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日( )

2007年4月20日(金)
 
(a)
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(b)
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 ツブエノシメジが出ている可能性もあるかと思い、早朝さいたま市見沼区の公園を歩いてみた。ウッドチップ帯を重点的に歩いたのだが、悪い予感どおり、ツブエノシメジはひとつもみられなかった。遠目にも白い大きな傘をもったきのこが到るところにでていた。いずれもみなシロフクロタケだった(g, h)。ざっと数えて50〜60個体はあったろう。
 発生していたきのこは、15日の日曜日とほとんど変わらないようだ。ただ、大きくて立派なアミスギタケが数ヶ所にみられた(a)。あとはお馴染みのキオキナタケ(b)、シワナシオキナタケ(c)、オキナタケ?(d)、ウスベニイタチタケ(e)、ヒメヒガサヒトヨタケ節(f)、フミヅキタケ属、ヒトヨタケ属、キコガサタケなど、ざっと数えて20数種がかなりの数みられた。
 腹菌類のたまごに出会ったのは実に久しぶりのことだ(i)。縦横に切断してみるとまだ、頭部の赤色?はできあがっていなかった(j)。神社境内のアカマツの根本の腐植土からコツブオオワカフサタケと思われるHebelomaが出ていた(k, l)。

2007年4月19日(木)
 
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 昨日さいたま市の秋ヶ瀬公園から持ち帰ったアミスギタケは、30分ほどでかなり多量の白色の胞子紋が落ちた。少量ずつ掻き取って、たまたま手元にあった試液で覗いてみた(a〜f)。メルツァー液で封入すると、透明な細胞膜の部分が染まらないので、胞子が小さくみえるが、コットンブルーで封入すると、実際に胞子が小さくなった。
 子実層部分を観察するため、きのこをそのまま摘んでカミソリをあてて切り出し、フロキシンで染めてみた(g)。封入液をKOHに置き換えて担子器を確認した(h)。クランプを持った原菌糸(i)と骨格菌糸(j)を見ることができる。切片が厚すぎるので、あらためて子実層をていねいに切り出そうと、実体鏡の下に管孔部をおいた。予想外のものが見えて愕然とした。ひとつ一つの管孔に1〜2匹の小さな虫がうごめいていた。実体鏡脇から光をあてると、虫たちは次々に表に出てきて、忙しそうに動き回っている。虫のことは全く分からないが、10分間ほど虫の動きを眺めることになった。やがて、面倒になってキノコ観察はやめにした。

2007年4月18日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 早朝、さいたま市の秋ヶ瀬公園を歩いてみた。4月4日以来ほぼ2週間ぶりだが、観察できたきのこに変わりない(雑記2007.4.4)。地上から出ているきのこはひとつも見られなかった。落枝や立ち枯れの樹のほとんどに、キクラゲの仲間がなにかしらついていた(a〜d)。乾燥が続くと、キクラゲ類は樹皮の表面模様の一部にしか見えず、気がつきにくい。ここ数日の雨で、キクラゲは一様に膨らんでおり、手の平くらいの大きさにまで育っているものもや、まるでヒダキクラゲのような姿のものあった(b)。アミスギタケに出会ったのも久しぶりのことだった(e, f)。

2007年4月17日(火)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 絶版となっていた名著 勝本謙著『菌学ラテン語と命名法』(1996 日本菌学会関東支部) が、新たに電子版となって再版された(a)。菌類関係の論文を読んだり書いたりする人にとっては必須の文献として名高いが、きのこ初心者にとってもこれは非常に有用な書籍だった。
 例えば、Tylopilus (ニガイグチ属) 学名があるが、これは "tylos" (こぶ) と "pilos" (帽子) というラテン語からできている。ここで、"tylos" という語彙を、普通のラテン語辞書で引いても見つからない。というのも、これはギリシャ語由来の語だからだ。
 菌類やら植物の学名に用いられているラテン語には、ギリシャ語由来の語彙がとても多い。このため、これらの語の意味を知ろうと思えば、まず、ギリシャ文字で書かれたギリシャ語の辞書にあたり、次にアルファベットに置き換える作業が必要だ。このためには、α,β,・・・,ψ,ω等のギリシャ文字を読めて、ラテン文字への変換ルールを知っていることが必要だ。
 しかし、この『菌学ラテン語と命名法』の辞書部には、そういった頻繁に使われるギリシャ語由来の語彙は "G:" と明示して英語と日本語で訳が記されている。だから、ギリシャ文字が読めない人にも、「ラテン語文法の概要」はいらないという人にも非常に役に立つ。

 今回発刊された電子版では、前半部はPDFファイルとして提供され、後半の羅英和と和英羅の辞書は、「英辞郎形式」とCSV形式の両者で提供されている。ラテン語文法や国際植物命名規約などの部分をペーパーで読みたければ、PDFをプリントアウトすればよい。
 英辞郎データの検索ソフトには、Windows版ではPDIC for Windowsが最もよく使われている。菌学ラテン語電子版で提供されている*.DICファイルを指定フォルダにコピーすると直ぐにラテン語-英語-日本語の辞書が使えた。"odon" (歯) を検索してみた(b, c)。
 iBookでPDIC Viewer (for Macintosh)を使ってみた。指定のDictionaryフォルダに*.DICファイルを放り込むだけで、Macintoshでも、すぐにWindows版と同じように使うことができた(d, e)。思っていたよりも簡単な作業で、あっけなくラテン語辞書が導入できた。
 電子版『菌学ラテン語と命名法』は、遠からず日本菌学会関東支部のサイトで紹介され、入手方法なども明記されよう。1枚1,500円+送料程度で入手できるだろう。是非とも入手したい。デジタルデータとしての羅英和/和英羅辞書の有用性は計り知れない。


2007年4月16日(月)
 
カンゾウタケ
 
(伊沢正名さん) 昨日(4/15)、都内目黒区で行われた岡山コケの会の集まりに参加した。きのこ写真でお馴染みの伊沢正名さんによる写真撮影指導もあり、楽しい一日だった。24mmの広角レンズを基本にして、被写体と背景を広く取り込む手法は昔も今もかわらない。
(伊沢正名さん) ふと、樹木の足もとにポッカリ開いた洞をみるとカンゾウタケが径10cmほどに育っていた。東京でカンゾウタケの発生を確認したのは、昨年より2週間ほど早い。鮮やかな色で特異な姿をしたきのこは、コケ愛好家にもかなりのインパクトがあったようだ。

2007年4月15日()
 
ピスの切れ込み (2)
 
(ピス) きのこのプレパラート作成のためにピスを使うのであれば、ピスに入れる切れ込みはできるだけ深い方がよい。3cmほどの長さに切ったピスを例にとると、2〜2.5cmあたりまで切れ込みを入れる。そこにヒダなどを挟めばペシャンコになってしまうことはない。浅すぎる切れ込みは組織を潰す。
(ピス) 簡易ミクロトームを使うのであれば、ピスを最初から二つに割ってしまい、そこに組織を挟むもの一法だ。最近は簡易ミクロトームをよく使うので、もっぱらこの方法によっている。これは、きのこに限らずコケの葉等を切る場合にも同様だ。
(ピス) ピスの半片を軽く湿らせて、そこにピンセットで摘んだヒダやらコケの葉を載せ、そこに別の半片を載せ、軽く持って簡易ミクロトームに装着する。そして、ピスがずれない程度にゆるく固定する。こうすると、ナヨタケ属やフクロタケ属のような脆いヒダでも比較的上手く切り出せるようだ。

2007年4月14日()
 
ピスの切れ込み (1)
 
 実体鏡を上手に使える人は、ピスに頼る必要はほとんど無いだろう。むしろ、カミソリで切り出す試料を、潰さぬよう如何に確実に固定するかが、問題となるだろう。植物と違って、もろい菌糸からできているきのこの組織はとても壊れやすい。
 コケの葉の横断面を切り出すようになって、あらためてきのこの組織のもろさを痛感するようになった(雑記2006.8.17)。多少強く押さえてもコケではほとんど影響ない。だから、平らにつぶした針先を曲げた道具を使って押さえると、比較的楽に切り出すことができる。きのこの組織を切り出すときにも、この道具はかなり使えるが押さえる力加減が非常に微妙となる。

 一般のきのこ愛好家にとって、顕微鏡の他にさらに実体鏡まで購入するのは大変だ。でも、実体鏡がなくても、ピスを使えば試料の薄切りは可能だ。そのピスにしても、購入すると結構高価な出費を強いられるが、自分で野山に出かけて確保することもできる。
 ピス取扱いの現場をみるにつけ、浅すぎる切れ込みのために試料を押し潰してしまっているケースが多いことを知った。直接カミソリで切り出すにしろ、簡易ミクロトームを使うにしろ、刃物をあてる前に、ピスに挟み込まれた組織が潰れてしまっているわけだ。
 ピス取扱いと使い方は「きのこの話題」→「ピスを使った切片作成」にも詳しい。ピスにどの程度まで切れ込みを入れたらよいのかについては、「カミソリで深く切れ込みを入れます」として、その後に理由を述べてある。深い切れ込みを入れることは重要なポイントだ。


2007年4月13日(金)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 順番は逆になるが、一昨日のさいたま市の公園でのナヨタケ属の発生状況をアップしておくことにした(a〜e)。すべてウッドチップ上に発生したものばかりで、ウッドチップを散布したことのない場所には、地上生のきのこはキコガサタケだけしかみられなかった。
 ほぼ通年発生するシロフクロタケも、幼菌から成菌(f)、老菌にいたるまで7〜8個体を確認できた。最近は、ウッドチップの質が変わったのか、腹菌類の発生がとても少なくなっている。かつて、アカイカタケなどの珍菌が発生したなど、今はまるで嘘のようだ。
 昨日の川崎市の緑地ではアミガサタケが多数みられた。しかし、充分成熟したものはまだなく、子嚢の中には小さな丸い胞子があったり無かったりといった状態だった。久しぶりにコキララタケの胞子、担子器などを確認した。

2007年4月12日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
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(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
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(l)
(l)
 昨日若い菌類研究者からツブエノシメジの発生について照会があったので、午後からさいたま市の自然公園に行ってみた。ウッドチップにはツブエノシメジはなく、シロフクロタケとナヨタケ属らしいきのこばかりしか出ていなかった。ナヨタケ属?のきのこ(a, b)は大量発生しており、園内の到るところに大きな群を作っていた。
 久しぶりにナヨタケ属?の脆いきのこを観察してみた。傘は湿っているときは暗赤褐色だが、乾燥すると白褐色となり、表面はささくれている。傘中央部だけ他よりも明色の個体も目立つ。乾燥すると傘の縁は内側に巻き込む。傘表皮に濃硫酸をかけてみたが、20分ほど経過しても色の変化は全くない(c)。
 30分ほど採取した胞子紋は、暗紫褐色〜類黒色(d)。胞子は厚い膜と発芽孔を持ち、13〜14 x 5.5〜7μm、Q比は1.8〜2.2で(e)、濃硫酸で封入すると紫色味が強くなり、淡いスレート色にはならない(f)。しかし、どうやらナヨタケ属らしい気がする。
 きのこは脆く、ちょっと触ると簡単に崩れてしまう。ヒダの切り出しは面倒だった(g)。ヒダ実質は平行気味の錯綜型らしい(h)。実体鏡の下で両刃カミソリを使って切りだしたが、簡易ミクロトームでも、切り出すことができるはずだ。そう思ってやってみた。
 ピスに割れ目を入れてそこに試料を挟み込むと、ナヨタケ属など脆いキノコは簡単に潰れてしまう。しかし、ピスを最初から二つに割っておいてその間に軽く挟み込めば上手くいくことがある。今回、その方法でやってみた。ヒダをペシャンコにせずに切り出すことができた。
 切り出した切片の縁をみると、側シスチジアと担子器がきれいに並んでいる(i)。縁シスチジアは無い。側シスチジア(j)と担子器(k)を対物100倍で撮影した。持ち帰った個体は傘表皮がやや崩れていて、すでに本来の姿をみることはできなかった(l)。
 ウスベニイタチタケに限りなく近いようにも思えるが、いくつか異なるようだ。まず、傘表皮に濃硫酸をかけても灰青色にならない。胞子の色も暗紫褐色ではなく赤褐色に近い。乾燥した傘表皮は淡紅褐色とはならず、白褐色となる。
 傘と柄をもったきのこを観察したのは実に久しぶりのことだった。もしかすると、今年に入って実質的に初めてだったのかもしれない。これは観察のための観察といえよう。今日はこれから川崎市の生田緑地に向かうことになっている。さて、どうなることやら。

2007年4月11日(水)
 
(a)
(a)
(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(g)
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(h)
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(i)
(i)
 昨日せっかく採取したので、アミガサタケとキツネノワンを顕微鏡で覗いてみた。はじめに、アミガサタケの頭部から小片を摘み取り、これをピスに挟んで、両面が子実層となる方向に切り出した(a)。対物40倍レンズで見ると、まだ大部分の子嚢が未熟だった(b)。
 カバーグラスをかけた状態のまま、グラスの脇からメルツァー液を注ぎ、反対側の脇から吸い取り紙で余分な液を吸いだした。これを低倍率(c)と対物40倍レンズでみた。非アミロイドで、全体が黄褐色になった。胞子が未熟ゆえ、油浸100倍レンズはまったく使うこともなかった。
 次にキツネノワンを覗いた。こちらは、充分成熟していて、現地でじっと見ている間にも、間歇的に胞子を放出している様子がみられた。アミガサタケと同じ手順と倍率で覗いたものを並べてみた。メルツァー液を加えた後、洗わないで見たので全体が赤褐色となっている。子嚢先端の孔がアミロイド反応で青変している様子がよくわかる(i)。

2007年4月10日(火)
 
(a)
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(b)
(b)
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(e)
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(i)
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(j)
(j)
 今朝、埼玉県川口市の芝川沿いの遊歩道を歩いた。桜樹下ではアミガサタケが最盛期だ。既に桜はかなり散ってしまったが(a)、いろいろなタイプのアミガサタケが見られた。
 全体が黄褐色のもの(a)、柄も頭部も白色のもの(b)、柄は褐色で頭部は汚白色のもの(d)、頭部に凹凸が少なく、凹部が黒色のもの(e)、などなど。ほとんど終わってしまっていたトガリアミガサも1本だけ見られた(f)。
 芝川沿いのクワもようやく新芽をつけ始めた(g, h)。樹下にはいたるところにキツネノワンがみられた(i)。掘り出してみると菌核が着いてきた(j)。例年疑問に感じていることだが、川口市では、なぜかキツネノヤリタケを見ていない。何とか、川口市でも見つけたいと思っているのだが、今年も今のところ徒労におわっている。アルバム掲載のキツネノヤリタケの写真は群馬県妙義町で撮影したものばかりだ。

2007年4月8日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
(e)
(f)
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 栃木・群馬県境にあたる日光市の山中を歩いてきた。昨日歩いたのは、標高400〜950mのあたりだ。900mを越える北側斜面にはまだ残雪が残っていて、新緑はほとんど見られないが、落ち葉の下ではオオズキンカブリタケが顔を出しはじめていた。
 桜の蕾もかたく、殺風景な斜面は、一見まるで冬景色。落ち葉を静かにどけていくと、まだ頭部だけしかできていないオオズキンカブリ(a)がでてきた。高さ2cmほどだ。踏んづけてしまった落ち葉の下にも、3cmほどに成長した個体があった(b)。さらに落ち葉をどけてみると、背丈6〜8mm程度の小さな幼菌がいくつも出てきた(c)。あと2週間ほどで成菌となるのだろう。ゴールデンウイークの頃に見られるかどうかちょっと微妙だ。
 わずかに見られる緑色はコケばかりだった。よくみると、Plagiomnium acutum コツボゴケの中から盤菌がでていた(d)。ていねいにコケをどけてみると、柄の先はハンノキの落穂に繋がっていた(e)。転がっていた落枝の表面には赤い小さな粒が無数に着いていた(f)。
 標高の低い場所でコケ観察をしていると、アケビ型をしたクロサンショウウオのたまごやら、ザゼンソウ、ミズバショウなどがみられた。標高400m斜面ではショウジョウバカマが大群落をなしてみごとだった。カタクリは咲き始めなのか、花をつけたものは少なかった。

2007年4月4日(水)
 
(a)
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 久しぶりにさいたま市の秋ヶ瀬公園に行ってみた。地上生のキノコはほとんどみられず、キクラゲ(a)、ヒメキクラゲ(b)、アラゲキクラゲ(c)、タマキクラゲばかりがやたらに目立った。エノキタケ(d)は食用に採集する人が多いらしく、わずかしか見られなかった。
 久しぶりにキノコを顕微鏡で覗いた。検鏡済みのキノコはそのまま食用に回した(e, f)。ヒメキクラゲやタマキクラゲはデザートとして処理するのが適しているようだ。ヒメキクラゲは熱湯を通し、蜂蜜をかけて食べた。見た目はグロテスクだが、意外と美味しいキノコだ。
 久しぶりにフロキシンを使って撮影したが、その一部を並べてみた。キクラゲの胞子(g)、子実層(h)、担子器(i)、ヒメキクラゲの胞子(j)、担子器(k)、クランプ(l)だ。グニャグニャの生状態から切り出した。最初から薄切りは期待せず、子実体を指で摘み、カミソリで表面を削いだ。

2007年4月3日(火)
 
本郷次雄先生
 
 昨日朝、本郷先生が亡くなられた。今日は通夜、明日告別式が行われる。ここ数年は、体調がすぐれないとのことで、遠出をされることも無くなっていた。
 本郷先生は、アルコールと歌と女性が大好きだった。三次会というとカラオケの歌える店に行き、古い演歌を歌われていた姿が懐かしい。きのこ関係の女性を両脇に、中央でマイクを持って歌っている時は、いかにも楽しそうだった。
 以前本郷先生のサイン本を日光に忘れて帰ってきてしまった。翌週再び日光に行った。人目に付く倒木の上に置かれた山渓フィールドブックス「きのこ」は、雨に濡れて紙がよれよれになっていたが、誰にも拾われることなく、そこにあった。後日、先生にその話をすると「よく残っていましたね」といって目を細められた。わが家にある唯一の「サイン本」である。

 ご冥福をお祈りします。


2007年4月1日()
 
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 群馬県在住の女性から「お探しのきのこかもしれません。丸いきのこが道路脇の石の壁からでています。ちょっと干からびています」との連絡をいただいたので、現地に行ってみた。電話ではケシボウズの仲間ではなく、ホコリタケの仲間だろうとの感触を得た。
 しかし、現物を見ないと、はたして予測通りホコリタケの仲間かどうかはわからない。そこで、早朝川口市を出立した。現地は標高800〜900mで、切り立った道路の谷側の岩に白くて丸いきのこがついていた(a)。残念ながらケシボウズの仲間ではなかった(b, c)。
 周辺を沢に沿って上下10kmほど探索してみたが、ケシボウズの仲間はどこにもみられなかった。残念ではあったが、わざわざ連絡を下さったことに感謝した。現地ではキブシが黄色い花をつけていた(e)。しかし、ピス採り頃の枝をつけたものには出会えなかった。周辺の灌木の枝には、あちこちに天蚕の繭がぶら下がっていた(f)。
 せっかくだったので、帰宅後に、久しぶりにホコリタケの仲間の胞子を覗いてみた(d)。なぜかとても懐かしく感じた。

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