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日( )
2013年9月20日(金)
 
夜中に震度五強の地震
 
 夜中の2:25頃に大きな地震で目が覚めた。現在の借家は、2011.3.11の大地震でかなり損傷を蒙った家屋を修復したものだが、各所に爪痕が残っている。また家のすぐ裏山には大きく崩れた岩が不安定な位置に鎮座している。だから、家屋も裏山も一触即発の恐れがある。
 地震は短かかったが、書架や茶箪笥から物がごっそり落ちて賑やかだった。とりあえず停電にはならず、水道もガスも無事だった。壁や柱の一部に新たなヒビが入った。玄関横の金魚鉢がえらいことになって、あたりが水浸しだった。
 一番心配だったのは顕微鏡だったが、まったく地震の影響はなく、位置も変わっていなかった。大きくて重くがっしりした机に載っていたのが幸いしたようだ。パソコンのディスプレイなどは大きく位置を変えたり倒れていた。明るくなって外壁、瓦の様子を確認するとさしたる被害はなかった。裏山の危うい大岩も動いていなかった。マスコミ発表によると震度五強だという。

2013年9月19日(木)
 
相変わらずきのこが少ない
 
 台風も通過し、朝晩はめっきり冷えるようになっきたが、家の近くの石森山ではまだきのこの姿が非常に少ない。クロニガイグチとおぼしききのこが出ていた(a, b)。ナラタケモドキは多数でているが土がこびりついて汚らしい群れが多い。何となく滑稽な姿の群れを撮影した(c, d)。ゴヨウイグチの様に見えるきのこがあったが、どうやらチチアワタケのようだ(e, f)。
 海浜の寺社林ではテングタケ属の幼菌が次々にでてきた。特に目立って多かったのはシロオニタケ(g)で、幼菌から成菌まで多数が見られた。ヘビキノコモドキ(h)も大きな幼菌やら小さな成菌がいくつも出ている。コトヒラシロテングタケにも似た大型菌もでていた。イグチ類ではアカヤマドリ(j)やヤマドリタケモドキ(l)はよく出ている。コビチャニガイグチも出はじめた(k)。
 概してまだきのこの発生は少ない。週末あたりから一気に発生するのかもしれない。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 多くの田圃で収穫の準備が始まった。刈り取りの済んだ田圃もチラホラとみられる。今度の週末と来週の週末は稲刈り機やコンバインが動き回って賑やかになることだろう。

2013年9月18日(水)
 
今年は発生数が非常に少ない
 
 センボンキツネノサカズキの成長を確認に川内村まで行ってきた。8月半ば頃から同一子実体を毎週眺め続けてきたが(雑記2013.8.23同2013.9.2同2013.9.11)、ほぼ一ヶ月近く経過した今もまだ成菌にはなっていない。しかし、大きさは当初の何倍かに成長した(a〜f)。
 台風による雨と気温の効果が現れるのはまだ数日先なのだろう。センボンキツネノサカズキ以外には、きのこといえばシワチャヤマイグチ(g, h)くらいしかなかった。帰路楢葉町の高線量地に寄ってみると、ウツロイイグチがでていた(i, j)。てっきり今シーズンはもう終わりだろうと思っていただけに意外だった。やけに柄の長いアワタケ(k, l)なども見られた。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
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 自宅の周辺では稲穂がすっかり黄金色になり、一部では稲刈りも始まった。集落の用水池も水をすっかり落として、池底を白日のもとに曝している。久しぶりにハクビシンが明るい時間帯に庭の川縁通路に姿を現した。今年はこれまでハクビシンによる被害は出ていない。

2013年9月17日(火)
 
若いミヤマベニイグチから
 
 先日楢葉町の高線量地域で採取したミヤマベニイグチについてのメモ(a)。いくつか採取したがいずれも幼菌だった。胞子紋が落ちないかもしれないと心配したが、数時間後に胞子紋はしっかりと落ちていた。胞子を検鏡するにあたって、対物40倍ではどうあがいても、胞子表面の淡い縦スジはわからない(b)。対物油浸100倍にすると淡い縦スジがかろうじて読み取れる(c)。この縦スジだが、よほど工夫しないと鮮明に捉えることは難しい(雑記2012.9.22)
 管孔部を縦切りしてみると、若い菌でも実質は散開型になっている(d)。孔口部の縁をみると縁シスチジアがあることがわかる(e)。近くにテングノメシガイがあったらしく、随所にその胞子が付着していた。縁シスチジア(f)や担子器(g)はフロキシンで染めると捉えやすい。
 カサ表皮は、水で封入すると色素を帯びた菌糸が柵状に並んでいるようだが(h)、KOHで封入すると色素が溶けてしまって淡い褐色から透明な菌糸が並んで見える(i, j)。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
(i)
(j)
(j)
 昨日は台風18号の接近にともなって昼前から猛烈な風が吹き始めた。雨が激しかったのはpm3:00頃までで、夕方には雨も風も収まりすっかり穏やかになった。今朝は寒いくらいだ。

2013年9月16日(月)
 
やはり分からないCortinarius
 
 先日磐梯吾妻スカイラインのハイキングコース鳥子平で採集したフウセンタケ(a〜d)について、より細かい分類群への手がかりが何か得られるかもしれないと思い観察してみた。
 Cortinarius(フウセンタケ属)はとても大きな属だ。保育社図鑑ではCortinariusをSingerにならって六つの亜属(Subgen.)に分けている(p.227〜228)。Singerは八つの亜属に分けているが、このうち二つの亜属(Subgen.Paramyxacium、Subgen.Cystogenes)は保育社図鑑執筆時に国内では該当種が知られていなかったのだろう。もっとも、これら八つの亜属は最近の系統学的解析によれば、大半が単系統群ではないとされているようだ。当該きのこは、
(1) カサは肉質で濡れると粘性があり、フェルト状ではなく、カサ縁は帯紫色
(2) 柄は乾性で基部はやや塊茎状で、中実(虫に食われて下部は中空となっている)
(3) カサ表皮にアルカリを滴下すると黄褐色に変色する。黒褐色には変色しない
(4) ヒダは黄土色から粘土色で、上生から直生
(5) 胞子は表面に微疣があり、アーモンド型でKOHで赤味を帯びる
(6) 縁にも側にもシスチジアはなく、実質部などに蛍光物質はない

(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
(k)
(l)
(l)
 保育社図鑑にしたがえばオオカシワギタケ亜属(Subgen.Phlegmacium)になる。この亜属には七つの節が計上されているが、それぞれの節の特徴などは記されていない。つまりこれでお手上げである。そこで、しかたなくSingerにあたると、各節の特徴などが詳細に記されている。
 それらを読むと、いずれにも該当するようにも思え、いずれにも該当しないようにも思える。さらに困ったことに呈色反応の結果で分けられ、手許にないスルフォフォルモール(sulfoformol)が使われている。硫酸(sulfuric acid)では代用できそうにない。もっともスルフォフォルモールがあったところで、種名がわかる訳ではない。残るは「絵合わせ」か。

 一つの解決手段は、内外の入手可能な図鑑やネット上のサイトを総当たりして、よく似た写真や絵などを見つけて、それについての解説を読んでみて、似通っていたらその種と断定してしまうことだ。該当種が見あたらないとしたら、観察の仕方に問題があるか、新種の可能性を疑うことになる。そしてここで作業を打ち切るか、さらに探求するかを決断することになる。
 DNAを自分で採取し業者に発注して所定の塩基配列を得て、GENBANK等に登録されたデータと比較するという手もある。しかし、比較すべき登録済みの塩基配列の元となった「種の同定」がそもそも当てにならない恐れが大きいのだから、これとてあまり当てにはできない。
 日常頻繁に出会うきのこでも未報告種(新種や新産種)が無数にあるのがきのこの世界だ。よほど思い入れのあるきのこでもない限り、種名の同定には深入りせぬ方がよさそうだ。

 嵐の前の静けさか。早朝のいわき市では、外は静かで風もなく雨も降っていない。


2013年9月15日()
 
Rubyの再学習:あ〜ぁまたネット書店
 
 「きのこ雑記」の画像処理とかHTMLファイルの作成、「キノコのフォトアルバム」の各種インデクス作成などには、主に軽量スクリプト言語といわれるPerl、Rubyなどを使って処理してきた。
 オリジナルのスクリプトは2000〜2001年頃にsedとawkを用いて書いた。データが多くなるにつれ処理速度がどんどん遅くなってきた。そこで、2002年頃に中心部分をC言語で書き直し、複雑な文字列処理の部分だけをPerlで処理する方式に切り換えた。
 ところがパソコンのクラッシュに伴って、膨大なデータとともにCで書いたソースファイルも失ってしまった(雑記2004.8.1)。コンパイル言語の悲しさで、処理速度こそ速いがちょっとした修正には簡単に応じられない。ましてやソースファイルがなければバグ取りも修正もできない。
 そこで、2004年頃にC言語は使わず、大半をPerl5でゼロから再構築した。一部のスクリプトはRubyで書いた。その後何度か修正を加えてきたが、つい最近までこのスクリプト群は正常に機能していた。その一方PerlやRubyの言語仕様は忘れてしまった(同2013.2.13)。
 つい最近、後先考えずにRubyを最新バージョンの2.0にアップデータした。とたんにいくつかのスクリプトが機能しなくなった。以前のスクリプトはRuby1.6の仕様で書かれていた。問題の箇所はRuby2.0では仕様が変更されていた。とりあえず対症療法で切り抜けたが、この際すべてのスクリプトをPerl5からRuby2.0 (+MySQL) で書き換えることにした。
 それには初心に返ってRuby1.9と2.0によるコーディングを書籍で学習し直すしかない。眼に病を抱えているのでディスプレイを注視してネット上で学習するのは避けたい。頼りは日本語か英語の書籍となる。しかし福島県やいわき市の図書館には古いRuby本しかない。結局いつものとおりAmazonから購入することになった(同2012.7.16)。

 今日は集落の運動会。大型台風接近による悪天のため、明日に順延ではなく、中止となった。


2013年9月14日()
 
ジャガイモを受け取りに喜多方へ
 
 昨日は雨の朝、エアコンなどの壊れたフォレスターを操って喜多方市までジャガイモを受け取りにいってきた。今年のジャガイモのできはあまり芳しいものではなかった。
 途中、西郷村や下郷町できのこの発生状況を確認した。気温が高すぎるせいか、どこもきのこの発生はとても少なかった。以下に印象に残ったものを列挙してみた。
 ヤマドリタケモドキ?がいくつも出ていた。柄の網目がとてもよく発達したもの(a)、ヤマドリタケを思わせるもの(b)をはじめ、カサの色や網目模様には広いバリエーションが見られた。多数のバカヤマドリ、つまり「馬鹿でかいアカヤマドリ」が遠目にもよく目だった(e, f)。
 大型菌の大半は前記の二種だったが、ハンノキイグチも若い菌から老菌までみられた(c, d)。(旧)キシメジ科の大型菌もいくつか見られた(g, h; i, j)。テングタケ属菌ではカバイロツルタケがとてもよく出ていた。カサの縁に皮膜をぶら下げた大きなきのこが、笹藪下の落ち葉が厚く堆積した場所に出ていた(k)。掘り出してみると長い柄がでてきた(l)。ハイカグラテングタケなどに近い種なのかも知れない。
 
(a)
(a)
(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
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(l)
(l)
 昨日の会津地方や郡山周辺はとても暑かった。エアコンが効かないので窓を全開にして走ったが、400kmほど走って戻ると、顔や乏しい髪の毛が埃でしっかり汚れていた。

2013年9月13日(金)
 
ヤブレベニタケ覚え
 
 ベニタケ類とフウセンタケ類は積極的には関わり合いたくない。というのも、形態や呈色反応などをいくら調べたところで、ごくごく一部の限られた種以外では同定はほとんど不可能と思われるからだ。位相差顕微鏡や電子顕微鏡を使ったところで状況は改善されない。差異を厳密に識別するにはDNAによる解析が必至となる。しかし、DNA分子を用いた解析は、生き物を観察するというより、単なる文字列解析遊びをしているようで好みではない。
 この画像(a, b)のきのこを独善的にヤブレベニタケと判断したが、それに関わる基礎データの一部が(c)以下の画像だ。三種の試薬による呈色反応は塗布後30分経過のもの。ルーペで見ても縁や側にシスチジアがあることは分かる(f)。縁シスチジア(h, i)と側シスチジア(j, k)は似通った姿形のものが多い。カサ表皮(l)はKOHで封入するとたちまち脱色してしまう。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(f)
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(i)
(i)
(j)
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(k)
(k)
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 スバル フォレスターの後継車が決まった。昨日の夕方正式に契約した。多分、人生最後(?)の大きな買い物なのだろう。フォレスターで走れるのも今月28日まで。デジタルの電装関連やエアコンが壊れているのが辛いが、それまでに2,000kmほど走ることになりそうだ。

2013年9月12日(木)
 
イグチ類がではじめた:楢葉町の高線量地域
 
 楢葉町の(放射線)高線量地域の自然公園にもイグチ類を中心としてきのこが出はじめた。ここでアシナガイグチを見たのは初めてだったが、ほとんどがカビにおかされていた(a, b)。他のイグチ類はまだ幼菌の姿が多かった。
 ミヤマベニイグチはいずれも小さな若い菌ばかりで(c, d)、胞子を確認するまではよくわからなかった。ニガイグチモドキ(e, f)、アワタケ(g, h)、クリイロイグチ?(k, l)も小さな子実体が多かった。アワタケにとてもよく似たきのこだが傷つけても全く青変しないイグチもあった(i, j)。アワタケ属のきのこなのだろうが、手許の図鑑類からは判明しなかった。
 
(a)
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(j)
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 朝晩はやや肌寒いくらいに気温が下がり、すっかり秋めいてきた。でも、日中の暑さがまだ続いている。秋のきのこが多数見られるのはまだまだ先のようだ。

2013年9月11日(水)
 
きのこ発生状況:センボンとアシナガ
 
 気温が下がりはじめ、川内村のセンボンキツネノサカズキが大きくなり始めた(a〜d)。発生の少なかった昨年と比較しても、今年の発生数は極めて少ない。昨年来の「除染」で発生地の多くが失われてしまったのだからそれも当然なのかもしれない。
 自宅庭のアンモニア過剰環境では、このところずっときのこの発生は全くみられなかった。それが、今朝はザラミノヒトヨタケが多数出てきた(e, f)。すっかりペシャンコになった馬糞堆からも数は少ないが、ヒメヒガサヒトヨタケ属のきのこが再び出はじめた。
 近郊の寺社林ではアシナガイグチが再び出はじめた(g, h)。昨日は50〜60本ほど幼菌・成菌に出会った。ニワタケも今年は異常発生しているようだ(i, j)。ヘビキノコモドキやシロオニタケも再び出てきた。なかには、まるでコトヒラシロテングタケのようなきのこもある。
 コナラとスダジイの斜面では面白いベニタケ属のきのこが多数でていた。写真(k, l)の子実体は、カサの天地がひっくり返った形で直接地表面からでていた。カサの上に小さな別の子実体を付けたものは過去に何度もであっているが、地表から逆さに出ているものに出会ったのは初めてだ。当初誰かのいたずらかと思ったが、他にも柄の途中から新たに子実体を発生させたもの、カサの縁に逆さに子実体を付けたものなど、色々な奇形がみられた。なお、このきのこ、傷つけるとはじめ赤変しやがて黒変する。
 
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