Top | since 2001/04/24 | back |
|
|||||||||||||||||||
「キノコのフォトアルバム」のファイル構成に大幅に手をいれた。といっても、外見上はほとんど何も変わらない。従来はメインファイルから、いったんサブファイルを呼び出し、その中から画像ファイルを呼び出していた。このやり方を変えて、サブファイルは使わず、直接画像を呼び出す方式に切り換えた。ナメコを例にとって、表にすると以下の様になる。
昨年の春頃から、(a)方式をとってきたことのデメリットが急激に拡大してきた。ファイル数が膨大になること、そして、全体としてのファイルサイズが非常に増えることだ。当然、アクセス速度も遅くなり、インデックス作成などのファイル管理も面倒になる。 ほぼ一年ほど前から、いつかは(b)方式に切り換えたいと思ってきたが、なかなかチャンスがなかった。手を入れなくてはならないファイルが4,000以上あり、この変更に伴って他にもかなり多数のファイルをいじらなくてはならない。 思い切って、この3日間ほどは、キノコ観察は棚上げにして、(b)方式への変更作業にあてた。今朝方すべての作業が完了した。手をいれたファイル総数は5,000を超えていた。この作業のおかげで、ファイル数が大幅に削減され、総容量も8BGほど少なくなった。 今日と明日は、筑波で行われる「菌学講座」に出席。今日も早い時刻に出発だ。 |
|||||||||||||||||||
|
||
キクラゲ類の顕微鏡写真を「顕微鏡下の素顔」にアップするつもりで、過去のデータを調べてみて愕然とした。2004年8月以前の写真がほとんど残っていない。悪夢のハードディスククラッシュがよみがえってきた。折悪しく、バックアップ用の媒体もすべて破損ないし読み出し不能という、悪いことが重なったことを思い出した(雑記2004.8.1、同2004.8.11)。 このことがあってから後は、専門的に追っているテーマ、Tulostoma関連のデータなどは、複数の外付けUSBハードディスクなどに、更新の都度必ずバックアップをとっている。データ量が膨大になっているので、もはやDVDとかCD-R等への保存は全く行っていない。 原則として持ち帰ったキノコはすべて検鏡するが、撮影するのはそのうちのごくわずかである。キクラゲ類の顕微鏡写真をチェックしてみると、ヒダキクラゲ、ツブキクラゲ、フェムスジョウタケ、ムカシオオミダレタケ、オロシタケなどについては、一枚も残っていない。 「キノコのフォトアルバム」に掲載の610種については、すべてミクロの姿を参照できるようにするつもりだったのだが、これはかなわぬ夢となってしまった。掲載種の中には、今後再び出会うことはまずないだろう種がいくつも含まれている。悪夢の2004年8月、あらためてボチボチと基礎データの収集をやっていくしかあるまい。 |
||
|
||||||||||||||
よく雨が降っているにもかかわらず、自宅団地周辺にはきのこの姿がほとんどない。わずかに一部の硬質菌とキクラゲ類、アミスギタケくらいしかみあたらない。キクラゲは繊細な姿を見せてくれていたが(a)、アラゲキクラゲは汚れて絵にならなかった。タマキクラゲ(b)、ヒメキクラゲ(c)は水分が足りないために、少しペシャンコだ。中には、まるで汚物のような姿になったヒメキクラゲもある(d)。元気よくどこにでも見られるのはアミスギタケばかりだ(e)。 それにしてもキクラゲの仲間はよく覗いている。これまでにも、キクラゲ、アラゲキクラゲ、タマキクラゲ、ヒメキクラゲについても、随分取りあげている。キクラゲ類は他にも何種類か取りあげているが、ここでは上記4種についてのみ、過去の雑記をリストアップしてみた。
|
||||||||||||||
|
|||||||||||||
先日三芳町から持ち帰ったヒメカバイロタケ(a)がまだ残っていた。捨てる前にいちおう一通りチェックしておくことにした。採取した日にヒダに3%KOHをかけてみた。赤変はしないが、やがて黒褐色になった(b)。胞子紋は白色で(c)、胞子はアミロイド(d)。 紙袋に入れたまま何日間も放置しておいたので、丸まって小さくなっている。どうあがいても綺麗なヒダ切片は作れない(e)。ヒダ実質は並列型(f)。縁シスチジアは紡錘形やら円柱形をしている(g)。担子器の基部にはたいていクランプが見られる(h, i)。 傘表皮は平行に菌糸が走っているが、表面には色素粒が沈着している(j)。硬い柄の表皮は所々で先端が丸い菌糸端が立ち上がっている(k, l)。傘表皮、傘肉からヒダ、柄にいたるまで、どこをとってもクランプが見られる。これで心残りなく捨てられる。 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
先日さいたま市のウッドチップ帯から持ち帰ったツブエノシメジ(a)は一つだけ残して、他は友人に送ってしまった。今朝は、その一つを覗いて楽しんだ。胞子紋は白色で、胞子も水で封入すると透明だが、メルツァー液を加えるとアミロイド反応を示す(b, c)。 ヒダは類並列型(d)で、子実層の縁を見ると側シスチジアらしきものが多数みえる(e)。倍率を上げると、先端に結晶を帯びた特異な形のシスチジアが見える(f, g)。よく見ると尖った部分には隔壁があり、フロキシンで染めるとやや鮮明になる(h)。 バラしてサイズを見ようと3%KOHで封入すると、側シスチジア頭部の結晶はすべて溶けてなくなってしまった(i)。縁シスチジアは見あたらない(j)。担子器の基部にもクランプはない(k)。傘上表皮は組織が平行に走っている(l)。ここにもクランプはない(雑記2005.5.7、同2005.5.20)。 |
|||||||||||||
|
|||||||
日光で、細い清流に浸った落枝からズキンタケの仲間がでていた(a)。ちょっと見たところ、ミズベノニセズキンタケないしその仲間だろうと思った。胞子紋から成熟胞子(b)をみた後、子実層(c)や托外皮層をチェックした。多分ミズベノニセズキンタケだろうと思った。 メルツァー液で反応を見た。対物40倍レンズで見たところ、子嚢胞子先端の頂孔にほとんど変色はない。しかし、エタノールで前処理して、水洗いをしてからメルツァーを加えて、再び水洗いしたところ、対物40倍でも、明瞭に頂孔に青みが見えた。 となると、これはミズベノニセズキンタケ属の菌ではないことになる。あらためて、対物油浸100倍レンズで何個体かをチェックした(d, e)。子嚢を単独にしても確認した(f)。あきらかに頂孔はアミロイド、となると、これはHymenoscyphusニセビョウタケ属の菌である。 この検鏡結果にともない、「キノコのフォトアルバム」の [ミズベノニセズキンタケ] という項目をすべて削除した。また、そこにアップされていた画像9点はすべて削除し、検索リストも修正した。また、過去の雑記のうち、2002.6.12と2003.5.7追記には、青文字で [追記] を加筆した。これらは、思い込みと勘違いに基づく誤った判断で、明らかな同定ミスである。 |
|||||||
|
|||||||
昨日の日光は、終日雨で気温も低く、とても5月とは思えない寒い一日だった。5月3日以来であるが、タモギタケがあちこちで立派に生長していた。アミガサタケにはまだやや早いが、小振りのものが多数みられた(b)。不思議とホシアンズタケには全く出会わなかった。 昨日の最大の目的は、大型盤菌類の成長ぶりを確認することだった。シャグマアミガサタケは、この10日ほどの間にあまり大きくならず、すっかり成熟していた(c)。オオシャグマタケは、かなり大きくはなってきたがまだ成熟にはほど遠い(d)。 テンガイカブリは最盛期である(e)。頭部だけの小さなものから、すっかり完熟したものまで多数みられた。標本用に少しだけ採集した。一方、オオズキンカブリは発生数も少なく、頭部の小さなものしかみられなかった。他でよくみられるものと形態的にかなり相違がある。 観光客やハイカーが極度に少なく、鹿の群がいたるところに出没していた。群はすぐそばにまでやってきて、いっこうに逃げる気配もなく長いことじっとしている。また、クロサンショウウオのタマゴにはまだほとんど変化はなかった。 |
|||||||
|
|||||||||||||
昨日さいたま市緑区のウッドチップ帯が広がる公園に寄った。ここ数日の雨で一体は足の踏み場もないほどにいろいろなキノコがでていた。しかし、ウッドチップの常連ばかりなので、メモ用簡易デジカメしか出さなかった。持ち帰ったのはツブエノシメジ(a)だけである。 シロフクロタケ(b)は相変わらず大きなものがいくつもあり、タマゴもみられた。ツブカラカサタケも数ヶ所で株をなしていた(c)。ツバナシフミズキタケ(d)、ハタケキノコ(e)はあちこちに群生している。キオキナタケ(f)、オキナタケ(g)、ウスベニイタチタケ(h)も多数みられた。 しかし、何といっても最も発生数が多く広範囲に出ているのは、ヒトヨタケ属のきのこである(j〜l)。ナヨタケ属(i)のきのこも数種類交えて、一体は溶けるタイプやら、傘が上に反り返るタイプなど、種類・量ともに最もよく目立った。しかし、過去に何度も見ている種ばかりであった。 今日は薄暗いうちに出発して、これから栃木県までドライブの予定だ。天候が芳しくないと思われるので、友人や仲間には声をかけなかった。 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
昨日持ち帰ったウラベニガサ科のきのこを検鏡した。最近とみに薄切りが苦手になっているので、なかなかうまくヒダ切片が切り出せない。今朝も、厚すぎたり、先端付近が潰れてしまったり、先が割れてしまったりして、7〜8回ほど悪戦苦闘した。 数日前から使っていたカミソリ(1/4片)はすでに、数種類のきのこを切っている。これを捨てて、一昨日いただいた新しい刃を使って切り出した。まるで切れ味が違う。どうやら薄切りができあがったが、薄膜の縁シスチジアが分かりにくい(a)。数年前の方が綺麗な切片(2003.5.21)を少ない回数で切り出せている。ヒダ先端の薄膜で風船型の縁シスチジアもはっきりわかる。 ヒダ実質部は典型的な逆散開型だ(b)。今日のヒダ切片からは、薄膜の縁シスチジア(e)は分かりにくい(c)。側シスチジアは厚壁で独特の形をしている(d)。担子器の基部にはクランプは見られない(f)。(d)〜(f)は3%KOHでバラシ、フロキシンで染めてある。 ヒダなどに比べると、胞子の観察はとても楽だ。最初にいわゆるドライ(g)、次にドライもどき(h)で観察し、ついで水(i)、メルツァー(j)を加えた。傘表皮は菌糸が平行に走っている(k)。ヒダ切片の観察の最後に顕微鏡のステージ上でフロキシンを加えた。そのときの映像も並べてみた(l)。顕微鏡を覗きながら、(a)→(l)に変わる姿を見ていると、とても感動的である。 (g)→(j)の映像は、一枚のカバーグラスに採取した胞子紋を、油浸100倍対物レンズでそのまま見ていったものだ。ドライからメルツァー添液までの間、カバーグラスが浮き上がらないようにする工夫の一つは、以前の雑記(2005.5.23)でも紹介した。 このきのこは、ウラベニガサとして扱うことにした。今朝はヒダの薄切りにこだわったが、観察するだけであれば、何も綺麗な切片を作る必要など全くない。縁シスチジアを観察するなら、ヒダを一枚そのままスライドグラスに寝かせればよい。ヒダ実質部の構造や側シスチジアは厚切り切片で十分わかる。胞子にしても、水で観察したあと、そこにメルツァー液を加えれば済むことだ。何を観察するのかによって、プレパラート作りの方法は変わる。ただ、撮影するとなると若干の考慮が必要になるかもしれない(雑記2006.4.21)。 |
|||||||||||||
|
|||||||
埼玉県三芳町の保護林を覗いてみた。枯れて伐採されすっかり腐りきった松から、マツオウジが出ていた(a, b)。幼菌もいくつもある。同じく、ボロボロになった材からはあちこちでウラベニガサらしききのこが見られる(c, d)。暗い松混じりの雑木林の腐朽木からはヒメカバイロタケと思えるきのこも出ていた(e, f)。垂生についたヒダには脈絡膜が見られる。 今朝の写真は、メモ用にポケットにいれておいたCOOLPIX SQで撮影した。三脚なし、レフ板なし、暗い林内での撮影にはちょっと無理があった。3点のきのこの胞子紋とりの準備をしていたら、出かける時間になってしまった。 |
|||||||
|