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日( )

2007年5月31日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 今月初めのゴールデンウイークの時期に、福島県いわき市で採取したシャグマアミガサタケは食用として冷蔵庫に保管してあった(雑記2007.5.7)。それぞれ20cm、12cmの背丈があった。大きな方は痛み始めていたので、残念だが台所ゴミとして捨てた。
 それにしても、採取から25日を経てもほとんど傷んでなかったことに驚いた(b, c)。小さい方は全く傷んでいなかったのでラーメンの具にして食べた。歯触りがよいきのこだ。どんぶり一杯の麺にシャグマひとつという贅沢なもので、採取直後と味は変わらなかった。
 廃棄した方は、最後にミクロの姿を楽しんだ(d〜f)。ここに掲載した写真はすべて昨日撮影したものだ。三角形のおむすび型をした子嚢胞子がいくつもあって興味深かった。こういう姿の奇形胞子はあまり見たことがなかった。

2007年5月30日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日の朝、さいたま市見沼区の公園を歩いてみた。先週金曜日にかなり多量の降雨をみているので、大形菌がでているのではないかと思っていた。歩き出してすぐに、期待は裏切られた。新たに新鮮なウッドチップの絨毯が広く厚く敷かれていた。
 先週木曜日までに見ていた幼菌はみなウッドチップの下となってしまった。昨日出会ったキノコは、かろうじてウッドチップの絨毯爆撃を逃れ、わずかに残っていたものだ。腹菌類2種(a, b)、ハラタケ目数種類がすべてだった(c, d)。
 ツブエノシメジに到っては、すっかり干からびた乾燥標本が数ヶ所に見られたのみだった(e, f)。この状態では分離培養は無理なので持ちかえることはしなかった。次の雨待ちだろう。

2007年5月29日(火)
 
怠け者の工夫
 
 毎日更新の原則は捨て去ったが、5月中はなんとほとんど連日更新してきた。しかし、それはたまたまであって、これからも連日の更新を行っていくつもりはない。「今日の雑記」の日常的な更新処理としては、たいていは次の4ステップで完結する。

 (1) 画像を指定フォルダに置く 画像ファイルを並べる順に指定フォルダにおく
 (2) エディタでテキスト本文を書く 秀丸エディタでテキストとして記述 (a)
 (3) 専用プログラムを通す Perl5でcoding。HTMLファイルと画像ファイルを作成 (c, d)
 (4) アップロードする NextFTPを使って手動でアップ。MainとMirror (e)
 

 
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 Perlスクリプトを通すと、撮影した画像ファイルから、原則として500×375ピクセルのJPEGファイル、67×50ピクセルのサムネイルファイル、HTMLファイル(d)が生まれる。念のために表示を確認し(e)、微調整の後アップロード(NextFTP)と、いたって単純だ。
 ホームページ作成ソフトは使わない。画像処理ソフトも限られた処理にしか使わない。撮影画像とテキストさえできあがれば、これをHTMLファイル形式にしてアップロードするには10〜15分もあればよい。本筋以外のところで煩わされたくないための「怠け者の工夫」だ。

2007年5月28日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 去る5月20日群馬県水上町で4年ぶりにヒメキクラゲモドキと思える菌に出会った(a)。この仲間は胞子と担子器の検鏡をしない限り、ヒメキクラゲモドキであると断定するのは難かしい。現地で胞子紋をとり、帰路のサービスエリアで、簡易顕微用を用いて胞子と担子器を確認した(b)。今朝あらためて油浸100倍レンズを用いて、胞子(c)、子実層の担子器(d)、バラした担子器(e, f)などを確認した。ヒメキクラゲモドキとしてよさそうだ。
 
 
 
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 同日、やはり5年ぶりにツブキクラゲらしき菌に出会った(g, h)。これも現地で胞子紋を採取して途中のサービスエリアで簡易顕微鏡を使って、胞子と担子器を確認した(c)。これも、今朝油浸100倍で、担子器とクランプを確認した(j〜l)。ツブキクラゲとしてよさそうだ。

 とりあえず最低限の確認ができたので、これまで1週間以上、冷蔵庫に放置してあったヒメキクラゲモドキとツブキクラゲは廃棄した。冷蔵庫に残るきのこは、5月5日にいわき市で採集した大きなシャグマアミガサタケだけになった。


2007年5月26日()
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
 「今日の雑記」で検鏡画面の撮影に使っているメインの2機種である。NIKONのBIOPHOT(a)は2003年秋頃まではフィルムカメラ専用で、「今日の雑記」には、もっぱら小形の単眼機(b)が主流だった。最近は小形単眼機は車載専用である。久しぶりにBIOPHOTと小形オリンパス機を並べてみた(d)。まるでパンダの親子ほどの違いがある。重さも40倍ほどの差がある。以前はよくキーボードの脇に小形単眼機を置いて、観察しながら「雑記」を書いていた(c)。
 顕微鏡の大小は性能とは直接関係ない。小形単眼でもコンデンサと微動ノブがついていれば、解像度を大きく支配するのは対物レンズの質だろう。撮影する場合にぐらつきやすいので、できれば軽くてリモコン操作で撮影できるデジカメが適している。

 今日から日本菌学会第51回大会がつくば市の筑波大学を会場に実施される。ひょんなことから参加することになったので、これから出発だ。今晩はつくば市泊まり。


2007年5月25日(木)
 
(きのこ切手展示会)
 
 昨日の朝日新聞夕刊の切り抜きである。先日の雑記(5/23)で紹介した飯沢耕太郎氏のきのこ切手展示会が今日から6月6日まで、東京渋谷パルコのロゴスギャラリーで始まる。切手に関心のある人は無論、きのこに関心のある人にも一見の価値がある。
 なお、同ギャラリーで5月27日(日)には『キノコの集い』が、6月2日(土)には『魅惑のキノコトーク』が催される。6月2日のトークでは、大舘一夫氏と飯沢耕太郎氏の対談も予定されている。会期中は無休で入場は無料である。

[ロゴスギャラリー] 渋谷パルコ パート1 B1F  〒150-0042 渋谷区宇田川町15-1
[電話] 03−3496−1287


2007年5月24日(木)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
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(i)
(i)
(j)
(j)
(k)
(k)
(l)
(l)
 先日水上町で出会った小形のホウライタケ属が残っていたので確認してみた。胞子紋は帰りの車の中で採取したのだが、どこに置いたのかすっかり忘れていた。後部トランクに置いたアイスボックスの中に残っていたが、5日間も放っておいたので、カバーグラスは真っ白になっていた。一部は発芽して「菌糸紋」になっていた。そこから、少し削り取って検鏡した(a, b)。

 傘は径2cm、鐘型ないし和傘の様な形をし、頂部は饅頭のような形をしている。表面には放射状に紫色の溝が20〜24本あり、ちょうどその同じ位置に、親ヒダが同数ある。傘中央部の饅頭部は平滑。クリーム色のヒダは離生で、子ヒダも7〜8本みられる。幅は広いところで4mm前後。柄は55〜60×2mm、上下同大の棒状、下部は橙色で上部は白色、表面は微毛に覆われる。強靱である。根本はやや太くなり、白色の菌糸に覆われ、菌糸は落ち葉に広がっている。
 棍棒型の大きな胞子は、30〜35×5〜8μmほどある。ヒダを切り出してみた(c, d)。縁シスチジアのような組織はあるが(e)、側シスチジアやそれらしき組織はない(f)。子実層托実質は錯綜型。親ヒダの縁から、幅1mm長さ5mmほどの小片を切り出して、フロキシンで染め3%KOHで封入した後、カバーグラスを左右にずらしながら軽く押さえて、子実層をバラバラにした(g)。
 担子柄をもった担子器を探したが、結局見つからなかった。このため、(偽)担子器とシスチジア様組織とを区別できなかった(h)。(偽)担子器の基部にはクランプがある。子実層托実質を構成する細い菌糸にはクランプがある(i)。
 最後に傘部分を切りだしてみた。傘に厚みが無いので、フロキシンで染めると、傘上表皮と反対側に位置する子実層が濃く染まった(j)。傘表皮をみると丸茄子あるいは電球のような細胞が子実層状にならんでいる(k)。サイズを計測するのであれば、これもKOHで封入して組織をバラしたほうが確実だ。その気はないが、とりあえず油浸100倍でみた(l)。

 人間の認知能力というのはたいしたものだ。列挙すると上記のようにダラダラと長くなるような内容を、一瞬のうちに把握して、頭の中で、既知の他のきのこと比較しながら、これをスジオチバタケであろうと判断するのだから。しかし、写真を使わず、図版を起こして、きのこの特徴を詳細に記載しようとすれば、こんな程度ではまるで足りない。しかも、突拍子もない譬えや主観的な記述は許されない。採取したすべてのきのこについて、詳細に記録したり、標本を残したりするのは膨大な時間と労力が必要だ。やはりていねいに観察して、図も描き、標本として残すことを考えると、一日に1〜2種が限界だろう。自分の観察能力以上の数を持ちかえるととんでもないことになる。見るだけ見たので、このきのこはゴミ箱に放り込んだ。

[追記] 今朝は雑記を書いた後、コケ標本を観察していて、アップすることをすっかり忘れていた。午後になってしまったが、ドタバタとアップすることにした。


2007年5月23日(水)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
 山の中でサケツバタケに出会ったのは久しぶりだった(a, b)。5月20日に群馬県水上町の山道でのことだ。帰路、水上インターに近い食堂に寄った折りに、車中で胞子紋を採取した。さらに途中のサービスエリアで、車載の小形顕微鏡を用いて撮影した。照明は自然光。水(c)、3%KOH(d)、濃硫酸(e)で封入し、対物40倍レンズ接眼10倍レンズで、COOLPIX950で撮影した。

 明後日25日に『都会のキノコ図鑑』が発刊される。『都会のキノコ』の著作もある大舘一夫氏と長谷川明氏の監修で、1都3県の平地のキノコ267種が取りあげられる。飯沢耕太郎著『世界のキノコ切手』も同日出版され、両著の出版を記念して『魅惑のキノコ〜切手と図鑑で巡るキノコ紀行〜』展が開催される。詳細は渋谷パルコのロゴスギャラリーへ。お薦めである。


2007年5月22日(火)
 
画像処理の練習 (3)
 
 昨日の雑記でニワトコとした灌木は、タニウツギらしい。5月21日の雑記に [追記] として経緯を簡単に記しておいた。10本に1本くらいの比率でしか髄を抜けなかった。

 慣れない作業というものは時間がかかる。先週はふだんやりつけない画像処理に時間を取られて、きのこやコケを観察する時間がほとんどとれなかった。しかし報文などを書く場合には必須の条件となるから、避けて通るわけにもいかない。
 しかし、どうやら以下のような処理が比較的楽にできるようになった。F先生ありがとうございます。色調の統一とかゴミ取りなど、まだまだ課題はあるが、なんとか形にできるところまできた。いずれもコケの葉や茎の顕微鏡写真だ。
  ・ (a)のような画像4枚から、(b)の様なものをつくる
  ・ 別々に撮影した写真から、(c)や(d)のような白バックの合成画像を作る
  ・ (e)のようなゴミだらけの画像から、(f)のように綺麗な画像を作る
 

 
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 こられの画像処理作業には、Photoshop 5.02J と Photoshop Elements 2.0 を使ったが、古いノートパソコンでは、GIMP for Windows を使った。GIMP は機能的にPhotoshopにやや遅れを取るが、報文作成やホームページアップ画像などの処理では、Photoshopに全く遜色なく使える。かつてUNIX上の X Window で動かしていた当時から見ると、随分進化したことを知った。

2007年5月21日(月)
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 昨日、群馬県水上町の山を歩いてきた。関東地方南部は終日晴れたようだが、水上町ではずっと雨で気温も低く、とてもハイキングに適した日和ではなかった。はじめに標高1,400メートル付近で残雪と雨の中を歩いたが、まだ新緑にはほど遠く、カメラの出番は全くなかった。
 やむなく800〜1,000メートル付近まで降りて、新緑の中を歩くことになった。ニワトコを見つけてはピスを取るのに適した枝を切りとった(a, b)。チャワンタケの仲間も少なく、大型菌に到っては、サケツバタケくらいしか出会うことはなかった。しかし、道ばたの落ち葉や、落ち枝をよくみると、小形のきのこがいろいろと顔を出していた(c〜f)。

[追記:21日午後]
 ニワトコではなく、これ(a, b)はどうやらタニウツギらしい。ともにスイカズラ科で、明るい谷スジや林縁の比較的水分条件に恵まれた場所を好み、4〜5月に花をつけるという。ニワトコは太平洋側にも日本海側にも分布するが、タニウツギは主に日本海側に分布するという。
 昨日歩いた場所は日本海側と太平洋側の分水嶺近くで、気候的には日本海側に属し、標高が高いためにまだ花期を迎えていなかった。過去に何度もニワトコを採取しているが、場所はほとんど太平洋側だった。時には花をつけていて間違えることはなかった。
 さて、タニウツギの髄であるが、キブシの髄と同じく白色均一の層からなっている。しかし、ニワトコやキブシと違い目が詰まっていて硬い。コケや植物などの切片作りにはよいが、キノコの切片作成用には向かない。また、髄を抜くにも、ニワトコのようにすんなりとはいかない。
 富山県中央植物園の橋屋誠氏から、写真(a, b)はニワトコには見えず、葉の感じからはタニウツギの気がする、とのご指摘をいただいた。持ち帰った枝をあらためて調べてみると、確かにニワトコではなく、タニウツギらしい。橋屋さん、ありがとうございます。


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