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2014年9月20日() 順調に生育している:センボンキツネノサカズキ
 昨日センボンキツネノサカズキの生育の様子を確認してきた。発生している倒木は非常に少ないが、そこから出ている子実体は多くが順調に生育を続けている(a〜c)。材を重機に掘り起こされて直射日光下に曝されてしまった子実体はやはり生き延びることができなかった。その一方で、小さな枝に新たに小さな幼菌がついているのを見つけた(d)。
 じめじめした湿地の材にはナラタケの根状菌糸が這っているのがみられたが、その脇の地表からは大きく生長したタマウラベニタケが多数でていた(e, f)。
 
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(c)
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 稲刈りの済んだ田んぼが増えてきた。最近はコンバインを用いて刈り取り、すぐに乾燥機械にかけてしまうので、刈り取り直後の田圃は綺麗さっぱりしている。はざ掛けをして天日干しをする農家は全国的に非常に少なくなってきた。重労働で手がかかるからだ。しかし、天日干しの米は甘味と旨味が増して一段と美味しい。わが家の近くでもコンバインを用いず稲を刈り取り、天日干しをする風景が見られる季節になってきた。


2014年9月19日(金) 「らしくない」姿のツチスギタケ
 典型的なツチスギタケ(b)の近くに、カサが盃状に反り上がって束生しているきのこがあった(a)。色やカサ表皮の様子、柄をみるとツチスギタケなのだが、全体的な印象はまるで別のきのこを思わせる。念のためにミクロの姿を確認してみた
 胞子の発芽孔は水やKOHでは分かりにくいが、濃硫酸で封入すると比較的わかりやすい。縁シスチジア(g, h)、クリソシスチジア(i)はまさにツチスギタケそのものだ。普通の側シスチジアはフロキシンで赤く染まるが(k)、クリソシスチジアは赤茶色になる(l)。
 
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 昨日は神奈川からAさん夫妻とSさんがやってきた。一緒に近くの石森山の斜面に入るとサクラシメジがかなり出始めていた。今日から日本菌学会等のフォーレが仙台で始まる。三人とも早朝仙台に向けて出発していった。


2014年9月18日(木) 猛毒の黄色いきのこがいっぱい
 昨日の朝、教材としてのハラタケ型きのこを求めて、自宅から20kmほど走って荒れた林道に入った。前日の雨のせいか溜め池の水位がやけに高く、林道も水たまりだらけだった。ゲート前に車を停めると道脇に鮮やかな黄色いきのこがいくつもでていた(a〜d)。タマゴタケモドキが多数でているのを見たのは初めてのことだった。シロキクラゲも美しかった(e)。
 猫鳴山登山口を後にして、いわき市の明峰二ツ箭山に向かった。林道の途中で軽トラを停め、マツ混じりのコナラ林の斜面に入った。少し歩くとマイタケに出会った(f)。そのすぐ先には大きなハイカグラテングタケ(g, h)、アオネノヤマイグチ(i, j)なども出ていた。
 
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 ヒダを持ったハラタケ型の教材は、あらためて昼食後にすぐ近くで何種類か採取してきた。


2014年9月17日(水) 思い込みと判断の誤り:ハイイロオニタケ
 「今日の雑記」の9月12日9月13日の両日に取り上げたきのこについて、何人かの識者の方からご指摘を受けた。再検討した結果ハイイロオニタケに間違いなさそうだ。
 では、なぜ保育社の日本新菌類図鑑にも掲載されているにもかかわらずハイイロオニタケと同定できなかったのだろうか。それは先入観による思い込みだろう。
 同図鑑の解説に「分布:日本(京都・滋賀・愛知・新潟?)。おそらく西日本一帯に分布するであろう。」とある。この記述が頭にこびりついていた。以前何度か採取された標本を見たこともあり、このきのこの名前は知っていた。しかし、まさか東北に発生するとは思いも寄らなかった。
 適切なご指摘をくださった識者の方々に感謝します。ありがとうございました。
 
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(c)
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(f)
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 [昨日出会ったきのこ]
 昨日の朝、新潟のNさんと三人で近場のマツ混じりのコナラ林を歩いた。テングタケ類がいろいろ見られた。あまりにもよく見るのでツルタケ、カバイロツルタケ、コテングタケモドキ、ヘビキノコモドキ、ガンタケ、キリンタケ、シロオニタケ、タマゴタケは撮影しなかった。
 クロタマゴテングタケ(g, h)、タマゴタケモドキ(i, j)、キウロコテングタケ?(k, l)に出会ったのは久しぶりだった。今年はシロオニタケモドキ(m)がやたらによく出ている。テングタケ類以外ではウコンハツ(n, o)、ハラタケ(p)、キサマツモドキ(q)、辛みのないケロウジの仲間(r)などだった。
 
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(i)
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 明日の朝には神奈川からAさん夫妻とSさんがやってくる。今月は訪問者が多い。


2014年9月16日(火) 国道六号線が通行可となった!
 2011年の原発事故以降長いこと閉鎖されていた国道六号線が、昨日9月15日から通行できるようになった(a)。昨日の朝、県道小野富岡線から国道六号線に入り南相馬に向かった(b)。国道脇の店舗や住居の出入り口にはすべてバリケードが張り巡らされている(c)。ガソリンスタンドは営業していないのに価格表示ネオンが生きていた。三年半前の震災の時から時間が止まり、ガラスは割れコンクリート壁は崩壊し屋根の瓦は落ちたままの建造物も多数見られる。
 治安が危ぶまれるので、パトカーが四六時中流している(d)。福島第一原発近くの交差点付近では、社内に置いた高精度の線量計は4.69〜6.28μSv/hを示していた(e, f)。南相馬市側の旧検問所近くには「いわき 56km」と表示された道路標識がある(g)。昨日まではここにたどり着くのに大きく中通りを迂回せねばならず、いわき市から4時間ほどかかった。昨日からは1時間もあればたどり着ける。飯舘村や南相馬市のきのこポイントがグッと近くなる。
 
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 自宅のある集落では稲がすっかり黄金色になった(h, i)。自宅のすぐ近くの田んぼでも稲刈りが始まった(j)。庭の川側の斜面にはヒガンバナが次々に開きだした(k, l)。

 昨日のpm3:30過ぎに新潟県のNさんと一緒に近場の寺社林を歩いてみた。オニイグチ、キチチタケ、ベニタケ属、フウセンタケ属など10〜12種ほどのきのこを確認したが、シロオニタケばかりがやたらに多かった。この時刻になると既に林の中は暗くてカメラの出番はなかった。



2014年9月15日(月) 楢葉町天神岬から木戸川林道経由川内村へ
 昨日、千葉科学大学の三名による植生と森林気象の調査に、いわき市の三名が同行して、計六名で楢葉町の天神岬から木戸川林道を経由して川内村へ向かった。候補地の選定が主目的なのできのこは通りがかりの副産物に過ぎないが、結構いろいろなきのこに出会った。
 木戸川渓谷ではアカチャツエタケ、キクバナイグチ(b)やニワタケ(c, d)に出会った。林道の途中で雨になったが、ニンギョウタケの白さが一段と鮮やかだった(e, f)。ニワタケに隣接してアミタケも多数でていた(g, h)。川内村ではタマウラベニタケ(i, j)、ヒメベニテングタケ(l)に出会った。センボンキツネノサカズキは先日からほとんど生長していない(k)。
 
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 今日の午前零時をもって三年半ぶりに国道六号線が通行できるようになる。ただし、(放射線量)高線量地帯の部分十数キロメートルは二輪車や自転車、歩行者の通行は禁止され、車も駐停車は禁止され窓を閉めて外気を導入せず速やかに走り抜けることを要請されている。


2014年9月14日() シロテングタケ:ヌルヌルのカサ表皮
 こりずに今朝も大型のテングタケ属菌だ。今年は随分早い時期からシロテングタケがよく出ている。ヌルヌルではがれやすいカサ表皮をもった大型菌で、ハイカグラテングタケ同様に誰にでもすぐに分かるきのこだ。早いものは8月中頃に出ていた。一昨年や昨年より一ヶ月ほど前から発生している(雑記2012.9.26)。子ヒダは切型ではなく、柄に向かって波打って流れている(e, f)。幼菌と成菌のヒダ断面を切り出してみると、ヒダ実質は両者とも散開型をしていた。
 
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 一時下火になっていたのだが、このところ急にイノシシの被害が再び目立つようになってきた。わが家の庭の道路に面した側が一昨日と昨日に渡ってひどく掘り返されていた。今のところはまだ電気柵は破られていないが、すぐ脇まで被害は及んできた。
 今日はこれから千葉科学大学のKさんらの植生と森林気象の調査に同行する。楢葉町から川内村まで木戸川沿いに進むらしい。明日は新潟からNさんがやってくる。


2014年9月13日() もう一つの大きなテングタケ属
 前日と同じ川内村の「祢宜の鉾」山頂近くの斜面に出ていた大きなテングタケだ。カサ表皮は若い菌では全体が疣状だが、成菌ではカサの縁にだけ疣が残り他は亀甲状になる。ツバは絹糸状の薄膜でフウセンタケ属のコルチナ(クモの巣膜)を想起させる。柄の表皮に触れると粉がベトベトに付着する。子ヒダや孫ヒダの縁は切型で(e)、胞子(f)はアミロイド(g)など、他の特徴はカサ表皮(j, k)も含めて前日のテングタケ属(雑記2014.9.12)とほとんど同一だ。フィールドでは別種に見えたが、この両者は同一種で単に成長のステージが異なるだけの可能性が大きい。
 
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 [自宅から四キロメートル圏のきのこ]
 石森山の自宅近くの斜面や尾根スジではウラベニホテイシメジ(m, n)やらサクラシメジ(r)が出始めた。両者ともまだ幼菌ばかりだ。ウラベニホテイと間違いやすいクサウラベニタケも多数でている(o, p, q)。シロアンズタケ(s)、スジチャダイゴケ(s)も出ている。タマゴタケ(t)、シロテングタケ(u)、シロオニタケモドキ(v, r)、テングタケ、ツルタケ、カバイロツルタケ、チチタケは多数出ている。
 
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2014年9月12日(金) カブラテングタケに似た姿のきのこ
 久しぶりに川内村の「祢宜の鉾」に登ると、山頂近くの斜面には大型のテングタケ類が何種類もでていた。そのうちのひとつにカブラテングタケによく似たきのこがあった。柄の上部には白色薄膜のツバが張り付いているかのように見える(a, b)。しかし、ルーペで見てもつばを確認することはできなかった。ただ、ヒダの縁にはツバの残滓らしき粉状の飛沫が付着している。子ヒダや孫ヒダの端は切型(c, d)。胞子はアミロイド(e, f)。
 冷蔵庫に保管したおいたにもかかわらず、翌朝になるともはや形はかなり崩れ全体が白色のカビ?におかされていた。胞子の周囲にもバクテリアが縦横に動き回っている(g)。あきらめずにヒダ断面を切り出すと、実質の散開型がよくわかる(h, i)。カサ表皮ははがれやすく、菌糸が絡み合ってどうなっているのかはっきりしない(j, k)。念のために担子器も確認した(l)。
 つばの有無は不明だが、もしあったとしても普通の膜質のものではなさそうだ。胞子サイズが有意差をもってかなり大きいことからカブラテングタケとは違うようだ。とりあえずひどくカビにやられていない物だけを選んで乾燥標本にした。
 
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 昨日は北海道の石狩地方はじめ、各地で激しい集中豪雨があったが、わが家の周辺では夜半に数時間雨が降り、昼間はずっと曇り空で、夕方から雨降りとなった。


2014年9月11日(木) センボンキツネノサカズキが危機的状況に!
 昨日朝センボンキツネノサカズキの生育状況の確認のため川内村へ行った。驚いたのは林道が重機で押し広げられ道路脇の倒木や枯枝がつぶされたりひっくり返されていたことだ。このため、センボンの幼菌も潰されたり、直射日光に曝されてほぼ死に体となっていた(a)。
 他の場所に新たな株が発生していないかさんざん探したがどこにも見つからなかった。結果として今現在センボンが生育を続けている倒木は二つだけになってしまった。その二つの倒木で生育中の株は大きなものでは左右幅8〜12cmほどになっている(b〜d)。ただ、このうちの一つの倒木は道のすぐ脇にあり、このあと何らかの作業が行われれば直ちに消滅する。
 昨年はたった六つの倒木にしかセンボンの発生はなかった。今年は上述の二つの倒木以外に発生はない。川内村でセンボンが見られるのは今年が最後かもしれない。
 
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 村内の別の場所ではホンシメジが大きな菌輪を作って発生し始めていた(g, h)。さらに今年はザボンタケが大発生している(i, j)。林道やその周辺では、ツチスギタケ(k)やベニハナイグチ(l)、オシロイシメジ、カラカサタケ、特異な姿の大きなテングタケ属などが見られた。


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