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チャムクエタケモドキのミクロの姿を覗いた。先日小さな数個体を持ち帰っていたが、胞子と縁シスチジアだけをチェックした後、そのまま放置してしまったので冷蔵庫の肥やしとなり、小さなウジ虫も発生していた(雑記2009.4.3)。捨てる前に撮影した。
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縁シスチジアはヒダ切片で確認してもなかなかわかりにくい。水やKOHで封入するとコントラストが弱く目が疲れる。グレースケールで保存するとフロキシンで染めたシスチジアは明瞭にとらえられる。水で封入したものをグレースケールで保存すると、輪郭部が不明瞭となる。 |
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菌学教育研究会による「菌類の多様性と分類 平成21年度前記講座」の案内葉書が届いた。それによると、講座日程は6月5日(金)〜7日(日)の3日間で、申込み締切は5月25日となっている。講座の概要は下記の通り(敬称略)。
詳細は平成21年度前期 菌類の多様性と分類 講座開催のご案内参照。 |
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今の時期、落ち葉の下をかき分けると鮮やかな黄色の微細なチャワンタケがたくさん出てくる。クモノスアカゲヒナチャワン Arachnopeziza aurelia だ。チャワンの径0.8〜1.8mmほどのものを7〜8個採集した(a, b)。2年ほど前の3月にも一度観察しているが(雑記2007.3.23)、久しぶりにまた、この小さな盤菌で遊んだ。比較的大きな径1.6mmほどのものを解剖した(c, d)。 |
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子実層の下には厚いゼラチン層がある。子実層を切り出して水で封入しても、コントラストが弱くて子嚢や側糸がわかりにくい(e)。メルツァー液で封入すると全体が黄色となってしまい、子嚢先端の様子がはっきりしない(f)。 そこで、さらに薄く切り出したものをKOHで軽くバラしてから水洗いして、改めてメルツァー液で封入した(g)。今度は子嚢先端の孔がきれいに青く染まっているのがよくわかる。さらに、側糸と子嚢ひとつ(h)、子嚢ひとつだけ(i)などを作って遊んだ。胞子には隔壁がある。フロキシンで染めるとコントラストがはっきりして見やすくなった(j)。 チャワンの外側に生えた濃黄色の毛は、均一な径の細い菌糸からなっている(k, l)。この菌糸は基部近くで隔壁があって、下部は透明な細胞からなっている。 |
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栃木県の前日光連山の林道を走ってきた。目的はニワトコとキブシの髄、切片作成のためのピスだ。穏やかで暖かい一日だった。標高1,300〜1,500mあたりでは、早朝の気温はまだ零度〜4度くらいだったが、昼過ぎには10度以上にもなった。遠くはやや春霞がかかり、山のスカイラインなどはややぼやけていたが、男体山や日光白根山が望遠できた。
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市販の天然ピスは20cm長のもの4〜5本で800〜1,200円ほどする(雑記2008.9.10)。これを購入していてはとんでもない経費がかかるので、例年ハイキングを兼ねてピス採りを行ってきた。キブシは春に特徴的な花穂をつけるので、遠目にもすぐわかる。そこで、林道を走りながら手頃なキブシを見つけると、20cm前後に切り出して、七つ道具を使って髄を抜き出す。 久しぶりの前日光連山を走ってみて驚いた。かつて悪路の細い林道だった道がすっかり舗装されていたり、あちこちにあった小湿地が道路建設で分断され草原化していたことだ。かつての小湿地には極くわずかに何種類かのミズゴケが残っていた。 |
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首都圏ではトガリアミガサタケがそろそろ終わりになるようだ。昨日都内小金井の神社では、ずっしりと重くて大きな個体が数十個みられた。大形のどら焼きを遙かに上回る大きさのものもあった。袋も道具も持っていなかったので、柄の基部が折れてしまった。 |
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トガリアミガサタケが終わりを告げると、アミガサタケやオオズキンカブリタケ、キツネノヤリタケの季節だ。低地ではヒロメノトガリアミガサタケも出始める。いよいよ大形盤菌のシーズン本番のようだ。立ち枯れや落枝からはタマチョレイタケなども出始めるだろう。 | |||
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先日千葉県で採集したマユハキタケの胞子を覗いて楽しんだ。エタノール(a)、3%KOH(b)、メルツァー試薬(c)、蒸留水(d)で封入した。水で封入すると、いわゆるダマダマ状態になってしまい、なかなかきれいな姿を見ることが難しい。小さな類球形の胞子をみるときは、エタノールかKOHで封入するとうまくいくことが多い。ヒメツチグリ、ケシボウズ、ホコリタケなどがこれに該当する。 |
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今回は千個体以上でていた中から、5〜6個体を採集した。未成熟なものやアナモルフ状態の個体などを選んで採集したつもりだった。しかし、結果はすべてテレオモルフ状態のものばかりだった。さんざん探したしたが、分生子柄(e)や子嚢(f)を見つけることはできなかった。 分生子柄の画像は2004年12月に採集した標本、子嚢の画像は2006年6月に採集した標本を引っ張り出してきて撮影した。これらはフロキシン(e)とKOH(e)で封入した。 |
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千鳥ヶ淵で花見をしてきた。例年ボートに乗って湖面から桜を見るのが習わしとなっている(雑記2005.4.7)。これまで、天候と曜日によっては、湖上に出るまでに三時間待ちもあった。昨日は数分待ち、タイミングがよかった。年によってはボート上から斜面にアミガサタケを見ることができた。今年はまだアミガサタケはでていない。桜も五分〜七分先といったところか。風もなく穏やかで気温がやたらに高かったから、土日には満開となるんだろうなぁ。
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遊歩道を歩いてみる桜(a, b)もよいが、湖面からの桜はとりわけ味わいがある。ふだんみられない角度から首都高速の橋脚を眺めるのも面白い。この時期隣接する武道館では大学の入学式がある。この日も式終了時刻とかち合ってしまい、靖国通りは芋を洗うような混雑となっていた。 | |||||||
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埼玉県南部でもようやくキツネノワンが出始めた。ヨモギ近くに出ていたチャムクエタケモドキの直ぐ脇の落ち葉をどけると、キツネノワンの幼菌が顔を覗かせた。周囲をよく見ると多数見つかったが、いずれもまだ未熟の小さなものばかり。視線を上にうつしても、桑の木はまだ新芽すらでていない。近くの神社を覗いてみたが、アミガサタケは全く見られなかった。 |
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今月25日に玉川大学で行われる日本菌学会関東支部の年次大会・講演会のあとのオークションで興味深いものが出品される。関西のAさんからの提供だが、以下のようなものがある。・ウェブスター菌類概論 / ジョン・ウェブスター 著話題提供講演 −「種問題を考える」− も興味深いが、オークションがさらに楽しみだ。 |
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先日採集したカシタケを捨てる前に検鏡した。大部分は食用に回してしまったので、残っていたのは崩れたり虫が多量に発生したもの数個体だけだった。 |
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全体にヒダはかなり崩れていたが、とりあえず薄片を切り出した。水道水で封入した後(b)、フロキシンで染めて(c)、縁シスチジア、側シスチジアなどを確認したのち(d, e)、KOHを加えて押しつぶした。バラしてから、シスチジア(f)、担子器(h)などをチェックし、カサ上表皮をみた(g)。カシタケのミクロの姿をみたのは、久しぶりのことだった(雑記2007.3.16)。 | |||||||||||
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公園の隅の荒れ地に非常に脆いナヨタケ属のきのこが出ていた(a)。乾燥すると白褐色となり、条線が消える。カサ裏をよくみると、親ヒダ〜曾孫ヒダまである(b)。胞子紋は暗褐色(c)。胞子を水道水(d)、濃硫酸(e)、KOH(f)で封入してみた。発芽孔がある。縁シスチジアは嚢状のものとフラスコ状のものがある(i)。側シスチジアはほとんどがフラスコ状だ(j)。カサ上表皮層は細胞状とでもいうのだろうか(l)。どうやらコナヨタケらしい。
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縁シスチジアと側シスチジアを確認するだけなら、わざわざヒダ切片を切り出すまでもなく、楽に確認することができる。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて(g)、ヒダの縁を幅1mmほどに切り離して(h-I)、さらにヒダの中程から2〜3mm四方切り離す(h-II)。 この二つの片(h-I, h-II)を一枚のスライドグラスの左右にのせて、それぞれにカバーグラスをかける。これをKOHで封入して、それぞれカバーグラスの上から軽く押しつぶす。二枚のスライドグラスに別々に分けてもよいが、一度に両者を見た方が比較しやすいし、後で洗うスライドグラスの枚数も減らすことができる。ヒダの縁(h-I)にシスチジアがあれば、それは縁シスチジア。縁なしのヒダ片(h-II)にシスチジアがあれば、それは側シスチジアということになる。 水で封入してもよいが、押しつぶすときにシスチジアなどが潰れたり崩れてしまいがちだ。KOHならその心配は少ない(雑記2008.2.9)。さらにフロキシンを加えると見やすくなる。どうせなら、フロキシン入りのKOHをひとつ用意しておくと楽だ。短時間に多くのきのこを観察する場合にはたいていこの方法でやっている。 |
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