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2018年3月10日() 自宅庭でもようやくフクジュソウ
 相変わらず朝は強い雨が降っていて、散歩はできなかった。そこで先月真岡市の井頭公園で採取したコケを観察してみた。広葉樹の樹幹に着生していたタイ類で、Porellaceae (クラマゴケモドキ科)だとまではわかるのだが、種名に至る決定的な根拠を見いだせなかった。
 こけ雑記の観察覚書に今月8日アップしたチヂミカヤゴケにとてもよく似ているが、多くの葉の縁はあまり波打っていない。葉身細胞のサイズ、トリゴンの様子、油体などは全く同じようだ。しかし、葉の腹片や腹葉の様子が何となくチヂミカヤゴケのそれと違うようにみえる。オオクラマゴケモドキの可能性もあるのだが、過去にオオクラマゴケモドキと同定した標本と比べてみると何となく違う(標本No.0127No.0026No.0025)。とりあえず標本No.1220:Porellaceae sp. (クラマゴケモドキ科)として標本箱に収めることにした。
 ふと庭の片隅をよく見れば、フクジュソウが顔を出していた。まだとても小さい(k, l)。
 
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(c)
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(a) 発生環境、(b) ルーペで見た、(c) 実体鏡で確認、(d) 枝ぶり、(e) 背面:倒瓦状、(f) 腹面:腹片と腹葉がある、(g) 腹面拡大、(h) 葉身細胞:顕著なトリゴン、(i, j) 油体



2018年3月9日(金) 久しぶりに朝から雨
 昨日は朝から雨。といっても霧雨のような細かな水滴が時折強くなったり弱くなったりする程度で、ちょっと外に出たくらいではほとんど濡れない。でも、50分ほど外を歩けばかなりしっかり濡れそうだ。そのうちに雨は次第に強くなってきた。そこで朝の散歩はあきらめた。
 コケの春ともいえる季節となり、新鮮な朔が出てきている。雨で外に出られないのでコケ標本を格納する標本袋の残数をチェックして、不足分を印刷して折りこんだ(d)。
 今年は寒波が強かったせいかきのこはまだほとんど見られない。しかし遠からず子嚢菌類が出てくるだろう。そこで、採集袋や容器の過不足をチェックしたり(a, b)、さらに標本格納のためのチャック付きポリ袋をチェックした(c)。あわせて、コケやきのこの検鏡に必須の剃刀類(e)と試薬作製のための薬品類の過不足をチェックした(f)。
 
(a)
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(c)
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(e)
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(f)
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 「こけ雑記」の「観察覚書」にタイ類のチヂミカヤゴケを追加した。


2018年3月8日(木) キチャワンタケがでてきた
 近くのシイタケほだ場ではダイダイタケとのバトルに打ち勝ったシイタケがあちこちで大きなきのこを作っている。先月後半にはまだ全く姿を現していなかったキチャワンタケがようやく顔を見せてくれた(雑記2018.2.20)。まだとても小さく発生数も少ない(a, b)。
 昨年はほだ場全体が広範囲にイノシシに掘り返されて全く発生しなかった。3月になってから近くの別の杉林でわずかに見ている(同2017.3.10)。この冬は数十年ぶりの寒い冬だったとかで、一昨年と比べるとキチャワンタケの発生はかなり遅い(同2016.2.18)。
 センボンクヌギタケは新鮮な群れがあちこちで発生していた(c〜e)。その近くではチャダイゴケの仲間が散発的にポツリポツリと出ていた。ほだ場の周辺部ではまた新たにイノシシによる掘り返しが始まっていた。
 
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2018年3月7日(水) 不愉快なスマホ操作
 田舎に暮らしていると電車に乗る機会はめったにない。たまに首都圏に出て電車に乗ると、しばしば乗客の大半がスマホ操作をしている光景に出会うようになった。ちらっと覗き見ると、大半はLINEやTwitter、FacebookやInstagram、あるいはゲームをしていた。本や新聞を見たり眠っている姿は昔からお馴染みだが、最近はそういう姿はまれで、半数以上がスマホを操作している光景が日常茶飯事になってきた。そういう時代になったのかもしれない。
 暇な時間や空き時間に何をしようと勝手だが、人との打ち合わせ中や対話中でも平気で突然スマホの操作を始める無神経な人が増えた。話を中断された相手がどう感じるかなど考えもおよばないのだろう。気の毒な人だと感じるばかりだ。
 少し前までは対話中に電話のベルやケータイの音がすれば、相手に断って承諾を得てから電話に出るのが常識だった。相手との商談中にかかってきた電話に対して、相手の承諾も得ずに電話に出たために破談になった事例は身近に何度も見てきた。
 対話中に突然のスマホ操作で話の腰を折られるのは不愉快だ。しかもその突然のスマホ操作の内容といえば、SNSの返信や場当たり的な調べごとが大半だ。相手のことよりもリツイートしたり「いいね」を返すことの方が重要なのだろう。義理と上っ面の付き合いの方が大切らしい。古いといわれればその通りかもしれないが、これには正直腹が立つ。


2018年3月6日(火) いったいこの「距離優先」は何だ?
 先日三重県のいなべ市まで車で往復したが、プリウスに装着のカーナビにはほとほと参った。メーカーオプションであれディーラーオプションであれ純正品のカーナビは、どこの会社のものでもほぼ共通して出来が悪いと以前から感じていたが、あらためてうんざりした。
 純正品のカーナビは操作性が悪く情報も古い。唯一のメリットといえばバックモニターが付いていることくらいだ。サードバーティのものだと走行中でも目的地やルートの変更ができるが、純正品では走行中には操作できない。ディーラーに依頼してパッチをあててもらえば走行中の操作が可能になるというが、面倒だし金もかかるのでそんなことはやってられない。
 サードパーティの製品に交換するにはかなりの出費を覚悟しなくてはならない。あきらめて純正品に頼ってきた。ふだんは「一般道路優先」を選び、遠出の際等に「有料道路優先」などを選ぶのだが、先日は「距離優先」に設定してみた。するとバカげた指示が何回もあった。
・ 立派なバイパスがすぐ近くにあるのに信号だらけの狭い旧道に導く
・ まっすぐな道があるのに何度も曲がる狭い生活道路に導く
・ 田んぼのあぜ道を走らせてみたりすれ違い不能の狭い道に導く
・ 舗装された道がすぐ近くにあるのに水たまりの残る未舗装路に導く
・ 高速道路に乗ったと思うとすぐに並行する一般道に降りるよう導く
・ 距離優先にもかかわらず四角形の三辺を走るような道に導く
・ 冬季通行止めの道に導きその道を進んでいると突然戻るよう導く
 おかしな道に入っては助手席で冊子の道路地図を見て修正しながら走るはめになった。


2018年3月5日(月) 昨日夕方三重県から帰宅
 さる2日(金)の朝7:00にプリウスで出発した(a)。カーナビを「距離優先」にして例幣使街道を南下した。都賀インターから高速道路に乗り、東北道、上信越道を経由し、一般道で新和田峠を越えて塩尻から再び中央道にのり恵那で国道19号を南下した。道路がやたらに広い名古屋市の中心部を通過し桑名から三重県いなべ市に向かった。途中浅間山をはじめ(b, c)、南アルプスの山々(d, e)、中央アルプスの山(f)が雪をかぶった姿がとても印象的だった。
 目的地に着いたのは午後6:00頃になった。夜は恒例の宴会(g, h)。翌日は三重菌輪の会の総会があり、スライド上映のあと(i)、全員で恒例のたこ焼きを主体とした昼食を楽しんだ(j)。新作のコウバイタケもどき(k)やらクロトリュフもどき(l)も登場して好評をはくした。この日はもう一晩いなべ市で宿泊し翌朝帰宅の途に就いて、昨日夕方6:00頃に帰宅した。往復1,000Kmほどの車の旅だった。土日(3、4日)ともに5月のような温かい陽気だった。
 
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(c)
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2018年3月2日(金) 改めて読んで面白かった池田『分類という思想』
 20年ぶりに池田清彦『分類という思想』(1992, 新潮新書)を読み直してみた(a)。この本が出版されたのは26年前で、「構造主義」の観点から分岐分類学を徹底的に批判したものだ。池田らの構造主義分類学は現代の主要な生物分類学とはかなり異質なものだが、生物分類学の枠を超えて科学哲学の書として読むと非常に面白いことを再確認した。
 この本で主張されていることは、最終章にいみじくも記されているように「分類はいずれにせよ、人間が行う営為のひとつである。ということだ。すなわち、すべての分類は人為分類である。従って、すべての分類は本来的に恣意的なものである」ということにつきる。
 専門家相手ではなく一般向けの内容で、しばしばとんでもない脱線やらかなり強引な論理展開もあり首を傾げたくもなるが、「分類行為とは何か」について考えさせられる。論理展開には疑問も多いが「すべての分類は本来的に恣意的なものである」という結論には同感だ。

 池田が批判している(b)「種生物学研究13」掲載の三中信宏の論文(c)は分岐分類学の全体像を手っ取り早く把握できて一読の価値がある。この論文は池田の上期書より2年ほど前に書かれたものだが、8ページの本文に対して詳細な注釈が16ページにも及ぶ(d, e)。この注釈が面白い。Willi Hennigに始まる分岐分類学を積極的に評価しながら、問題点をも含めて学派の進展を門外漢にもわかりやすく述べていて、これまたとても興味深い。
 三中の一般向け新書として2008年と2009年に講談社現代新書として刊行された『系統樹思考の世界』と『分類思考の世界』は生物学に限らず、系統樹と分類という古くて新しい問題を広く渉猟したもので、これまたとても面白い(f)。新たな視野が広がることは確実だ。

 一昨日と昨日にかけて、これらの書と池田『進化論の最前線』(2017、集英社)や「種生物学研究No.13」の三中論文などを一気に読み通した。すくなくとも、分類とか分類学を考える上で、専門家だけではなくアマチュアにとってもこれらの文献は必読文献の一つだと思う。
 

(a)
(a)
(b)
(b)
(c)
(c)
(d)
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(e)
(e)
(f)
(f)
 これから三重県に向けてプリウスで出発。上信越道−国道142号-中央道−東名阪道で行くことにした。今晩と明日の晩は三重県泊まり。帰宅は日曜日(3/4)の夜になる予定だ。


2018年3月1日(木) 残念な公園と久しぶりの豚骨醤油ラーメン
 じきにきのこシーズンが始まるが、よく使うタイプの紙袋2種類が品薄になっている。しかし高々2品だけ計1,000枚程度を通信販売で購入すると送料がバカにならない。そこで卸主体の専門店シモジマに直接出向いて購入することにした(雑記2008.12.11同2014.8.23)。
 シモジマの宇都宮支店は県庁から南へ1.7Kmほどの場所にある。ちょうど県立図書館に行く用事があったので、県庁地下の駐車場に車を駐めた。この駐車場は2時間まで無料なので、シモジマまで徒歩で往復すればちょうどよい朝の散歩も兼ねられる。
 店で購入した紙袋を手にぶらぶらと駐車場に戻る途中で、かねてから気になっていた宇都宮城址公園に寄ってみた(a〜c)。その場所がはたして自然観察に適しているか否かは、地図やネット上の情報だけからではなかなかわからない。結果として城址公園は残念ながら自然観察には全く不敵な公園だということが分かった。
 ラーメン本舗「紅一点」は麺屋「みそいち」(同2017.1.10)と同じ天華グループの店で、杉並木街道で知られる国道119号線にあって、店の前を通過するたびにかねがね気になっていた。昨日は久しぶりに味噌ラーメン以外を食べてみようと期間限定「豚骨醤油ラーメン」を注文した。外食で味噌ラーメン以外を食べたのは数十年ぶりのことだったが、これも美味かった。
 
(a)
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(c)
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(e)
(e)
(f)
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 今朝は雨。今年に入って初めての雨だ。朝4:00の外気温が3度もある。今年になって初めて朝の気温が零度以上になった。室温も7度もあった。


[節目]

2017年1月きのこ雑記 を廃して、日々の雑記 として再出発
 「きのこ雑記」は「こけ雑記」と並ぶサブ・サイトとした
2017年1月こけ雑記 再開
2015年6月26日福島県いわき市から栃木県日光市 へ転居
2012年1月26日埼玉県川口市から 福島県いわき市へ転居
2006年7月こけ雑記 開始 (2011年8月 中断)
2001年4月今日の雑記 開始
2000年11月きのこ雑記 開始

[過去の雑記]

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2018
2017
2016
2015
2014 中下
2013
2012 上中
2011 中下 中下
2010
2009 中下 中下
2008
2007 上中
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2001