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今am2:00、これから3日間友人等5名でキノコとコケの観察に会津に向けて出発だ。マスコミによればゴールデンウイークに匹敵する道路渋滞が予測されているという。渋滞がひどければ高速道路はさっさと降りて、一般道をひらすら北上だ。明日・明後日の雑記はお休み。
9月18日の雑記にイグチ類として掲載したチチアワタケは冷蔵庫に保管してあった。もはや乾燥器にかけている時間はない。腐敗しても困るので、出発前にサッと観察しておくことにした。 |
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縁シスチジアは無数にあるが、側シスチジアは全くみあたらなかった。担子器の70%ほどは四胞子性だが、30%ほどは二胞子性だった。カサ表皮の細胞は典型的な粘液質を帯びたものだ。 |
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ツノシメジの角の部分をじっくりとみた。カサ表皮の当該部分は、表皮を摘み上げたような形をしている(b)。絞り染めのようだ。角を構成している菌糸を、倍率を上げながら見ていった(c〜e)。細長い風船のような姿で、随所にクランプが見られる(f)。
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採集した個体は傷み始めていたが、胞子紋はよく落ちた。胞子は薄膜でアミロイド(g)。ヒダの先端はボロボロにくずれ、縁シスチジア形などはよくわからなかった。ヒダをスライドグラスに寝かせて縁をみてもよくわからない(h)。ヒダ切片の切り出しもうまくいかなかった(i)。ヒダ実質は並列型で、ここにもクランプがある(j)。担子器(k)とカサ表皮(l)(雑記2005.8.22)。 | |||||||||||||
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今日は安比高原フォーレ(日本菌学会菌類採集会)の申込締切日。参加するつもりで申し込みを忘れている方は、今日のうちにメールで担当者に連絡されたい。
東京都東大和市に位置する多摩湖近くの自然公園、埼玉県川越市にある自然保護林を歩いてみた。地面はカラカラに乾燥し、倒木や落枝もまるで水気を感じられなかった。もちろん、きのこの姿はほとんどない。9月11日の時点と変わっていない(雑記2009.9.11)。
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出会ったきのこといえば、イグチ類が1種(a〜c)、ニガクリタケ(d〜f)、白色のアセタケなどごくわずかだった。それにしても、ニガクリタケの逞しさには驚嘆した。大小いろいろな株があちこちに見られた。カサ径8cmを超えるものがあちこちに束生していた(e)。 | |||||||
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日光で久しぶりに出会ったヒメスギタケを覗いて遊んだ(a〜c)。昨年も捨てられたシイタケほだ木などでさんざん探したが出会えなかった。ちょうど二年ぶりの出会いだった(雑記2007.9.29)。このきのこ、よくみるとツノシメジを小さくして柄を細く長くしたような姿をしている。しかし、まるで別属のきのこゆえ、ミクロの姿は全く異なっている。
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胞子は壁が厚くて、ちょっと見た目には発芽孔があっても不思議はない。しかし、よくみるとどこにも発芽孔は見られない(d)。ひだを一枚スライドグラスに寝かせて縁をみると束になった縁シスチジアが多数みられる(e)。ひだ横断面を見ると先端はボソボソしている(f)。フロキシンを加えるとシスチジアの束が明瞭になった(g, h)。 ヒダ実質は並行型(i)。カサ表皮は球形の細胞列が柵状に並ぶ(j)。柄の表面にはキュウリ形の細胞が柄シスチジアを構成している。ヒダ実質にもカサ肉にも柄(l)にも、クランプがみられる。 |
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昨日日光を歩いたが、目的のはきのこは見つからなかった。夏のキノコであるツノシメジがまだ出ていた(a, b)。ホシアンズタケは相変わらずよく出ているようだ。わざわざ探したのではなく、たまたま径脇でみかけたものを撮影した(c, d)。タモギタケも発生時期が長い(e)。
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どこに行っても見られたのが、スギタケ、スギタケモドキ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ナラタケ、クヌギタケ、チシオタケ、アシナガタケなどだった。これらはやや乾燥気味だったが、十数ヶ所で大きな株にであった(f)。ツキヨタケが、ブナではなくミズナラから出ていた。 今日は日本菌学会関東支部(菌類教育研究会共催)の第23回菌類観察会の申込締切日。忘れていた方は、メールで申し込めばよいだろう。 |
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このところ近場にきのこはない。そこで、先月妙高高原の岩壁で採取したコケを観察しようと、チャック付きポリ袋からコケを取り出した。1種類を採取したつもりだったが、3〜4種類が混成していた(a〜d)。分別していると、茶褐色のゼラチン質の円盤が十数個見つかった(e)。まるでコケの器官のようについていた。椀の径2〜3mm、どうみてもチャワンタケの仲間だ。 |
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コケの同定を済まして、毛の生えた円盤を検鏡してみた。チャワンタケの仲間で(f)、托外皮には剛毛がある(i)。子実層には子嚢と側糸があり(g)、子嚢先端は非アミロイド(h)。 菌類は、コケ植物とはグロムス菌が菌根を作り、一部のコケとは子嚢菌とエリコイド型菌根を作るという。もしやと思って、盤菌の偽根が伸びていた付近に位置するコケの仮根や茎を手当たり次第に検鏡してみた。しかし、とぐろを巻いたような菌糸は、3種のコケのどこにも見られなかった。となると、この盤菌はコケ植物を分解する子嚢菌なのだろうか。 |
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日本菌学会関東支部(菌類教育研究会共催)の第23回菌類観察会は今週水曜日9月16日が申込締切日、日本菌学会(同東北支部・菌類懇話会共催)の菌類観察会(安比高原フォーレ)の申込締切は今週金曜日9月18日となっている。
菌学教育研究会の後期講座の案内も公表された。安藤さん、西原さん、吹春さんと個性豊かで造詣の深い方々が講師となっている。興味深い話がきけそうだ。
今週末から10月半までは忙しい。20日から22日は南会津できのこ・こけの観察。26日は菌懇会例会、27日は千葉菌類談話会の例会。10月に入ると、3〜4日に日本菌学会関東支部の観察会、10〜12日は日本菌学会の安比高原フォーラムに参加し、13〜18日は東北地方できのこ・こけの観察。22〜24日は菅平で日本菌学会関東支部のワークショップ。10月は他にもいろいろと予定が入っている。来週からは「きのこ雑記」もお休みが続きそうだ。 |
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きのこでは、種の同定にあたって、色・臭い・変色性といった標本に残らない形質が伝統的に重視されてきた。乾燥標本と生きのこを比べてみても同一種か否かはよくわからない。そこで生の時の観察が重要となる。しかも柔らかいきのこは傷みも早い。 きのこが一斉に発生する時期はとにかく忙しい。持ち帰ったきのこが傷まないうちに、胞子紋をとり、いったん冷蔵庫に放り込む。生の時にしかわからない要素を記録・検鏡したら、直ちに乾燥器にかける。後日乾燥標本を検鏡して観察記録を補充する。 ところが、記述したり検鏡写真を撮影する作業は結構時間を食う。ふるに一日使える時でさえ、処理できるきのこは、せいぜい3〜4種類が限度となる。暑い時期だと、冷蔵庫に入れておいても数日しか持たない。多くのきのこを廃棄処分にしてきた。 このところ、ありがたいことに(?)きのこの姿がほとんどない。1〜2ヶ月前に採集したコケ標本をじっくりと観察できることになった。つかの間の息抜きだ。 |
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遊歩道を歩いていると径脇にキツネタケ属のきのこが出ていた(a〜c)。すぐ近くには干からびたザラミノヒトヨタケやアカヒダワカフサタケらしいきのこもある。そのあたりだけコケも黄褐色に変色して元気がない。多くの人がこの場所で立ち小便をした証だろう。
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キツネタケ属菌の根元には白紫色の菌糸がまとわりついていた。その場ではあまり考えずに撮影したので、菌糸の様子や色がうまく表現されていない。胞子は非アミロイドで、ヒダにはシスチジアなどはない。ヒダ実質は並列形で、ヒダにもカサ肉にも、カサ表皮にも到る処にクランプが見られる。担子器の基部にはクランプのあるものとないものがあった。 | |||||||||||||
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朝、代車のサニーで近場の自然公園に行ってみた。地肌はすっかり乾燥していて、きのこの姿は全くなかった。せめて一雨こない限り、関東地方でのきのこの発生は望めないかもしれない。それにしてもオートマ車はやはりかったるい。 先月分からたまっているミズゴケ類の観察や、積ん読状態でどこに何があるのかも分からなくなっている別刷り類などを整理するにはちょうどよい時期かもしれない。まずは、百円ショップに出向いてフォルダー類を購入してこなくてはならない。 夜になって愛車が整備から戻ってきた。後輪のボールベアリングが破損していたのが轟音の原因だったという。マフラーはとりあえず無事だったが、今後はいろいろな部位から次々とトラブルが生じることになるだろう。余計な経費がかからないことを望むばかりだ。 |
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