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川口市でもアミガサタケが出始めた(a, b)。サクラ樹下によくみられるアミガサタケである。たいていは、トガリアミガサタケも終わって、4月になってサクラが散る頃に出てくるのだが、今年は例年よりも早いようだ。過去には2001年の3月30日にやはり観察している。 さいたま市の自然公園では、頻繁にウッドチップを散布するので、芝生以外のほとんどの場所は絨毯をしいたような状態である(c)。キノコが発生し始める間もなく、次々と新しいウッドチップの絨毯がかぶせられていく。できたてのウッドチップを山のように積んだ場所がある(d)。そのてっぺん付近(e)からヒトヨタケ科のキノコがでていた(f)。 |
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先週の土曜日に持ち帰ったニガクリタケは、今朝までタッパウエアに容れたまま、冷蔵庫に放り込んでおいた。冷蔵庫から採りだしてみると、ヒダの多くは虫に食われていた。採取時は非常に小さかった虫はかなり大きくなって数も増えている。 モエギタケ科のキノコは一般にヒダの切り出しが難しい。ニガクリタケも例外ではない。採取から時間が経つとさらに難しい。虫に食われていない部分をさんざん探して切り出し、水で封入した(a)。かなり分厚いが、それでもヒダ実質部の様子や子実層はよく分かる(b)。 水を3%KOHに置き換えると、組織がかなり潰れたが(c)、縁シスチジア(d)やクリソシスチジア(e)などはかえって見やすくなった。うっかりプレパラートをそのまま放置して食事をしてしまった。カバーグラスの重みで組織がすっかり変形していた(f)。しかし、担子器やクリソシスチジアは更に見やすくなっていた。しかし、タッパウエアに容れっぱなしは失敗だった。 |
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昨日都心まで出たので、大学構内のトガリアミガサタケをみてきた。数こそ少ないが、大小いくつかの発生を確認できた(a〜f)。この場所は2004年に大規模な工事のために(雑記2004.3.9)、ほぼ全滅に近い状態となり、昨年(2005年)はまったく見られなかった。この40年間ほぼ毎年発生していたトガリアミガサタケもついに全滅かと思われたが、そうではなかった。ただ、改修工事で広範囲に舗装化され、発生環境はさらに狭くなってしまった。 | |||||||
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久しぶりにマユハキタケの胞子などを覗いてみた。今回持ち帰った個体はすっかり成長していて、泥や虫にまみれていた。こういった状態のものでは、表面から胞子だけを落とすことは難しい。そこで、ハケ状部の内部からピンセットで一部をつまみ出した。 水で封入するとダマダマになってしまって観察は難しい(雑記2003.6.24)。消毒用アルコール(エタノール)で封入した(a)。エタノールを揮発されてから3%KOHを加えて再び封入した。色が緑褐色に変わった(b)。フロキシンを加えると、菌糸も胞子も着色される(c)。 今回は若い個体や、無性世代のみの個体を持ち帰らなかったので、分生糸柄などを観察することはできなかった(雑記2003.11.5、同2004.12.7)。しかし、ハケ状部の基部近くには、よく見ると消失性子嚢に包まれた胞子やそれらの残滓と思えるものがあちこちに見られた(d, e)。 |
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昨日さいたま市まで、きのこ屋(高橋 博)さんと一緒にアミガサタケをみに行って来た。3月9日には幼菌の姿すらなかったので(雑記2006.3.9)、あまり期待はしていなかったのだが、行ってみると比較的若いトガリアミガサタケが多数でていた(a〜e)。全体にまだ小さく、最盛期は数日から1週間ほど先になりそうだが、十分に楽しむことができた。 きのこ屋さんのカメラはオリンパスのE-330にズームレンズ、世界初のフルタイムライブビュー機能を持つというデジタル一眼レフカメラである。きのこ屋さんの撮影風景をみていると、とても一眼レフで撮影してるようにはみえない。くさびら日記には、トガリアミガサタケの美しい映像と、使ってみてのE-330についての感想が掲載されている。なお、ここに掲げた写真は同じオリンパスでも、販売終了となったE-300に35mm単焦点レンズをつけて撮ったものだ。撮影中に腰が痛くなってどうにもならなかった。 |
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昨日茨城県の国道50号線に沿っていくつかの自然林を歩き、そのまま太平洋岸の海浜を歩いてきた。キノコの類はほとんどなく、笠間市岩間の城址公園でタマキクラゲ、ニガクリタケ(a, b)、鉾田市でマユハキタケ(c)、ツバキキンカクチャワンタケ(d〜f)に出会っただけであった。鉾田市の大竹海岸の砂浜では何一つ菌類はみられなかった。 マユハキタケ(c)は薄暗い寺社林の朽ちたタブの洞の中で成長していた。非常に暗い洞の中に外部からLEDの灯りをわずかに照射して撮影した。同じ寺社林のほとんど枯れてしまったヤブツバキの下にツバキキンカクチャワンタケが足の踏み場もないほどに無数に群生していた。全体的にとても大きく、中には径が3cmを超えるものがいくつもあった(e)。普通サイズのものと比べてみるとその大きさがよくわかる(f)。左側3本が普通サイズである。 |
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例年今の時期になると、利用しているプロバイダから向こう1年間のホームページスペース利用請求書が届く。総使用容量と総ファイル数には上限があるので、これにあわせて、今現在のホームページの容量と総ファイル数を算出してみることになる。 昨年も3月21日に同じことをしている(雑記2005.3.21)。それによれば、昨年の今頃は使用容量590MB、総ファイル数40,000超。今日現在の使用容量は720MB、総ファイル数は43,800超となっている。一年間で、容量が130MB、総ファイル数が3,800増えている勘定だ。一日平均にすると、容量で356KB、ファイル数で10.4の増加である。 昨年から画像ファイルのサイズ拡大を検討してきた(雑記2005.2.16)。できれば現在の500x375から800x600にしたい。しかし、そうするとファイルサイズが一気に平均2.3倍ほどになってしまう。そして、容量がたちまち制限容量1GBを越えてしまう。さらに大容量に変更すると、利用料金が一気に高額となり、URLも変わってしまう。さて、どうしたものか。 |
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ゆえあって今年の1月に千葉県で採取してきたショウロの乾燥標本をみることになった。すっかり小さくなって固くなった標本を切ってみて愕然とした。殼皮はそのままだが、内部の基本体が全くない(a)。殼皮の内部はミイラ化したウジ虫と糞ばかりだった(b)。 この標本は帰宅後、屋外に放置して自然乾燥させたものだった。冬季の関東地方は乾燥しているので、しばしばこの方法で乾燥標本を作っていた。基本体の残っている標本もあったが(c)、ほとんど全滅だった。帰宅後直ちに熱風乾燥させた個体は無事であった(d)。 とりあえず、担子器を帯びた子実層や(e)、胞子の確認をすることはできた(f)。しかし、標本としての価値はないので、同日採取の標本はすべて破棄した。腹菌類は自然乾燥でうまく標本が作れることが多いが、一般に冬場の個体には内部に多数の虫がはいっている。持ち帰ってすぐに熱乾燥をしないと、内部が食い荒らされてしまう。 |
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先の日曜日(19日)に川崎市で採取したキノコをやっと調べた。かさ径15〜30mmほどで束生ないし単生する(a)。柄の基部は白い菌糸束をともなって落ち葉につながる。かさに粘性はなく吸水性があり、乾燥すると中央部が白色となる。多くは周辺部に条線がある。かさ表皮に3%KOHをたらすと褐変する(c)。ヒダの付き方は上生〜直生で(b)、胞子紋は黄土色(d)。 胞子はたまご型で平滑(e)、非アミロイド。切り出したヒダ(f)に側シスチジアは見られないが、縁には、波打って先端がやや膨大した棍棒状の縁シスチジアがある(g)。ヒダ実質は類並列型(h)。かさ表皮は平行菌糸被でシスチジアはない(i)。ひだ実質部やかさ肉の部分にはクランプが見られる(k)。担子器は4胞子をつけ(j)、基部にクランプをもったものが多い。柄の表皮にはシスチジアは見られず、クランプを持った菌糸が平行に並んでいる(l)。 久しぶりに保育社の日本新菌類図鑑Iの検索表にあたってみた。上記の観察結果などをもとにp20-23の検索表を順にたどっていくと、24のチャヒラタケ科Crepidotaceaeに落ちる。そこで次にp248のチャヒラタケ科の検索表をたどると、3のチャムクエタケ属Tubariaに落ちる。ついでp249チャムクエタケ属の検索表をたどると、2のチャムクエタケモドキに落ちた。 今朝は久しぶりに保育社の図鑑を開いた。スイスの図鑑やヨーロッパの図鑑類にあたることなく、これだけでほぼ該当種にたどり着いたので、これ以上の探索(確認)はしなかった。 |
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埼玉県北西部の石灰岩地帯を探索するつもりで、秩父市〜荒川村方面に行ってきた。目的は石灰岩地のきのこだったのだが、結果は林道を走り周り、温泉に浸かって帰ってきただけになってしまった。以下は、決して真似をしてはいけないことのメモ。 通行止めの表示は多重である。最初は簡単に動かせる程度の柵(a)。これを動かして進むと、今度は金属の鎖(b)。良識ある人はここでUターン。そうでない人は、しょせん自己責任なのだからと、鎖を破壊せず車も傷つけずに通過しようと知恵を絞る。そして通過する。 冬季間放置されていた林道には、大小の落石、崩壊と雪。石を動かし上下左右に蛇行し峠に着くと(c)、ここにも封鎖の鎖(d)。もはや後には戻れない。猿知恵を絞って進む。 荒川村と名栗村とを結ぶ林道は、どこも未整備でひどく荒れている。もちろんどこも「通行止」表示がされている。石灰岩地帯を通る林道が整備されるのは、4月以降になってからのようだ。秩父地方では東大演習林にも寄ってみたが、まだ冬景色だった(e)。 |
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さいたま市見沼区の公園では相変わらずきのこはほとんど見られないが、あちこちに樹液酵母がみられる(a, b)。浸みだした樹液が野生の酵母菌によって発酵し、そこにアカカビ(Fusariumの仲間の糸状不完全菌類)が繁殖したもの、それが橙色の樹液酵母なのだ、と2000年頃に聞いたような気がする。毎年公園や山の林道脇などでよくみるが、ベトベトしてあまり気持ちのよいものではない。そのため、これまで一度も顕微鏡で覗いたことはなかった。 ネバネバの一部をつまみだして覗いてみた。細長い菌糸に混じって、バナナ型の分生子が多数みえる(c)。透明で目が疲れるので、バカの一つ覚えでフロキシンを加えた。糸状菌の部分もよく染まる(d)。発芽している分生子があちこちに多数みられた(e)。樹液酵母と呼ばれているので、顕微鏡で覗くと単細胞の酵母が多数みえるのだとばかり思いこんでいた。酵母らしきものもみえるが、赤橙色の主はアカカビの仲間ゆえ、糸状菌糸と分生子しかみえなくても当然なのだろう。きのこがないので、今朝は樹液酵母を覗いてみた。 |
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