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あちこちでクリタケをみる。昨日も埼玉県小川町の城址でいくつものクリタケの株に出会った(a, b)。展示用標本の「指名手配種」リストに入っているので、採取したきのこは、株ごとにチャック付きポリ袋にいれて、筑波の科博標本庫:細矢博士宛にクール冷凍便で送りだした。 |
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ヒラタケも指名手配リストに入っているのだが、昨日出会った株は、構成個体数が少な過ぎるので採取しなかった(c)。ナラタケ類があちこちでみられたので、一部のまとまった株をクリタケと一緒に入れた(d, e)。いまだに、夏のきのこであるタマシロオニタケ(f)がまだ出ていた。 この秋は、あまり海にも出かけず、車にドライアイスを積んで、もっぱら山やら里山で「きのことり」ばかりしているので、ケシボウズの顔を忘れている。そろそろ、海にも出かけてみたい。 |
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今年の3月24日(土)〜25日(日)に日本菌学会により実施された [初心者のための論文執筆講座「Mycoscienceに分類論文が出版されるまで」] は好評のうちに終わったが、その第二弾がより実践的な内容で、12月15(土)〜16(日)に東京で行われる。 初心者のための論文執筆講座「Mycoscienceに分類論文が出版されるまで(その2)」である。大学院生はもちろん、菌学会員に限らず、意欲的なアマチュアには是非とも参加して欲しいという。申込締切は11月30日となっている。下記に案内から転載しておこう。 昨日参加申込のメールを出したが、講座2日目の16日は菌懇会のスライド会の日だ。講座が終了したら急いで川崎に向かわねばならない。なんと慌ただしいことか。できれば、今回の講座は、幼菌の会や菌懇会の例会と重ならない日程で、関西で開いて欲しかった。
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土曜日に通り過ぎた超高速台風は奥多摩でもかなり強い雨をもたらしたらしい。昨日、コケの観察をする集まりに参加して沢沿いの林道をあるいていると、大きなコガネタケの群落にであった。参加者の多くがコケの観察をやめてしばし呆然とキノコを眺めていた。 |
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群落も大きいがひとつ一つのコガネタケも大きかった。ただ、すべてのコガネタケの表面は粉が洗い落とされてツルツルとなり、傘の縁がちぎれてしまった個体も多かった。展示用標本として持ち帰りたい心境であったが、コケ観察ははじまったばかりで、大きな脆いキノコを抱えて歩くわけにはいかない。4〜5時間後に戻ってきたときには、多くの個体がしおれてしまい、すでに展示には不適の状態となっていた。強い雨に叩かれたからなのだろうか。 | |||||
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昨日強風と豪雨の中、仲間3人で日光を歩いてきた。雨具を着ても着衣はビショビショになってしまい、カメラを使えるチャンスはなく、写真撮影はできなかった。雨具のポケットに入れたケータイモドキでかろうじて何枚か撮影したが、まともな画像は一つもなかった。 |
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チャナメツムタケ(a)、クリタケ(b)、モエギタケ(c)、キシメジ、スギタケ、スギタケモドキ、トビイロノボリリュウ、ムキタケ、ウスキブナノミタケなどに出会った。しかし、強雨や強風のため、展示用標本として使えそうなものは、7〜8種類しか得られなかった。 帰宅後、きのこをクール宅急便(冷蔵)で送り出す準備をした。きのこについた泥や汚れをとったのち、チャック付きのポリ袋に入れ(d)、自宅冷蔵庫の冷凍庫に納めた。宅急便業者が自宅に荷物を取りに来た段階で、これらを段ボールに入れて渡すことにした。 |
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川越市の保護林、コナラ林の地表からニガクリタケがでていた(a)。掘ってみると、比較的しっかりした材が出てきた(b)。そこから100mほど離れた場所では、クリタケと間違えかねない色合いと大きさのニガクリタケが切り株の根本からでていた(c)。 |
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今朝は切り出したヒダ切片を水と3%KOHで(d〜f)、次に傘表皮を同じく水(g)と3%KOH(h)とで封入して遊んだ。一般的には、水で封入した切片をKOHで置き換えると、たいていつぶれてしまう。傘表皮は組織が遊離したが、ヒダではつぶれないように配慮してKOHに置き換えた。今朝みたニガクリタケはシスチジアが非常に少ないタイプだった。 | |||||||||
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三芳町の保護林には枯れて倒れ、かなり腐朽した松が転がっている。樹皮が残っているものには、ヒトクチタケが相変わらずよくついている。ヒトクチタケは春先に立ち枯れ松によく見るが、今年は異常気象のせいか、9〜10月でもみられる。そういえば能登ではこの時期にカンゾウタケがでているという。これも本来は4〜6月頃のきのこだ。 |
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この秋はシロニセトマヤタケの発生がよく目立つ(a, b)。同じコナラの周りに菌輪をなしていた株でも、大きさにはかなりの偏倚がある(c)。日曜日(10/21)の生田でもよく出ていた。三芳町の保護林でも多数でている。その一方、今年はシロトマヤタケにはお目にかかっていない。 アセタケ類の正確な同定は面倒だ。でも、シロトマヤタケかシロニセトマヤタケかの判定ならとても楽だ。胞子を見るだけでよい。シロトマヤタケなら平滑な胞子、シロニセトマヤタケならコブコブ胞子。シスチジアは両者とも厚壁で似かよっている。わざわざ、ヒダ切片を切り出したり(e)、シスチジアの形状(f)を観察するまでもない。 |
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昨日埼玉県三芳町の保護林を歩いたおりに2〜3種のキノコをもちかえった。そのうちのひとつ松の腐朽木からでていたチャツムタケと思われるキノコ(a, b)を覗いて楽しんだ。 |
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保育社図鑑などによれば、チャツムタケのヒダは直生であると、記されている。このサンプルでは、束生した同一株から、垂生気味の直生(c)や上生(d)のものが混在している。いずれも傘表面に、3%KOHをたらすと黒変した。アンモニアなどのアルカリでも弱く黒変した。 胞子の表面付近に合焦したので、サイズは小さめにみえるが、表面の微疣は明瞭だ(e)。封入液が多すぎるので、胞子がバラバラに向き、長さが短めにみえる。今朝も簡易ミクロトームを使ってヒダを切り出した(f)。ヒダ実質は並列型(g)、側シスチジアはみられない。 透明なため、縁シスチジアがはっきりとらえられないので、まずヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみた。ボーリングピンのような形の縁シスチジアがある(h)。フロキシンで染めると明瞭になる(i)。傘表皮は菌糸が平行に走り(j)、菌糸にはクランプがある(k)。担子器の基部にはクランプを持たないものが多かった(l)。 そういえば、「キノコのフォトアルバム」に載せてあるチャツムタケの写真(2001.10.12)は、当時30万画素のデジカメで撮った失敗作の見苦しい画像のままだ。他にも、アルバム写真の見直しは必要なのだが、しばらくは放置するしかない。 |
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先週は色々なきのこがでていた低地の雑木林も、急に寂しくなってきた。昨日、埼玉県三芳町と川越市の保護林をあるいてみたが、ほとんどきのこがなかった。であったのは、乾燥したベニタケ類、ニガクリタケ、チャツムタケ、シロニセトマヤタケ、小さなクヌギタケ属くらいだった。 |
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日曜日に川崎市生田で行われた観察会で採取されたウラベニガサを捨てる前に観察してみた。持ち帰って、2日経過している割には、形がよく保たれていた(a)。近々行われる「薄切り講習」のために、久しぶりに簡易ミクロトームを使ってヒダ(d, e, g)や傘表皮(h)などを切り出してみた。ヒダ先端はややつぶれていた(d)。しかし、逆散開型のひだ実質はよくわかる(e)。 ヒダを手で摘んでそのままカミソリをあてると、引きずられるようにちぎれた。それを顕微鏡で覗くと、子実層が完全につぶれていた(f)。いつもどおり、ヒダの一部をつまみ出して、3%KOHとフロキシンを使って軽く押し潰すと、側シスチジア(i)、縁シスチジア(j)、担子器(k)がとらえられた。観察の終わったものは、標本にはせずに廃棄した。 |
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先に福井から鳥取に到る山陰地方の浜を歩き回ったが、結果的には砂地生の菌類はごくわずかしかであうことができなかった。ケシボウズに到っては、京都の天橋立(c)以外では、見つけることができなかった。福井県の浜(a, b)、京都府の浜(c)、兵庫県の浜もこまめに拾い歩いたが、鳥取県の浜(d〜f)を重点的に歩いた。 |
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鳥取県には、鳥取砂丘(d)以外にも、海浜生菌類が棲息するには適した条件を備えている浜がいくつも広がっていた(e, f)。しかし、ホウライタケ属、アセタケ属、ナヨタケ属、コツブタケ属、ショウロなどしか出会うことはできなかった。発生時期と探索方法が原因かもしれない。 護岸工事が広範囲に行われ、消失ないし大幅減少している浜が多いのは、太平洋岸の浜と同様だった。それにしても、鳥取県には、鳥取砂丘から西に向かって、ケシボウズはじめ、海浜生菌類の発生に適したよい浜が広がっていた。 |
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季節毎に送られてくる古書店の図書目録をみて驚いた(a)。目録のp.177を開くと下の方に見慣れた文献が掲載されていた(b)。そう、28冊に製本された青木 実著『日本きのこ図版』である。驚いたのは、378,000円という価格だ。「附. 検索図版(B5版・441P)」とあるのは、昨年仙台などで頒布された『検索図版』のことだろう。 |
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昨年やはりある古書店に、段ボールに入った『青木実:日本きのこ図版(一式)』が28万円で置かれていた。重さにして約20Kg弱、数千枚のコピー。いったい誰が買うのだろうと思った。 1週間後に再び同店を訪れると、「あぁ、あのコピーなら売れたよ」と店主が言っていた。青木図版といえば、全国にコピーが出回っているはずである。しかし、それが古書店に、数十万円で並んでいるとは。考えても見なかった。 |
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