそうである。

2005年3月4日(金)
 
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(e)
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(f)
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 夜中から降り出した雪のため、埼玉県南部も一面の銀世界となっている。昨日の午後のうちに久々に軟質菌を採取しておいてよかった。さいたま市見沼区の公園にも、傘と柄を持ったきのこが、地表から出てきた。といっても、沼や池などの縁でたっぷり湿った地域だけであるが。
 採取したのは、チャムクエタケ属(Tubaria)の仲間である(a〜e)。掘り出してみると、ヨモギの茎や植物遺体などから出ていた(c)。ヒダは直生で、湾入しているものもある(d, e)。胞子紋は褐色(f)。湿時、傘には条線が見られる。種の同定には顕微鏡観察が欠かせないが、今朝はその時間的ゆとりがない。

2005年3月3日(木)
 
(a)
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(j)
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 武蔵丘陵森林公園を歩いてきた。森林全体がカラカラに乾燥している。見える範囲のきのこといえば、カワラタケ、エゴノキタケ、クロコブタケなど硬いばかり。キクラゲ、エノキタケすらない。水の無い沢スジを歩き落ち葉をどけてみると、小さな黄色いチャワンタケがでてきた(a)。3〜8mmほどの小さなものばかりである。
 地上生で柄はなく、変色性は全くない。大部分は径2mm以下の小さな未熟個体ばかりである。8mmほどの個体を一つ持ち帰ったので、それを切り出した(b)。色素を持つのは子実層面付近だけであり、托髄層は絡み合い菌組織をなしている。
 子実層は、顆粒状のカロチノイド系色素をもった側糸、球形の胞子を8つ持った子嚢からなる(c)。メルツァーによるアミロイド反応はなく、無色透明だった胞子が暗緑褐色になり、側糸の色素顆粒が変色する(d)。再度切片を作り3%KOHでマウントしてフロキシンを加えてみた(e, f)。側糸と胞子の染まり方がすさまじい。
 子嚢付近と胞子そのものを確認できるよう、メルツァー(g, i)、フロキシン(h, j)で染めた状態でみた。観察に使用した個体が十分熟していたのかどうかははっきりしない。しかし、カバーグラスに1時間ほど放置しておいたところ、胞子紋を作っているので、未熟個体とは考えにくい。不明種である。

2005年3月2日(水)
 
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 乾燥標本のキクバナイグチを切り出した。2003年8月茨城県東海村の海岸林で採取したものだ(b)(雑記2003.8.8)。防腐・防虫のため分割してから乾燥した(a)。
 うまく切り出せたように見えても、管孔部がすっかり崩れている(c)。生状態からの切り出し(d)、半乾燥状態からの切り出し(e)と比較してみると、イグチ類のプレパラート作成には半乾燥状態が向いている。このとき管孔部にはシスチジア・担子器をはじめ子実層面が低倍率でも鮮やかに見える。全くの生状態だとかえって難しい。完全乾燥状態では担子器やシスチジアはすっかり変形してしまい分かりにくい。
 うまいタイミングに出会わない限り、乾燥標本から担子器やシスチジアの姿をきちんと捉えるのは至難の業だ。胞子を帯びた担子器をやっと見つけたが(f)、生の時の様な担子器らしい姿(g)とかシスチジア(h)の姿を明瞭に捉えることはできなかった。胞子だけは乾燥状態(i)であろうと、生の時(j)であろうと、姿やサイズに変化はない。
 あらためて、採取した当日のうちの記録・観察の大切さを思い知らされる。乾燥標本をいくら観察したところで、生の時のきのこの姿を知ることはできない。

2005年3月1日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
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(f)
(f)
 久しぶりに顕微鏡を覗いた。プレパラートというにはおこがましいほど簡単な素材である。今年の1月13日に海辺から持ち帰ったショウロである。すっかり忘れられて、机上に放置されていた。直径は半分ほどになりカラカラに乾燥している。
 カミソリでは全く刃が立たないので、まずは包丁で半分に叩き切った。そこからカミソリで軽く削ぐととても薄い切片が楽に取れた(a)。生状態からでは概してやや厚めになりがちだ(b)。低倍率でも、小室内面の子実層面が比較的わかりやすい(c)。メルツァー液を加えて水洗いした後、油浸100倍で子実層面をみた(d)。生の時には4〜8つほどの胞子を付けた担子器が楽に捉えられるのだが(e)、乾燥状態からの子実層面でははっきりしない。コットンブルーで染めた状態で胞子を撮影したら、何とも汚らしい姿になった(f)。

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