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メインパソコンがついに起動しなくなってしまった。電源を入れると灯りはつくが、ディスプレイには「Entiring Power Save」と出るばかりで、BIOS画面すら現れなくなってしまった。キーボードをたたいてもマウスを動かしてもいっこうに変化の兆しはない。 今月9日以降代替機として使っているVistaパソコンには標準的なアプリケーションや常用プログラムが入っていない。入っているのはブラウザ(IE)、エディタ、FTPソフト、メールソフトだけ。メールにWordやExcelの添付書類がついていればもう開けない。 この間、メインパソコン(Windows XP)復活のための作業を試みてきた。電源を入れればBIOS画面が現れ、引き続いてWindowsが立ち上がっていたのだが、昨日朝からは上記の症状が現れ手の施しようがなくなってしまった。BIOSが壊れてしまったのかもしれない。 昨日までは、受け取ったメールに添付書類がついていれば、USBメモリー経由で古いメインパソコンにコピーして添付書類を開いていたのだが、それもできなくなってしまった。28日までにプレゼンテーションファイルを作らねばならないが、とりあえずOpenOfficeのImpressで作成して乗り切るしかないだろう。新規購入しかないが、XPへのダウングレード権付きパソコンは制約が多い。しかしWindows7が出る10月までは待てない。どうしたものか。あ〜ぁ、気が重い。 |
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先日採取したコゲチャイロガワリ(a〜c)がかなり傷み始めている(雑記2009.7.16)。管孔部の周辺には多数のウジ虫が這い回り、カサ肉はすでにブヨブヨだ。急いで乾燥してしまわないと完全に腐敗する。幸い胞子紋だけは当日とっておいたので、胞子はすぐにみられた(d)。 比較的傷みの少ない個体を選んで、管孔部をばらして遊ぶことにした。孔口部は隣どおりつながっているが(e)、管孔の内部ではバラバラのパイプを整列させたような構造となっている(f)。これらのパイプは簡単に一本ずつにバラすことができる(g)。 |
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まずこのパイプ(管孔)を横断面で切ってみた(h)。倍率を上げてみると、輪の内側に小さなシスチジア見えた。次いで縦断面で切って管孔部実質をみた(i)。菌糸は、ごくごくわずかに開き気味だが、ほとんど平行に走っている。カサ表皮(j)、シスチジア(k)、担子器(l)などを確認した後、急いで乾燥器にかけた。作業を終えたテーブルの上には無数のウジ虫がうようよしていた。 昨日歯医者で激しい痛みの原因となっていた歯を抜いた。麻酔が効きにくく、今朝になっても出血がなかなかとまらない。痛みは沈静化してきたが、いまだ辛い状態が続いている。ついに耐えきれずに鎮痛剤を飲んだ。薬を口にしたのは何十年ぶりだろう。 |
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保育社図鑑の検索表(II, p.275)では、オニイグチの仲間を胞子表面の模様でまず二分する。胞子のサイズはここでは保留する。完全な網目模様があればオニイグチとし、そうでなければ初めて肉眼的所見であるカサ表面の状態で二つに分かれる。 図鑑によれば、「カサの表面はやや堅い、角状〜とげ状の直立した鱗片でおおわれれ」ばオニイグチモドキとし、一方、「カサの表面は綿毛状でしばしば浅くひび割れ、ときに圧着した綿毛状の小鱗片をもつが著しく鱗片状とはならな」ければコオニイグチとしている。 |
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上記結果に胞子サイズを加味してこの検索表を使えば、楽に3種のどれかに決着がつきそうに思える。しかし、現実にはそう単純にはいかないようだ。過去に何度もこの仲間を採集しているが、外見的所見と胞子表面模様の組み合わせにはいつも戸惑うばかりだ。 画像は、上段に一昨日採取したオニイグチ(a〜c)と過去に採取したオニイグチ(d〜f)を配置した。下段左側にオニイグチモドキ(a'〜c')、右側にコオニイグチ(a''〜c'')を配置した。胞子画像は異なる検鏡・撮影システムを用いているので、単純に大きさを比較することはできない。 ここに掲げたのは過去のデータのうちのほんの一部であるが、どうやら国内でみられるオニイグチの家族は、単純に3種に分けられるほど単純ではなさそうだ。 ここ1週間ほど歯の痛みがすさまじい。今日は予定していた外出を中止して歯医者にかかることにした。それにしても集中力が極度に衰える上に、夜眠れないのがやりきれない。昨夜は一晩中 mink のTogether Again やら Innocent Blue などを聞きながら痛みを忘れようとしていた。 |
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昨日採取したアイタケを覗いてみた(a, b)。ベニタケ属といえば呈色反応が重視される。カサの一部を削り取って3種の試薬をふりかけた。グアヤクはたいていすぐに反応するが、硫酸第一鉄やフェノールは反応が出るまでに一定の時間が必要らしい(c, d)。 昨夜のうちにカサの断片をカバーグラスに乗せて胞子紋をとった。今朝になるとカサ表面がすっかりカビに覆われて白くなっていた。猛暑の時期はベニタケ類も以外と腐敗が速い。 |
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胞子をみてから(e)、ヒダを一枚切り出した(f)。何度か切り出してみたが、縁シスチジアははっきりと確認できなかった。ヒダの側には多数のシスチジアがみえた(g, h)。カサ表皮を切り出してみると、いわゆるアイタケ型を確認できる。水だけだとコントラストが弱くて目が疲れる(i)。フロキシンで染めると明瞭にとらえられた(j, k)。担子器もフロキシンで染めると計測が楽だ(l)。 | |||||||||||||
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早朝埼玉県南部の雑木林を歩くと、いたるところで多くの種類のイグチの大量発生が続いていた。イグチ類は特に腐敗が速いので、採取はごく少数に押さえた。下記の画像は、管孔部・変色性・胞子などが異なるので、おそらくそれぞれ別のイグチだろう。連日の猛暑のため発生しても傷みが早く、採取から数時間も経過すれば、たちまち腐敗したりカビにやられてしまう。
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テングタケ属とベニタケ属、チチタケ属も相変わらず多数発生している。持ち帰っても時間的に観察は不可能なので、クロチチダマシとアイタケだけを採取した。それぞれのきのこは、一部を胞子紋採取用に切り出して、直ちに乾燥機にかけた。観察は乾燥標本からだ。 |
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都下の自然公園で、コナラの樹幹基部に塊状になって群生する黄金色のきのこに出会った。大小2塊あり、いずれも菌核のような塊の表面から多数のきのこが出ている(a〜d)。各々のきのこはまだ幼菌らしく、最も大きなもので柄の長さ4cm(g)、大部分のきのこは高さ5〜15mmほどしかない。強い薬品臭を放っていた。小さい方の塊を縦断してみた(e, f)。
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幼菌を縦に切ってみると、小さなヒダがあった(h, i)。このヒダを1枚取り外してスライドグラスに寝かせて縁をみると、多数の縁シスチジアがみられた(j)。ヒダを押しつぶしてばらしてみた。担子器などはまだ全くできていない。縁シスチジアらしきものはわかるが、頭部の丸みが皆一様に目立たない(k)。ヒダ実質・傘肉・柄はもちろん、菌核状部分にもクランプがある(l)。 何とも奇妙な姿のきのこだ。しいていえばニオイオオタマシメジを連想させるが、臭いが全く異なるうえに、幼時の姿や菌核の切断面の様子はちょっと違う(雑記2008.11.15)。本来なら、この状態からどのようなきのこに成長するのかを数日見守りたいところだが、過去の苦い経験と反省から、採取したものだ。いったいこれは何だろうか。 |
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久しぶりにトップページに少し手を入れた。といってもちょっと見た目にはまったく気づかない変更だ。「こけ雑記」へのリンクをはずして、そこに「指名手配のきのこ」へのリンクを設置した。「お知らせ」には、日本菌学会関東支部観察会と、日本菌学会安比高原フォーレへの案内を掲載した。できればこれらに参加して見識と交流を深めたいものだ。
ここ数日の猛暑と少雨のためか、川越市や狭山湖畔の緑地は1週間前とは大違い。きのこの数が圧倒的に少なくなった。しかし、アワタケ、キッコウアワタケ、ミドリニガイグチ、クリイロイグチ(a)、チチタケ(b)、コオニイグチ(c)、フクロツルタケ(d)、ツルタケ(e)、テングタケダマシ(f)、テングタケ、ベニタケ類(7〜8種)、アセタケ類(4〜5種)は多数みられる。
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今朝は、やや食傷気味のきのこであるアワタケ、キッコウアワタケ、ミドリニガイグチ、ベニタケ類、多くのテングタケ類は撮影も採取もしなかった。ムラサキヤマドリタケやヤマドリタケモドキもあったが、程度のよい個体はほとんどなかった。 | |||||||
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ミズゴケから出ていた小さなきのこを覗いた(a, b)。採取したのは3個体。傘径は1.5〜2.5mm、傘表面はゼラチン質で、ヒダは垂生(c〜e)。ヒダ実質はやや錯綜気味の並列型(f)。あまりにも小さいので、解剖作業はすべて実体鏡の下で行った。やっかいなことに、観察のためきのこを机上に置いたところ、10分ほどでたちまち乾燥して小さな球状になってしまった。
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胞子は片側が尖った卵型〜楕円形で(g)、弱いアミロイド(h)。ヒダを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみると、シスチジアらしきものがある(i)。フロキシンを加えて、水道水を3%KOHで置き換えると、シスチジアが明瞭になった(j, k)。傘表皮にはクランプを持った茶色の菌糸が錯綜する。ヒダの縁シスチジアと似た形の傘シスチジアがある(l)。クヌギタケ属 Mycena のようだ。 切り刻んだり机上に置いた2個体はボロボロになってしまった。最も小さな一個体だけがフィルムケースの中で、きのこの形を保っていた。乾燥標本にしたら虫ピンの先くらいの大きさになってしまう。標本として残すのはやめて、ホストのミズゴケだけ残して廃棄した。 |
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北海道大学大学院 農学院 環境資源学専攻 北原涼子さんが、ヤマドリタケ節のきのこを求めています。詳細は「指名手配のきのこ」を参照してください。是非ともご協力をお願いします。
栃木県の山にミズゴケを求めて入った。地図にもないほど小さな湿原を主体に歩き回った。探せば長径十数メートルにも満たない名もなき小さな湿原がいくつもある。そこにはミズゴケやモウセンゴケをはじめ、多くの湿性植物が生え(k)、モリアオガエルが棲んでいた。 複数種のミズゴケから、傘径3cmに及ぶミズゴケタケが多数発生していた(a〜d)。ミズゴケタケの胞子には微細な疣がある(e, f)。胞子はメルツァー試薬で赤褐色に染まる(f)。一方そっくりな姿のミズゴケタケモドキの胞子は平滑である。 |
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ミズゴケタケの他にも、微少な白色系きのこ(g)、柄の捻れたイッポンシメジ属(h)、柄が暗紫色のイッポンシメジ属(i)、キミズゴケノハナ(j)をはじめ、他にも数種類のきのこがミズゴケの中から出ていた。目を上げるとモリアオガエルの卵塊があちこちにあった。 | |||||||||||||
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埼玉県南部の雑木林を歩いた。連日の雨と急激な気温上昇が引き金になったのだろうか。右を見ても左をみても、どこもかしこもきのこだらけだった。持ち帰ったきのこの中に、黄色いアセタケがあった。保育社図鑑によれば、典型的なキイロアセタケらしい。 採取した2個体のうちひとつは釣り鐘型の幼菌だった。傘を開いた成菌は胞子紋がみな塊上になって少しだけしか落ちなかった。胞子にはこぶだらけだ(c)。シスチジアは縁も側も同じような形で、上半は厚壁でクリスタル状の結晶を帯びている。 |
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WindowsVista パソコンは鈍重ですべてに遅い。それまでの XP パソコンと比較して、その差を露骨に感じる。以前の XP パソコンも安物だったが、Vista パソコンも安価な下位機種だ。しかし、搭載メモリは以前の2倍、CPUは先のPCよりずっと高性能。にも関わらず、同じ処理をしたとき、処理速度の差は歴然としている。「牛の歩み」に慣れるまでが辛い。 | |||||||
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