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昨日菌懇会合宿を途中で抜けて戻ってきた。群馬県嬬恋村の標高1,200m〜1,400mでも、キノコの発生は非常に悪く、大形菌ではヤマイグチ、カバイロツルタケ、シロオニタケなどもみられたが、激しい雨風で倒れたり、泥汚れがひどい個体が多かった。 汚れたり虫に食われたきのこが多く、シャッターを切ったのは、結果として数枚のメモ写真がすべてだった。久々のキンチャヤマイグチ(a)、ヤグラタケ(b)だ。嬬恋に向かう途中、長野県北八ヶ岳の山腹で、ひさしぶりにカモシカに身近で遭遇した(c)。 |
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先日の台風9号の影響で、高速道路は寸断状態であり、嬬恋村に入る多くの道路が不通となっていた。金曜日(9/7)に現地入りした会員は、ふだんの倍以上の時間をかけてたどりついたという。日曜日の午後になっても、峠越えの一般道は不通箇所が多く、やっと開通した高速道路も、激しい渋滞が続いた。 | ||||
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昨日は台風9号の首都圏直撃のため、通勤にひどい難儀をした。am6:00前の都内はいつもなら車は少ない。ふだんなら30分もあれば到着できる文京区本郷の病院まで、50分以上かかった。電車が大幅に遅れたり運休になったこともあり、通勤手段を車に切り換えたりタクシー通勤が増えたからだろう。何といっても首都圏は災害に弱い。 しかし、この台風はかなり多量の雨をもたらしてくれた。長いこと高温・少雨の状態が続いていたが、ようやく恵みの雨となったようだ。明日〜来週前半は、きのこ観察には良い状況となる可能性が高くなった。今朝はこれから群馬県嬬恋村へ出発。菌懇会合宿に合流だ。 |
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今年の3月21日を最後に「キノコのフォトアルバム」の更新を行っていないので、ここ半年の記録を知りたい時に困るケースがあった。「あのキノコは何月にどこで出会ったんだっけ・・・?」といったときに、「アルバム」は手っ取り早く情報にありつけ、それなりに便利だった。 |
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「アルバム」の更新を中断していたのには、それなりの理由があるのだが、とりあえず、「今日の雑記」にでもメモっておけば後日の参考になるだろう。そう思って、先週土曜日(9/1)の日光で出会ったニカワウロコタケ(a)と、いくつかの食菌を載せておくことにした。 タモギタケ(b)、ヌメリスギタケモドキ(c)、スギタケモドキ(d)、カバイロツルタケ(f)だろう。ニカワウロコタケは数少ないが、他のきのこ(b〜f)はちょっと歩けばすぐに出会うほど多数に出会うことができた。シイタケは例年の発生時期とはやや異なる。 |
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6月末に申込を締め切ったパイン・ビレッジ製簡易ミクロトームの納期が9月末〜10月初めとなりそうだ。当初頒布時期を8月末と設定していたが、ギリギリまで改良と試作を続けた結果、最終仕様の決定が、予定より1ヶ月以上遅れてしまったことによる。したがって、製品の納期もその分ずれこむことになってしまった。すでに出来上がった商品を販売するのと違い、本業の合間に、受注生産で新規の製品を作る以上、これは避けられない問題といえる。 早めに注文を頂いた方には申し訳ないが、もうしばらく待って欲しいとのことである。製作担当者としては、もうしばらく猶予を頂きたいとのことだ。簡易ミクロトームの使いこなしのためのワークショップも11月ということでもあり、慌てることはないだろう。 |
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日光を歩いているとき、コケの中から小さなチャワンタケがいくつも顔をだしていた。そのうちの一つを覗いてみた。小さなチャワンは径4〜6mm、ルーペでみても托外皮の部分が濃褐色の粒状でざらついている。よくあるチャワンタケだ。 |
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例によって、形態観察を終えたのち、最初に托を切り出してみた(b, c)。托実質の大部分は絡み合い菌組織からなるが、托外皮の部分では、類円形菌組織が柵状に不均一に並んでいる(d)。子実層を見ると、表面が大きな多数のイボに覆われた子嚢胞子が入っていた(e)。例によって胞子表面と輪郭部に合焦した写真を載せた。子嚢先端は非アミロイド。 | |||||||
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ヤシャイグチは姿形から比較的楽に同定できるきのこらしい。胞子の形が特異的で興味深い。今朝は、先週末の土曜日に日光で採取したヤシャイグチ(a〜c)を観察して楽しんだ。 |
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採取した個体は持ち帰ったときには、管孔部がすっかり崩れて赤紫色でドロドロの粘液状になっていた。このため、胞子紋をとろうと傘をカバーグラスに伏せると粘液ばかりがついて、綺麗な状態での胞子はごくわずかしか得られなかった。 まずは、粘液部分を水で洗い流してから胞子を確認した。合焦位置をかえて撮影した(d)。標本の管孔部がドロドロで、いわゆるドライ状態とはほど遠いので、エタノールで洗浄してからしばらく放置し、乾いてから胞子をみた(e)。このような表面模様を持ったイグチは他に知らない。 ドロドロになった管孔部はそのままでは、切り出すこともできないので、半乾燥状態にしてから、縦切りと横切りにしてみた。予測通り、管孔部実質の構造は不鮮明であり(f)、孔口の形も水泡のためはっきりしない(g)。傘表皮も染色しないと見にくい(h)。3%KOHとフロキシンで組織をバラバラにした。担子器、シスチジア(側/縁不明)、胞子の姿がよく染まって鮮明に見える。 |
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一昨日の土曜日、日光を歩いて多数のツノシメジに出会うことができた。ブナ科の倒木からも出ると聞くが、日光では、樹皮が木質部から浮き上がる程度に腐朽が進んだ、カンバの倒木にでる。希に立ち枯れにでることもある。ブナ科樹種からの発生はまだ見たことがない。数十株の子実体を多数撮影したが、そのうちから12枚ほどを並べてみた。 |
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今年の発生は、例年より10日ほど遅いようだ。樹皮を破って出てくる姿はとてもたくましい(a)。樹皮の下の幼菌は愛きょうのある姿をしている(b)。小さくても柄が太くてしっかりしたものは、大きく傘を開くようだ。大きなものでは、傘径15cmを超える。成長したものをみると、白色の柄に、褐色の分厚い毛むくじゃらのストッキングをはいたようなイメージがある(i)。老菌になると、柄も白色から帯褐色となり、傘の縁が反り上がる(k)。 | |||||||||||||
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昨日、日光を歩いてきた。夏休み期間中の喧噪が嘘のように静まっていた。ずっと高温・少雨が続いていたせいか、きのこは、量・種類ともに、例年よりずっと少ない。 |
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オオイチョウタケが大きな菌輪を作っていたが、最盛期は過ぎたようだった(a〜c)。ミズナラ林にはヒメベニテングタケが多数でていた(d, e)。 古刹の寺社林では薄暗い樹下に多くのきのこを見ることができたが、あまりにも暗くて撮影は断念した。印象的だったのが××イボカサタケだ。アカイボカサタケ、キイボカサタケ、シロイボカサタケを同時に一ヵ所で見ることができたのは初めてのことだ。やむなく、明るいところに一部のきのこを持ち出して並べてみた(f)。 他にも、ヤシャイグチ、ツノシメジ、ニカワウロコタケ、タモギタケなどが出ていた。タモギタケは微小な幼菌とバクサレた老菌が目立った。ツノシメジは例年より10日ほど遅くの発生だが、幼菌から成菌まで数十個体を確認できた。ニカワウロコタケは発生が悪い。 |
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7月16日に山形県米沢市の城址で採集したウコンハツ(a, b)は、帰宅してすぐに検鏡し、何枚かの検鏡データを撮影した(c〜f)。今朝、この乾燥標本からプレパラートを作ってみた。生の時に作成したプレパラートを上段に、乾燥標本(g, h)から作製したものを下段に配置した。 |
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熱乾燥の途中でヒダが変形してしまうことが多いので、ヒダ先端の組織を鮮明に復元するのは難しい(c, i)。しかし、倍率を上げて観察したり(d, j)、メルツァー液で反応を確認するには全く支障はない(e, k)。傘表皮は、少し潰れてしまい復元しなかった(f, l)。しかし、高倍率にして確認してみると、生時と乾燥時とで、大きな差異は感じられなかった。 | |||||||||||||
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