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きのこの分類に関わる基本概念など、基礎的なことを学ぼうとすると、残念ながら日本語で書かれたものはほとんどない。海外ではいくつもの名著が知られている。最近の新しい学説に基づいた分類を反映してはいないが、"HOW TO IDENTIFY MUSHROOMS TO GINES" シリーズ4冊、そして、腹菌類に特化した "GASTEROMYCETES Morphological and Development Features" はあまりにも有名だ。中学〜高校の英語の知識で読めるのもありがたい。 |
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いっぽう、アメリカの関係者によれば、"HOW TO ...." シリーズは詳細過ぎて初心者には難しいという。では、彼らのお薦め本は何かというと、David Arora "Mushrooms Demystified" だという。国立科学博物館の細矢博士も同意見を述べられている。960ページに及ぶこの大部の書は、きのこの分類について学ぶには第一級の良書だという。 そこで、あらためて手元の "Mushrooms Demystified" と "HOW TO IDENTIFY" シリーズの両者を比較してみた(a, b)。両者とも基礎概念、科への検索表、科の基礎概念、属への検索表、属の基礎概念、等々については明解かつ詳細に記されている。 "Demystified" で取りあげるのはアメリカとカナダの種だが、いわば、"HOW TO ...." シリーズと保育社の図鑑をまとめて1冊にしたような内容となっている。これまでは、あまりていねいに読んだことはなかったが、あらためて眺めてみると、確かに良い本だ。個々の科を開くと詳しい検索表に続いて、種の詳細な記載がある(c〜d)。カラーページも綺麗だ(e)。 第2版の出版は1986年。きのこの基本書としてはベストセラーの一つらしく、裏面に$39.95とある。ネット上でちょっと検索しても、この書についての評価したサイトやら販売サイトが、すぐに出てきた(f)。この内容で5,000円以下は非常に安いと思う。 |
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早朝、パソコンの電源をオンにして使える状態になるのを待った。ふだんWindowsが立ち上がるまでに、だいたい3〜4分ほどかかるので、お茶を入れてひとしきり待つことにしている。 そろそろ立ち上がったかなと思い、パソコンの前に行くと相変わらず起動中の状態である。途中で勝手にリセットがかかって再起動の状態が繰り返されてしまう。ときには、ブルー画面にエラーメッセージが表示された状態で固まっている。 しばしば、仮名漢字変換に長い時間がかかる。「けさは」と入力して変換キーを押しても、ウンともスンとも反応がない。フリーズしたのかといぶかっていると、忘れた頃になってやっと「今朝は」と出てくる。まるで、昔のフロッピー時代のワープロを思い起こされる。 最も困るのが、作業中に勝手にリセットがかかることだ。画像処理などをしていたときは、オリジナルファイルまで破損してしまうことがある。防衛策としては、テキストファイルやワープロファイルなどを作成しているときには、頻繁に保存する。 作業中に勝手にリセットされる症状が頻発するようになってきた。半年ほど前までは、週に数回程度だったのが、最近は一日一度は起こるようになってきた。今朝は、これで4度目。たったこれだけの文章を書くのに、今朝は40分ほどかかってしまった。本来なら5分もあれば書き上がるはずのものなのに・・・・。 |
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菅平で行われた日本菌学会関東支部の観察会に出かける前に、所沢市の雑木林で赤みを帯びた傘を持ったハラタケ科の小形菌を採取した(a, b)。紙袋に容れたまま、冷蔵庫の野菜ケースに保管しておいた。今朝開けてみると、かろうじて採取時の形態を保っていた。 |
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30分ほどで白色の胞子紋が落ちた。胞子をドライで見たのち、水(c)とメルツァー(d)で封入してみた。強い偽アミロイド反応で胞子が黒褐色になる。これをエタノールで洗って再度確認してみた(e)。卵形〜レモン形の楕円形で、長さ7〜9μm、幅4〜5μm、発芽孔らしきものが見える。 ヒダを1枚つまんで、そのままスライドグラスに寝かせ、水で封入して縁をみた。縁シスチジアらしきものがあるので、フロキシンを加えて倍率を上げてみた(f)。あらためて、ヒダを数枚切り出して(g)、先端をみると棍棒状のシスチジアがある(h)。ヒダ実質は並列型(i)。 ピンセットでつまみ出したヒダの一部をフロキシンで染めて3%KOHで封入して軽く押し潰した。縁シスチジアの基部の様子やサイズなどがよく分かる(j)。最後に傘の表皮を切りだして水で封入した。色素顆粒を帯びた菌糸が匍匐状にはっている(k)。同じく傘表皮を3%KOHで封入すると、色素顆粒の色はすっかり脱色してしまった(l)。 ハラタケ科の検索表をたどるまでもなく、アカキツネガサ Leucoagaricus rubrotinctus のようだ。この和名は、川村清一が原色日本菌類図鑑(Icons of Japanese Fungi)第四巻で Lepiota japonica Kawamu. sp. nov. として記したことによる。学名は無効名のようだ。 本来ならば、標本番号を与え、乾燥標本にして残し、採集データ、観察記録とともに残しておくことが推奨される。アマチュア研究者なら皆そうしている。しかし、今朝もまた、観察を終えた個体は標本にはせずに、そのまま台所の生ゴミとして捨てた。 |
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連休の土日(9/15〜16日)に長野県菅平で行われた日本菌学会関東支部の観察会に参加してきた。初日の根田仁博士による二つのゼミはとても楽しめた。特に「菌類の文献調査」では、ご自身のやり方やら苦労話を非常に具体的に聞くことができてとても面白かった。 宿舎のプチホテル・ゾンタックで行われた宴会も盛り上がり、二次会では、ふだんなかなか味わうことのできない一面を知ることもでき興味深かった(e)。 |
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採集会場は筑波大学実験センター構内で行われたが、例年に比較してきのこの出は悪いようだ。キノコをみていると夏のフィールドを歩いているかのようだった。 科博の細矢剛博士が展示用標本を採集・保管される姿は、多くの参加者が興味深く見ていた(b)。きのこは、ていねいに泥や汚れを落され、直ちに脇のドライアイス入り容器に納められる。きのこが少ないとはいえ、それでも、結構集まるものだと思った(c, d)。 |
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昨日夕方、ドライアイスを購入するために出かけたので、ついでに見沼地区まで足を伸ばした。自然公園をのぞいてみると、ツマミタケ(a〜c)、オニタケ(d〜f)が大発生していた。ツマミタケは早朝に多数が乱立した様子で、夕方には直立したものはほとんどなく、大部分はしおれて倒れていた。オニタケは広範囲にいくつもの群生が見られた。 他にはシロフクロタケ、ヒトヨタケ属、コガサタケ属、ホウライタケ属、ハラタケ属、のきのこがいくつも見られた。夕方のため、多くのきのこは元気がなかった。 |
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今日明日は、日本菌学会関東支部の観察会が菅平で行われる。今日の午後に宿舎で行われる根田博士の講演が楽しみだ。夜間早朝割引と通勤割引というETC割引を利用するため、am4:00頃には出発予定だ。でも、どういう経路でどこに寄って行こうか・・・。 | |||||||
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キツネノハナガサ Leucocoprinus fragilissimus はとても脆い。強い風が吹くと簡単に倒れてしまう。学名の "fragilissimus" は非常に脆いことに由来する。別に珍しくも何ともないきのこなのだが、一度はきちんと縁シスチジアや傘表皮の構造を確認したいと思っている。 |
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新鮮な状態を維持したまま上手く持ちかえることがポイントなのだが、このキノコに出会うときに限って、紙袋しか持っていないことが多い。自宅で5〜6本の標本を入れた紙袋を開けると、紙の内側にベッタリと貼り付いた膿状の塊が残っているのみだった。 アルミホイール、フィルムケース、チャック付きポリ袋などに入れて、乾燥させずに持ち帰ることが必須のようだ。やむなく組織の一部をつまみ出して胞子だけを確認した。エタノール(b)、水(c)、メルツァー(d)、フロキシン(e)での封入である。課題は先送りになってしまった。 |
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一昨日、所沢、三芳、川越等の林で出会ったきのこの一部だ。ハナガサイグチ(a, b)はかなり広範囲に、何ヵ所もの雑木林で出会った。ムラサキヤマドリ(c)は、最盛期を過ぎてバクサレ状態のものが大半で、新鮮な個体も小さめだった。アカヤマドリ(d)は、成菌が全くみられず幼菌ばかりだった。やけに多かったのがキツネノハナガサ(e, f)だった。 |
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カメラがオートモードしかないバカちょんだったので、いずれもピントが甘い。「手ぶれ補正機能」がついているのだが、現実はそう甘くなかった。薄暗い林の中でシャッタースピードが1/15秒を切ったり、マクロモードでは「手ぶれ補正」はほとんど用をなさなかった。100円ショップで購入したオモチャの三脚が意外と役に立ったのには笑ってしまった。 | |||||||
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昨日川越まで行く必要があったので、所沢市から三芳町を経て、途中で数ヶ所の雑木林や保護林に寄ってみた。どうせキノコはあまり出ていないだろうと思い、一眼レフもCOOLPIX995も持たなかった。かろうじて持っていたのは、バカちょんデジカメのLUMIX FX50のみだった。キノコ採集用の袋も少しだけしか持っていなかった。 |
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雨のため、じっくり観察はできなかったが、ヤマドリタケモドキやムラサキシメジ、ハナガサイグチ、ミドリニガイグチ、キアミアシイグチなどのイグチ類、テングタケ、フクロツルタケ、ツルタケ、カバイロツルタケなどのテングタケ類、ナカグロモリノカサなどのハラタケ類など、他にも予想外に多くのキノコがでていた。ざっと数えて40種は下らなかった。 激しい雨と高温のため、汚れてとても展示用標本にはならない個体が多く、昨日今日やっと成長したわずかな個体だけが綺麗な姿をしていた。ムラサキヤマドリやミドリニガイグチは大部分が泥汚れで採取に耐えなかった。写真は展示標本に使えそうなヤマドリタケモドキだ。 |
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先日の雑記で、「今年の3月21日を最後に・・・更新を行っていない」と書いた(雑記2007.9.7)。今年の3月22日以降もキノコの撮影はしている。しかし、それらを新規に追加することは躊躇せざるを得ないので、結局ずっと放置したままとなってしまった。 「キノコのフォトアルバム」掲載種は、当初は後日検証可能なものだけだった。誤りが判明したら修正できるよう、掲載写真については、データと標本が残してあった。ところが、この数年の間に、何度かデータ消失や標本損壊などに遭い、きのこに対する情熱が大幅に萎縮したことは否めない。最近ではごく一部のきのこ以外は標本も作らない。 土台が根底から崩れてしまい、今では「キノコのフォトアルバム」に掲載された写真の大半が標本の裏付けを持っていない(雑記2007.1.16、同2006.12.27)。つまり、砂上の楼閣に過ぎない。手間暇かけて更新しようという意欲は湧いてこない。 |
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