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「お知らせ」でも、[指名手配2] として記してきたが、筑波大学の糟谷大河氏が、生の新鮮なツブエノシメジ Melanoleuca verrucipes を求めている。氏によれば、
ツブエノシメジは、ウッドチップが敷かれた市街地の公園などによく発生する。特に梅雨の頃から秋までの時期に、発生のピークを迎える。昨年一年間、予期したようにはツブエノシメジを入手できず、このため、研究自体が頓挫した状態を余儀なくされているようだ。 キノコとヒメミミズなど土壌動物との生態的関係に一条の光が見えてくれば、それを契機に、興味深い新事実が浮かび上がってくることだろう。 ツブエノシメジ情報の提供に是非とも協力していきたいと思う。 |
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5日に福島県いわき市で友人らがアラゲカワキタケを採取した。生態写真は友人のMさんが撮影したもので、ヒダと柄がやや暗いのが残念だ(a)。カサ表面には粗毛が密生している(b)。ヒダ表面を実体鏡でみると、シスチジアがあるらしい様子がよく分かる(c)。 久しぶりにアラゲカワキタケを検鏡した。胞子紋は白、胞子は4〜6×2.5〜3.5μm、楕円形で薄膜、非アミロイド(d)、フロキシンで染めると眼が疲れにくい。 |
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ヒダ切片を低倍率でみると、縁シスチジアと側シスチジアがあることがわかる(e)。倍率を上げると、ともに厚壁で棍棒形をしている(f, g)。ヒダ実質は錯綜型。シスチジアには大きなものと小さなものがある(h)。担子器の基部にはクランプがある(i)。 カサ表皮の組織は平行気味に匍匐し、ところどころから毛が立ち上がる(j)。カサ表皮に密生する毛は、すべてクランプをもった原菌糸(l)。ひだ実質にも、柄の内部組織にも、いたるところにクランプが見られる。原菌糸と骨格菌糸からなるdimitic(二菌糸型)だ(k)。 菌糸型を確認するため、フロキシンで染めて、KOHでほぐしてみた。いわゆる消しゴム・フロキシン法だ(雑記2003.9.18、雑記2003.9.19、雑記2003.9.20)。低倍率でみて、原菌糸と骨格菌糸(or 結合菌糸)などから成り立っているのがわかる。 |
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先日福島県いわき市でカンムリタケと一緒に採取した水生盤菌を確認してみた。一見したところミズベノニセズキンタケのような姿をしている。保育社の図鑑によれば、ミズベノニセズキンタケの子嚢頂孔は非アミロイド(ヨード反応陰性)とされる。 |
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子嚢胞子のアミロイド反応をみた。メルツァー液で封入してみたところ、子嚢頂孔に色の変化はほとんどみられなかった(b, c)。これで観察を終えるとミズベノニセズキンタケだろうと考えて、托髄層や托外皮などの観察をろくにせずに結論をだしてしまいそうだ。 何となく気になったので、あらかじめKOHで前処理し、水洗したのち、メルツァー液を加えた。すると低倍率でも、何となく子嚢頂孔が青みがかって見えた(d)。そこで、倍率を上げてよく確認してみると、やはり頂孔の部分が青くなっている(e, f)。したがって、これはミズベノニセズキンタケではなく、Hymenoscyphus ニセビョウタケ属の菌らしい(雑記2006.5.15、同2003.5.7[追記])。 久しぶりに歯医者に行った。一昨日、突然激しい痛みに襲われた。数年前に治療して被せものをしてある右下奥の歯が激しく痛む。数年前に下側の歯をほとんど失って、入れ歯を使っているが、その入れ歯の支点となっているのが、激しい痛みの原因である右下の奥歯だ。これを失うと入れ歯の支点がなくなる。この忙しい時期に何とも嘆かわしい! |
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先日栃木県で採取したエツキクロコップタケを顕微鏡で覗いて楽しんだ。保育社図鑑によれば、チャワンタケ目 Pezizales のなかでも、ベニチャワンタケ亜目 Sarcoscyphineae の仲間は、厚くて革質〜コルク質の子嚢盤をもち、強靱で子嚢は非アミロイドとされる。
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胞子は単調な楕円形で、表面は平滑なので面白みに欠けるが、大きいので対物40倍で十分観察でき(a)、わざわざ油浸100倍レンズを使う必要はない(b)。胞子の大きさには大きなバラツキがある。子実層を切り出して(c, g)、子嚢と側糸の並び(d)、子実下層や托外皮層を眺めた(h〜j)。メルツァー液で封入しても、何となく茶褐色になるだけでアミロイド反応は陰性だ(e, f)。 多角形の鱗片のようにみえる托外皮層面をルーペで拡大してみた(k)。この表面の菌糸は、太くて表面に顆粒をつけたものと、細い菌糸からなる(l)。子実体基部から基質に広がって延びる黒い菌糸は、まっすぐ延び、表面に顆粒はみられない。 |
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仲間6名で、栃木、茨城、福島の三県を回って楽しんできた。折りしも今は子嚢菌の季節。担子菌のことはあまり考慮せず、もっぱら子嚢菌主体に観察してきた。 |
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落ち葉に埋もれた落枝の樹皮からエツキクロコップタケが多数発生していた(a)。見ている前で次々と間歇的に胞子を高く散布した。昨年とほぼ同じ時期に同じ標高の場所で観察したにもかかわらず、オオズキンカブリタケは、干からびた個体が多く、新鮮な個体が少なかった(b)。テンガイカブリタケはまだ発生し始めたばかりらしく、個体数がとても少なかった(c)。 例年になく三月が暖かかったために、カンムリタケはもう見られないかもしれないと危惧していたが、予期に反して、多数の個体が群生していた(d, e)。暗い樹林の中での撮影はなかなかうまくいかない。同じ水流の落枝からは、外見はミズベノニセズキンタケなどによく似た白色〜白褐色の子嚢菌がいくつも出ていた(f)。 いわき市では、Sさん親子にすっかりお世話になったしまった。おかげで、5月5日はとても楽しい一日を過ごすことができた。帰路は常磐自動車道を順調に走ることができ、思いの外はやく帰宅することができた。Sさんありがとうございました。 |
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首都圏では、ウメ樹下に出るハルシメジがそろそろ終わりを告げている。先日、さいたま市の北、上尾市との境界近くの梅林で、今年の見納めと思い、じっくりながめて撮影した。全体にかなり大きくなり、カサ表面は広範囲にひび割れしていた(a〜d)。 昨日深夜〜今日早朝に、冷蔵庫から引っ張り出して、捨てる前に検鏡した。ヒダ実質には細い菌糸が並列にならんでいる(e)。カサ表皮の組織は明瞭には捉えられなかった(f)。 |
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カバーグラスを6枚敷いて、30分ほどカサを伏せ胞子を採取した。ドライ[封入液なし](g)、消毒用アルコール(h)、水道水(i)、3%KOH(j)で封入した。他にも濃硫酸、硝酸、フェノールなど劇薬でも封入して眺めてみたが、さしたる相違もないので、写真の掲載はやめた。 ヒダの柄に対する付き方は、若い頃は上生、成熟すると湾生とされる。縦切りにしてみたが、うまくヒダを表面に曝すことができなかった。たしかに上生ではあるが、成熟した個体の湾生部分をはっきりと捉えられなかった(k)。なお、多くの担子器には、基部にクランプがなかった(l)。 今日から5日まで、仲間6人で、栃木県から福島県にかけて遊んでくる。主たる目的は、今後一年間に使うピスの採取である。大渋滞の予測される高速道路は避けて、一般道を選んで走る。運がよければ、昨年のように、オオズキンカブリタケ、テンガイカブリタケ、カンムリタケなどにまた出会えるかもしれない(雑記2007.5.7)。am3:00、雨だがそろそろ出発だ。 |
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このところ、マウスがひどく不調となってきた。PS/2タイプのものをメインに使っているのだが、作業中突然「ピピッ!」と音がしたかと思うと、全く反応がなくなって、一時的フリーズ状態となる。1〜3秒後に再び同じような音がして、また動くようになる。 古いパソコンの多くは廃棄してきたが、一部のものは非常用の予備パソコンとして使っている。メインのパソコンと古いパソコンとの間にはPC切替器を挟み込んでいる。このPC切替器は、一組のディスプレイとマウスを、複数のPCで切り換えて使うものだ。 現在のマウスインターフェースの標準はUSBだが、古いパソコンではUSBマウスが使えない。そこで、新しいパソコンでもPS/2マウスを使っている。つまり、今使っているPC切替器は旧式アナログディスプレイと旧式PS/2マウスを利用するタイプである。 マウスフリーズ状態は、以前には一日に数回程度だった。しかし、3月頃からは激しくなり、30分間に5〜6回は発生するようになった。フリーズタイムも5〜8秒ほどに延びた。しかたないので、新しい方のパソコンには別途USBマウスをつないだ。USBマウスではこの症状は全くでない。 PS/2マウスとUSBマウスを同時に使い、反対方向に動かすと、互いに拮抗してふらつきながら同一地点付近を彷徨する。そのうち、PS/2マウスがフリーズしてUSBマウスの一人勝ちとなる。しかし、両者を一緒に同一方向に動かしても、速度や正確性が倍になるわけでもない。 |
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さいたま市の公園脇の畑に、一面ゼニゴケに覆われた地表から小さなキノコがでていた(a, b)。カサ径5〜8mm、明るい褐色で、表面は繊維状、中心部はくぼみ、湿時は縁にわずかに条線がみられる。ヒダは疎で90度に6〜8枚ほど、わずかに子ヒダもあり、柄に垂生する(c)。柄は細い棒状で基部がやや太く、長さ10〜20mm、表面は平滑で、中実。コツボゴケなどの蘚類からはしばしばヒナノヒガサがでるが、ゼニゴケはタイ類だ。久しぶりに、少し観察してみた。 |
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柄を切り取って、ヒダを実体鏡でじっくりながめてみると、先端はかなり厚ぼったい(g)。これをひっくり返して胞子紋をとった。胞子紋は白色、胞子は非アミロイドで、卵形〜楕円形、7.5〜10×4.5〜6.5μm。水で封入すると見にくいので(h)、フロキシンを加えて染色してみた(i)。 キノコ本体が小さいので、ヒダ切片の切り出しには実体鏡下で慎重にカミソリをあてた。押さえる力がちょっとでも強すぎると、全体がすぐに潰れてしまう。切り出したヒダには縁シスチジアも側シスチジアもみられなかった(j)。ヒダの縁を高倍率で見て、縁シスチジアがないことを再確認してから(l)、フロキシンを加えてみた(k)。濾紙で余分な液を吸い取ると、カバーグラスの重みで、試料が少し潰れてしまった。ひだ実質は並列型のように見える。 |
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カサ表皮の状態を見るために、ヒダを取り去ってから、カサ肉と一緒に切り出してみた(m)。カサ表皮は菌糸が平行に走っている(n)。カサ肉部も同様で、どの部分もクランプは見られない。 ヒダを一枚取り外して、3%KOHで封入し、カバーグラスをかけ、その上から割り箸の先を使って、徐々に組織をほぐした。すっかりほぐれた組織をフロキシンで染めてみた。同じフロキシンで染めるとはいっても、切片をばらさずに切り出したままの状態(r)と比較すると、バラした状態だと担子器の全体像がよく分かる(q)。ほぐしてバラしてみないと、担子器の基部のクランプの有無などは分かりにくい。どうやら、担子器の基部にクランプはなさそうだ(o, p)。 |
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観察したら、ポイントだけをメモやスケッチとして記録して、きのこは直ちに乾燥標本にする処置をとるのがオーソドックスなやり方だ。採集データと採集番号だけで管理されていたきのこに、名前がつくかどうかは、この時点ではまだ分からない。観察メモと写真、スケッチなどを頼りに図鑑やモノグラフにあたれば、種名まで判明することもある。「名無し」のままのキノコが多い。
何気なく、ダラダラと単調で退屈な観察経過などを書た。種名の同定には、現地の環境や周辺の樹種、きのこの生え方、色や匂い、変色性などを考慮しなくてはならないことも多い。観察結果をどう解釈して、どんな文献にあたるべきかは重要だが面倒だ。乾燥標本は縮まって小さくなる。色や匂い、変色性などは、一般的には、形としては全く残らない。 |
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