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2014年9月30日(火) キンチャワンタケで遊ぶ
 近くの寺社林や石森山ではきのこの姿がほとんど見られない。そこで、数日前に採取したキンチャワンタケで遊んだ。きのこをカバーグラスに伏せておくと胞子紋が一晩でたっぷり落ちた。そこで胞子を水道水(b, c)、メルツァー試薬(d)、コットンブルー(e, j)、フロキシン(f, k)で封入してみた。胞子は大きいので、油心対物100倍レンズでは焦点深度の関係から四枚を連続する形で一枚に結合した(b)。胞子の表面模様は対物40倍レンズの時にコットンブルーやフロキシンで染めたときが美しい(e, f)。子嚢は非アミロイドだが側糸はアミロイド反応を示す(h, i)。おもしろ半分に球形の膜の中に胞子を配置してみた(l)。
 キンチャワンタケを顕微鏡で覗いたのは2010年9月4日以来のことになる。
 
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 自宅では数日前にまたアンドンタケが出たらしく残骸が残っていた。いまはそのすぐ近くにベニチャワンタケニクアツベニサラタケ、ホウキタケの仲間が出ている。すぐ近くの斜面はすっかり乾ききって、サクラシメジタマゴタケモドキも乾燥気味だ(これらはケータイでの撮影)。


2014年9月29日(月) アカモミタケの検鏡:乳液が邪魔をする
 先日採取したアカモミタケ(a, b)を検鏡した時の覚書。短時間で胞子紋はたっぷり落ちた。胞子はメルツァー試薬で封入すると明瞭な模様が見える(c, d)。ヒダの縁をルーペで見るとシスチジアの存在が感じられる(e)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみると、縁シスチジアらしき構造が見られる(f)。そこで、あらためてヒダの縦断面を切り出した(g)。
 ところがチチタケ属の悲しさで、ベトベトの乳液に邪魔されてなかなか観察に耐える薄片が切り出せない。何とか薄い切片ができたと思えば先端(縁)が欠損している。やはりチチタケ属の断面切り出しは半乾燥か乾燥状態で行うのがよさそうだ。画像(h)は縁シスチジア、(i)は側シスチジア、(k, l)はカサ表皮。
 
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 昨日は午後1:00から集落の諏訪神社で「絹谷の獅子舞」の奉納演技が行われた。長い階段の先に神社本殿があり、その前で三匹の獅子により「花吸いの舞:狂弓」が演じられた。


2014年9月28日() センボンキツネノサカズキ最盛期
 今年は発生数がひどく少ないがセンボンキツネノサカズキが最盛期を迎え始めた。比較的大きな成菌から、まだこれから大きくなりそうな若い菌までいくつか見られるようになった(a〜f)。
 一方、少し斜面を歩くとコウタケ(g, h)やウラベニホテイシメジ(i, j)があちこちで見られる。コガネタケ(k, l)やスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ナラタケなども随所に見られた。しかし、相変わらずもっともよくみられるのはカバイロツルタケ、シロオニタケ、シロタマゴテングタケ、ドウシンタケといったテングタケ類とベニタケ類、チチタケ類、フウセンタケ類だ。
 
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 昨夜は集落の神社のお祭り。遠くからでも明かりがまぶしい。集落のほとんどの人が集まっていた。周辺の道路は車だらけだった。今年も絹谷の三匹獅子舞を見られた。


2014年9月27日() 杉林のきのこ:アカヤマタケ属
 杉林というときのこに関しては不毛地帯のイメージが強い。しかし、Hygrocybe(アカヤマタケ属)に関しては絶好の観察地かもしれない。昨日の朝、モミやコナラもわずかに混じる杉林できのこを探して歩いた。以下、そこで出会ったHygrocybeのきのこの一部だ。
 アカヌマベニタケ(a〜c)、トガリワカクサタケ(d〜f)、ヒメツキミタケ(g〜i)、ザラツキトマヤタケ亜節のきのこ(j〜l)。ヒダ実質、担子器、カサ表皮なども撮影したが、水封の胞子だけを掲載した。それぞれ微妙に異なる。このほかにも、数種類のHygrocybeのきのこに出会った。
 このほかには、クロハナビラタケ、ツキヨタケ、チチタケ、ドクツルタケ、ツルタケ、カバイロツルタケ、ニオイワチチタケ、ツエタケ、ヒロヒダタケ、数種のベニタケ属、フウセンタケ属などにも出会った。スギの純林ではないが、思いの外多くのきのこが出ていた。
 
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 今日は朝のうちに集落の子供御輿、夕方からは集落の神社で文化財の三匹獅子舞がある。


2014年9月26日(金) ベニタケ属の異端児
 自宅から20kmほど離れた渓谷沿いの林道で妙な姿のきのこに出会った(a, b)。ヒダをみると何となくクロハツのヒダを今少しゴツゴツさせたような感触だ。しかしカサや柄は比較的丈夫でクロハツのようには脆くない。一晩放置すると全体が茶色味を帯びた(c, d)。
 ヒダの一部を摘みとって押しつぶして見ると球形細胞からなっている。乳管細胞はないからベニタケ属らしいが、胞子をみるとベニタケ属一般のそれとは形が少し違う(e)。ヒダの断面を切り出すと先端部分には子実層が見られず、ヒダ実質を構成する球形細胞がそのまま広範囲にヒダの縁から飛び出したような姿をしている(f)。
 縁の先端にもシスチジアはあるが(g)、縁の側面には棒状のシスチジアが密生している(h)。両者とも縁シスチジアとしてよいのではあるまいか。子実層部分に側シスチジアはみられない。担子器はヌメリガサ科のきのこのようにとても長く、ベニタケ属のきのこらしくない(i)。
 カサ表皮(i)を構成する細胞はアイタケ型にも似通った菌糸が複雑に絡み合っているが、突出部ではこれらが特に密に絡み合って簡単には崩れにくい構造をなしている(j, k)。さらに柄の表皮には、細長い先端細胞をもつ菌糸が絡み合って表面を覆っている(l)。
 カサ肉もヒダも柄も全体に球形細胞から構成されているにもかかわらず、カサ表面や柄の表面が丈夫な織物のような構造の組織に覆われている。クロハツやカワリハツなど他のベニタケ属のように脆くないのはこういった構造のためかもしれない。
 この変わり種のベニタケ属のきのこは、山渓の『フィールドブック きのこ』にキツネハツの新称で掲載されているRussula earleiだ。珍しいきのこではなく、意外とどこにでもある。
 
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2014年9月25日(木) 身近で見られるきのこ:昨日朝と一昨日朝
 どこもよく乾燥していて、自宅から20km圏の森や公園で見られるきのこはとても少なくなった。この二日間に見られたきのこのうちすぐに種名が分かるのは、タマゴタケモドキ(a, b)、オニフウセンタケ(c, d)、シロアンズタケ(e, f)、サクラシメジくらいだった。目立ちにくい小さなきのこはかなり見られるが、多くはやや干からびている。また、ベニタケ属やフウセンタケ属のきのこは何種類もでているが、種名にまでたどり着けるものはほとんど見られなかった。
 
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 [渓流沿いはきのこが豊富:昨日朝]
 一方、30キロ圏まで足を伸ばして渓谷の遊歩道を歩くと多くのきのこがでていた。目立って多かったきのこはアカモミタケ(g, h)、ハタケシメジ(i, j)、ムジナタケ(k, l)、キイロイグチ(m, n)、ニワタケ(o, p)、ヒカゲシビレタケ(q, r)、スギエダタケ、ツエタケ、ベニタケ属、チチタケ属、フウセンタケ属、アカヤマタケ属のきのこだった。キイロイグチはやや乾燥気味だった。
 
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 午後になって庭半分の草刈り。今シーズン最後の草刈りになればよいのだが、まだまだそうはいきそうにない。イノシシ対策のための電気柵周りを点検整備した。


2014年9月24日(水) ツブガタアリタケとコブガタアリタケ
 一昨日飯舘村でツブガタアリタケ(a)を探した。この虫草はコブガタアリタケ(b)に二次寄生したものだという。したがって、まずはコブガタアリタケを探すことになる。30分間ほど歩き回ると、苦しみ悶えた形相で枝に噛みついたアリの死骸が50個ほど集まった。
 現地は暗かったので、自宅に持ち帰ったサンプルをルーペで見ると、四つのパターンに分かれた(c〜f)。(c)はコブガタアリタケ。(d)はコブガタアリタケ?が白色の菌糸におおわれたもの。(e)はコブガタアリタケらしいが子実体がまだ出ていないもの。(f)はツブガタアリタケ。
 見慣れると肉眼でもツンツンと尖ったツブガタアリタケはすぐに分かるが、薄暗い中、老眼の眼にはそれが難しい。そこで、とりあえずそれらしい個体を集めて自宅で確認したのだが、明瞭にツブガタアリタケと確認できたのは二個体に過ぎなかった。(d)と(e)にもツブガタアリタケが含まれている可能性もあるが今は除外した。見つかった確率は 2/50 程度だったが、何はともあれ、ツブガタアリタケに出会えたことは幸運だった。
 
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 昨日は火曜日なのでいつものように小名浜のパン屋に向かった。25kmほど走って店に到着すると、不思議と駐車場がガランとしていた。店の扉には「臨時休業」の張り紙。あ〜ぁ。


2014年9月23日() イボタケ科とニンギョウタケモドキ科の群落
 仙台フォーレの帰路わが家にやってきた菌懇会のジイ(G)さんと三人で飯舘村の山を歩いた。主目的は放射線量測定用のきのこの採取だ。そのため、高線量地域に入ることにした。国道六号線が通れるようになったので2時間半ほどで目的地に到着できた。このところ雨が降っていないせいかハラタケ型の新鮮なきのこは少なかったがサンプルはかなり集まった。
 思いがけないことに、ヌメリアイタケ(a〜c)、カラスタケ(d〜f)、ニンギョウタケモドキ(g, h)、ニンギョウタケ(i, j)、コウタケ(k, l)に出会った。ヌメリアイタケは40〜60株ほどが群れを作っていた。カラスタケは100以上の株がいたるところに出ていた。ニンギョウタケは数十の大きな株が列をなしていた。ニンギョウタケモドキがこれほど多数でている光景には始めて出会った。少なくとも70〜80ほどの株が見られた。コウタケも10数株以上が隣接して出ていた。
 採取して持ち帰ったのはそれぞれほんのわずかだった。よい被写体が多数あったが目移りして結局まともな画像を得ることはできなかった。いずれにせよ、珍しいきのこやふだんなかなか出会えないきのこにいろいろ出会えた貴重な一日だった。
 
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 ジイさんは夜遅くまで標本の掃除・生重量の測定と記録・DNA採取・乾燥といった作業をしていた。もちろんアルコールを友にして。昨夜から乾燥機三台がフル稼働しはじめたので、今朝は部屋中に乾燥中のきのこの臭いが蔓延している。


2014年9月22日(月) 久しぶりにコウボウフデの子嚢
 久しぶりにコウボウフデの子嚢を見た(雑記2003.9.24同2004.4.20同2009.11.7)。

 前年度のミイラが見つかった周辺で、落ち葉をどけ表土をすこしはがすとコウボウフデの幼菌の頭部がみえてきた(a)。移植ごてで周囲を掘ってみると幼菌が四個ばかり出てきた(b)。蕾状の幼菌を縦断してみると、灰白色の部分が少なくて既に大部分が暗青色に変わっていた(c)。こうなるともうほとんど子嚢は残っていない。掘り出す時期が1週間ほど遅すぎた。
 あきらめずにジックリと探すと、随所に子嚢に入った状態の胞子がいくつも見つかった(d〜f)。コウボウフデの子嚢を見たのは実に久しぶりだった。10年ぶりだろうか。
 ちなみに、確実に子嚢をみられるのは、まだ全く地表近くに伸びていない地中の幼菌だけだ。切断時にほんのわずかに青みがかった灰白色をしていれば子嚢を確認できる確率は高い。ただ、子嚢ができあがっただろう時期に、地中の幼菌を見つけるのは非常に難しい。
 

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 [急激に減ってきたきのこ]
 自宅近くの寺社林や自然公園ではきのこの姿が急激に少なくなってきた。それでもシロオニタケ(g)、テングツルタケ(h)、チチタケ(i)、フウセンタケ属とベニタケ属のきのこは相変わらず多数見られる。それらに加えて昨日はヒラタケ(j)、ヒメコンイロイッポンシメジ類似のきのこ(k, l)などが見られた。雨が降るまで新たなきのこの発生はしばらくお休み状態だろう。
 
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 昨日は風もなく秋晴れの好天だったこともあって、いたるところで一家総出での稲刈り風景が展開していた。その一方で、民家の庭や畑ではイノシシ被害が再び激しくなってきた。夕方、菌懇会のジイ(G)さんがやってきた。例によって夜はまた宴会となった。


2014年9月21日() ブナ林にはツキヨタケばかり
 磐梯吾妻スカイラインの入り口付近のブナ林を歩いた。足下にはナラタケ類、ツエタケ類、チチタケ類、フウセンタケ類などが多少あるものの、これといったきのこはなかった。ただ、あたりを見回すと、倒木や立ち枯れのブナのいたるところにツキヨタケが群生していた(a, b)。
 少し樹に登って成菌を撮影した(c, d)。若い菌は面白い姿をしている(e)。成菌を裏返すと枝の基部には輪ゴムをかけたような紐状の隆起があり(f)、断面の基部は黒いシミ状になっている(g)。持ち帰ったきのこを明るい時に焦点あわせをして(h)、暗くなってから撮影した(i)。胞子は大きな類球形をしている(j)。
 ブナ林を歩いていて、11年ぶりにコナカブリベニツルタケに出会った(k, l)(雑記2003.7.7)。なぜかこれまでカサを大きく開いた状態のきのこには出会っていない。
 ブナ林に入るまえに、ミズナラとマツとカラマツを主体とした林を歩いたところ、いたるところでスギヒラタケに出会った。どうやらマツや広葉樹から出ているようだった。これまではスギやモミ、ツガから出るものしか見たことがなかった。マツやナラ類からでるとは思いもしなかった。
 
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 このところ急に朝晩の冷え込みが強くなってきた。遠からず暖房の季節だろうか。


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