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☆! | 求む! ツブエノシメジ | !☆ |
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先日キリノミタケ(a)の子実体の画像と、検鏡写真から一部を掲載した(雑記2008.10.27)。顕微鏡写真などを少し追加しておくことにした。細かな解説はせずに、画像と部位のみ記すことにした。(b)は裂片の横断面をルーペでみたところ。(c)は同じく顕微鏡の低倍率でみたもの。(c)は子実層に並ぶ子嚢。胞子は8つ入っている。子嚢先端は非アミロイド(e)。托外皮の剛毛は表面を微細な乳頭でおおわれている(f)。側糸先端は針状だが、先端細胞の直下から数珠状に繋がる部分が特徴的だ。はじめフロキシンでそめてみたが(g)、コンゴーレッドの方が綺麗に染まるようだ(h)。コットンブルーで染めると、内容物が明瞭に染まる(i)。 |
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キリノミタケの発生する材は表面が非常に固くなる。材の断面をみると、内部はさほど固くなく、表面だけが暗青色となっている。材の表面には、たいてい粉状のアナモルフがついている(j)。アナモルフを顕微鏡で覗くと興味深い(k)。分生子は楕円形で表面には疣が多数ある(l)。 | |||||||||||||
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福島県の海辺と山に菌類調査に行ってきた。海辺では多数のスナヤマチャワンタケ(a)やアカダマノオオタイマツ(b, c)が出ていた。スナヤマチャワンタケはこれからが最盛期となるようだ。浜に出たのが昼近くだったため、多くの腹菌類はしぼんだり倒れていた。 |
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山のきのこは既にほとんど終わったようだ。かろうじて姿をみることができたのは、クリタケ、ニガクリタケ、トリュフの仲間(d)、チャナメツムタケ(e)、コウボウフデ(f)、ヒラタケなど数えるほどしかなかった。どれひとつ標本としては持ち帰らなかった。 Windowsの不調で10月26日にメールをすべて失ってしまった。この間には重要な連絡や、海外の研究者とのやり取りも含まれていたが、もはやどうにもならない。20日時点のバックアップをもとに、それ以前のメールはとりあえず復活させることができた。最近はWindowsの不調が続いていて、いつ重要なデータを失うことになるのか、はなはだ心許ない。それもあって、このところ夜になるとしばしば外付けハードディスクにバックアップをとるようになった。 |
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今日と明日の2日間、菌類調査のため福島県に出かけるので、明日の雑記はお休み。 |
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先にジャガイモタケの断面にエタノールを滴下すると、淡赤黄色から暗青色に変色することを示した(雑記2008.9.17)。滴下から5分も経過すれば、すっかり暗青色に変わることは分かった。出発前に多少の時間があったので、どのように変色していくのかを眺めてみた。エタノールは、薬局で購入した消毒用アルコール(70%)を使い、断面と表皮の両方に滴下してみた。見ていて色の変化を感じたらシャッターを切ったものだ。 |
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そろそろam3:00になるので、遊びは切り上げて出発だ。乳酸を使い胞子の刺が伸長する姿を楽しみはじめたところ、作業途中で時間になってしまった。(6)(7)は水で封入、(8)(9)は乳酸で封入したもの。(10)(11)は担子器。これらの詳細は昨年の雑記に詳しい(雑記2006.7.5)。 | |||||||
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奈良県の菌類調査に参加してきた。谷の急斜面でキリノミタケをみることができた(a〜f)。フィールドでキリノミタケをみたのは初めてのことだった。きのこの姿は以外と大きい。開く直前の姿は高さ6〜10cmほどあり、裂開し各片が展開した状態では径6〜8cmほどあった。 |
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裂開した片の断面は、肉眼で見ても子実層、子実層托、托外皮が明瞭にわかり(g)、ルーペでも肌色で長い子嚢を持った子実層がよくわかる(h)。黒褐色をした托外皮は、まるでモモやビワなど果物の皮のように、簡単に剥くことができる(i)。バナナ形の胞子は大きく(j, k)、いくつも繋がったソーセージの先に爪楊枝をつけたような側糸も興味深かった(l)。 標本から1cm四方を切り出して噛んでみた。臭いはほとんどない。サクっとした歯触りだ。生のキノコ片をそのまましっかり噛んで飲み込んだ。味は感じない。翌朝、別に胃にも違和感もなく、便も正常だ。とりあえずは毒茸ではなさそうだ。 |
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今日の早朝から3日間、奈良県川上村に出かけるので、明日と明後日の雑記はお休み。
久しぶりに「きのこ雑記」へのアクセス解析結果を覗いてみた。たかだかひとつのサイトへの一日だけのアクセス解析だが、世間のネット環境などをうかがい知ることができる。 ADSLが主流だった時代とは様変わりし、いつのまにか光回線が40%近くに達していた(a)。集合住宅など途中まで「光」を使用するVDSLも含めると、「光」回線は70%以上となるようだ。 |
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ブラウザも Netscape がすっかり凋落して、InternetExplorer (MSIE)の一人勝ちとなってしまった。しかし、Firefox や Safari も結構頑張っている(b)。OS は圧倒的に WindowsXP が主流でVistaはまだまだ主流にはなれそうもない。Macintoshは以前よりかなり減っている(c)。画面の解像度も800x600ピクセルはごくわずかとなり、大部分は高解像度となってきた(d)。色数も圧倒的に32bitが中心となっている(e)。 ついでに、訪問者の傾向をみると、初訪問者が1/4を占めている(f)。これは10月14日というきのこシーズンたけなわの一日を解析したことによるのだろう。冬場〜春までの訪問者をみると、初訪問者は数パーセントに過ぎない。過半数がリピータということだろうか。 ここ数ヶ月続く腰痛はかなり致命的なようだ。腰に軽く触れるだけで激しい痛みを感じるし、前屈をすると凄まじい痛みのため、指先が床にまったく届かない状態となってしまった。歩行にもかなりの支障をきたすところをみると、先は長くないのかもしれない。 |
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先週土曜日に富士山で、チャナメツムタケ、キヌメリガサは多数採集できた。持ち帰ったきのこの大部分は食用に回してしまったが、それぞれ一個体ずつ別に分けて、冷蔵庫に保管してあった。今朝袋を開いてみると、まだ何とか検鏡に耐え得そうなので、覗いて楽しんだ。 とりあえずチャナメツムタケ(a)をみた。ヒダの付き方は垂生気味の直生(b)、カサ表皮は白いカサ肉の上に、ヌメリの強い薄膜を被せた状態で、簡単に剥がれる(c)。時間経過でヒダはかなり老朽化していたが、何とか断面を切り出した(e)。ウジ虫片も一緒に剃刀についてきた。 縁シスチジアと側シスチジアがあり両者ともほぼ同じかたちのフラスコ形をしており、ヒダ実質は並列型(f)。側シスチジアには2種類あり、白色透明のタイプ(g)はフロキシンで染まり(h)、KOHで黄金色に見えるタイプ(i)はフロキシンでも染まらない(j)。先端付近をリング状に取り囲むように老廃物のようなものがあるが、KOH中ではやがて溶けてしまう。 |
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薄く剥がれるカサ表皮は色素顆粒を帯びた細長い菌糸からなるようだ(k)。担子器も覗いてみた(l)。なお、チャナメツムタケを検鏡したのは、ほぼ3年ぶりのことだ(雑記2005.11.10)。ずっと疑問を抱きつつ、3年前から今日まで、Pholiota lubrica (チャナメツムタケ?) の原記載には全くあたっていない。ここでもとりあえず本標本をチャナメツムタケとしておこう。 | |||||||||||||
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昨夕、車の給油を目的に外出したので、ついでにさいたま市見沼区の公園を覗いてみた。ウッドチップが新たに広い範囲に分厚くまかれ、きのこの姿はほとんどなかった。唯一出会ったのは、ごくわずかの干からびたツバナシフミヅキタケだけだった。 かつては、ウッドチップの散布は年に数回だったが、昨年あたりから月に数回ほど散布するようになって、すっかり様変わりしてしまった。もはやウッドチップ生きのこの観察すら困難な状況となってしまった。今後はあまり出向くこともなくなりそうだ。
早朝、富士山で採取したクヌギタケ属のきのこを観察した(a, b)。フィールドではクヌギタケだろうと思った。ヒダは直生ないし上生(c)。ヒダの間には脈絡枝のようなものがある(d)。帰宅して数時間胞子紋をとり、検鏡した。胞子の形やサイズはクヌギタケとしてよさそうだ(e, f)。
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クヌギタケなら独特の形状をした縁シスチジアがあるはずだ。乾燥に回す前に念のために確認しようと思い、ヒダ切片を切りだした(g)。ヒダ実質は並列型。しかし、縁シスチジアが全くみあたらない(h)。ヒダを一枚スライドグラスに載せて縁をみたが、やはりシスチジアはない。 ヒダの縁を含んだ形で小片をKOHでバラしてフロキシンで染めてみた。やはりシスチジアは全くない。担子器を確認するだけでやめにした(i)。カサ表皮をみると、これまたクヌギタケのカサ表皮とはかなり違う。となると、これはクヌギタケ属ではあってもクヌギタケではないことになる。 国内で見られるクヌギタケ属 Mycena は、まだまだ未解明なので、新産種や新種がゴロゴロしている。これ以上の探索をすると、文献地獄に陥ることになるので、ここでやめにした。 |
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白い小さなアセタケ類が多数でていた(a, b)。同じ属と思える群から8個体ほど持ち帰った。食事を摂りながら、8つのすべてについて、ヒダをスライドグラスにこすりつけて簡易顕微鏡で胞子を確認した。7つは平滑で楕円形の胞子だった(c)。1つだけコブだらけの胞子をもっていた。他の7つと肉眼的には全く区別できなかった。とりあえず、平滑胞子のタイプのみ撮影した(c〜f)。
保育社図鑑ではアセタケ属を、まず胞子が平滑か否かで二つの亜属に分けている。平滑胞子ならクロトマヤタケ亜属(アセタケ亜属)となる。次に厚膜シスチジアの有無でいくつかの節に分けている。この白色きのこのシスチジアは厚膜であるから(e)、クロトマヤタケ節となる。 |
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1つだけ混じっていた白色のアセタケは、胞子がこぶ状だからクロニセトマヤタケ亜属(ニセトマヤタケ亜属)となる。クロニセトマヤタケ節に掲げられた白色のきのこには、シロニセトマヤタケ I. umbratica だけが掲げられている。 種の解説を読むと、観察結果とほぼ一致する。撮影はしなかったので、ここでは、2004年10月に撮影したデータを掲載した(i〜l)。生態写真は2007年10月に撮影したものだ(g, h)。 保育社図鑑のシロニセトマヤタケについての解説には「(カサの)中央部は突出する」「(柄の)根本は丸くふくらみ」とある。一方シロトマヤタケの解説には「(カサの)中央部はつねに山形にもりあがる」「(柄の)根本はわずかにふくらみ」と書かれている。さらにこの両者について、「(シロニセトマヤタケは)シロトマヤタケに似て全体が白色であるが、やや大形」とある。 ここで取り上げた白色のアセタケ属は共に、富士山山梨県側の三合目付近のモミ林に出ていたもので、外見的にはほとんど区別できなかった。たまたま8個体全ての胞子をみたから、両者が混じっていることに気づいたが、一個体だけの胞子しか見なかったとしたら、残りの7個体もすべて同一種と判定していたことだろう。 |
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