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いよいよ夏のきのこが発生をはじめたようだ。すでに昨日、埼玉県秩父地方でもキヌガサタケが発生したとの情報もいただいた。埼玉県三芳の保護林を歩いてみたところ、チチタケ属、ベニタケ属、テングタケ属、イグチ類などが多数みられた。1時間ほどの間に、こられだけでも40〜50種、他にツエタケ属、マツオウジ属、ナラタケ属、モリノカレバタケ属、等々に出会った。 調べられる能力以上のきのこを持ち帰っても意味がないので、出会った大形菌のうち、撮影したのは1/3程度にすぎなかった。上記写真には並べなかったが、径25cm超のアカヤマドリ、傘径12〜20cmが6〜8個体で群をなす巨大なツバナシマツオウジにもであった。 チチタケ属ではチチタケ(a)、ツチカブリ(b)を、ベニタケ属ではカワリハツ(c)、チギレハツタケ(d)、クサイロハツ類似菌(e)、オキナクサハツ(f)、クロハツ(g)、白色のベニタケ属(h)、紫褐色のベニタケ属(i)などを持ち帰った。ほかには、ツエタケ属(j)、テングタケ属(k, l)などを持ち帰った。これらは、出会ったきのこのごく一部に過ぎない。 このところ高温高湿度が続いているので、基物から切り離されたきのこはすぐに腐ってしまう。だから、調べたきのこは片っ端から畑の肥料になる。今日明日で調べられないきのこは一時的に乾燥保存するが、標本としては保存しない。ハラタケ目のキノコについては、最近は原則として乾燥標本は残していない。 |
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一昨日の長柄カミソリの使い勝手と工夫に関する続きである。使用製品は貝印カミソリ(株)製の「LR-5HFP」という5本入り製品(100円ショップ)である。素材としては、昨日採取してきたきのこ数種類を使って、ヒダと傘表皮の切り出しをやってみた。 長柄カミソリは、購入したままの状態では、支軸から刃がほんのわずか出ている状態だ。このままでは、簡易ミクロトーム(注射器製を含む)の天版部を撫でるように切るのは難しい。刃先をさらに数ミリ手前に引き出して使うと上手く切れる(a, b)。 長柄カミソリに使われている刃先は、たいてい0.15mm厚のステンレス鋼である。一方従来から親しまれている両刃カミソリは0.1mm厚の炭素鋼で、こちらの方が切れ味は格段に上のようだ。この刃を半切したものを長柄に挟み込んで使うと、さらに使いやすい(c)。
今朝は最初にステンレス鋼の刃で、6種類のキノコのヒダを、それぞれ数枚ずつ切りだした。最初の数個のきのこでは、30〜40μm厚の切片が比較的楽に切り出せたが、最後の方では、切れ味が落ちて、60μm厚以下に切ろうとすると、試料が引きちぎれてしまい、上手くいかなかった。キノコの種類を代えるつど、消毒用アルコールで刃先を拭き取った。 |
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さいたま市見沼区にあるウッドチップ公園を歩いてみた。いろいろなキノコが出てきた(a〜f)。夏のキノコも顔を出しはじめたようだ。コムラサキシメジ(a)やハラタケ科(b)をみたのは、今年になって初めてだった。オオホウライタケ(c)は相変わらずあちこちにでているが、久しぶりに、ミドリスギタケの大きな株(d)、コガサタケの仲間も数種類でていた。 なお、ツブエノシメジ(e)は昨日午前中に撮影したものだ。毎年見ているが素性のはっきりしないキシメジ科(f)も最盛期だ。長柄カミソリの検証は明日に回した。これらの素材を使って、長柄カミソリの使い勝手を検証してみよう。 |
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注射器ベースであれ、やや本格的なものであれ、簡易ミクロトームを使う場合の刃物には、薄手で硬めの刃先をもったものが向いている。薄手の両刃カミソリは、柔らかすぎるため、簡易ミクロトームの穴の部分にかかると湾曲してしまい、使いづらい。 では、どんな刃物が向いているのだろうか。もっとも簡便なのは長い柄のついたカミソリを使うことのようだ。100円ショップ、コンビニ、スーパー、ドラッグストアには、たいてい「顔そり」「眉そり」と名うった長柄カミソリが並んでいる。どれも同じように使えるのかどうか試してみた。 近くのコンビニと100円ショップで3種類の長柄カミソリが入手できた(a〜c)。(a)と(b)は、それぞれ4本入りでニッケンカミソリ(株)製、(c)は5本入りで貝印カミソリ(株)製だ。これら3種以外にもあるが、たいていのコンビニや100円ショップには(c)の貝印製が置いてあるようだ。コンビニでは100円ではなく、140〜150円ほどで売られている。 こられ3製品以外は、安定的に購入できなかった。この3製品を使ってみて、もっとも具合よく切り出しに使えたのは貝印製品(c)だった。また、これはも確実にどこででも入手できるようだ。ただ、このままではちょっと使いにかった。どうしたら使い勝手がよくなるのか。これは長くなりそうなので、明日に回すことにしよう。 |
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日曜日(6/24)の富士山で久しぶりに鹿の角を持ち帰った(a)。対になったもう片方は見つけられなかった。日光では、何度も角を見かけてきたが、これまでは持ち帰ったことは無かった。キノコ観察や採取の邪魔になるからだ。日曜日の富士山では、キノコはほとんど無く、鹿の角を持って歩いても、ほとんど邪魔にならない。8〜9月のきのこ最盛期であったら、おそらくいつも通り持ちかえることは無かったろう。 鹿の角が落ちていた周囲には、小さなきのこが見られた。すぐ脇にカノツノタケ[鹿の角茸](b)が出ていた。フジウスタケの幼菌が早々と顔を出している(c)。カヤタケ型のキノコ(d)、白く脆いきのこ(e)、柔らかな「硬質菌」などが鹿の角周辺のキノコだった。 |
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昨日小さなキノコを何種類か採集してきたのには別の意図があった。脆くて小さな微小きのこの生ヒダなどを簡易ミクロトームで切り出せるや否やを確認することだ。小さな橙色のきのこをモデルに、切り出しを試みた。Mycena(クヌギタケ属)のSect. Adonideae(コウバイタケ節)かSect. Aciculae(ベニカノアシタケ節)だろうが、今はそういったことは追究しない。 採取した7〜8本のうち、最小のものは傘径0.8mm(a)、最大のものは1.8mm(b)。これまでだと、こういった脆くて小さなきのこは、ピスに挟んだ途端にペシャンコになってしまうので、実体鏡の下で切り出してきた。大きな方の個体(b)の傘をピンセットで開いて(d)、縦断した(c)。 はじめに、これ(c)を実体鏡の下で、ヘラ状の棒で押さえて、傘とヒダを一緒に切り出した(e)。いい加減に切ったので、70〜80ミクロンほどの厚みだろう。倍率を上げてヒダをみると、縁シスチジアと側シスチジアがあるらしいこと、ヒダ実質が並列型であることがわかる(f)。
次に、簡易ミクロトームでの切り出しを試みた。ヒダを1枚だけはずしてピスに挟みたいところだが、実体鏡と先細ピンセットがないとそれは無理だ。実体鏡を使わない前提で行っているので、ルーペを手に、カミソリを縦に入れ、傘の部分を4分割した。 実体鏡を持っていなくとも、簡易ミクロトームさえうまく使えれば、脆くて小さなきのこでもヒダや傘表皮の切片を作って、構造の確認をできるということになる。難しいのは、(1) 試料をピスに挟み込むこと、(2) ピス固定する圧の調整、(3) 刃物の種類と使い方、(4) 試料の取り外し、ということになる。これらのいずれかにしくじると、せっかくの薄片も台無しとなる。 |
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今日の早朝から午前中にかけて、雨の富士山を歩いてきた。山梨県側の林道をできるだけ標高の高いところまで車を走らせた。最高地点は1,750mあたりだったろうか、コケの中から何種類かの小さなきのこが顔を出していた(a〜f)。 みごとな鹿の角を拾ったり、まだ数センチのフジウスタケの幼菌、かなりくたびれたアミガサタケなどにも出会うことができた。鹿が掘った後をさらに掘ってみると、未成熟な地下生菌がいくつも出てきた。ツチダンゴやヒメカタショウロの仲間が入り交じっていた。 富士山からの帰路、昨日開通したばかりの圏央道に八王子ジャンクションから入った。首都高を経て都心を通過するコースに比較すると、はるかに早く帰宅することができた。八王子ジャンクションから関越道に向かう道はトンネルだらけの道路だった。 |
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今朝もさいたま市秋ヶ瀬公園を歩いてみた。出会ったきのこはたった1株2本(a, b)だけだった。かなり乾燥しているから、胞子紋が落ちるかどうか分からない。さいたま市見沼区の公園にもきのこがない。ウッドチップ上には乾燥標本状態のきのこが何種類か見られるのみだった。所沢市の航空記念公園のウッドチップ上にもやはりなにもない。 |
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ここ何日か、きのこの写真といえば、今朝の2枚(a, b)がすべてだった。極端に積雪の少なかった冬だったが、それに引き続いて、空梅雨なのだろうか。このままの状態が続くと首都圏の給水制限は時間の問題だ。すでにガソリンスタンドは洗車を中止していた。 | |||
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