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国立科学博物館で来年実施の特別展「菌類大博覧会(仮)」に使用する展示標本用きのこに関わるリスト(指名手配リスト、手配終了リスト)が10月19日付けで更新された。併せて、[求む! きのこ標本!!] の文面に写真も加わり新たなメッセージに更新されている。 昨日の雑記で紹介した「薄切り」講習会(東京会場) も定員いっぱいとなり締め切られたという。また、生産が追いつかず、既注文者以外は数ヶ月待ちということであり、PV製簡易ミクロトームの新たな入手は非常に難しい状況という。 | ||
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幼菌の会と菌類懇話会共催の「簡易ミクロトーム研修会」は、まだ東京会場(a, b) [11/23(祝) 13:00〜17:00 浜松町] に若干の余裕があるようだ。案内には『「とにかく薄く切る」ことにねらいを絞った研修会です。・・・こつを掴めるまでひたすら切り続ける研修会です』とある。 |
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参加するには、幼菌の会の森本繁雄氏あて(ramaria@mvc.biglobe.ne.jp)に、11月5日までにメールタイトルを「ミクロトーム研修会」として下記フォームで申し込む。参加費は2,500円で、プレパラート作成用具は各自使い慣れたものを持参する必要がある。幼菌の会や菌類懇話会の非会員でも参加可能だ。詳細は菌懇会通信No.138(2007.9.22)等に掲載されている。------------------- 申込用紙 [ミクロトーム研修会] ------------------- |
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ツキヨタケの特徴として、多くの図鑑には、次の2点が強調されている。ヒダと柄の境界部に隆起帯があること、柄の切断面に紫褐色〜黒褐色のシミがあること。ツキヨタケ以外でこういった特徴を示すきのこはない、と書かれている本もある。ていねいな図鑑では、このシミが黄褐色で目立たないケースもあるとして、注意を喚起している。 |
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確かに、たいていのツキヨタケでは若い菌であっても、柄を切断するとたいてい顕著な黒いシミがみられる。しかし、中には、若い菌ではほとんどシミがなく(b, c)、大きく育っても、わずかに濃い黄褐色のシミが見られるだけのツキヨタケもある(d, e)。 先日、奈良県の大台ヶ原で採取したツキヨタケがそのよい例であった(a)。発光も強く、10〜20個体を集めると本が読めるほどの明るさだった。ミクロの世界を確認すると、胞子(g)、ヒダ切片(h)、子実層付近(i)、担子器(j)、ヒダ縁の組織(k)、傘表皮(l)など、ふつうのツキヨタケだ。 さらに、ツキヨタケは一般にヒダが発光するとして知られるが、発光しないツキヨタケもある。日光で採取したツキヨタケは、これまでのところ発光しないタイプばかりである。 |
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菌学教育研究会の講座「菌類の多様性と分類」の平成19年度後期講座(5日間)の案内を再録しておこう。日程は、11月16日(金)〜20日(火)で、研究会の専用施設筑波センター(茨城県つくば市筑波字外輪町2074番地3〜4)を会場に実施される。講座受講の申込〆切は11月5日(必着)となっている。詳細は、日本菌学会ニュースレター 2007-4(10月)、菌懇会通信 No.138(2007.9.22) などに掲載されている。
[講座概要] (敬称略)
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さる10月6日のこと、富山県有峰で行われる日本菌学会のフォーレに参加するため、早朝岐阜県側の神岡町を通過していた。天蓋山登山口で車をとめ(a)、キャンプ場から登山道を少し進むと、カンバの立ち枯れに黄色いしっかりしたきのこがついていた(b, c)。 |
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近づいて見あげてみると、見慣れたツノシメジだった(d, e)。これまで日光で何度も見ているが、いずれも倒木から出たものばかりである(雑記2007.9.3、同2006.8.21、同2005.8.28)。立ち枯れから出たものを見たのは初めてだった。発生時期もずいぶん遅い。高いところについているので、長い棒を見つけてきて、それ用いて数個を採取し、採取会の会場に持ち込んだ。 富山県ではまだツノシメジの採取記録はないとされるが、長野県や新潟県では採取されている。ツノシメジは何故かカンバによくつく。富山県にもカンバはあるだろう。適切な時期に、カンバの倒木を注意深く見れば、必ず見つかるのではあるまいか。 |
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今月前半は、10日近く家を空けて車で動き回っていた。キノコ(菌類)とコケ(蘚苔類)の観察が主目的だったが、間に観光旅行もはさむことになった。山陰本線の余部鉄橋(a, b)、鳥取の三徳山投入堂(c, d)、本州と四国をつなぐ瀬戸大橋(e, f)は、車中からの撮影(a, c, e)ばかりではなく、車を降りてゆっくりと楽しんだ(b, d, f)。ひさしぶりに「観光客」となった。 |
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きのこも「観光客の目」で楽しんだ。常備搭載品の単眼顕微鏡で、これらのきのこを随所で観察したが、検鏡写真などは撮らなかった。海辺砂浜(g)や松林(h, i)、海浜の神社林(j)、コケ上のきのこ(k ,l)も気楽に観察したが、乾燥標本にして持ちかえることはしなかった。 今回の旅行では、各地でいろいろな方と出会い楽しい時を過ごすことができた。特に、富山県中央植物園の橋屋 誠さん、鳥取大学農学部の安藤洋子さん、(財)日本きのこセンター 菌蕈研究所の長沢栄史先生、岡山理科大の西村直樹先生、愛媛きのこ観察会の沖野登美雄さん御夫妻、池内啓子さん等にはお世話になりました。ありがとうございました、深く感謝します。 |
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10月5日に自宅を出発して、長野、岐阜、(富山)、福井、京都、兵庫、鳥取、岡山、愛媛、奈良、静岡と主に海岸と石灰岩地を回ってきた。昨夜、当初の予定より早く帰宅した。
12日に奈良県の大台ヶ原(a)でツキヨタケをいくつか採取し(b)、その夜宿舎で発光するツキヨタケの撮影を試みた(c, d)。発光するツキヨタケの撮影は、先に9月24日(室内)と9月26日(屋外)でやってみたが、いずれも上手くいかなかった。 |
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長時間露光はバッテリーの消耗が激しい。露光時間だけではなく、記録保存処理と媒体への書き込みにも長時間が必要である。シャッターを10分間開放すれば、媒体への記録までにほぼ同じか、それ以上の長い時間が必要となる。具体的には、D70では充電済みのバッテリー1本で、3〜5枚しか撮影できない。このため、撮影前に充電したばかりのバッテリーに交換した。 灯りをつけてピントを合わせた後(b)、暗闇で撮影した。初めにISO400で8分間(c)、次にISO320で12分間シャッターを開放にした(d)。ついでISO800で4分間シャッターを開放しシャッターを閉じると同時に点灯した(e)。この時点でバーテリー残量表示が半分ほどになった。このあと、ISO200で15分間シャッターを開放した。ところが、保存開始の途中でバッテリー切れとなり、結果として、非常にざらついたノイズだらけの画像となった(f)。 たった4枚(c〜f)の撮影をするために1時間半もが必要だった。しかも、その大部分が待ち時間であるた。シャッターを閉じた後は "job on" という表示が点滅を続け、この間は他の動作は何もできない。発光きのこの撮影はとにかくじっと忍耐である、と知った。 |
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