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日( )

2018年4月20日(金) 人丸神社のミズゴケタケモドキ
 先日近くの人丸神社で採取したミズゴケタケモドキ(a, b)を顕微鏡で覗いてみた。肉眼的にはよく似たミズゴケタケとはほとんど区別できない。決定的な違いは、胞子と縁シスチジアだ。
 持ち帰った子実体は計3本だった。ミズゴケの同定は面倒なので後回しにした。胞子紋をとっている間に、縁シスチジアを確認することにした。
 最初にヒダを一枚スライドグラスに寝かせて(c)、対物40倍で縁を見た(d)。次いで、ヒダの断面を切り出して(e)、同じく対物40倍で先端部分をみた(f)。改めてフロキシンで染めて縁シスチジアを確認した(g)。この段階ですでにミズゴケタケではないことがわかった。ミズゴケタケの縁シスチジアの先端が虫ピンのように丸くなっている。
 カサ径5mmほど小さな子実体のカサをカバーグラスに伏せて一晩胞子紋をとった(h)。まず対物40倍で胞子をみた(i)。次いで油浸100倍にして表面と胞子盤を確認した(j)。表面はごくわずかにざらついて見えるが、微細なイボでおおわれているとは言い難い。また胞子盤は不明瞭ではっきりしない。しかしミズゴケタケの胞子では表面の微細なイボは明瞭だ。
 カサ表皮の様子(k, l)はミズゴケタケモドキもミズゴケタケもよく似ていて、両者の判別には使えない。クランプの有無も同様で、どちらかといえばミズゴケタケモドキの方がクランプの存在頻度が低い。ミズゴケタケモドキでは菌糸のクランプがなかなか見つけにくい。
 観察結果を保育社図鑑に準拠してミズゴケタケモドキとして扱うことにした。
 
(a)
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(b)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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(g)
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(h)
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(i)
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(j)
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(k)
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(l)
(l)
 朝の散歩道にイチリンソウが出始めた。つい最近まではニリンソウばかりだった。ニリンソウに比べると花がずっと大きい。エノキタケもまた新しい株が出ていた。


2018年4月19日(木) 自宅近郊の沢巡り
 県立博物館のYさんと一緒に自宅近郊の小沢をいくつか巡った。虫草やきのこ探索に適した沢がないか、それが知りたかった。結果的に塩谷町の尚仁沢に勝る場所はなかった。
 最初に人丸神社で落ち合ってカンムリタケの観察(a)。大きく成長したものはなかったが発生数は増えていた(b, c)。これまでは気づかなかったが、ミズベノニセズキンタケに似た水生菌が多数でていた(d, e)。このきのこに出会ったのは日光に転居後は初めてだ。。
 ミズゴケタケモドキが出ていた(f〜h)。ホストのミズゴケはまだ観察していないが、これは近々ていねいに見てみようと思う。猪倉の弁天沼はすっかり干上がっているが、ここでも同じようなミズゴケが生息していた。しかしきのこはでていなかった。
 鶏鳴山への登山口近くの川は部分的に虫草や地下生菌の探索にも適しているようだが、この日はじっくり探したわけではないので、何も見つけられなかった。ただ、ヌルデタケの子実層面がとても美しかった(i, j)。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
(f)
(g)
(g)
(h)
(h)
(i)
(i)
(j)
(j)
 この日巡ったのは自宅から10〜20Km圏の沢ばかりだが、なかなか良い観察ポイントは見つけられないものだ。


2018年4月18日(水) 日光だいや川公園はツツジが花盛り
昨日は朝からどんよりと曇り、夕方からは雨になった。朝の内に近くの日光だいや川公園を散策した。サクラはほぼ花季を終え、今はいろいろな種類と色のツツジが盛りを迎えている。特にレンガ色と薄赤紫のツツジがとてもよく目立つ(a〜d)。サクラの樹下にもツツジの周りにもモミの樹下にも、キノコの姿は全くない。相変わらずチャムクエタケモドキ以外のきのこはない。
 公園の売店では日光杉並木街道で採集されたセッコク(石斛 Dendrobium moniliforme)が販売されている(e, f)。この和蘭は可憐な美しい花を咲かすせいか愛好者が多い。日光ではスギの老木にかなりの頻度でセッコクが着いている。そして強い風が吹いた翌朝などには足元に落ちている。そんな時に杉並木を散策するとセッコク探しの人々の姿がよく見られる。スギに着くのでセッコクならぬモッコク(木斛)と呼んで探し回る人もいる。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 今朝は待望の雨、恵みの雨だ。昨夕に降り始めて、夜から少し強くなった。


2018年4月17日(火) 思いがけない出会いがあった
 治療中の仮歯が破損したので朝9:00にかかりつけの歯科医院に行った。だいぶ待たされたが気持ちよく修理してくれた。帰宅した後に近くの神社までカンムリタケの成長の様子を見に出かけた。あまり大きくなっていなかったが、発生数は増えていた(a, b)。
 奇妙な縁があるもので、昔秩父の樹木医Nさんの竹林で出会った方にバッタリ出会った。しかも先方から連れ合いが苗字で呼ばれて声をかけられたことに驚いた。埼玉県の人でカンムリタケを撮影に来ていたとのこと。「きのこ雑記」の縁だという。

 午後自宅近くの明神長畑地区(c, d)と鶏鳴山東面(e, f)の林道に入ってみた。いずれも車で入れるのはわずかの距離しかなく、ゲートに遮られてしまう。その先を徒歩で進むと、路面が崩壊していたり、倒木に覆われて通行困難な道となり、そのまま放置されていた。
 

(a)
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(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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2018年4月16日(月) しんこう苑春祭り、そして県立博物館へ
 昨日自宅近くのしんこう苑で恒例の春まつりがあった。しんこう苑といえば、今年6月に三重グループ主催によるきのこ観察会で宿舎になっている宿だ。春まつりはam10:30〜pm2:00の開催でいくつもの飲食ブースも出店されていた。悪天で荒れるという天気予報が出ていたが、幸い雨もやみ多くの人がやって来ていて、駐車場は多くの車でごった返していた。しんこう苑の庭には多くの桜があり、例年なら花見の最盛期なのだが、今年は残念ながら大方の桜が花季を過ぎていた。地元の大沢中学校吹奏楽部の元気な演奏は素晴らしかった。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 栃木県立博物館では昨日、学芸員とっておき講座があった。この日の話題は山本航平さんによる「栃木県で見つけた珍しいきのこたち」だった。参加者には熱心な人たちが多く、山渓図鑑や最新の大作さん・吹春さんの図鑑などを持ってきている人が何人もいた。90分間居眠りもせずに熱心に話に耳を傾けていた小学生もいて、参加者は総勢30名を超えていた。博物館のある中央公園にはツチグリが群生していた。
 
(g)
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(h)
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(i)
(i)
(j)
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(k)
(k)
(l)
(l)
 県立博物館からの帰路、そのままいつもの銭湯かたくりの湯につかって帰宅した。


2018年4月15日() 図らずも山菜狩り:自宅近郊の低山
 自宅近郊の低山を散策してから日光市長選の期日前投票をすることにした。山の麓の寺の駐車場までは6Kmほどで10分とかからない。歩き出すとツバキの花が一面に散っていた(a, b)。しゃがんでみると至る所にツバキキンカクチャワンタケの姿があった(c)。中には径3cmを越えるものがいくつも見られた。子嚢盤表面に付着する小さな粒はスギ花粉だった。モミの樹下にも桜の周辺にもきのこの姿はなかった。山全体がすっかり乾燥しきっている様子だった。
 ツツジやシャクナゲで山が彩られ、カタクリはすっかり花季をおえ、わずかにシュンランがまだ花をつけていた(d)。よくみれば森のアスパラともいわれるシオデが採り頃、山菜の女王とも称されるコシアブラが食べごろを迎えていた(e)。春の山菜狩りハイキングになった(f)。
 散策を終えて日光市役所の仮庁舎まで行って期日前投票をすませた。駐車場は混みあっていて、投票所には意外と多くの人が列を作っていた。
 
(a)
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(b)
(b)
(c)
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(d)
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(e)
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(f)
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 今日は日光市長と市議会議員の投票日。昨日票を入れた候補が死票にならねばよいが。


2018年4月14日() Garmin製ハンディGPS、地図表示の問題解決
 山歩きの折には2000年頃からハンディGPSを使ってきた。現在のGarmin製のGPSmap 60CSx(英語版)を購入したのは2008年春。当時7〜8万円ほどした。GPSのおかげで何度か窮地から脱出できたが、ここ数年間は地図が古くて何度か危うい思いをすることになった。そこで最近は単に経度と緯度、高度の確認装置になり下がっていた。その程度ならスマホでもできる。
 そこで地図を最新のものに取り換えようと思ってOpenStreetMap for GARMIN等のフリーソフトの利用を試みた。日本語フォントや地図精度の問題などで、期待通りの表示がされなかった。そこであきらめて高価な専用地図を購入することにした(雑記2018.4.10)。
 2万円以上する地図(microSDに格納)を購入してGPSmap 60CSxに装着したところ、いつまでも「drawing」と表示されるばかりで、一向に地図が表示されない。何か設定が誤っているのではないかといろいろ悪戦苦闘した。何日もが経過し結局徒労に終わった。
 地図の販売元に連絡してメールでのやり取りを繰り返した結局「誠に申し訳ございません。弊社より動作確認を行った新しいmicroSDカードを本日発送致します。」ということになった。
 その地図は翌日朝には届いた。早速GPSに装着して表示させたところ、あっけなく詳細な地図が現れた。つまるところ「瑕疵ある商品」だった。最初に購入した商品のmicroSDHCは返信用封筒に入れて返却した。あ〜ぁ、くたびれた。でも良心的な販売元でよかった。

 ジオグラフィカなどスマホのアプリにもGPSやナビ機能があるが、これらのアプリで検索や道案内などをするとバッテリーがたちまち消耗する。おまけにマイナス15〜12度のような低温下ではバッテリーばかりかスマホやタブレットとしての他の機能も極端に低下する。一方GarminなどのハンディGPSは低温にも衝撃にも強く、バッテリーも20〜30時間は持つ。



2018年4月13日(金) 歌が浜から狸窪へ:中禅寺湖畔散策
 雪が消えてからは初めて奥日光に上がった。昼食のおにぎりを持ってam11:00過ぎにプリウスで出発。おにぎりを頬張りながらいろは坂を上り、歌が浜駐車場の少し先に車を停めた。半月峠への道はまだ開いていない(a)。最上部の駐車場は釣り師たちの車でいっぱいだった。
 歩き出すと次第に空は晴れだして、雪をかぶった日光白根山がはっきり見えた(b)。男体山の雪もほとんど見えなくなった(c)。湖畔の遊歩道を狸窪に向かった。まだ新緑には程遠く(d)、風も強かった。この遊歩道沿いにはブナが多く、足元の落葉の下ではブナノシロヒナノチャワンタケの幼菌が出番を待っているかのようだった(e)。
 湖ではあちこちで膝から腰まで水中につかって釣りをしている人の姿がとても多かった(f)。
 
(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 この日の主目的は硫黄泉だったので、湯元温泉までさらに車を進めておおるり山荘で入浴してから帰宅した。 日光湯元では除雪した雪が随所で汚れた壁を作っていた。


2018年4月12日(木) 鬼怒川遊歩道でもカンムリタケが出てきた
 今年に入って初めて鬼怒川遊歩道を歩いた。龍王峡の遊歩道は過去に数十回ほど歩いているが、いつもハイキングコースの途中から歩き始めていたらしく、鳥居と案内標識があることは全く知らなかった(a)。いつも通り長い階段を下って(b)、滝が斜め正面に見えるところから(c)、川原に降りてみた(d)。いつも通る虹見橋が上の方に見えた(e)。
 再び遊歩道に戻って虹見橋を渡る(f)。つつじが美しい。途中の池にはサンショウウオの卵が沢山見られた(g)。むささび橋からの渓谷はいつ見ても素晴らしい(h)。久しぶりにむささび茶屋の主としばし歓談した。ミズバショウ池を過ぎると、小さなよどんだ水流がある(i)。ここには例年カンムリタケが出る。今年もすでに発生していた(j〜l)。最盛期は7〜10日ほど先だろうか。
 
(a)
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(c)
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(g)
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2018年4月11日(水) 日光でもカンムリタケが出てきた
 自宅近くの人丸神社の湧水湿地(a)に今年もカンムリタケが顔を出し始めた。先月23日にはまだ全く発生の兆候は見られなかった(雑記2018.3.24)。去年より2週間ほど早い(同2017.4.29)。昨日は長靴と三脚そして肝心のカメラを持っていなかったので、遠くからコンデジで撮影した(b, c)。周囲にはニリンソウの大きな群落がいくつもあり折しも多くの花をつけているが(d, e)、隣接する裸地や草の下にもアネモネタマチャワンタケの姿は見つけられなかった。
 人丸神社を離れたあと、城山登山口周辺のスギ林の中の流れの淀みをいくつかみたが見つからなかった。まだ発生していないのか、あるいは発生しないのか、今はまだわからない。
 
(a)
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(b)
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(c)
(c)
(d)
(d)
(e)
(e)
(f)
(f)
 日光ではようやく新緑が顔を出し始めたばかりだが、宇都宮の文化の森を歩いてみると、あたりはすっかり新緑に包まれて、足元には緑の草が広がっていた(f)。


[節目]

2017年1月きのこ雑記 を廃して、日々の雑記 として再出発
 「きのこ雑記」は「こけ雑記」と並ぶサブ・サイトとした
2017年1月こけ雑記 再開
2015年6月26日福島県いわき市から栃木県日光市 へ転居
2012年1月26日埼玉県川口市から 福島県いわき市へ転居
2006年7月こけ雑記 開始 (2011年8月 中断)
2001年4月今日の雑記 開始
2000年11月きのこ雑記 開始

[過去の雑記]

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