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今日の午後、急に生の野生キノコが必要となったので、朝さいたま市の公園をほっつき歩いた。落ち葉の堆積がうず高くなって、空気も地表もカラカラに乾燥している。しかし、草むらをよく見ると白いものが見えた。草をかき分けるとシロフクロタケだった(a)。 やや乾燥気味だったが、発生したのは昨夜から今朝だろう。早朝の冷気にやられたのかヒダの先が、一度凍って再び解凍したように、やや潰れている。 |
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目的がヒダ切片切り出しの練習教材なので、これだけの鮮度なら申し分ない。ヒダ切片でもカサ表皮切片でも切り出し練習には絶好の素材だ。昨日コケをさんざん切りまくってナマクラになったカミソリの刃を簡易ミクロトームにあててヒダを切り出した(d)。 今月になってスライドグラスは連日同じものを使っている。プレパラートは200枚以上作ったが、カバーグラスは数枚を、アルコールで拭き取っては使い回してきた。目的がひだ実質部の構造の確認であれば、使い古しのガラス類でも十分だ。逆散開型構造はよく分かる(e, f)。 |
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砂浜に出るきのこの検鏡は悩みが多い。プレパラート作成はたいてい砂粒との闘いとなる。先日も茨城県鹿島灘から砂だらけのきのこを持ち帰った。タッパウエアに入れて持ち帰りそのまま冷蔵庫に保管してあった(a, b)。今朝これをいじくってみた。 |
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柄をはずし、カサをひっくり返し、青線の位置で切り出した(b, c)。次にヒダを一枚取り出し、実体鏡下で切りだした(d)。ヒダの縁が既にかなり変質している。ピスに挟んでも切れないことはないが、砂粒に邪魔されるため、きれいな切片を得ることはむずかしい。 それでも、場所を選んで検鏡すれば、子実層や托実質などを観察することは可能だ(e, f)。ミクロレベルの砂粒は容易には取り除くことはできない(e)。微細な砂粒に邪魔されるので、封入液を多めにせざるを得ない。すると画像が不鮮明になる。悪循環である。 シスチジアや担子器を確認しようと、フロキシンで染めてKOHで軽く押し潰すのも、なかなかうまくいかない。ここでも、ミクロレベルの砂粒が邪魔をしてくれる(g, h)。昨年の10月5日の雑記などで扱った海浜生のきのこも、プレパラートの作成にはかなり悪戦苦闘している。 |
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ここ数日「どのような顕微鏡を使って撮影しているのか?」「プレパラートはどうやって作っているのか」という趣旨のメールを何通かいただいた。こういった話題については、この雑記でも過去に何度も取りあげている。したがって、「サイト内全文検索」で、キーワードに「顕微鏡」とか「撮影」など入れると、そういった情報が楽に得られると思う。 プレパラート作成についての考え方は、現在も、昨年4月21日の雑記に書いたときと同じだ。ただ、最近は、検鏡にあたって、別のきのこを観る場合でも、面倒なのでスライドグラスを換えないで使う場合がしばしばある。撮影が不要な場合は、カバーグラスも消毒用アルコールでさっと拭いて、そのまま使うことが多い。でも、これはあまり他人に勧められるものではない。 |
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ジェフリー・E.F. フリードル著『詳説 正規表現 第2版』(2003)は出版から既に4年が経過している。初版の『詳説 正規表現』(1999) は日本語で書かれた最初の体系書として名高かった。昨年電算関係の本をほとんど処分した折りにも、この初版本と Larry Wall著『プログラミングPerl』は捨てなかった。きのこやコケ関連のデータ処理や、「きのこ雑記」の維持管理などに、Perlと正規表現は不可欠だった。それは今も変わらない。 本屋をみると、ここ数年の間に「正規表現」という概念はすっかり市民権を得たようで、通俗書や入門書がいくつも出版されている。はじめて入門書を見たとき、こんな本が売れるのだろうか?、そう感じたものだ。しかし、次々に出版されるところをみると、適度に売れているのだろう。今の社会、コンピュータ抜きには生きられない。文書の作成も手書きは既に過去のものとなってしまったかのようだ。そうなると、正規表現も現代人の常識となっていくのだろうか。 ネット接続に使っているソフトバンクBB(旧YahooBB)のADSL回線が、ここ半年ほど速度が急に遅くなった。この際ケータイと同じau(KDDI)の「ひかりoneサービス」に変更することにして、auに申し込んだ。年末ということもあって、au回線が繋がるのは25日過ぎになるという。来年からは、パソコンもネット接続環境も新しくなって、きっと快適な電脳環境が得られることだろう。 |
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埼玉県上尾市のKさんから Tulostoma (ケシボウズタケ属) が届いた(a)。脱脂綿にくるまれてケースに入っているが、これがさらに封筒に入り、梱包材に包まれて段ボールに入っていた。これならばかなりの衝撃にも耐えうるだろうと思われた。ていねいな梱包に頭が下がった。 2005年に茨城県の鹿島灘で採取されたものだという。乾燥標本は、頭部の径7〜9mm、柄の長さ16〜24mm、柄の太さ2〜3mmで、外皮は半膜質〜菌糸状で、頭部中央にある孔口は、短い筒状で外縁はやや濃色となっている(b〜d)。類球形の胞子は径4〜5μmで、表面には低い疣のようなものがある(e)。弾糸には、やや小振りの拳状節がかなりの頻度で見られる(f)。 |
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SEMによる観察をしないと断定できないが、T. brumale (ケシボウズタケ) か T. kotlabae の可能性が高い。これまで、茨城県では、T. fimbriatum (アラナミケシボウズタケ) や T.adhaerens などが知られているが、T. brumale の採取報告はなかったように思う。 | |||||||
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一昨日と昨日、無理して検鏡写真などをアップした。土日で時間がとれたからできたものの、やはりかなり辛かった。画像の呼び出しに膨大な時間がかかり、さらにPhotoshopなどで加工すると、まるでOSがフリーズしたかのように、長いこと反応がなくなる。かなり経ってすっかり忘れた頃に、処理された画像が現れる。たった1枚の写真の呼び出し、画像処理、保存をするのに、一行程ごとに、ことごとくこの有様だった。 「普通に動く(=時代標準?)」パソコンがないと、画像を多用したサイトの更新は非常に困難であることを痛感した。注文したパソコンの到着予定が12日ということなので、以前と同じ環境の再構築が完了するのは20日過ぎくらいだろうか。当面は、雑記の更新はいい加減にやっていくことにした。今朝もきのこを観察はしたが、検鏡写真は一枚も撮影しなかった。 |
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久しぶりに顕微鏡画面を撮影した。ここ2週間ほどメインパソコンのHDD(ハードディスク)にアクセスできない状態が続いているので、顕微鏡観察はしても、デジカメでの撮影はほとんどしなかった。非力な古いノートパソコンのUSBは旧式のVer1.1なので、630ピクセルで撮影した写真50枚を、外付けHDDに転送するのに1時間以上必要だった。 昨日は、撮影したスナヤマチャワンタケの検鏡データなどを、ネットにアップできる状態にするのに5〜6時間を要した。PhotoshopLEで縮小したり、トリミングや合成などをすると、いつまでも終わらずジッと待つことになる。ノートパソコンの内蔵HDDは6.8GBしかなく、アキもほとんどないので、どうにもならない。外出しない休日だったからできた作業だろう。 ふだんなら、検鏡からネット上にアップするまでに30〜50分もあれば十分なのに、昨日は、検鏡と撮影に15分、保存・加工などに4〜5時間、ネット上にアップに数十分が必要だった。画像ファイルがいかに重いかをあらためて痛感した。 |
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スナヤマチャワンタケをはじめ海浜生のきのこの検鏡は砂粒との戦いである。検鏡前に最初にする作業は砂除りだ(a, b)。不思議と子嚢盤面の砂は比較的楽に取り除ける(c)。切断面をルーペで見ると、托外皮層は砂粒と混然一体となっている(d, e)。 最初に、指先できのこの一部を摘んでカミソリをあてた。100ミクロン程度には切れるが、やはりこれは厚すぎる(f)。次に、実体鏡の下にきのこの一部を置いて、人差し指の爪をガイドに切り出してみた。30〜50ミクロンだろうが、十分実用域に達している(g)。 念のために簡易ミクロトームでも切り出してみた。何も考えずに切ったものは、実体鏡下で切り出したもの(g)とほとんど変わらなかった(h)。しかし、ていねいに何度か試みると、15〜20ミクロン厚のものが楽に切り出せた。メルツァー液で子嚢先端がきれいに青変する(j)。 切片作成に使ったかみそりの刃先を実体鏡で見た。数枚の切片を切りだしただけであったにもかかわらず、刃こぼれが激しくて、真っ直ぐだった刃は凸凹になっていた。 |
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昨日、茨城県の海を歩いてきた。茨城県の浜には風力発電の施設が多い(a)。これから羽根を取りつけようという建設中の設備もあった。いくつかの場所では、風力発電設備建設のため、残念ながら多くの海浜生菌類が姿を消した。 神栖市の浜では、これまで知られている場所とは異なった砂地でケシボウズタケ属 Tulostoma が群生していた(b, c)。頭部の径12〜18mmで、まだ全体に新鮮で、柄も太い。発生から1週間は経っていないようだ(d)。アラナミケシボウズタケ T. fimbriatum かナガエノホコリタケ T. fimbriatum var.campestre のようだ。 スナヤマチャワンタケも相変わらずよく出ている(e, f)。これらの他にも、汀線に近い植生の少ない砂地に Agrocybe や Psathyrella の仲間が見られた。一方、千葉県九十九里の浜と同様に、茨城県鹿島灘の浜でも、クロマツ防風林の松枯れはますますひどい状態となっている。 |
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メインパソコンが絶不調で画像が扱えないので、古いノートパソコンで画像を処理して、この雑記をアップした。非力なCPUと少ないメモリのために、たった7枚の写真を縮小してアップする作業にたっぷり3時間ほどかかってしまった。以前なら15分もあればできる作業だ。 パソコンメーカーから連絡があり、先日注文したパソコンは12月12日頃に届く予定だという。到着は12日でも、以前と同じように使える環境構築に1週間ほど必要だ。まともにパソコンが使える状態になるのは、今月20日過ぎになってしまいそうだ。 |
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このところ、メインパソコンが使えないので、画像を扱うことが難しい。だから、デジカメで写真を撮ってもハードディスクに保存ができない。雑記もテキスト主体とならざるを得ない。
Namazuを導入するには、インストールした後、若干の設定作業が必要だ。かつては、Namazuをインストールすること自体が面倒だった。大前提としてActivePerlとkakasiがインストールされている必要があった。そこで、以下のような作業が必要だった。 (1) ActivePerlをダウンロードしてインストール古いノートパソコンのPerlとNamazuを、最新のバージョンにしたが、あまりにもあっけなく終わったので驚いた(Windows2000)。Perlのインストールはもともと楽だったが、かつては (2)と(3)の作業が面倒だった。ところが、最近のNamazuインストーラでは、(2)と(3)の部分が自動化されている。これなら、誰にでも簡単にインストールできる。難しい知識はほとんどいらない。
このあとは、[Namazuを使おう] などの例示にしたがって設定作業をすると楽だ。設定ファイルは、大部分がデフォルトのままでよく、わずかに数行をいじればよい。これで、自分のパソコンでNamazuシステムが動く。つまり自宅のPCでインデックスが作れるようになる。 |
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