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今日は早朝出発して福島県の土湯温泉に向かう。冷蔵庫をみると、まだ2種類のきのこが残っていた。さる26日に秩父地方で採取したもので、両者ともかなり痛みが激しく、虫がウジャウジャいる。直ちに捨てようと思ったが、出発前に検鏡してから処分することにした。
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上段のきのこはシロタマゴテングタケ(a〜e)。胞子はアミロイド(c)、ヒダ実質は散開型(d)、3%KOHによる呈色反応は変化なし。比較のため、KOHで急激に黄変するドクツルタケを並べた(f)。外見からは、ドクツルタケとシロタマゴテングタケを見分けるのは困難だが、現地でカサや柄に3%KOHをふりかけると、有力な同定の手助けになる。 下段のきのこはササクレヒトヨタケ(g〜k)。すでに5日経過しているので、成菌はみなドロドロに溶け、幼菌の一部がわずかに原型に近い姿を保っていた(h)。ヒトヨタケの仲間では、ヒダの構造やシスチジアを確認するには幼菌が不可欠だ。かろうじて残っていた幼菌を切り出して一部をフロキシンで染めた(i)。ヒダ実質は並列型、偽担子器ともシスチジアとも見られる構造が多数ある(j, k)。胞子は、2002年に撮影したものを再掲した(l)。 ありゃもうam3:00になる、深夜割引を利用するには、am4:00前に高速道路のインターを通過せねばならない。そろそろ出発だ。今日は吾妻連山など亜高山帯の湿地を目指し、夕方には土湯の宿舎に入る予定。帰宅するのは8月2〜4日の頃になりそうだ。 |
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コーヒー豆がなくなってきたので、昨日さいたま市見沼区にある馴染みの珈琲豆屋まで購入に行った。せっかく見沼まで出向いたこともあり、久しぶりに自然公園を歩いてみた。きのこの姿はほとんどない。ティッシュペーパが散乱しているかのような光景があった。 近づいてみると、ティッシュペーパーのように見えたものはオオシロカラカサタケの群生だった。小さな幼菌から大きな成菌まで一通りそろった状態で、多くの個体が群生していた(a〜c)。一年ぶりのオオシロカラカサだ(雑記2008.7.4、同2007.7.28)。 |
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柄の上部には可動性のツバがあり、ヒダは典型的な隔生(d)。傷つけると褐変した(e)。持ち帰って乾燥機にかけると、ヒダの暗緑色がさらに明瞭になった(f)。胞子には明瞭な発芽孔があり、偽アミロイド(g, h)。ヒダ実質は錯綜型(i)。側シスチジアはなく縁シスチジアは薄膜の洋梨型〜太い棍棒型(j, k)。カサ表皮はやや太めの菌糸が並列〜匍匐状に並ぶ(l)。 | |||||||||||||
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先日秩父美ノ山で採取したハイカグラテングタケを解剖した。カサの縁は何となく条線があるかのようにみえる。中央部の不規則な突起は特に大きい。ヒダは湾生のようだ。ヒダの縁には内被膜の表皮が付着している。持ち帰った時点で、ツバはすっかり落ちてしまっていた。 ヒダ実質は不明瞭な散開型。カサや柄の表皮を切り出すのはかなり無謀だ。カサ表皮や柄に触れると、灰色の粉が多数付着する。粉の正体は短い薄膜の菌糸だ。 |
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昨日は、到着したパソコンの構築にかなりの時間をとられた。手持ちのアプリケーションのいくつもがVistaに対応していないため、互換アプリやフリーソフトで代用したり、安価版を購入することになった。古いAdobe製品はほとんどが全滅だった。Illustratorは使うのをやめ、PhotoshopはElementを購入した。namazuの構築は、4年ぶりだったこともあって、少々戸惑った。
[全文検索システムについてのメモ] |
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先日採取したコタマゴテングタケ(上段)とテングツルタケ(下段)の胞子、担子器などを比較してみた。Amanita テングタケ属とはいっても、数多く知られているが、この両者は、胞子(b, b')や担子器(f, f')のサイズが際立って異なる。胞子のアミロイド反応も異なる(c, c')。
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何とかしてヒダ実質の散開型を捉えたいと思ったが、両者ともうまくいかなかった。何枚ものヒダを切り出してみたが、いずれもエアが多量に入ってしまったり、きれいな散開型を見せてくれる部分がなかった。個体の成長度と新鮮度で散開型の様子は異なってしまうので、こればかりはどうにもならないのかもしれない。 Frontierから注文していたパソコンが届いた。キーボード、マウス、ディスプレイは従来のものを流用する。最も安価なスリムタイプということもあって、増設・拡張などは一切できない。画像ファイルなどを納めたハードディスクは外付けUSBでの利用となる。アプリケーションの導入もうっとうしいが、Perlで書いたプログラム類の設定や、検索システムnamazuの構築が面倒だ。 |
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昨日の早朝、猛暑の秩父地方に出向いて、久しぶりに美ノ山やらミューズパークなどを歩いてきた。巨大なハイカグラテングタケに出会った(a, b)。手持ちの特大標本袋には入りきらず、大型のアルミホイールを継ぎ足して持ち帰ることになった。この日一番の出会いは、タマノリイグチだったが、残念ながら若い新鮮な個体には出会えなかった(c, d)。 よく見かけたのはニガイグチモドキ(e, f)、コテングタケモドキ、フクロツルタケ、シロタマゴテングタケ、ドクツルタケ、アオミドリタマゴテングタケ(i, j)、ミドリニガイグチ、アセタケ類だった。しかし、最も頻繁に出会ったきのこはシロホウライタケだった(g, h)。 |
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朝のうちに早めに引き上げたが、帰路の公園などでもコトヒラシロテングタケ(k)、ササクレヒトヨタケ(l)、ウツロイイグチなど、多くのきのこに出会うことができた。 後で知ったのだが、昨日は埼玉キノコ研究会による美ノ山観察会の日だったらしい。会の観察会開始時刻には、すでに帰路にあり、昼には自宅でビールを浴びていた。 |
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川越市や三芳町の雑木林では相変わらず、カサ表皮が暗緑色〜黄緑色ビロード状のイグチが出ている。たいていはミドリニガイグチかキアミアシイグチだ。属レベルで異なるキノコだが、ミドリニガイグチの柄に網目模様ができることも多く、管孔部の確認しないと間違えやすい。
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上段にミドリニガイグチ(a〜f)、下段にキアミアシイグチ(a'〜f')を配置してみた。両者とも胞子の形やサイズ(e, e')はよく似ている。カサ表皮の構造は異なるが(f, f')、見慣れないと違いがわかりにくい。確かに、カサ肉や柄の肉は黄色だが、孔口の色(c)と管孔の色(b, b', d)は決定的に違う。ミドリニガイグチの孔口や管孔は淡紅色だが、キアミアシイグチでは黄色である。 リンクページにすこし手を入れ、あらたに「兵庫のアセタケ」(大西誠司さん)を追加した。アセタケは好きなきのこだ。肉眼的に種の違いを捉えるのは難しいが、胞子やシスチジアの形態などミクロの姿は実に楽しい。おまけに、日常見かける種の多くが未報告種でもある。 |
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昨日採取したヤシャイグチを楽しんだ。カサ表皮や柄がヌルヌルしてとても扱いにくい。管孔の付き方は教科書的な湾生(a, b)。孔口部を拡大してみると、シスチジアのようなものが多数見える(c)。オニイグチ科のきのこの最大の特徴は胞子形状の多様性にある。 最初に、スライドグラスに採取した胞子紋を水で封入した(d)。先端が切頭状の独特の疣が、広紡錘形の胞子の表面を被っている。合焦位置を変えながら、KOH(e)、コットンブルー(f)、フロキシン水溶液(g)で封入してみた。 |
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念のために管孔部実質を切り出してみると、ヤマドリタケ亜型に近い散開型をしている(h)。フロキシンで染めてみてもいまひとつ鮮明にとらえきれなかった(i)。ヤシャイグチで興味深いのは隔壁を持った側シスチジアだ(j)。担子器もアドバルーン型をしている。一方、縁シスチジアはたいてい隔壁をもっていない(k)。カサ表皮はヌルヌルベトベトとしていて切り出しにくい(l)。 | |||||||||||||
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三芳町と川越の保護林を歩いてみて、きのこが豊富なのに驚いた。最もよく出ているのはここでもフクロツルタケだ。ミドリニガイグチ、キアミアシイグチ、ヤマドリタケモドキ、アワタケ、コゲチャイロガワリなどがまだ出ていた。狭山と違って、ツチカブリの仲間はほとんどない。
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ヤシャイグチ(a, b)、コタマゴテングタケ(c, d)、テングツルタケ(e, f)などの端正な姿は暑さを忘れさせてくれた。ナラタケモドキ(g, h)、ツエタケ(i)、チチタケ、クロチチダマシ、ウラベニガサ、ヒイロベニヒダタケ、ダイダイガサ、アセタケ類もよく見られた。一方、カビに侵された菌も多い。 立派なマンネンタケがいくつも出ていたが、雨のため柄が泥で汚れていた(j, k)。ムラサキヤマドリタケは多くが老菌となって倒れていたり、腐敗状態だった(l)。 きのこ狩りの人に出会った。狙いはヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリタケ、アカヤマドリの御三家で、今はまだ最盛期だとのことだった。食菌にきれいな個体や若い個体がほとんどなく訝しく思っていたが、その理由がわかった気がした。 |
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東京都の水源地のひとつ、多摩湖周辺の緑地をあるいてみた。先日とはうってかわって、きのこの姿は特定の限られたもの以外ほとんどなくなっている。見られたものといえば、シロハツ、シロハツモドキ、ツチカブリ、ケシロハツモドキ、フクロツルタケ、ツルタケ、キララタケ、ウラベニガサ属、など数え上げるほどしかなかった。 カビで白くなったアワタケ属、同じくカビにやられて半分白くなったチチタケには数ヶ所で出会った。圧倒的に多かったのはツチカブリと、フクロツルタケ。カメラの出番はなかった。現地を歩いた時間は45分間、往復80kmのドライブになってしまった。 |
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ブドウニガイグチを暗色にしたようなイグチが出ていた。カサの表面はビロード状、同色の柄には網目はない。孔口部は淡黄色〜淡紅色で、傷つけたり古くなると暗褐色になる。カットしてみると白色系の肉が現れ、わずかに赤変するが、変色性は弱い(c)。 胞子は予測に反して細長い(d)。管孔部の縁にも側にも、やや濃色のシスチジアがあり(e)、3%KOHで明褐色になる(f)。カサ表皮の菌糸は柵状(g)。管孔部を縦断面(h)と横断面(i)で切ってみた。管孔部実質はヤマドリタケ亜型に近い散開型。 |
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このイグチは、埼玉県南部の雑木林で例年梅雨の頃から夏場にかけて発生する。今年もまた、多量に発生した(a, b)。ありふれた大型菌ゆえ、きっと保育社図鑑や山渓図鑑に掲載されていて、すぐにでもわかるだろうと思っていた。これまで持ち帰ったこともなかった。とりあえず観察結果をもとに手元の図鑑にあたってみた。手元の複数の図鑑には該当する種名を見つけることができなかった。 注文したパソコンは7月27日に山口県の工場からの出荷になると連絡があった。到着は29日頃になるのだろうか。最低限必要なアプリケーションを導入して、namazuシステムなどを構築するにはやっかいな作業が必要だ。これらの作業は8月5日以降まで棚上げだ。 |
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メインパソコンが壊れてしまったので、一時的に非常用のWindows Vistaパソコンを使うことにした。これは超低スペックの安物なのでメイン機として使うのは無理だが、OpenOfficePortableを導入した。これで、WordやExcelのファイルを読むことができるようになった。 新たなメイン機として、FrontierのスリムパソコンFRAS3301 ASシリーズ(46,980円〜)を注文した。もはや高性能のパソコンを購入することはできないが、並のグラフィック表示ができて、普通に画像処理ができればよい。マウス、キーボード、スピーカは不要なので削除して、メモリだけ追加した。OSだけで余計なおまけソフト類は一切ついていない。 次期OSであるWindows7は、プレリリース版を使ってみた結果Vistaより遙かに軽快だった(雑記2009.1.16)。ハードウエアへの要求スペックもVistaより低い。今回注文したOSは「Windows7へのUpgrade権つきのWindowsVista」なので、Windows7が発売されるまではしばらく忍耐だ。 |
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